JIS Z 2251:2009 ヌープ硬さ試験―試験方法 | ページ 2

4
Z 2251 : 2009
c) ヌープ硬さのくぼみは,小さいので,調製中,細心の注意を払う必要がある。測定する材料に適した
研磨,又は電解研磨を用いるのがよい。
d) 試験後の試料(試験片)の裏面には,変形が認められてはならない。
e) 断面の小さな試料(試験片)又は複雑な形状の試料(試験片)には,樹脂に埋め込むなどの特殊な保
持具を用いるとよい。試料(試験片)を埋め込む材料によって適切に保持し,試験力を加えている間,
試料(試験片)が動かないようにする。

7 試験

  試験は,次による。
a) 試験温度は,通常,23 ℃±5 ℃の範囲内とする。この範囲外で行う場合には,試験報告書に記載しな
ければならない。
b) 試験力は,表2の規定値によるのが望ましい。
c) 試料(試験片)は,堅固な支持台の上に載せ,支持台の表面は,異物(スケール,油,汚れなど)の
ない状態にしておく。試料(試験片)は,しっかりと固定し,試験中にずれないようにすることが重
要である。
d) 試料(試験片)の表面が観察できるように,顕微鏡の焦点を合わせる。
e) 圧子を試験面と接触させてから,その面に対して垂直の方向に試験力を加える。そのとき,衝撃及び
振動がないようにして,規定の試験力に到達させる。圧子の接近速度は,15 μm/s70 μm/sとする。
試験力をかけ始めて規定の試験力に到達するまでの時間は,10 sを超えないようにする。
f) 試験力の保持時間は,特に規定のない限り,10 s15 sとする。ある材料では,安定した結果を得る
ためには,試験力の保持時間を長くすることが必要な場合がある。この場合には,保持時間の許容範
囲を±2 sとする。
g) 試験中,試験機は衝撃及び振動を受けないようにする。
h) くぼみの境界(くぼみの先端)から試料(試験片)の縁までの距離は,短い方のくぼみの対角線長さ
の3倍以上とする(表3参照)。
表2−試験力
試験力の値,F
硬さ記号
N 参考 およその等価なkgf a)
HK0.01 0.098 07 0.010
HK0.02 0.196 1 0.020
HK0.025 0.245 2 0.025
HK0.05 0.490 3 0.050
HK0.1 0.980 7 0.100
HK0.2 1.961 0.200
HK0.3 2.942 0.300
HK0.5 4.903 0.500
HK1 9.807 1.000
HK2 19.614 2.000
注a) I単位ではない。
i) 短い方の対角線方向に並んだ隣り合うくぼみの境界(くぼみの対角線の先端)の距離は,短い方の対
角線長さの2.5倍以上とする。長い方の対角線方向に並んだ隣り合うくぼみの境界(くぼみの対角線

――――― [JIS Z 2251 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
Z 2251 : 2009
の先端)の距離は,長い方の対角線長さの1倍以上とする(表3参照)。隣り合うくぼみの対角線の長
さが,異なる場合には,長い方の対角線長さをもとにする。
表3−くぼみの位置
距離の区分 対角線の方向
短い方 長い方
隣り合うくぼみの対角線の先端間の距離 2.5 ds a)以上 1 d以上
くぼみの対角線の先端から試験片の縁までの距離 3 ds以上 −
注a) sは,短い方の対角線長さを示す。
j) 長い方の対角線長さを測定し,ヌープ硬さの計算に用いる。くぼみの形状が顕微鏡の視野の中で明り
ょうに判別できるものとする。
k) ヌープ硬さの値は,表1の式によって計算するか,又は表B.1を用いて求める。
l) 長い方の対角線の片側半分の長さが,他の半分の長さに対して10 %以上異なる場合には,支持台の面
と試料(試験片)の面との平行を調査し,最終的には,圧子と試料(試験片)とのアライメントを調
査する。この対角線の長さの差が10 %を超えている場合には,試験結果を無効にすることが望ましい。

8 測定結果の不確かさ

  不確かさの完全な評価は,“計測における不確かさの表現のガイド (GUM)   [1]”に従って行うことが望ま
しい。要因のタイプには関係なく,硬さの不確かさの評価は,次の二つの方法によって行うことができる。
a) 直接検証にかかわるすべての要因の評価を基にする方法(EAガイドライン[2]が,参考になる。)。
b) 硬さ基準片(認証標準物質)を使用した間接検証を基にする方法([2][5]を参照)。
注記 ISO 4545-1の附属書B(参考)に不確かさを求めるためのガイドラインが記載されている。

9 試験報告書

  試験報告書が必要な場合には,報告する事項は,次のうちから受渡当事者間の協定によって選択する。
a) この規格によって試験した旨の表示
b) 試料(試験片)の識別に必要な表示
c) 試験結果
d) この規格に規定されていない作業,又は任意とみなされているすべての作業
e) 結果に影響を及ぼしたかもしれないことがあれば,その詳細
f) 試験の温度[箇条7のa)に規定した範囲外の場合]
ヌープ硬さを他の硬さ及び引張強さに正確に換算する一般的な方法はないため,そのような換算は,比
較試験によって信頼できる換算基準が得られない限り避ける。
注記 硬さ値の厳密な比較は,同一の試験力でだけ可能である。

