JIS Z 8462-1:2001 測定方法の検出能力―第1部:用語及び定義 | ページ 2

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Z 8462-1 : 2001 (ISO 11843-1 : 1997)
− 未知の状態を調査するために選択したサンプルサイズ。
参考 ここでいうサンプルサイズは,特定の状態において独立に測定を繰り返して得られたデー
タの個数を示す。
− 繰り返し測定の場合,観測値から得られた中心となる値の種類(例えば,平均値,中央値
など)。
− 測定対象系のばらつき。
5. 校正(検量線作成)を繰り返していくと,応答変数の限界値は,時間の経過によるランダム
な要因の影響と測定対象系の特性のばらつきに依存して変化する。このような妨害的な影響
があるため,応答変数の限界値は,対応する一連の測定に限り有効である。
10. 正味状態変数の限界値 (critical value of the net state variable)
xC
その値を超えると,あらかじめ定めた誤りの確率 柿 観測した測定対象系が基底状態(ブランク状態)
ではないと判定される正味状態変数Xの値。
備考1. 正味状態変数の限界値は,推定された校正関数(検量線)を用いて応答変数の限界値を変換
して得られる正味状態変数の値である。
2. 定義9.の備考を参照。
3. 正味状態変数の限界値は,正味状態変数の推定値がその値を超えたときに,“状態変数に関し
て検討対象の状態は基底状態(ブランク状態)と同じである”という帰無仮説を,誤りの確
率 却する値である。
4. 定義9.の備考3.から備考5.までは,正味状態変数の限界値についても同様に成り立っ。
11. 検出可能な最小正味状態変数値 (minimum detectable value of the net state variable)
xD
確率(1− 拿 で測定対象系が基底状態(ブランク状態)にないと判定される,実際の状態における正味
状態変数Xの真の値。
備考1. 定義9.の備考1.を参照。
2. 検出可能な最小正味状態変数値は,対立仮説が正しいときに,帰無仮説を誤って棄却しない
確率(第2種の誤り)が 戰 湫獲 態変数の真の値のことである。
3. 定義9.の備考4.及び備考5.は,検出可能な最小正味状態変数値についても同様に成り立つ。
4. 実際の一連の測定データから予測される検出可能な最小値は,その一連の測定に関する測定
プロセスの検出能力を示す。
5. 次に示す一連の測定に対する検出可能な最小値は,確率変数の実現値であり,それらの変数
の確率分布のパラメータは,それぞれ,測定プロセス,測定プロセスのタイプ又は測定方法
の特性値であると解釈できる。
− 特定の測定プロセス。
− 同一タイプの異なる測定プロセス。
− 同一測定方法に基づく異なるタイプの測定プロセス。
参考 この備考で用いられている“確率変数の実現値”という表現は,“ばらつきをもつ量”を意
味しており,そのばらつき方を表現するものとして“確率分布”を用いている。すなわち,

――――― [JIS Z 8462-1 pdf 6] ―――――

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Z 8462-1 : 2001 (ISO 11843-1 : 1997)
特定の測定プロセスを対象に考えたとしても“検出可能な最小値”は,“実際の一連の測定
データ”の値の出方によってばらつくこと(確率変数の実現値であること)と,そのばら
つき方(確率分布)は,どの測定プロセスを対象とするかに依存していることを述べてい
る。すなわち,特定の測定プロセスを対象に考えている場合,同一タイプではあるが異な
る測定プロセスを対象に考えている場合,測定方法は同一であるがタイプが異なる測定プ
ロセスまで考えている場合など,考える対象によって確率分布の平均(中心の位置)や分
散(ばらつきの程度)などの“確率分布を表す特性値”が異なると解釈している。
6. 測定方法の検出可能な最小値は,測定プロセス及びこれから行う測定の方法を選択するため
に利用できる。測定プロセス又は測定方法は,検出可能な最小値がある規定された値(すな
わち,科学的,法的,その他の理由による検出能力に関する指定された要求)以下の場合に
は,その測定業務に適しているといえる。

――――― [JIS Z 8462-1 pdf 7] ―――――

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Z 8462-1 : 2001 (ISO 11843-1 : 1997)
附属書A(参考) 化学分析で用いられる用語
化学分析は,この規格における用語及び定義,並びにISO 11843-2に規定する方法の重要な適用分野で
ある。表A.1に示す,この規格で使用する一般的用語と化学分析に使用する用語との対比表を用いると,
表の下部に示すとおりの“限界値”及び“検出可能な最小値”についての化学分析に固有の定義となる。
表 A.1
一般用語 化学分析で用いられる用語
観測する測定対象系 分析対象物質
material to be analyzed
(測定対象系の)状態 (分析対象物質の)化学組成
chemical composition (of the material to be analyzed)
状態変数 分析対象成分の濃度又は量
concentration or amount of the analyte
基底状態,ブランク状態 ブランク物質の化学組成,ブランクの化学組成
chemical composition of the blank material
参照状態 標準物質の化学組成
chemical composition of a reference material
正味状態変数 分析対象成分の正味の濃度又は量,すなわち,分析しようとする物質中の分析対象成分
の濃度又は量と,ブランク物質中の分析対象成分の濃度又は量との差。
net concentration or amount of the analyte, i.e. the difference between the concentration or
amount of the analyte in the material to be analyzed and that in the blank material
応答変数,レスポンス変数 一般用語に同じ
response variable
校正関数,検量線 一般用語に同じ
calibration function
校正,検量線作成 一般用語に同じ
calibration
一連の測定 一般用語に同じ
measurement series
応答変数の限界値, 一般用語に同じ1)
レスポンス変数の限界値 critical value of the response variable
正味状態変数の限界値 正味濃度又は量の限界値2)
critical value of the net concentration or amount
検出可能な最小正味状態変数値 検出可能な最小の正味濃度又は量3)
minimum detectable net concentration or amount
1) 対応する定義は,次のとおりである。
レスポンス変数の限界値

