JIS Z 8462-2:2003 測定方法の検出能力―第2部:検量線が直線である場合の方法 | ページ 2

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Z 8462-2 : 2003
以上である;
― 実際の状態に対する試料調製数Kは,各参照状態の試料調製数Jと同一とすることが望ましい;
― 各試料調製当たりの繰返し測定回数Lは,同一とする;推奨値は,L = 2以上である。
備考 5.に規定する限界値及び検出可能な最小値の式は,試料調製当たりの繰返し測定回数が,参照
状態及び実際の状態の測定すべてについて同一でなければ成立しない。
試料調製のばらつき及びコストは,一般に,測定におけるばらつき及びコストよりはるかに大きいため,
ばらつきとコストとの関係を最適化することによって,J,K,及びLの最適値が導かれる。

5. 一連の測定における限界値yc,xc及び検出可能な最小値xd

参考 ここで用いる記号yc,xc,及びxdは、JIS Z 8462-1で用いていた記号yC,xC,及びxDと同一である。
参考 以下で用いられる用語“検出可能な最小値”は、“検出可能な最小正味状態変数値”を意味する。

5.1 基本的仮定

 次に示す限界値と検出可能な最小値の計算手順はJIS Z 8461に示された仮定に基づい
ている。ただし,JIS Z 8461の方法が少し一般化されて使用されている;5.3を参照。
JIS Z 8461の基本的仮定は,
― 校正関数(検量線)は直線である,
― すべての試料及び参照状態の応答変数の測定値は独立で正規分布し,その標準偏差を残差標準偏差と
呼ぶ。
― この残差標準偏差は一定,すなわち,正味状態変数値に依存しないか(ケース1),又は正味状態変数
値の一次関数である(ケース2)
である。
実際のデータに,この規格が適用可能であるか否か,及び上記の二つのケースのいずれを選択するかに
ついては,事前の知識及びグラフ化されたデータの視覚的な判断に基づいて決定する。

5.2 ケース1―標準偏差が一定の場合

5.2.1  モデル 次の式で表されるモデルは,校正関数(検量線)が直線であり,標準偏差が一定であると
いう仮定に基づく。
Yij a bxi ij (1)
ここに, ix : 参照状態iにおける正味状態変数;
ij サンプリング,試料調製及び測定誤差のラ
ンダム成分を表す確率変数。
ij
立な正規分布に従う変数であり,その期待値はゼロ,残差標準偏差は 一 ij 20;
Yは期待値E Y)(ij =a+ bx,ixには依存しない分散V Y)
(ij= 2
と表せる。したがって,応答変数の値ij i
つ確率変数である。
備考 参照状態iについて,J個のサンプルを調製し,それぞれについてL回,合計J L回測定を行
Yは調製した試料について得られるL回の測定の平均値である。
う場合,ij
2
参考 ij一 0; 獗
椀 標準偏差σの正規分布に従う事を示す。
2 定値(備考を
5.2.2 校正関数(検量線)と残差標準偏差の推定 JIS Z 8461によって,a,b及び
参照)は次の式から得られる。

――――― [JIS Z 8462-2 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
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I J
xi x yij y
b
i1 j 1

(pdf 一覧ページ番号 )

                                   sxx
a y bx (3)
I J
1 2
bxi
2
yij a

(pdf 一覧ページ番号 )

                              I  J   2i1  j 1
上式で使用する記号と,この規格の他の箇所で使用する記号の定義は,附属書Aを参照。
備考 推定値は記号 で表し,未知であるパラメータ自体と区別する。
参考 原国際規格では式(2)において,二つめのΣの下のj=1をj-1と誤記されている。
5.2.3 限界値の計算 応答変数の限界値は,次の式から得られる。
2
1 1 x
yc a t.095 (5)
K I J sxx
正味状態変数の限界値は,次の式から得られる。
2
1 1 x
xc t.095 (6)
b K I J sxx
ここで, .0t95は,自由度 J−2のt分布の95%点である。
これらの式の導出は,附属書Bを参照。
5.2.4 検出可能な最小値の計算 検出可能な最小値は,次の式から得られる。
2
1 1 x
xd (7)
b K I J sxx
ここで,非心度の値 ; は,自由度 J−2,非心度 幟 t分布に従う確率変数
T が次の式
を満たすように求める。
PT ; 1t
ここで,t1− 愀 自由度 布の(1−α)分位点である。

