JIS Z 8819-2:2019 粒子径測定結果の表現―第2部:粒子径分布からの平均粒子径及びモーメントの計算 | ページ 5

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Z 8819-2 : 2019 (ISO 9276-2 : 2014)
表B.1−対数正規分布による体積分布(R5シリーズ)
区間番号 中点Di 粒子径範囲 積算分率 頻度分率
3
(m) (m) niDi niD3i
i
1 1.286 0.995以上 1.577未満 0.010 52 0.009 90
2 2.039 1.577以上 2.500未満 0.082 83 0.072 31
3 3.231 2.500以上 3.962未満 0.320 87 0.238 04
4 5.121 3.962以上 6.280未満 0.675 72 0.354 85
5 8.116 6.280以上 9.953未満 0.915 71 0.239 99
6 12.863 9.953以上 15.774未満 0.989 21 0.073 50
7 20.387 15.774以上 25.000未満 0.999 36 0.010 14
表B.2−平均粒子径及び幾何標準偏差を計算するためのデータ
中点Di 分率 ni nilnDi niDi niDi2 niDi3lnDi niDi4 ni[ln(Di D3,3) ]2
(m) niDi3 (×100) (×100) (×100) (×100)(×100) (×100) (×100)
1.286 0.009 90 0.464 9 0.117 1 0.598 1 0.769 3 0.249 2 1.272 9 1.895 2
2.039 0.072 31 0.853 4 0.607 9 1.739 8 3.546 9 5.150 7 14.741 9 6.165 3
3.231 0.238 04 0.705 7 0.827 6 2.280 1 7.367 2 27.918 5 76.914 8 5.099 7
5.121 0.354 85 0.264 2 0.431 6 1.353 1 6.929 4 57.959 4 181.718 4 0.000 2
8.116 0.239 99 0.044 9 0.094 0 0.364 3 2.956 9 50.250 7 194.781 0 5.038 1
12.863 0.073 50 0.003 5 0.008 8 0.044 4 0.571 4 18.774 8 94.545 9 6.203 5
20.387 0.010 14 0.000 1 0.000 4 0.002 4 0.049 7 3.057 7 20.676 3 1.929 2
合計 0.998 73 2.336 7 2.087 3 6.382 3 22.190 9 163.361 0 584.651 2 26.331 2
平均粒子径及び標準偏差の推定値は,表B.2の一番下の行にある合計を用いて計算することができる。

ED
1,0=6.382 3/2.336 7=2.731[列5及び列3,式(52)]

ED
2,0=(22.190 9/2.336 7)1/2=3.082[列6及び列3,式(52)]

ED
3,0=(99.873/2.336 7)1/3=3.496[列2及び列3,式(52)]

ED
2,1=22.190 9/6.382 3=3.477[列6及び列5,式(52)]

ED
3,2=99.873/22.190 9=4.501[列2及び列6,式(52)]

ED
4,3=584.651 2/99.873=5.854[列8及び列2,式(52)]
5,3=(44.293 7/0.998 73)1/2=6.660[列2,式(52),ただし, 7

ED
3
niDi =44.293 7]
i 1

ED
0,0=exp (2.087 3/2.336 7)=2.443[列4及び列3,式(53)]

ED
3,3=exp (163.361 0/99.873)=5.133[列7及び列2,式(53)]
sg=exp(s)=
26.331 2 .0(998 73
100 =exp (0.513 47)=1.671 1[列9及び列2,式(64)及び式(65),サン
プルサイズは大きいと仮定する(N≫100)]。
− −
.3082 2 .27312 =1.427[上記
ED ED
2,0及び 1,0,式(61),サンプルサイズは大きいと仮定する(N≫100)]。
s0=

ED

ED
5,3及び 4,3の値はそれぞれ,6.660及び5.854になり,式(62)に従って体積基準分布の標準偏差s3を計
算する場合に必要になる。これらの値から,s3=3.176,分散s32=10.086となる。

ED

ED
0,0は,対数幾何標準偏差s=ln(sg)=ln(1.671 1)=0.513 5,及び
3,3=5.133の各値を式(72)
幾何平均径
に代入して計算することができる。

ED
0,0=5.133×exp[(0+0−6)×0.513 52/2) ]=2.327

ED
0,0を式(53)から計算した値,2.443に対して約5 %異なる。しかし,その解析値に対する偏
この値は,

――――― [JIS Z 8819-2 pdf 21] ―――――

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Z 8819-2 : 2019 (ISO 9276-2 : 2014)
差は−1.5 %になる。推定値と対応する解析値との比較は,表B.3に与えられる。

ED
表B.3−平均粒子径 p,q及び幾何標準偏差sgの推定値と解析値との比較(R5及びR10シリーズ)
平均径及び標準 解析値(m) R5シリーズ R10シリーズ
偏差の測定基準 推定値(m) 偏差(%) 推定値(m) 偏差(%)

ED
1,0
2.676 2.731 2.06 2.751 2.77

ED
2,0
3.033 3.082 1.62 3.090 1.90

ED
3,0
3.436 3.496 1.74 3.487 1.48

ED
2,1
3.436 3.477 1.18 3.472 1.03

ED
3,2
4.412 4.501 2.00 4.441 0.65

ED
4,3
5.666 5.854 3.32 5.703 0.66

ED
0,0
2.362 2.443 3.44 2.466 4.44

ED
3,3
5.000 5.133 2.66 5.033 0.66
sg 1.648 7 1.583 7 −3.94 1.579 0 −4.23
表B.3に示されるR5シリーズ及びR10シリーズを用いた計算値と解析値との差は,小さい。原理的に

