JIS Z 7253:2019 GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法―ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS) | ページ 2

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3.18
ラベル要素(label element)
ラベル中で使用するための国際的に調和している情報。例えば,絵表示,注意喚起語,危険有害性情報,
注意書きなど。
3.19
絵表示(pictogram)
特定の情報を伝達することを意図するシンボル,境界線,及び背景のパターン又は色のような図的要素
から構成するもの。一つの頂点で正立させた正方形の背景の上の黒の炎,どくろなどのシンボル及び赤い
枠で構成する。
3.20
シンボル(symbol)
情報を簡潔に伝達することを意図する画像要素(炎,どくろなど)。
3.21
注意喚起語(signal word)
ラベル上で化学品の危険有害性の重大性の相対レベルを示し,利用者に潜在的な危険有害性を警告する
ために用いる語句。GHSで使用する注意喚起語は,“危険”及び“警告”である。
3.22
危険有害性情報(hazard statement)
各危険有害性クラス及び危険有害性区分に割り当てられた文言。該当化学品の危険有害性の性質及びそ
の程度を示す。危険有害性情報には,文字“H”と三つの数字とからなる英数字コードが割り当てられて
いる。
3.23
注意書き(precautionary statement)
危険有害性をもつ化学品へのばく露又はその不適切な貯蔵,及び取扱いから生じる被害を防止するため,
又は最小にするために取るべき推奨措置を記載した文言。GHSで推奨している注意書きには,文字“P”
と三つの数字とからなる英数字コードが割り当てられている。
3.24
濃度限界(concentration limit)
未試験の混合物を,成分の危険有害性に基づいて分類する場合に使用する成分の含有濃度の限界値。
3.25
安全データシート,SDS(Safety Data Sheet)
化学品について,化学物質,製品名,供給者,危険有害性,安全上の予防措置,緊急時対応などに関す
る情報を記載する文書。
3.26
気体,ガス(gas)
50 ℃において300 kPa(絶対圧)を超える蒸気圧をもつ化学品か,又は101.3 kPaの標準圧力で,20 ℃に
おいて完全にガス状である化学品。
3.27
液体(liquid)
50 ℃において300 kPa以下の蒸気圧をもち,20 ℃において標準圧力101.3 kPaでは完全なガス状ではな

――――― [JIS Z 7253 pdf 6] ―――――

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く,かつ,標準圧力101.3 kPaにおいて融点又は融解が始まる温度が20 ℃以下の化学品。
注記 固有の融点が特定できない粘性の大きい化学品は,ASTM D 4359-90試験を行うか,又は危険
物の国際道路輸送に関する欧州協定(ADR)の附属文書Aの2.3.4に定められている流動性特
定のための試験を行い,液体の該非判定を行うのがよい。
3.28
固体(solid)
液体又は気体の定義に当てはまらない化学品。
3.29
蒸気(vapour)
液体又は固体の状態から放出されたガス状の化学品。
3.30
粉じん(dust)
気体(通常は,空気)の中に浮遊する化学品の固体の粒子。
3.31
ミスト(mist)
気体(通常は,空気)の中に浮遊する化学品の液滴。
3.32
合金(alloy)
機械的手段で容易に分離できないように結合した二つ以上の元素からなる巨視的にみて均質な金属体。
3.33 物理化学的危険性
3.33.1
爆発物(explosive)
それ自体の化学反応によって,周囲環境に損害を及ぼすような温度,圧力及び速度でガスを発生する能
力のある固体物質若しくは液体物質(又は物質の混合物)。火工剤はたとえガスを発生しない場合でも爆発
物とされる。
3.33.2
火工剤(pyrotechnic substance)
非爆ごう性で自己持続性の発熱化学反応によって生じる熱,光,音,ガス,煙又はこれらの組合せによ
って,一定の効果を生みだせるように作られた物品。
3.33.3
鈍性化爆発物(Desensitized explosives)
大量爆発及び急速な燃焼を起こさないように,爆発性を抑制するために鈍性化され,したがって危険性
クラス“爆発物”から除外されている,固体若しくは液体の爆発性物質又は混合物。
3.33.4
可燃性ガス(flammable gas)
20 ℃,標準気圧101.3 kPaにおいて,空気と混合した場合に爆発範囲(燃焼範囲)をもつガス。
3.33.5
自然発火性ガス(pyrophoric gas)
54 ℃以下の空気中で自然発火しやすいような可燃性ガス。

