この規格ページの目次
14
Z 8762-1 : 2007 (ISO 5167-1 : 2003)
整流装置が使われる最大のβ,βmaxを超えて試験しなくてはならない。流出係数に許される変化は,(0.63
βmax−0.192)%までの増加が許される。
7.4.1.5 の場合は,
.0002 41 max .0000 735
Relow Rehigh
≧ 5.3max
整流装置がこの適合試験をすべて満足すれば,この整流装置はβ≦βmaxの範囲で適合試験に合格したこ
とになる。整流装置と絞り機構,及び整流装置と上流側の継手との距離は,7.4.1.6 によって決められる。
7.4.2 個別の試験 上流側の継手の下流側に整流装置を取り付ける適合試験を実施しなければ,個別の試
験が必要になる。その取り付けた試験において,完全に発達した流れの場合の流出係数からの偏差が
0.23 %未満であれば十分である。この偏差は,0.67<β≦0.75の場合は(0.63 β−0.192)%までの増加が許
される(又は,ノズルの場合は0.67<β≦0.8,ベンチュリ管の場合は0.67<β≦0.775)。この状況では,取
付けによる流出係数の不確かさの増加は考えなくてもよい。
8. 流量測定の不確かさ
備考 流量測定の不確かさの計算については,より総合的な情報と例とがISO 5168に規定されている。
8.1 不確かさの定義
8.1.1 JIS Z 8762の規格群において,不確かさは,正当な測定量に帰す値の分布の約95 %を含む区間と
定義する。
8.1.2 流量測定の不確かさは,JIS Z 8762の規格群の該当する部分を用いて計算したものをいう。
8.1.3 不確かさは絶対値,又は相対値で表し,流量測定の結果は,次のいずれかの形式によって与えられ
る。
− 流量=q±δq
− 流量=q (1±U'q)
− 流量=q (100U'q) %以内
ここで,不確かさ(δq)はqと同じ次元をもつが,U'q=δq/qは無次元である。
8.1.4 不確かさは,使用者の測定に関連する部分とJIS Z 8762の規格群の関連する部分になる。
後者の不確かさは流出係数及び膨張補正係数で,使用者が求められない量であり,最小値が示されてい
る。これらは装置の幾何学的なわずかな違いが許されており,これらの値が求められた段階で各種の値が
理想的な値ではなく不確かさを含んでいるために生じてくる。
8.2 不確かさの実用的な計算
8.2.1 不確かさの成分 式(1)から質量流量(qm)は,次の式によって与えられる。
2 p 1
qm C d2
4 1 4
事実,この式の右辺に現れる多くの量は独立ではない。したがって,qmの不確かさを,これらの量の不
確かさから直接に計算するのは正確ではない。
例えば,Cはd,D,V1,ν1及びρ1 の関数であり,εはd,D,Δp,p1及びκ の関数である。
8.2.1.1 しかし,実用的には通常,C,ε,d,Δp及びρ1 は互いに独立であると考えて差し支えない。
8.2.1.2 δqmの一つの実用的な式は,C がd及びDに相互依存しないと考え,その影響をβへの依存に含
ませる。また,Cはレイノルズ数(ReD)の関数であるが,その変化は二次的であり,Cの不確かさに含ま
――――― [JIS Z 8762-1 pdf 16] ―――――
15
Z 8762-1 : 2007 (ISO 5167-1 : 2003)
せる。
同様に,β,圧力比及びアイゼントロピック指数の値の不確かさによるεの値の偏差は,二次的な大きさ
であり,εの不確かさに含ませる。相関的な影響は無視できると考えられる。
8.2.1.3 以上からδqmの実用的な式に含まれる不確かさは C,ε,d,D,Δp及びρ1の不確かさである。
8.2.2 実用的な式
8.2.2.1 質量流量に対して実用的な不確かさ(δqm)を表す式は,次の式(3)である。
2 2 2 2 2 2 2 2
4
qm C 2 D 2 d 1 p 1 1
4 4
(pdf 一覧ページ番号 )
qm C 1 D 1 d 4 p 4 1