その値を超えると,あらかじめ定めた誤りの確率 分析対象物質中の分析対象成分の濃度又は量が,ブランク
物質中の分析対象成分の濃度又は量よりも,高い又は多いと判定されるレスポンス変数の値。
2) 対応する定義は,次のとおりである。
正味の濃度又は量の限界値

その値を超えると,あらかじめ定めた誤りの確率 分析対象物質中の分析対象成分の濃度又は量が,ブランク
物質中の分析対象成分の濃度又は量よりも,高い又は多いと判定される正味の濃度又は量の値。
3) 対応する定義は,次のとおりである。
検出可能な最小の正味濃度又は量
確率 (1− 戀 ‰柿 分析対象物質中の分析対象成分の濃度又は量が,ブランク物質中の分析対象成分の濃度又は量よ
りも,高い又は多いと判定される分析対象物質中の分析対象成分の正味濃度又は量の真の値。

――――― [JIS Z 8462-1 pdf 8] ―――――

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Z 8462-1 : 2001 (ISO 11843-1 : 1997)
参考1. 化学分野で用いられる用語については,対応する英語を併記した。
2. 日常的には,material to be analyzed, blank materia1及びreference materialのことをそれぞれ“分析試料”,“ブラン
ク試料”及び“標準試料”ということもある。しかし,JIS Q 0030 : 1997(標準物質に関連して用いられる用語
及び定義) (ISO Guide 30 : 1992) では,reference materialに対応する用語として“標準物質”が当てられ,定義
が行われている。
なお,JIS Q 0030 : 1997及びJIS Z 8402 : 1999[測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)] (ISO 5725)
では,特性を調べる対象の母集団をmaterial,測定をするために採取した母集団を代表するものをsampleと区別
しており,sampleに対しては“サンプル”という用語が当てられている。JIS K 0211 : 1987[分析化学用語(基
礎部門)]では,“母集団” (population) と“試料” (sample) に対して定義が用意されている。
以上を考慮して,この規格においては,materialに対しては“物質”という用語を当て,sampleと混同しない
ために“試料”という用語は用いないことにした。
3. 日常的には,response variableのことを“レスポンス”,“測定値”,“出力”ということもある。
4. JIS K 0211 : 1987では,校正曲線に対応する英語としてcalibration curveが当てられている。

――――― [JIS Z 8462-1 pdf 9] ―――――

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Z 8462-1 : 2001 (ISO 11843-1 : 1997)
附属書B(参考) 参考文献
[1] ISO 3534-1 : 1993 Statistics−Vocabulary and symbols−Part 1 : Probability and general statistical terms
参考 この国際規格の規定内容は,JIS Z 8101-1 : 1999 統計−用語と記号−第1部 : 確率及び一般統
計用語,及びJIS Z 8101-2 : 1999 統計−用語と記号−第2部 : 統計的品質管理用語に含まれて
いる。
[2] ISO 3534-3 : 1993 Statistics−Vocabulary and symbols−Part3 : Design of experiments
参考 この国際規格(第1版)に一致するJISは存在しないが,この規格の第2版の最終国際規格案
(FDIS : Final Draft International Standard) の一致規格は,JIS Z 8101-3 : 1999統計−用語と記号−
第3部 : 実験計画法である。
[3] VIM : 1993 International Vocabulary of Basic and General Terms in Metrology(国際計量基本用語集)
原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 鹿 庭 なほ子 国立医薬品食品衛生研究所
宮 津 隆 帝京科学大学
尾 島 善 一 東京理科大学
桑 克 彦 筑波大学
高 田 芳 矩 社団法人日本分析化学会
森 田 昌 敏 国立環境研究所
鴨 下 隆 志 計量研究所
高 津 章 子 物質工学工業技術研究所
柿 田 和 俊 株式会社日鐵テクノリサーチ
城 道 修 メルシャン株式会社
新行内 康 慈 帝京科学大学
(事務局) 橋 本 進 財団法人日本規格協会
飛 嶋 順 子 財団法人日本規格協会

JIS Z 8462-1:2001の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11843-1:1997(IDT)

JIS Z 8462-1:2001の国際規格 ICS 分類一覧