――――― [JIS Z 7253 pdf 7] ―――――

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3.33.6
化学的に不安定なガス(chemically unstable gas)
空気又は酸素がない状態でも爆発的に反応し得る可燃性ガス。
3.33.7
エアゾール(aerosol)
圧縮ガス,液化ガス又は溶解ガスが適宜,液体,ペースト又は粉末と共に充される,金属製,ガラス
製又はプラスチック製の再充不可能な容器に,内容物を液体中かガス中に浮遊する固体の粒子として,
液体中かガス中に浮遊する液体の粒子として,又はガス中で懸濁された泡,ペースト,若しくは粉として
放出させる噴射装置を取り付けたもの。
3.33.8
酸化性ガス(oxidizing gas)
一般に酸素を供給することによって,空気以上に他の物質の燃焼を引き起こすか,又はその一因となる
ガス。
注記 “空気以上に他の物質の燃焼を引き起こす,又はその一因となるガス”とは,ISO 10156に規
定する方法によって測定された23.5 %以上の酸化能力をもつ純粋ガス又は混合ガスをいう。
3.33.9
高圧ガス(gas under pressure)
20 ℃,200 kPa(ゲージ圧)以上の圧力の下で容器に充されているガス又は液化若しくは深冷液化され
ているガス。高圧ガスには,圧縮ガス,液化ガス,溶解ガス及び深冷液化ガスが含まれる。高圧ガスには,
“危険物輸送に関する勧告 モデル規則(UN Recommendations on the transport of dangerous goods, Model
Regulations)(2001)”又は国内法に引用されているものを含む。
3.33.10
引火性液体(flammable liquid)
引火点が93 ℃以下の液体。
3.33.11
可燃性固体(flammable solid)
容易に燃焼するか又は摩擦によって,発火又は発火を誘発する固体。
3.33.12
自己反応性化学品(self-reactive substance)
酸素(空気)がない状態でも非常に強力な発熱性分解をする熱的に不安定な液体又は固体。爆発物,有
機過酸化物又は酸化性物質として分類されている化学品は含まない。
3.33.13
自然発火性液体(pyrophoric liquid)
少量であっても,空気との接触後5分以内に発火する液体。
3.33.14
自然発火性固体(pyrophoric solid)
少量であっても,空気との接触後5分以内に発火する固体。
3.33.15
自己発熱性化学品(self-heating substance)
自然発火性液体又は自然発火性固体以外で,空気との反応によってエネルギーの供給なしに自己発熱す

