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Z 8819-2 : 2019 (ISO 9276-2 : 2014)
6 モーメント表記法とモーメント比表記法との関係
M表記又はM-R表記のいずれが適するかは応用分野による。両方法では,箇条3箇条5に示されてい
−
Ex
−
ED
k,rと
るように記号及び用語が異なる。しかし,計算法は類似している。両表記法での平均粒子径 p,qと
の間には,次の式(74)で与えられる関係がある。
− −
k+r,r=−k,r(q=r及びp=k+r) (74)
ED ED Ex
p,q=
−
Ex
−
ED
0,rを与える。この関係は,文献[5]のq,qと同様な方法で導出できる。
k=0は,幾何平均粒子径
−
3,2=− 1,2がある。
ED Ex
式(74)の例として,粒子実体積当たりの表面積に関する平均径,すなわち,ザウター径
1 /(3 )2
niDi3
i M0,3 1
D2,3 x2,1 M2,1 (75)
niDi2 M0,2 M 3,1
i
個数分布での表記ではq=r=0及びp=k+0になり,二つの表記法は一致する。すなわち,
1 /( p q)
niDip
i
Dp,q (52)
niDqi
i
注記1 対応国際規格では,この式の番号を(49)としているが,誤りのため正しい番号(52)に置き換え
た。
及び
Mk r0,
xk,r kM
k,r k (21)
Mr0,
注記2 対応国際規格では,この式の番号を(61)としているが,誤りのため正しい番号(21)に置き換え
た。
になるので,次の式(8)式(10)の関係が得られる。
D0,1 x0,1 M0,1 (8)
D0,2 x0,2 2M0,2 (9)
D0,3 x0,3 3M0,3 (10)
個数分布ではない場合には,式(74)は,例えば,次の式(24)及び式(26)のようになる。
M0,2 M 3,1
D1,2 x1,1 M1,1 (24)
M0,1 M 3,2
M0,4
D3,4 x3,1 M3,1 (26)
M0,3
5.2.1に記載したモーメント比表記法の記号と4.2.1に記載したモーメント表記法の記号との比較を,表3
に示す。
――――― [JIS Z 8819-2 pdf 16] ―――――
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表3−平均粒子径の用語及び対応する各表記法の記号
記号 用語
M表記法 M-R表記法
−
Ex
−
ED
−3,0 −3,0
調和平均体積径
−
Ex
−
ED
−3,1 −2,1
長さ基準調和平均体積径
−
Ex
−
ED
−3,2 −1,2
面積基準調和平均体積径
−
Ex
−
ED
−2,0 −2,0
調和平均面積径
−
Ex
−
ED
−2,1 −1,1
長さ基準調和平均面積径
−
Ex
−
Ex
−
ED
har,0 ( −1,0) −1,0
調和平均径
−
Ex
−
Ex
−
ED
geo,0 ( 0,0) 0,0
幾何平均径
−
Ex
−
ED
0,1 1,1
長さ基準幾何平均径
−
Ex
−
ED
0,2 2,2
面積基準幾何平均径
−
Ex
−
ED
0,3 3,3
体積基準幾何平均径
−
Ex
−
ED
1,0 1,0
個数基準算術平均長さ径(個数平均径)
−
Ex
−
ED
1,1 2,1
重み付き長さ基準平均径(長さ平均径)
−
Ex
−
ED
1,2 3,2
重み付き面積基準平均径(体面積平均径),ザウター径
−
Ex
−
ED
1,3 4,3
重み付き体積基準平均径(体積平均径)
−
Ex
−
ED
2,0 2,0
個数基準算術平均面積径(平均面積径)
−
Ex
−
ED
2,1 3,1
重み付き長さ基準平均面積径
−
Ex
−
ED
2,2 4,2
重み付き面積基準平均面積径
−
Ex
−
ED
2,3 5,3
重み付き体積基準平均面積径
−
Ex
−
ED
3,0 3,0
個数基準算術平均体積径(平均体積径)
−
Ex
−
ED
3,1 4,1
重み付き長さ基準平均体積径
−
Ex
−
ED
3,2 5,2
重み付き面積基準平均体積径
−
Ex
−
ED
3,3 6,3
重み付き体積基準平均体積径
7 計算された粒子径分布のパラメータの正確さ
異なる方法で粒子径分布が測定された場合,粒子径分布及びその特性値の違いは有意になる場合がある。
例えば,異なる方法で得られた結果を比較する場合,平均径,パーセンタイル値などの粒子径分布のパ
ラメータを,測定した粒子径分布の基準から他の基準に変換する必要がある。体積基準分布を個数基準に
変換する場合である。数学的には,代表的な場合に1 %以内の正確さで変換される。しかしながら,実際
にはパラメータの誤差は次の要因によって著しく増加する。
− 粒子径分布が上下端のいずれかで僅かに切り取られている場合(例えば,測定基準による分率で0.05 %
0.3 %)。しばしば,限られた測定による精密さ又はデコンボリューションの問題から誤差は増加す
る。
− 粒子径分布の上端に本来含まれる粒子が,測定された粒子径分布にはほとんど含まれていない場合。
上端の量の不確かさは大きい。
− 試料に不均一な物質が存在する,又は測定量から粒子径分布に変換するときに不適切なモデルを用い
たことによって,粒子径分布に見せかけのピークが見られる場合。
