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表1 連続漏れ電流の許容値
単位mA
電流 B形装着部を BF形装着部を CF形装着部
もつ機器 もつ機器 をもつ機器
正常状態 単一故障正常状態 単一故障正常状態 単一故障
状態 状態 状態
接地漏れ電流 一般機器 0.5 1(7) 0.5 1(7) 0.5 1(7)
クラスII機器(8)又は移2.5 5(7) 2.5 5(7) 2.5 5(7)
動形機器(9)
永久設置形機器(10) 5 10(7) 5 10(7) 5 10(7)
外装漏れ電流 0.1 0.5 0.1 0.5 0.1 0.5
患者漏れ電流 I (装着部から大地 0.1 0.5 0.1 0.5 0.0l 0.05
へ流れる電流)
II (信号入力部又は − 5 − − − −
信号出力部にのっ
た電圧による)
III (装着部にのった − − − 5 − 0.05
電圧による)
注(7) 接地漏れ電流に関する単一故障状態は,電源導線の1本の断線だけである。
(8) 保護接地した接触可能部分がなく,他の機器への保護接地接続手段をもたず,かつ,外装漏れ
及び(該当するときは,)患者漏れ電流に関する要求事項に適合する機器。クラスII機器には,
クラスII機器の部分を含む。
(9) 移動形X線装置又は無機質の絶縁物を使用した移動形機器。
(10) 工具を使用しなければ取り外せないように機器に接続した保護接地線を用い,かつ,工具を使
用しなければ取り外せないように,特定の場所に機械的に締め付けるか固定して設備の保護接
地系と接続することによって永久的に設置することが指定されている機器。
備考1. 表1に示した許容値は,直流又は周波数1kHz以下の交流のr.m.s.値である。1kHzを超える周波
数の場合には,その周波数をkHzの単位で表した数値を表1に示した値に乗じた積を許容値と
する。ただし,許容値は10mAを限度とする。
2. 表1に示した許容値は,直接に接続する機器ごとに適用する。
3. 据置形のX線装置又はX線装置を構成する単位機器の一つの保護接地端子に,他の機器の保
護接地端子を接続してもよい。この場合の中心となる保護接地端子と設備の保護接地端子と
の間を流れる接地漏れ電流には,表1の許容値を適用しない。ただし,機器の外装漏れ電流
は,表1の単一故障状態における許容値を超えてはならない。
5.5 保護手段
5.5.1 外装及び保護カバー 外装及び保護カバーは,JIS T 1001の7.3(外装及び保護カバー)による。
5.5.2 高電圧部分の保護 高電圧をもつ部分には,保護カバーを設け,この部分にJIS Z 4004の番号03-01
の図記号を表示しなければならない。
また,X線用プラグ付高電圧ケーブルの装着部は,工具を使用しなければ取り外せない構造とするか,
又は次の各項を満足しなければ高電圧ケーブルが取り外せないようにインタロックしなければならない。
(1) 高電圧発生装置を電源から切り離す。
(2) 高電圧回路のコンデンサを接触可能な電圧(5.5.5参照)まで放電し,かつ,その状態を維持する。
5.5.3 電源部,その他の低圧回路の保護 電源部,その他の低圧回路に高い電圧が現れることを防止しな
ければならない。その手段の一例を次に示す。
(1) 高い電圧を発生する変圧器の一次巻線と二次巻線との間に,保護接地シールドを挿入する。
(2) 外部に接続する機器を取り外したとき高い電圧が現れる部分には,電圧制限器(例えば,避雷管)を
備える。
――――― [JIS Z 4701 pdf 6] ―――――
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(3) 電源を開路しても電荷が残留したままになる部分には,外装のほかに,その部分に工具を使用しなけ
れば取り外すことのできない保護カバーを設け,かつ,保護カバーに残留電荷がある旨を表示する。
5.5.4 装着部の電気的分離 装着部の電気的分離は,JIS T 1001の7.4(分離)による。
5.5.5 残留電荷 残留電荷は,JIS T 1001の7.2(電圧・エネルギーの制限)による。ただし,コンデン
サ式X線高電圧装置の,撮影用コンデンサの残留電荷の放電については個別規格による。
5.6 保護接地 保護接地は,JIS T 1001の7.5(保護接地,機能接地及び等電位化)によるほか,次によ
る。
(1) クラスI機器は,接触可能金属部をその保護接地端子にインピーダンス0.1 坎 下になるように接続し,
保護接地端子をインピーダンス0.1 坎 下で設備の保護接地端子又は等電位化母線に接続できる保護
接地線を備えること。
(2) 公称断面積が10mm2以下の電源導線を使用するクラスI機器は,保護接地線を含めた3心又は4心の
電源コードを使用すること。ただし,公称断面積10mm2を超える電源導線を使用する場合には,電源
回路が保護接地した部分に短絡したとき,過電流開放器(例えば,配線遮断器,ヒューズなど。)が作
動するまでに溶断するおそれのない断面積をもつ保護接地線を,電源コードと別個に備えてもよい。
