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X 9303-1 : 2006 (ISO/IEC 11581-1:2000)
ディレクトリを表すように比ゆ(喩)的であるし,例えば,プリンタのグラフィックを用いて
プリンタを表すように直接的である。
4.13 開く (open) オブジェクトのビューを表示して,その内容にアクセスできるようにする動作。
4.14 ポインタアイコン (pointer icon) 物理的な入力装置に,論理的に結びついているアイコン。使用者
は,他の画面構成要素と対話するためにこれを操作する。
4.15 認識性 (recognisability) 同じ又は類似したアイコンによる以前の経験に基づいて,アイコンを識別
できる容易さ。
4.16 感受領域 (sensitive region) 使用者入力に応答するアイコンの領域。
4.17 状態標識 (status indicator) コンピュータシステムの機能又はコンピュータシステムダイアログの現
在の状態を表示するアイコン。
4.18 ツールアイコン (tool icon) アイコンの一種。選択するとポインタアイコンの機能及び形状が変わり,
そのアイコングラフィックの体現しているツールに関連した作業が行えるようになる。
5. 概念的枠組み
この規格に適合するアイコンは,この箇条での規定に従い,図2の枠組み,及び図3
の表で示すように,使用者がアイコンのグラフィックをその機能に関連付けできるものでなければならな
い。この枠組みは,アイコングラフィックをどのように開発すれば,使用者が実装するアイコンをその意
図したとおりに解釈してくれるようになるか,すなわち,そのアイコンに関連付けられた機能を表す解釈
が得られるようになるのかを示している。
備考 適合しないアイコンの一例として,“実行 (excute)”機能にギロチンのグラフィックを使ったも
のがある。このアイコンは,英単語の両義性(死刑,実行)に依存していて,コンピュータシ
ステムの文脈で使われている“実行”の意味はもっていない。
5.1 比ゆ(喩)
アイコンは,比ゆ(喩)的な環境(例えば,デスクトップ)において,機能とオブジ
ェクトとの視覚的な関連を提供する。この環境は,表示される図的シンボルと,それが示している機能と
の概念的な関連を提供する。
5.2 機能
アイコンが表現しているそのコンピュータシステムの能力。アイコンは他にも属性があり,
振舞いもその一つである。この振舞いとは,使用者との対話の効果であることもあり,コンピュータシス
テムの状態の変化を表すこともある。
5.3 抽象化
機能を概念的に表現すること。表現に当たっては,その機能を提供できるオブジェクトの
一般的なクラスを,その視点として用いることをいう。
5.4 総称オブジェクト
その機能を実行することができる特定のクラスのオブジェクト。
5.5 具体例
総称オブジェクトの一つの実現形であり,比ゆ(喩)的な環境での特定のオブジェクトに
対応する。
5.6 基本単位
具体例の概念的な部品をいい,グラフィック要素を描くのにも用いられる。
5.7 グラフィック要素
アイコンを構成するのに必要な基本単位を目に見える形で表現したもの。
5.8 グラフィック
意図したアイコンとなるシンボルの図的表現をいい,グラフィック要素から作られ
る。
5.9 表示されたアイコン
アイコンは,設計者の意図に沿い,かつ,コンピュータシステム技術が許容
する形式で,画面上に表示される。コンピュータシステムに実装されると,アイコンとの相互のやり取り
を通して,そのアイコンの関連した機能が使用できるようになる。
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機能
利用者が認識する
例 : 印刷機能
オブジェクト
表示されたアイコン 抽象化
比ゆ(喩)の実装
例 :
例 : 印刷するもの
比ゆ(喩)
例 : オフィス
の机上
グラフィック 総称オブジェクト
例 : 例 : パーソナルコン
ピュータ用プリ
ンタ
グラフィック要素 基本単位 具体例
例 :
例 : プリンタ本体 例 : インクジェット
プリンタ用紙 プリンタ
図 2 アイコンの指定に用いる枠組み
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例1 例2 例3
5.2 機能
印刷機能 選択 グラフィックの塗りつぶし
ある領域を色,又は模様で
5.3 抽象化
印刷するもの ポインティングの手段
塗りつぶす道具
パーソナルコンピュータ用
5.4 総称オブジェクト
矢印 はけ
プリンタ
外形線で描かれた一方向矢
5.5 具体例
インクジェットプリンタ 家屋塗装用はけ
印
5.6 基本単位
プリンタ本体,印刷用紙 矢印の矢頭 取っ手,塗る部分
正方形及びそれに接続され
た縦長の長方形。正方形は
長方形及びそれに直角に配
溝の付いた長方形の箱及び
5.7 グラフィック要素
水平に分割されており,そ
文書 置された三角形
の下半分は単色で塗られて
いる。
5.8 グラフィック
5.9 表示されたアイコン
図 3 概念的枠組みの構成要素の例
6. アイコンに対する要求事項及び推奨事項
アイコンは,それぞれの機能に関連した個々のグラフィッ