式(3)において,ある量,例えば,流出係数及び膨張補正係数は,8.2.2.2及び8.2.2.3に与えられているが,
その他は使用者が決定しなくてはならない(8.2.2.4及び8.2.2.5 参照)。
8.2.2.2 式(3)において,δC/C 及び δε/ε は,JIS Z 8762の規格群の該当する部分から求めなければならな
い。
8.2.2.3 直管長さが 0.5 %の付加不確かさを必要とする場合には,この不確かさは,JIS Z 8762-2,JIS Z
8762-3及びJIS Z 8762-4の6.2.4の規定による必要事項に加えて,算術的に付加しなくてはならない。式(3)
の中のように二乗して平方根の中に加えてはならない。他の不確かさ(JIS Z 8762-2の6.4.4及び6.5.3並
びにJIS Z 8762-3の6.4.4参照)も同様である。
8.2.2.4 式(3)において,δD/D及びδd/dの最大値は,JIS Z 8762-2の6.4.1,JIS Z 8762-3の6.4.1,JIS Z 8762-4
の5.2.2,及び,JIS Z 8762-2の5.1.8,JIS Z 8762-3の5.1.2.5,5.2.2.3,5.3.1.6並びにJIS Z 8762-4の5.2.4 に
規定する事項からそれぞれ得られるが,使用者が求めた値を用いてもよい(δD/D,δd/dの最大値はそれぞ
れ0.4 %,0.1 %を超えてはならない。)。
8.2.2.5 δΔp/Δp及びδρ1/ρ1の値は,使用者が決めなければならない。それはJIS Z 8762の規格群の該当す
る箇所にはΔp及びρ1の測定法の詳細は規定されていないためである。測定におけるこの二つの量の不確
かさは製造業者が表示する計測器のフルスケールに対する不確かさを含む。フルスケールより小さい数値
に対する不確かさは,相対的な不確かさを増加させる。
8.2.2.6 qmに対する全体の不確かさを95 %の信頼限界で示すには,使用者が決める不確かさを,おおよ
そ95 %の信頼限界で決める必要がある。
――――― [JIS Z 8762-1 pdf 17] ―――――
16
Z 8762-1 : 2007 (ISO 5167-1 : 2003)
附属書A(参考)繰返し計算
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
繰返し計算法は,直接計算法で解けない問題に適用する(本体5.3参照)。
オリフィス板を例にとると,次の計算にはいつも繰返し計算法が必要になる。
− 与えられた μ1,ρ1,D,Δp及びdからqmを求める。
− 与えられた μ1,ρ1,D,Δp及びqmからオリフィス径d及びβを求める。
− 与えられた μ1,ρ1,D,d及びqmから差圧Δpを求める。
− 与えられた μ1,ρ1,β,Δp及びqmからD及びdを求める。
基本的な流量式(1)において既知の値を一つにまとめ,
qm C d2 1 4 5.0
2Δ p1
4
未知の値を一つにまとめるのが基本である。
既知のグループは(附属書A表1において“An”と示す。)この問題の“不変量”である。
最初の仮定値X1を未知量に代入すると,既知量との間にδ1の違いが生じる。次の仮定値X2は,繰返し
計算のδ2を求めるのに用いられる。
X1,X2,δ1及びδ2は,線形の算法によってX3,···Xn及びδ3,···δnを計算するのに用いられ,|δn|が規
定の値より小さくなるか,決められた精度で相続く二つのX又はδが等しくなるまで続けられる。
直線近似の計算で収れん(斂)が速やかな例は,次の計算方法である。
Xn 1 Xn 2
Xn Xn 1 n 1
n 1 n 2
計算をプログラムが可能な電卓で行えば,この規格の応用計算の場合には,直線近似による繰返し計算
の結果,計算値の減少はわずかである。
d,D及びβの値が計算式に入れられるときは,作動状態の値であることを注意しなくてはならない。
オリフィス板では,板と管路とが異なる材質であると,βの温度による変化が無視できないほど大きい。
附属書A表1に繰返し計算の全体の形を示す。
――――― [JIS Z 8762-1 pdf 18] ―――――