(3) 可搬形機器には3心の電源コードを用い,その1線を保護接地線として電源プラグに接続すること。
この場合,電源プラグの接地ピンと機器の接触可能金属部との間のインピーダンスは,0.2 坎 下であ
ること。
(4) 可搬形機器には,電源コード内の保護接地線のほかに,追加保護接地線を備えること。
(5) 保護接地線及び追加保護接地線の公称断面積は,機械的強度も考慮し,(2)のただし書きの場合を除き,
電源導線の公称断面積以上とすること。
また,その絶縁被覆の色は全長にわたって緑/黄(緑と黄をほぼ等しく用いた,縦じま又はつる巻
状の染め分け)とすること。ただし,接触可能金属部を保護接地端子に接続するための内部配線には,
上記の断面積に関する規定は適用しない。
(6) 保護接地線,追加保護接地線及び保護接地接続のための内部配線には,接地漏れ電流以外の機能電流
を流してはならない。ただし,体こう(腔)内で使用する特殊用途のX線源装置は除く。
なお,X線用プラグ付高電圧ケーブルのシールドは,保護接地接続として使用してはならない。
5.7 絶縁及び耐電圧
5.7.1 絶縁 絶縁は,JIS T 1001の7.7.1(絶縁)による。
5.7.2 耐電圧 耐電圧は,JIS T 1001の7.7.2(耐電圧)によるほか,次の各項による。
(1) 高電圧回路の試験電圧及び負荷時間は,個別規格による。
(2) コンデンサをもつ電動機の場合には,巻線とコンデンサとの接続点の共振電圧を基準電圧 (U) とする。
(3) 回転陽極X線管装置のスタータ回路の基準電圧 (U) は,定常回転時の電圧とする。ただし,起動時
の電圧から定常回転時の電圧に下げる途中に共振電圧が存在する場合には,その共振電圧とする。
6. 機械的危険に対する保護
6.1 外装及び保護カバー 外装及び外装に取り付けられたすべての部品は,外装の一部を構成する開閉
カバーを含め十分な強度及び剛性をもたなければならない。
6.2 患者の支持及び固定 患者を支持又は固定する部分は,患者を傷付けたり容易に緩んだりしてはな
らない。
成人を対象とする支持部は,患者が135kgの体重をもつものとして設計しなければならない。
――――― [JIS Z 4701 pdf 7] ―――――
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6.3 手で保持する部分 正常な使用時に手で保持する機器は,JIS T 1001の8.1.4(手で保持する部分)
による。
6.4 携帯形及び移動形機器 携帯形及び移動形機器は,手荒い取扱いによるストレスに耐えなければな
らない。規定の詳細は,個別規格による。
6.5 動く部分 動く部分は,JIS T 1001の8.2(動く部分)によるほか,次による。
(1) 露出させておく必要がなく,かつ,露出していると危害を生じるおそれのある動く部分は,次の構造
とすること。
(a) 可搬形機器の場合には,装置と一体の適切なガードを備えること。
(b) 据置形機器の場合には,その装置と一体になった適切なガードを備えるか,又は適切なガードを装
置とは別に設置するように附属文書に記載すること。
(2) ワイヤロープ,チェーン及びベルトは,ガイドから外れたり飛び出したりしないようにするか,又は
適切な手段で危害を防止すること。この目的で使用する機械的手段は,工具を使用しなければ取り外
せないこと。
(3) 患者に危害を与えるおそれのある動く部分は,デッドマン形制御(11)とすること。
注(11) デッドマン形制御とは,開閉器に人が力を加えている間だけその回路を閉路状態に保ち,人が
その力を取り去れば直ちに回路を開放する開閉器又は開閉回路による制御をいう。
(4) 危害を発生するおそれのある機械的に摩耗する部分は,容易に点検できる構造とすること。
(5) 電動駆動による機械的な動きが危害を生じる可能性のある場合には,容易に識別でき,かつ,操作者
が直ちに操作できる位置に次のような非常停止手段を備えること。
このような手段は,操作者に非常事態が明らかに分かり,かつ,その対応時間も配慮されている場
合に限り,安全装置として認める。
(a) 別の危険を生じてはならず,かつ,初めの危険を排除するための操作を妨げないこと。
(b) モータの停止電流などを考慮し,関連回路の全負荷電流を遮断できること。
(c) 一つの操作で停止できること。
6.6 表面,角及び縁 表面,角及び縁は,JIS T 1001の8.3(表面,角及び縁)による。
6.7 安定性 安定性は,JIS T 1001の8.4(正常な使用時における安定性)によるほか,個別規格による。
6.8 グリップ及び取っ手 グリップ及び取っ手は,JIS T 1001の8.5(グリップ及び取っ手)による。
6.9 飛散物 飛散物は,JIS T 1001の8.6(飛散物)による。
6.10 懸垂質量 懸垂質量は,JIS T 1001の8.7(懸垂機構)によるほか,個別規格による。
7. その他の危険に対する保護
7.1 可燃性麻酔ガスの点火に対する保護 可燃性麻酔ガスの点火に対する保護は,JIS T 1001の10.(可
燃性麻酔ガスの点火に対する保護)による。