クとして見るだけではなく,アイコンが使われている文脈も同様に考慮することが大切である。この規格
では,アイコンに対する要求事項を,コンピュータ画面上の他の要素,アイコンの集合及びこれらのシン
ボル間での一貫性との関連において規定する。
6.1 要求事項
6.1.1 コンピュータシステムのある状態,又はモードを表示しているアイコンの外観が,別の状態又はモ
ードを表示している外観と明確に識別できなければならない。
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6.1.2 アイコンは,意図された環境において,その状態又はモードの変化によって,外観がどのように変
化しても,分かりやすく,かつ,識別可能でなければならない。
6.1.3 すべてのアイコンは,JIS Z 8513:1994の4.及び5.に適合していなければならない。
6.1.4 アイコンを,他のアイコンの感受領域を活性化させないようにして別のアイコン上に重ねる場合は,
重ねたアイコンの感受領域が,常に他のアイコンの最上位に位置するようにしなければならない。
6.1.5 アイコンを使った対話操作では,使用者の了解なしに使用者のデータが破壊されることがあっては
ならない。
6.1.6 アイコンは,それが表現している機能要素が色である場合を除き,アイコン同士を区別する唯一の
情報要素として色を用いてはならない。
6.1.7 アイコングラフィックを他のアイコンの要素部品として用いるとき,その部品がもつ意味はそれを
用いるすべての場合に一貫していなければならない。これを図4に示す。
図 4 要素部品として用いられているアイコンの例
6.1.8 より特定の機能を示すために,グラフィックをアイコンに追加して含めてもよいが,結果のアイコ
ンは,識別可能でなければならない。これを図5に示す。
図 5 組み込まれたグラフィックの例
6.2 推奨事項
6.2.1 この規格への適合を求めるアイコン群は,互いの外観が一貫していることが望ましい。これは,一
連のアイコンを類似した図形様式(例えば,同程度の写実性)で表示すべきことを意味する。
6.2.2 アイコンを異なる表示装置上の異なるサイズで表示するときは,アイコンの分かりやすさ及び識別
性を保ち,主な要素部品を保持できるように考慮して,アイコンを設計することが望ましい。
6.2.3 アイコンが縦横比の異なるさまざまな表示装置で用いられる場合は,アイコンの外観が意図したグ
ラフィックにできるだけ似るように考慮して,アイコンを設計することが望ましい。
6.2.4 すべてのアイコンは,分かりやすくしなければならない。一見して分かりやすさが利用要件になっ
ていない場合も,アイコンは,記憶しやすく,識別可能であることが望ましい。
6.2.5 アイコンに関連し,使用者が変更可能なラベルの相対位置は,どのような環境の中でも,又は一緒
に使用されることを意図して設計された複数の環境の中でも,一貫していることが望ましい。
6.2.6 アニメーションを用いた場合でも,アイコンの分かりやすさ及び認識性が低下しないことが望まし
い。点滅の頻度については,JIS Z 8513:1994の5.に規定されている。
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6.3 包括的変形
アイコンの主要な知覚的特性を保ったまま,アイコンに特定の設計様式,又は特定の
システム技術を適応させるために,6.3.16.3.5に規定する包括的変形を適用してもよい。
6.3.1 線の属性についての包括的変形は,種別,幅,端点,接続,パターン及び色とする。幾つかの例を
図6に示す。
図 6 線属性“幅”の変形の例
6.3.2 角属性に対する包括的変形は,図7に示すように,丸み又は斜角をつける,半径及び接続とする。
図 7 角属性の例
6.3.3 写実性を加えることによって詳細さのレベルを上げてもよい。例えば,写真画像を用いたり,又は
グラフィックを追加したりして,アイコンの外観を三次元化してもよい。図8に幾つかの例を示す。
図 8 詳細さのレベルの例
6.3.4 アイコンの分かりやすさを低下させない限り,表面パターン又は色を包括的に変えてもよい。
6.3.5 グラフィック部品を追加しても,アイコンの認識性は低下させないことが望ましい。
関連規格 ISO 7000:1989,Graphic symbols for use on equipment−Index and synopsis
ISO 7001:1990,Public information symbols
IEC 60417:1973,Graphical symbols for use on equipment. Index,survey and compilation of the single
sheets
JIS X 9303-1:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 11581-1:2000(IDT)
JIS X 9303-1:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.20 : 事務作業におけるITの応用
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