――――― [JIS Z 2251 pdf 7] ―――――

6
Z 2251 : 2009
附属書A
(参考)
使用者による試験機の日常点検

序文

  この附属書は,本体及び附属書(規定)について補足するものであって,規定の一部ではない。
試験機を使用する日ごとに,使用するおよその硬さのレベル又は硬さの範囲で点検を行うのが望ましい。
測定系については,ISO 4545-3に従って校正された基準片の基準くぼみを使用して(それぞれの硬さの
範囲又は硬さのレベルに対して)間接検証をしていることが望ましい。測定した値と基準片の認証値との
差異は,認証値の0.5 %又は0.4 μmの大きい方の値以下であればよい。測定系がこの試験に合格しない場
合には,適切な対応を行うのがよい。
点検は,ISO 4545-3によって校正された基準片に対して少なくとも一つ以上のくぼみを作ることを含め
る。測定した値と基準片の認証値との差が,ISO 4545-2:2005 [6]の5.8に規定する誤差の許容差内であれば,
試験機は,必要条件を満たしているとみなす。許容差を超えていれば,間接検証を行うことが望ましい。
これらの結果の記録は,一定の期間保持し,再現性の測定及び試験機の偏り(ドリフト)の監視に使用
することが望ましい。

――――― [JIS Z 2251 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
Z 2251 : 2009
附属書B
(規定)
硬さ値表
B.1 適用範囲
この附属書は,表面が平たんな試料(試験片)に本体の規定に従って行った試験において使用するヌー
プ硬さ値の計算表について規定する。
B.2 計算
表B.1のヌープ硬さの値は,次の式によって計算する。
試験力
HK 定数a)
くぼみの面積
F F F
.0102 .0102 .1451
cd2 .0070 28d2 d2
ここに, HK : ヌープ硬さ
F : 試験力(N)
d : くぼみの対角線長さ(mm)
c : 圧子定数(表1参照)
注a) 表1参照
表B.1は,圧子の対角線長さdが0.020 mmから0.200 mmの範囲を示す。

――――― [JIS Z 2251 pdf 9] ―――――

8
Z 2251 : 2009
表B.1−ヌープ硬さ値
くぼみの 試験力 (N)
対角線 0.098 07 0.196 1 0.245 2 0.490 3 0.980 7 1.961 2 2.942 0 4.903 9.807
長さ ヌープ硬さ
d HK HK HK HK HK HK HK HK HK
mm 0.01 0.02 0.025 0.05 0.1 0.2 0.3 0.5 1
0.020 0 355.8 711.3 889.5 1 779 − − − − −
0.020 2 348.7 697.2 872.0 1 743 − − − − −
0.020 4 341.9 683.6 855.0 1 709 − − − − −
0.020 6 335.3 670.4 838.4 1 676 − − − − −
0.020 8 328.9 657.6 822.4 1 644 − − − − −
0.021 0 322.7 645.1 806.8 1 613 − − − − −
0.021 2 316.6 633.0 791.7 1 583 − − − − −
0.021 4 310.7 621.2 776.9 1 553 − − − − −
0.021 6 305.0 609.8 762.6 1 525 − − − − −
0.021 8 299.4 598.6 748.7 1 497 2 994 − − − −
0.022 0 294.0 587.8 735.1 1 470 2 940 − − − −
0.022 2 288.7 577.3 721.9 1 443 2 887 − − − −
0.022 4 283.6 567.0 709.1 1 418 2 836 − − − −
0.022 6 278.6 557.0 696.6 1 393 2 786 − − − −
0.022 8 273.7 547.3 684.4 1 368 2 737 − − − −
0.023 0 269.0 537.8 672.6 1 345 2 690 − − − −
0.023 2 264.4 528.6 661.0 1 322 2 644 − − − −
0.023 4 259.9 519.6 649.8 1 299 2 599 − − − −
0.023 6 255.5 510.8 638.8 1 277 2 555 − − − −
0.023 8 251.2 502.3 628.1 1 256 2 512 − − − −
0.024 0 247.0 493.9 617.7 1 235 2 470 − − − −
0.024 2 243.0 485.8 607.5 1 215 2 430 − − − −
0.024 4 239.0 477.9 597.6 1 195 2 390 − − − −
0.024 6 235.1 470.1 587.9 1 176 2 351 − − − −
0.024 8 231.4 462.6 578.5 1 157 2 314 − − − −
0.025 0 227.7 455.2 569.3 1 138 2 277 − − − −
0.025 2 224.1 448.0 560.3 1 120 2 241 − − − −
0.025 4 220.6 441.0 551.5 1 103 2 206 − − − −
0.025 6 217.1 434.1 542.9 1 086 2 171 − − − −
0.025 8 213.8 427.4 534.5 1 069 2 138 − − − −
0.026 0 210.5 420.9 526.3 1 052 2 105 − − − −
0.026 2 207.3 414.5 518.3 1 036 2 073 − − − −
0.026 4 204.2 408.2 510.5 1 021 2 042 − − − −
0.026 6 201.1 402.1 502.9 1 005 2 011 − − − −
0.026 8 198.1 396.1 495.4 990.5 1 981 − − − −
0.027 0 195.2 390.3 488.1 975.9 1 952 − − − −
0.027 2 192.3 384.5 480.9 961.6 1 923 − − − −
0.027 4 189.5 378.9 473.9 947.6 1 895 − − − −
0.027 6 186.8 373.5 467.1 933.9 1 868 − − − −
0.027 8 184.1 368.1 460.4 920.5 1 841 − − − −
0.028 0 181.5 362.9 453.8 907.4 1 815 − − − −
0.028 2 178.9 357.8 447.4 894.6 1 789 − − − −
0.028 4 176.4 352.7 441.1 882.0 1 764 − − − −

――――― [JIS Z 2251 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS Z 2251:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4545-1:2005(MOD)
  • ISO 4545-4:2005(MOD)

JIS Z 2251:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2251:2009の関連規格と引用規格一覧