17
Z 8762-1 : 2007 (ISO 5167-1 : 2003)
附属書A表 1 繰返し計算の全体の形
分類 q= d= Δp= D=
与えられた値 D,d,Δp D,qm,Δp D,d,qm 拿 qm,Δp
求める値 qm及びqv d及び 戀 Δp D及びd
2 2
1 Re D
不変量An 4
d 2 p 1 A 2= 81 2 4 qm 2 1
A1= qm A 4=
4 D 2 p 1 A 3= 2 2 4
1D 1 1 Cd 1 1
繰返し計算 ReD 2 p 2
= A1 C =A 3 ReD
=A 2 2 =A 4
C 4 C
1
判定式に使うXの計算 X1=ReD=CA1 2 2
X4=ReD= CA 4
A2 X3=p= A3
X2= =
4 C
1
繰返し計算の収れんの判定 X1 X3 2
A2 X2C n X4
A1 n <1 10 A3 2 A4
C <1 10 A2 n C <1 n
A1 <1 10 10
A3 A4
初期値の設定 C=C∝ C=0.606(オリフィス板), 1 C=C∝
C=1(他の絞り機構) D=∝
0.97(又は 1)
結果 .025 Δp=X3 4qm
qm= 1DX1 D22 D=
4 d=D 22
流体が液体の場合は繰返し計算は
1X4
1 不要
qm d= 戀
Z8
qv= d
7
1 =
6
D
2-
1 : 2007(ISO5 167-1 : 2
00
1
3
7
)
――――― [JIS Z 8762-1 pdf 19] ―――――
18
Z 8762-1 : 2007 (ISO 5167-1 : 2003)
附属書B(参考)管路の内面粗さ(k)の参考値
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
附属書B表 1 管路の内面粗さ(k)の参考値
単位 mm
材質 管内壁の状態 k Ra
付着物がなく滑らか
黄銅,銅,アルミニウム, < 0.03 < 0.01
プラスチック,ガラス
新しいステンレス < 0.03 < 0.01
新しい継ぎ目なしの冷間引抜き < 0.03 < 0.01
新しい継ぎ目なしの熱間引抜き
新しい継ぎ目なしの圧延 ≦ 0.10 ≦ 0.03
新しい継ぎ目なしの溶接
新しいスパイラル溶接 0.10 0.03
鋼 わずかのさび 0.100.20 0.030.06
さび 0.200.30 0.060.10
あか 0.502 0.150.6
甚だしいあか >2 > 0.6
れき青質塗料(新しいもの) 0.030.05 0.010.015
れき青質塗料 0.100.20 0.030.06
亜鉛メッキ 0.13 0.04
鋳鉄 新しいもの 0.25 0.08
さび 1.01.5 0.30.5
あか > 1.5 > 0.5
れき青質(新しいもの) 0.030.05 0.010.015
アスベストセメント 絶縁性及び非絶縁性塗料(新しいもの) < 0.03 < 0.01
非絶縁性塗料 0.05 0.015
備考 Ra=
――――― [JIS Z 8762-1 pdf 20] ―――――
次のページ PDF 21
JIS Z 8762-1:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 5167-1:2003(IDT)
JIS Z 8762-1:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.120 : 流量の測定 > 17.120.10 : 閉水路における流れ
JIS Z 8762-1:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8762-2:2007
- 円形管路の絞り機構による流量測定方法―第2部:オリフィス板
- JISZ8762-3:2007
- 円形管路の絞り機構による流量測定方法―第3部:ノズル及びノズル形ベンチュリ管
- JISZ8762-4:2007
- 円形管路の絞り機構による流量測定方法―第4部:円すい形ベンチュリ管