――――― [JIS Z 7253 pdf 8] ―――――

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る固体又は液体。この物質は,大量(キログラム単位)に存在し,かつ,長時間(数時間数日間)経過
した後にだけ発火する点で自然発火物質とは異なる。
注記 化学品の自己発熱とは,空気中の酸素と徐々に反応し発熱する過程をいう。発熱の速度が熱損
失を超える場合は,化学品の温度は上昇し,ある誘導期間を経て,自己発火及び燃焼に至る。
3.33.16
水反応可燃性化学品(substance which, in contact with water, emit flammable gases)
水との相互作用によって自然発火性となるか,又は危険な量の可燃性ガスを放出する,固体又は液体の
化学品。
3.33.17
酸化性液体(oxidizing liquid)
それ自体は必ずしも燃焼性をもたないが,一般的に酸素の発生によって,他の物質を燃焼させ又はその
一因となる液体。
3.33.18
酸化性固体(oxidizing solid)
それ自体は必ずしも燃焼性をもたないが,一般的に酸素の発生によって,他の物質を燃焼させ又はその
一因となる固体。
3.33.19
有機過酸化物(organic peroxide)
2価の-O-O-構造をもち,1個又は2個の水素原子が有機ラジカルによって置換された過酸化水素の誘導
体とみなすことができる液体又は固体の有機物質。有機過酸化物組成物(混合物)を含む。
3.33.20
金属腐食性化学品(corrosive to metal)
化学反応によって金属を実質的に損傷又は破壊する化学品。
3.34 健康に対する有害性
3.34.1
急性毒性(acute toxicity)
化学品の経口若しくは経皮からの単回ばく露,24時間以内の複数回ばく露,又は4時間の吸入ばく露に
よって動物を死に至らしめる等によってヒトに対しても致死性の影響があると考えられる,又は知られて
いる性質。
3.34.2
皮膚腐食性(skin corrosion, dermal corrosion)
化学品の4時間以内の皮膚接触で,皮膚に対して不可逆的な損傷を発生させる性質。
注記 不可逆的な損傷は,皮膚組織の破壊[表皮から真皮に至る視認可能なえ(壊)死]として認識
される。
3.34.3
皮膚刺激性(skin irritation, dermal irritation)
化学品の4時間以内の皮膚接触で,皮膚に可逆的な損傷を発生させる性質。
3.34.4
眼に対する重篤な損傷性(serious eye damage)
眼の表面に対する化学品のばく露に伴う眼の組織損傷の発生又は重篤な視力低下で,ばく露から21日以

――――― [JIS Z 7253 pdf 9] ―――――

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内に完全には治癒しないものを発生させる性質。
3.34.5
眼刺激性(eye irritation)
眼の表面に化学品をばく露した後に生じた眼の変化で,ばく露から21日以内に完全に治癒するものを生
じさせる性質。
3.34.6
呼吸器感作性(respiratory sensitization)
化学品の吸入によって気道過敏症を引き起こす性質。
3.34.7
皮膚感作性(skin sensitization)
化学品の皮膚接触によってアレルギー反応を引き起こす性質。
注記 “皮膚感作性”は,“接触感作性(contact sensitization)”ともいう。
3.34.8
生殖細胞変異原性(germ cell mutagenicity)
次世代に受け継がれる可能性のある突然変異を誘発する性質。
3.34.9
変異原性(mutagenicity)
細胞の集団又は生物体における突然変異の発生率を増加させる性質。
3.34.10
遺伝毒性(genotoxicity)
DNAの構造,含まれる遺伝情報,又は染色体の分離を変化させる性質。
注記 例として,正常な複製過程の妨害によるDNA損傷作用又は非生理的な状況での一時的なDNA
複製への影響など。
3.34.11
発がん性(carcinogenicity)
がんを誘発させる性質,又はその発生率を増大させる性質。
3.34.12
生殖毒性(reproductive toxicity)
雌雄の成体の生殖機能及び受精能力に対し悪影響を及ぼす性質及び子の発生に対し悪影響を及ぼす性質。
3.34.13
特定標的臓器毒性(単回ばく露)(specific target organ toxicity, single exposure)
単回ばく露によって起こる特定臓器に対する特異的な非致死性の毒性。
なお,単回ばく露は,可逆的若しくは不可逆的,又は急性若しくは遅発性の機能を損なう可能性がある,
全ての重大な健康への影響を含む。
3.34.14
特定標的臓器毒性(反復ばく露)(specific target organ toxicity, repeated exposure)
反復ばく露によって起こる特定臓器に対する特異的な非致死性の毒性。
なお,反復ばく露は,可逆的若しくは不可逆的,又は急性若しくは遅発性の機能を損なう可能性がある,
全ての重大な健康への影響を含む。

――――― [JIS Z 7253 pdf 10] ―――――

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JIS Z 7253:2019の関連規格と引用規格一覧