− 幅の広い粒子径分布において分布の基準(測定基準r)を大きく変える場合。体積基準を表面積基準
にする場合の誤差は,体積から個数に変換する場合に比べて小さい。
− 広い粒子径区間にほとんど粒子が含まれない場合。
− 有意な測定誤差がある場合。
さらに,多くの説明及び例を,附属書Cに示す。
――――― [JIS Z 8819-2 pdf 17] ―――――
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附属書A
(参考)
体積基準分布のヒストグラムから各種の平均粒子径及び
標準偏差を求める計算例(モーメント表記法)
次の計算例で用いられる体積基準積算分布は,対数正規分布に従うとする(ISO 9276-5参照)。
2
1 ln(x x3,0 )
q3 (x) exp 5.0 (A.1)
xs 2π s
−
0,3 : 体積基準分布の幾何平均径。この場合,− 0,3の値は中位径x50,3
Ex Ex
ここに,
に等しい
s : 標準偏差(粒子径の対数値の標準偏差)
幾何標準偏差sgは,次の式(A.2)で与えられる。
sg=exp(s) (A.2)
−
Ex
0,3=5.0 μm及び幾何標準偏差sg=1.648 7に相当する標準偏差s=0.50と
体積基準分布を,幾何平均径
仮定して計算した数値を,表A.1に示す。便宜上,一連の粒子径区間の境界は,式(A.3-1)及び式(A.3-2)の
ようにR5シリーズ及びR10シリーズで与えられている(実際には区間数は概して多い。)。
xi 5
R5シリーズの場合, 10 .1585 (A.3-1)
xi 1
xi 10
R10シリーズの場合, 10 .1259 (A.3-2)
xi 1
分布の最大値を,25.0 μmと仮定する。この境界以上の粒子で分布から除かれる体積分率は,0.000 64に
なる。また,R5シリーズの1番目の区間の境界下限値になる0.995 mでも分布は切り捨てられる。その
境界以下で除かれる粒子の体積分率は,0.000 62になる。除かれる粒子の体積分率は,全体で0.001 26に
なる。
−
Eq
3,iの各数値(R5シリーズの場合)を用いて
表A.1にあるxi,Q3,i,Δxi,ΔQ3,i,正規化されたΔQ3,i及び
式(35)式(38)で与えられるモーメントが計算される。Q3,iの値は,Excel 1)の関数LOGNORMDIST(平均,
標準偏差)によって計算したもので,分布の両端を切り捨てたことによる正規化をしていないことに注意
する。
−
Ex
0,3),s]=LOGNORMDIST(xi, 1.609 44, 0.5) (A.4)
Q3,i=LOGNORMDIST[xi, ln(
注1) xcelは,Microsoftが供給する製品の商品名である。この文書を利用する人の利便性のために
この情報を提供するもので,この製品をこの規格が推奨するものではない。同様な結果が得ら
れるならば,相当する製品を使用することができる。
モーメントの解析値は,式(1)に対数正規分布を代入し,xmin=0からxmax=∞までの間で積分した値にな
る。すなわち,分布は切り捨てされていない。
求められたモーメントの値を,表A.2に示す。列2には,解析的に求めた式から計算された四つのモー
メントの値を示す。列3及び列5にはそれぞれ,R5シリーズ及びR10シリーズに対して数値計算で求め
た値を示す。
表A.1に示す正規化されたΔQ3,iの値は,列3及び列5の数値を計算するために用いられる。計算値は,
――――― [JIS Z 8819-2 pdf 18] ―――――
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Z 8819-2 : 2019 (ISO 9276-2 : 2014)
列2に示される値と僅かに異なる。しかし,列4及び列6に示される偏差のように,5 %6 %の範囲内で
両者は一致している。
注記 体積基準の粒子径分布に対数正規分布を仮定した場合のk-次モーメントは,次の式(A.5)になる。
k
Mk3, x3,0 exp(k2σ2 )2/
(A.5)
式(22)式(26)を考慮して表A.2のモーメントによって求めた平均粒子径を,表A.3に示す。
体積基準分布の分散s32は,表A.1の列2及び列3,並びに列7又は列8のデータを用いて式(41)によっ
て求めることができる。粒子径区間の中点は,表A.1の列2及び列3にある各粒子径区間の境界値の算術
平均になる。分散s32は10.081になり,標準偏差s3は3.175になる。
表A.1−モーメントの計算に用いる対数正規分布の基礎データ(R5シリーズ)
−
Eq
3,i(m−1)
i xi(m) xi−1(m) Q3,i Δxi(m) ΔQ3,i ΔQ3,i(正規化)
− 0.995 − 0.000 6 − − − −
1 1.577 0.995 0.010 5 0.582 0.009 9 0.009 9 0.017 0
2 2.500 1.577 0.082 8 0.923 0.072 3 0.072 4 0.078 4
3 3.962 2.500 0.320 9 1.462 0.238 0 0.238 3 0.163 0
4 6.280 3.962 0.675 7 2.317 0.354 8 0.355 3 0.153 3
5 9.953 6.280 0.915 7 3.673 0.240 0 0.240 2 0.065 4