ED

ED

ED
3,2, 3,3及び 4,3でその
は,R5シリーズより偏差の小さいR10シリーズを用いることが望まれ,特に,
ことが確認できる。その結果は,R10シリーズのような狭い粒子径区間は,R5のような広い粒子径区間よ
り推奨されることを意味する。正確さに関する他の情報は,箇条7に与えられている。

――――― [JIS Z 8819-2 pdf 22] ―――――

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Z 8819-2 : 2019 (ISO 9276-2 : 2014)
附属書C
(参考)
粒子径分布パラメータの計算の正確さ
広い粒子径分布の場合,測定基準の変換によって分布は大きくシフトするので,分布の範囲は重要にな
る。例えば,ISO 9276-5によれば対数正規分布の中位径は,次の式(C.1)の関係にある。
ln(D50,3)=ln(D50,2)+s2=ln(D50,1)+2s2=ln(D50,0)+3s2 (C.1)
ここに, s=ln sg : 対数正規分布の標準偏差
sg : 対数正規分布の幾何標準偏差
同様な関係式は,その他の分布の特徴パラメータに対しても成立する。例えば,分布がより広い場合に
は(すなわち,sが大きな場合),D50,3からD50,0へのシフトが大きいことを式(C.1)は示している。測定さ
れた体積基準粒子径分布の幅が広い(又は中くらいの幅の)場合に,粒子径分布の下端の僅かな範囲に無
視できない粒子数が含まれることを計算することができる。例えば,s=0.7(D90,3/D10,3=6.0に相当)の対
数正規分布において,粒子径分布の下端部の体積分率0.05 %は,個数分率では12 %に相当する。したがっ
て,下端部の体積分率0.05 %のカットオフは,個数分率で12 %の細粒のロスを意味する。同様に,測定さ
れた個数基準粒子径分布の幅が広い(又は中くらいの幅の)場合には,粒子径分布の上端部の少ない個数
が相当する粒子体積は無視できない。
粒子径区間幅が広いことは,多くの粒子が同じ粒子径として扱われることを意味するため,広い粒子径
区間に少ない数の粒子が含まれる場合には,測定された粒子径分布の粒子径区間の幅に対して注意が必要
になる。したがって,粒子径分布の測定基準を変えることで大きな不確かさが生じる。例えば,附属書A
及び附属書BのR5シリーズのデータには,約4 %に上る偏りがある。
例として図C.1に,異なる分布幅をもつD50,3=5 μmである体積基準の対数正規分布に対して求めた種々
の分布パラメータの偏差を示す。理論的な分布の上端部及び下端部をそれぞれ,体積分率で0.05 %を切り
捨てた。粒子径区間をR20シリーズに設定した。R20シリーズでは,区間の比は101/20=1.122になる(ISO
565)。

――――― [JIS Z 8819-2 pdf 23] ―――――

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Z 8819-2 : 2019 (ISO 9276-2 : 2014)
D10,0
D50,0

ED
1,0

ED
3,2

ED
4,3
X : 分布の幅,D90,3/D10,3
Y : 偏差,%
図C.1−分布パラメータの計算値に対する分布幅の影響
図C.1のデータは,比D90,3/D10,3がおおよそ3.5より小さい場合,切り捨てていない分布における理論値
に対する変換の偏差は,10 %以下になることを示している。さらに,その値が測定された分布の端に対応
する(この場合には体積基準分布の下端。)分布幅が広くなるに従い,計算される粒子径分布のパラメータ

ED

ED
4,3,3,2のような粒子径分布の平均的なパ
に対する偏差は大きくなることを図C.1は示している。また,
ラメータの測定値と理論値との偏差は1 %以下になることが明確に示されている。ただし,全てのパラメ
ータは,分布の切捨てがない場合に偏りが1 %以下になるように計算されることに注意する。
R5シリーズの分解能(ステップ幅101/5=1.585)を上記と同様の対数正規分布に用いた場合,粒子径区
間幅の影響も示されている。例えば,粒子径区間の中点を境界値の算術平均とすると,D50,3は5.132 μm(偏
り2.6 %)になる。他方,幾何平均では,正しい値5.0 μmが得られる。もちろん,中点の与え方は,分布
の粒子径区間の設定に依存する。
平均粒子径及び分布の特徴パラメータの計算精度は,次のような場合に変換によって大きく低下する可
能性がある。
− 粒子径分布が広い。
− 分布が切り捨てられている。
− 測定基準(r)の変換がかなり大きい。
高い正確さが必要な場合には,Excel 1)などを用いて,シミュレーションによって潜在的な偏差を検討す
ることを推奨する。

――――― [JIS Z 8819-2 pdf 24] ―――――

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Z 8819-2 : 2019 (ISO 9276-2 : 2014)
参考文献
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[9] ALDERLIESTEN, M.: “Mean Particle Diameters. Part II: Standardization of Nomenclature”, Part. Part. Syst.
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Springer Netherlands (2009)
[13] ISO 565,Test sieves−Metal wire cloth, perforated metal plate and electroformed sheet−Nominal sizes of
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[14] ISO 3534-1:2006,Statistics−Vocabulary and symbols−Part 1: General statistical terms and terms used in
probability
[15] ISO 9276-5,Representation of results of particle size analysis−Part 5: Methods of calculation relating to
particle size analyses using logarithmic normal probability distribution
[16] JIS Z 8819-1 粒子径測定結果の表現−第1部 : 図示方法
[17] JIS Z 8890:2017 粉体の粒子特性評価−用語
[18] 粉体工学会編,粉体工学ハンドブック,朝倉書店(2014)

JIS Z 8819-2:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9276-2:2014(IDT)

JIS Z 8819-2:2019の国際規格 ICS 分類一覧