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5.2.3 流量計の器差変化の補正 流量計の測定状態と校正状態とが著しく異なる場合は,必要とする精度
に応じて,それぞれ次の器差補正を適用しても差し支えない。ただし,液体の流れがメータランの部分に
おいて乱流状態となっており,かつ校正時と使用時とにおいて液体の粘度がほぼ等しくなければならない。
これらの条件が満足されない時は,使用状態又はこれに近い状態において流量計の校正を行い,あらたに
器差を求め,測定量 (Qi) を求める。
(1) 温度による器差変化の補正 流量計の温度による器差変化の補正は,次の式による。
戀
Eti=Etc−(2 戀刀 ti−tc)×100
ここに Eti : 測定状態の温度 (ti) における流量計の器差
Etc : 校正状態の温度 (tc) における流量計の器差
戀 流量計ハウジング材料の線膨張係数
戀勿 流量計ロータ材料の線膨張係数
(2) 圧力による器差変化の補正 流量計の圧力による器差変化の補正は,次の式による。
Epi=Epc− Pi−Pc)×100
ここに Epi : 測定状態の圧力 (Pi) における流量計の器差
Epc : 校正状態の圧力 (Pc) における流量計の器差
R2( )
で求める。
A
tY 1
R2
R : 流量計ハウジングの内半径
ポアソン比
t : 流量計ハウジングの肉厚
Y : 流量計ハウジング材料のたて弾性係数
A : 流量計ロータの軸に直角な面の最大面積
円周率
5.3 保守点検 新設時及びその後の使用中必要に応じて,点検・調整を行う。点検方法は次による。
5.3.1 メータランの内部点検 メータランの内部点検は,次による。
(1) 流量計のハウジング,ロータ,軸,軸受,サポート等の摩耗,異物の付着・たい(堆)積の有無を定
期的に点検し,必要に応じて清掃又は交換を行う。交換を行った場合には校正を行うことが望ましい。
(2) メータラン(流量計を除く。)及び附属機器についても5.3.1(1)と同様の処置をする。
5.3.2 機能点検 機能点検は,次による。
(1) 測定系の検査 流量計の設置されている全測定系に試験的に液体を流すことにより,検査する。
(2) ロータの回転による検査 流量計,変換器及び積算器と関連する計器との組合せで行う。液体を流す
代わりに,流体ジェットをロータに与えて回転させることによって検査する場合は,ロータの過回転
に注意する。
(3) 誘導信号検査 自己発信形流量計のピックアップコイル,プリアンプと変換器又は積算器の組合せに
対し,ピックアップコイルに誘導信号を加えて検査する。
(4) 印加信号検査 プリアンプと変換器又は積算器の組合せに対し,擬似入力をプリアンプに印加するこ
とによって検査する。
(5) 分割検査 回路を次の二つに分けて検査する。
(a) ピックアップコイルの検査 コイルの抵抗及び絶縁抵抗が所定の値であることを確かめる。
(b) プリアンプ以降の検査 プリアンプと変換器又は積算器は,使用最小流量及び使用最大流量におけ
るピックアップの出力信号に対応する周波数と振幅の信号を発振器により印加して検査する。
――――― [JIS Z 8765 pdf 6] ―――――
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6. 校正
6.1 校正方法 流量計の校正方法には,ひょう量法,体積法及び比較法がある。これらは校正精度,測
定液体又は測定系の種類などを考慮して選ぶ。
6.1.1 ひょう量法 各種のはかりを基準校正器として使用する方法である。質量を体積に換算するため,
液体の密度を正しく求めなければならない。
また,ひょう量の際には空気による浮力の影響を考慮する必要がある。
流量計を通して液体を所定の流量でひょう量容器に流し込む。ひょう量の方法には,所定の量が流れ込
んだ後にその流れを停止させるか,又は転流器によってその流れをひょう量容器外に転流させ,この間容
器に流れ込んだ液体の質量を測定する静的ひょう量法と,ひょう量容器に流れ込んでいる液体の質量が所
定の値に達するまで,液体を連続的に流し込む動的ひょう量法とがある。ひょう量容器が風の影響を受け
ないように,一般に屋内で行う。代表的な例を図4及び図5に示す。
図4 静的ひょう量法
――――― [JIS Z 8765 pdf 7] ―――――
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図5 動的ひょう量法
6.1.2 体積法 体積管又はタンクを基準校正器として使用する方法である。
タンクには,開放形と密閉形がある。開放形は低蒸気圧液体に使用する。密閉形は,液体の気化による
散逸を防ぐため,校正システムの系が密閉される場合又は加圧状態で校正を行う場合に使用する。
タンクによる場合は,静的ひょう量法と同様に行って,この間に流れ込んだ液体の体積を測定する。
体積管による場合は,流量計と体積管を直列に接続し,所定の流量で液体を流しながら,流量計の指示
量と基準となる実量との比較を行う。代表的な例を図6及び図7に示す。
図6 体積法(タンク法)
――――― [JIS Z 8765 pdf 8] ―――――
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図7 体績法(体積管法)
6.1.3 比較法 既に精度が確かめられている流量計を基準校正器として使用する方法である。ひょう量法
及び体積法より小さい装置であるが,ある程度校正精度が悪くなることがある。必要に応じて体積管など
によって,この基準校正器を更に校正できるシステムがすすめられる(付図参照)。代表的な例を図8に示
す。
図8 比較法
6.2 校正状態 流量計の校正状態には停止試験と通液中試験とがある。
――――― [JIS Z 8765 pdf 9] ―――――
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6.2.1 停止試験(スタンディングスタートアンドストップ) 校正の際,指示量の読み取りを,液体の流
れが停止している状態で行う方法である。この場合は,ひょう量容器又はタンクへの取込み時間を1分間
以上とすることが望ましい。
6.2.2 通液中試験(ランニングスタートアンドストップ) 校正の際,指示量の読み取りを,液体が流れ
ている状態で行う方法である。体積管による場合及び比較法は,一般にこの方法である。静的ひよう量法
又はタンクによる体積法でこの試験を行う場合には,転流器が必要である。
6.3 器差及び流量特性 流量計の器差及び流量特性は,次によって求める。
6.3.1 器差 流量計の器差 (E) 又はメータ係数 (f) は,次の式によって求める。
I Q
E (%)= 100
I
Q
f=
I
ここに I : 積算器の指示量
Q : 基準校正器によって求めた実量(定められた状態に補正された値)
6.3.2 流量特性 校正される流量計の流量特性は,直線性が定義される流量範囲におけるメータ係数又は
器差によって決まる。この関係を図9に示す。
図9 流量特性
6.4 校正上の注意
(1) 流量計の校正は,測定に使用している状態のままで,その測定液体によって校正することが望ましい。
(2) 使用状態のままで校正できないときは,使用状態と同じ姿勢で,流量計のメータランごとに校正場所
に取り付けて行う。メータランが取り外せないときは,これと等しいメータランを別に取り付けて校
正する。
(3) 測定液体で校正できないときは,粘度及び密度のほぼ等しい液体を用いて行うか,又は水を用いて行
――――― [JIS Z 8765 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8765:1980の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.120 : 流量の測定 > 17.120.10 : 閉水路における流れ
JIS Z 8765:1980の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0903:1983
- 一般用電気機器の防爆構造通則