6 15.774 9.953 0.989 2 5.821 0.073 5 0.073 5 0.012 6
7 25.000 15.774 0.999 4 9.226 0.010 1 0.010 1 0.001 1
表A.2−モーメントの解析値と計算値との比較
解析値 R5シリーズ R10シリーズ
計算値 偏差(%) 計算値 偏差(%)
M1,3(m) 5.666 5.854 3.3 5.703 0.7
M−1,3(m−1) 0.226 6 0.222 2 −2.0 0.225 −0.6
M−2,3(m−2) 0.065 9 0.063 9 −3.1 0.064 9 −1.7
M−3,3(m−3) 0.024 6 0.023 4 −5.1 0.023 6 −4.3
表A.3−平均粒子径の解析値と計算値との比較
解析値 R5シリーズ R10シリーズ
計算値 偏差(%) 計算値 偏差(%)
−
Ex
1,0(m)
2.676 2.731 2.1 2.751 2.8
−
Ex
2,0(m)
3.033 3.082 1.6 3.090 1.9
−
Ex
3,0(m)
3.436 3.496 1.7 3.487 1.5
−
Ex
1,1(m)
3.436 3.477 1.2 3.472 1.0
−
Ex
1,2(m)
4.412 4.501 2.0 4.441 0.7
−
Ex
1,3(m)
5.666 5.854 3.3 5.703 0.7
表A.3に示される解析値とR5シリーズ及びR10シリーズを用いた計算値との間の差は小さい。原理的
− −
Ex Ex
1,2及び 1,3の値
には,R5シリーズより偏差の小さいR10シリーズを用いることが望まれ,そのことは,
によって明らかに確認できる。その結果は,R10シリーズのような狭い粒子径区間は,R5シリーズのよう
な広い粒子径区間より推奨されることを意味する。正確さに関するその他の情報は箇条7に与えられてい
る。
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Z 8819-2 : 2019 (ISO 9276-2 : 2014)
附属書B
(参考)
体積基準分布のヒストグラムから各種の平均粒子径及び
標準偏差を求める計算例(モーメント比表記法)
次の計算例で用いられる体積基準積算分布は,対数正規分布に従うとする(ISO 9276-5参照)。
2
1 ln(D D3,3 )
q3 (D) exp 5.0 (B.1)
Ds 2π s
−
3,3 : 体積基準幾何平均径
ここに,
ED
s : 標準偏差(粒子径の対数値の標準偏差)
幾何標準偏差sgは,次の式(B.2)で与えられる。
sg=exp(s) (B.2)
−
ED
3,3=5 μm及び幾何標準偏差sg=1.648 7に相当する標準偏差s=0.50と仮
体積基準分布を,幾何平均径
定して計算した数値を,表B.1に示す。便宜上,一連の粒子径区間の境界は,式(B.3-1)及び式(B.3-2)のよ
うにR5シリーズ及びR10シリーズで与えられている(実際には区間数は概して多い。)。
xi 5
R5シリーズの場合, 10 .1585 (B.3-1)
xi 1
xi 10
R10シリーズの場合, 10 .1259 (B.3-2)
xi 1
分布の最大値を,25.0 μmと仮定する。この境界以上の粒子で分布から除かれる体積分率は,0.000 64に
なる。また,R5シリーズにおける1番目の区間の境界下限値になる0.995 mでも分布は切り捨てられる。
その境界以下で除かれる粒子の体積分率は,0.000 62になる。除かれる粒子の体積分率は,全体で0.001 26
になる。
Excel 1)の関数LOGNORMDIST(平均,標準偏差)によって積算体積分率
niDi3の値は計算され,表
i
B.1の列4に示されている。
niDi3 LOGNORMDIS(TDupi.1,609 44)5.0,
LOGNORMDIS[TDupi, ln(D3,3 ), s] (B.4)
i
ここに, Dupi : i番目の粒子径区間の上側境界(列3)
表B.2の値は,表B.1のデータを用いて求められた。正規化された分布に基づいていないこれらの値を
用いて,式(52)及び式(53)によって平均粒子径を求めた。体積基準分布は対数正規分布で与えられているの
−
ED
3,3及びsの値を式(72)に代入することで求めるこ
で,いかなる平均粒子径の解析値も,与えられている
とができる。
表B.3に求められた平均粒子径を示す。解析値とR10シリーズ及びR5シリーズで求めた値との差は小
−
ED
さい。原理的には,R5シリーズより偏差の小さいR10シリーズを用いることが望まれ,そのことは, 3,2
−
ED
4,3の値によって明らかに確認できる。
及び
――――― [JIS Z 8819-2 pdf 20] ―――――
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JIS Z 8819-2:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9276-2:2014(IDT)
JIS Z 8819-2:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 19 : 試験 > 19.120 : 粒度分析.ふるい分け