――――― [JIS Z 8462-2 pdf 7] ―――――

6
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この式の導出は,附属書Bを参照。
愀 打 び 滿 湘 ,次の式で 溂細 似値が与えられる。
; ; 2t1 (8)
び 愀 戀 湘
,この近似値の相対誤差は5%である。またt1−α( 自由度
t分布の(1− 愀 位点である。
表1に, 愀 戀 湘 について, ; えたときの
の値を示す。
愀 打 び 滿 湘 ,dxは次の式で近似される。
2
1 1 x
xd 2t.095 2cx (9)
b K I J sxx
表1 愀 戀 自由度 湘 の非心度の値
; ; ; ; ; ;
2 5.516 19 3.415 36 3.354
3 4.456 20 3.408 37 3.352
4 4.067 21 3.402 38 3.350
5 3.870 22 3.397 39 3.349
6 3.752 23 3.392 40 3.347
7 3.673 24 3.387 41 3.346
8 3.617 25 3.383 42 3.344
9 3.575 26 3.380 43 3.343
10 3.543 27 3.376 44 3.342
11 3.517 28 3.373 45 3.341
12 3.496 29 3.370 46 3.339
13 3.479 30 3.367 47 3.338
14 3.464 31 3.365 48 3.337
15 3.451 32 3.362 49 3.336
16 3.440 33 3.360 50 3.335
17 3.431 34 3.358
18 3.422 35 3.356

5.3 ケース2―標準偏差が正味状態変数と直線関係にある場合

5.3.1  モデル 次の式で表されるモデルは,検量線が直線であり,標準偏差が正味状態変数と直線関係に
あるという仮定に基づく。
Yij a bxi ij (10)
Yの定義は5.2.1による。ij
ここで,xi,a,b,ij 立で,期待値がE攀(ij 分散が次の式で表される
正規分布に従う。

――――― [JIS Z 8462-2 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
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2
V ij xi c dxi (11)
すなわち,残差標準偏差はxと直線関係にある。
xi c dxi (12)
モデルのパラメータa,b,c,及びdは,5.3.2及び5.3.3に規定する二段階からなる方法によって推定す
る。
5.3.2 残差標準偏差と正味状態変数間の直線関係の推定 パラメータc,dは,正味状態変数xを説明変
数,Sを目的変数として,標準偏差が
1 J
si yij yi 2 (13)
J 1j 1
2 例するため,重み付き回帰分析(参考文献
である線形回帰分析によって推定する。分散V(S)の値は
[1]及び[2]を参照)を実施する必要があり,重みは
1 1
wi 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                               xi   c  dxi
である。
しかし,分散 2 椀
は推定されていない未知のパラメータc及びdに依存する。そのため,重みを
1
wqi (15)
qi
とする次の反復計算を推奨する。第1回目の反復(q = 0)には 0i si ,ここでsiの値は経験標準偏差(標本
標準偏差)である。その後の反復q = 1,2,・・・では
qi cq d x (16)
q i
とするが,これは次の補助値を計算することによって

――――― [JIS Z 8462-2 pdf 9] ―――――

8
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I
Tq 1,1 wqi ;
i 1
I
Tq 1,2 wqixi ;
i 1
I
Tq 1,3 wqixi2 ;

(pdf 一覧ページ番号 )

                               i 1
I
Tq 1,4 wqisi ;
i 1
I
Tq 1,5 wqixisi
i 1
Tq Tq
1,3Tq 1,4 1,2Tq 1,5
cq 1 (18)
Tq 1,1Tq
1,3Tq2 1,2
Tq 2,1Tq 4,1
Tq 1,1Tq 5,1
dq 1 (19)
Tq2 2,1
Tq 1,1Tq 3,1
を得る。この反復は急速に収束するため,q = 3の結果の値
3
σ c3 d x;
3
を最終結果,すなわち 3 , c3 d d としてよい。
0 及び 3
x 0 dx (20)
参考 原国際規格では式(20)において, d(x) と誤記されている。
5.3.3 校正関数(検量線)の推定 パラメータa,bは, yを目的変数,xiを説明変数,重みを
ij
1
wi
2 xi
とした重み付き線形回帰分析(参考文献[1]及び[2]を参照)によって推定される。
ここに 2 椀
は式(20)によるxiの分散の予測値である。

――――― [JIS Z 8462-2 pdf 10] ―――――

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JIS Z 8462-2:2003の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11843-2:2000(IDT)

JIS Z 8462-2:2003の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8462-2:2003の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称