7.2 過度の温度に対する保護 過度の温度に対する保護は,JIS T 1001の11.1(過度の温度)による。
7.3 防火に対する保護 防火に対する保護は,JIS T 1001の11.2(防火)による。
7.4 あふれ,こぼれ,漏れ,湿気,液体の浸入,清掃及び消毒に対する保護 あふれ,こぼれ,漏れ,
湿気,液体の浸入,清掃及び消毒に対する保護は,JIS T 1001の11.3(あふれ,こぼれ,漏れ,湿気,液
体の浸入,清掃,消毒及び滅菌)による。
7.5 圧力容器及び圧力を受ける部分に対する保護 圧力容器及び圧力を受ける部分に対する保護は,JIS
T 1001の11.4(圧力容器及び圧力を受ける部分)による。
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7.6 電源の遮断に対する保護 電源の遮断に対する保護は,JIS T 1001の11.5(電源の遮断)による。
7.7 危険な出力に対する保護 危険な出力に対する保護は,JIS T 1001の12.(危険な出力に対する保護)
による。
また,患者を照射しない場合も含め,X線の放射中は,注意を喚起する意味の黄色(だいだい色も含む。)
の表示光で表示する。
8. 不要又は過度のX線に対する防護
8.1 線質
8.1.1 歯科用X線装置の管電圧範囲の制限 歯科用X線装置の正常な使用における管電圧の設定範囲は,
表2に示す値に制限し,その値を附属文書に記載しなければならない。
表2 歯科用X線装置の設定管電圧の制限
単位kV
指定された歯科用用途 公称最高管電圧 正常な使用のための
最低管電圧
すべての用途 125 50(13)
口こう(腔)内X線受像器(12)用 90 50(13)
頭部X線規格撮影用 125 60
注(12) 歯科用においては,フィルム,イメージングプレートなどを指す。
(13) 線防護の観点からは60kV以上が望ましい。
8.1.2 X線装置の半価層 X線装置のすべての正常な使用において,患者を照射するX線ビームの第1
半価層は,表3に示す値以上でなければならない。
――――― [JIS Z 4701 pdf 9] ―――――
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表3 X線装置の半価層
用途 管電圧
正常な使用 選択値(14)最小許容
の操作範囲 第1半価層
kV kV mmAl
50(13)以下
特別低管電圧撮影 <30 −(15)
30 0.3
40 0.4
50 0.5
口こう内X線受像50(13)以上70以下 50 1.5
器用(12)の歯科用 60 1.5
70 1.5
50(13)以上90以下 50 1.5
60 1.8
70 2.1
80 2.3
90 2.5
その他の歯科用 50(13)以上70以下 50 1.2
60 1.3
70 1.5
その他の歯科用 50(13)以上125以下 50 1.5
60 1.8
70 2.1
80 2.3
90 2.5
100 2.7
110 3.0
120 3.2
125 3.3
その他の用途 30以上 <50 −(15)
50 1.5
60 1.8
70 2.1
80 2.3
90 2.5
100 2.7
110 3.0
120 3.2
130 3.5
140 3.8
150 4.1
>150 −(15)
注(14) 上記の表にない中間の選択電圧値に対する半価層は,線形
内挿法で求める。
(15) 線形外挿法で求める。
8.1.3 X線管装置のろ過 X線管装置のろ過は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 線管装置のX線ビーム内に存在する,正常な使用時に取外しできない物体は,0.5mmAl以上である
こと。ただし,乳房用と指定された公称最高管電圧が50kVを超えないX線管装置は除く。
(2) 固定付加フィルタは,工具を使用しなければ取り外せないこと。
――――― [JIS Z 4701 pdf 10] ―――――
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JIS Z 4701:1997の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60601-1-3:1994(MOD)
- IEC 60601-1:1988(MOD)
- IEC 60601-1:1988/AMENDMENT 1:1991(MOD)
JIS Z 4701:1997の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 4701:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0601:1961
- 電気装置のとっての操作と状態の表示
- JIST1001:1992
- 医用電気機器の安全通則
- JIST1002:1992
- 医用電気機器の安全性試験方法通則
- JIST1005:1983
- 医用電気機器取扱説明書の様式
- JISZ4004:1989
- 医用放射線機器図記号
- JISZ4005:2012
- 医用放射線機器―定義した用語