JIS Z 8835:2016 一面せん断試験による限界状態線(CSL)及び壁面崩壊線(WYL)の測定方法 | ページ 2

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Z 8835 : 2016
1 上部セル
2 下部セル
3 垂直荷重
4 せん断力検出用ロードセル
5 せん断力
6 圧密された粉体層
7 せん断面
図2−一面せん断試験装置内の粉体層部の詳細
b) 試料の充 試料の最大粒子径より目開きの大きいふるい,スパチュラなどを用いて,静かに測定セ
ル(1,2)へ試料を充する。このとき,充層内に空洞が生じないよう注意する。充した試料
の表面はスパチュラなどで平らにならしておく。上部セル1にキャップを装着して試料を充する。
c) 圧密及び応力緩和 各試験装置で適用される垂直荷重の範囲内において,予圧密応力よりも小さい最
大荷重を含む3点以上の垂直荷重による圧密応力試験(例えば,予圧密応力が20 kPaの場合には5 kPa,
10 kPa,15 kPaなど,200 kPaの場合は50 kPa,100 kPa,150 kPaなど)をするのがよい。
なお,圧密は,圧密による粉体層の上面高さが目視によって一定になったことを確認して測定を開
始する。その場合,試料の圧密特性に応じて緩和時間を適宜調整してもよい。ただし,時間を明記す
る。
d) せん断速度 定容積せん断試験では10 μm/s100 μm/s,定荷重せん断試験では100 μm/s500 μm/sと
する。それ以外の場合には,せん断速度を明記する。
e) 限界状態線(CSL)の測定 応力緩和終了後,せん断を開始する。CSLを与えるせん断応力として,
下部セル直動型においては最大せん断応力を,また,平行平板型及び回転セル型においては定常状態
に達したせん断応力を採用する。ジェニケセル型では,垂直応力σ−せん断応力τ図において,予備
せん断時の垂直応力条件でせん断応力が最大になる点と原点とを通る直線を描き,これをCSLとする。
f) 壁面崩壊線(WYL)の測定 限界状態線(CSL)の測定における上下セルのいずれか一方を平板(壁
面材料)に置き換えて,a) d) と同様な測定を行う。
せん断応力は,試験開始直後に僅かなピークを示した後,定常状態に達することが多い。通常は,
定常値を,WYLを与えるせん断応力とする。
g) 測定回数 同一条件での測定を3回以上行い,変動係数が10 %以内であることを確認した場合に,測
定の平均値を採用する。測定回数が3回未満の場合は,その回数を明記する。
h) 測定装置の校正 測定に使用する垂直荷重(分銅),せん断応力を測定するロードセルは計量トレーサ
ビリティのとれている標準によって校正されていることとする。

6 測定結果の報告

  測定結果の報告は,次による。
a) 定荷重せん断試験又は定容積せん断試験の明示 せん断試験装置は,定荷重型又は定容積型とする。
用いた方法を必ず明記する。

――――― [JIS Z 8835 pdf 6] ―――――

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b) 基本的な評価指標 CSL及びWYLを,報告する標準の評価指標とする。また,PYLとCSLとの交点
における垂直応力値などでせん断応力を無次元化してもよい。
c) その他の記載事項 附属書Bに示すように,測定日時,温度,湿度,試料名,その中位径(粒子径分
布は,質量基準とする。個数基準などを用いる場合は明記する。),せん断速度,垂直応力,せん断応
力,動摩擦角及び壁面摩擦角を報告する。
また,上記に示す標準的な手順以外で行った場合(例えば,予圧密条件又は測定回数を変更した場
合)は,その条件を明記する。

――――― [JIS Z 8835 pdf 7] ―――――

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附属書A
(参考)
一面せん断試験の詳細及び特徴
A.1 主な一面せん断試験方法
代表的な一面せん断試験装置は,次の四つの測定原理に分類される。
a) ジェニケセル型(上部セル直動型)
b) 回転セル型
c) 下部セル直動型
d) 平行平板型
さらに,垂直荷重の負荷方法によって,次の二つに分類される。
・ 定荷重せん断試験
・ 定容積せん断試験
A.2 ジェニケセル型(上部セル直動型)
A.2.1 装置及び概略
この方法は,分銅の載荷による垂直荷重の付与で内部摩擦角及びその他の力学的特性を求める方法とし
て,1960年代にA. W. Jenikeらによって開発された[1],[2]。
図A.1 a) にジェニケセル型装置の概略を示す。下部セル5を固定した状態で,上部セル4を水平方向に
移動,すなわち,直動させてせん断特性を評価する方法である。このせん断試験方法を,この規格ではジ
ェニケセル型(又は上部セル直動型)と呼ぶ。
セルには,一般的なタイプとして内径64 mm又は95 mmの円筒形セルがある。
予圧密及びせん断時の垂直荷重は,図A.1 a) に示す分銅2で行い,せん断力はロードセルで検出する。
A.2.2 試料の充
固定された下部セル5に同じ内径の可動の上部セル4を載せ,両者に試料を充する。また,試験前に
セルを同一(回転)軸で左右に30回(試料によって変更可能)回転させ,試料を均等に充する。分銅2
の荷重は,上部セル4に付加する。
A.2.3 予備せん断
この試験に先立って,上部セル4に蓋3を介して分銅2の荷重で垂直応力σを負荷し,せん断応力τが
定常値になるまで予備せん断を行う。
注記 例えば,この試験の垂直応力として5 kPaを想定すると,予備せん断の垂直応力はそれより大
きい値(20 kPa)に設定する。
A.2.4 CSLの測定
あらかじめ設定した垂直応力(例えば,5 kPa,10 kPa及び15 kPa)で,せん断試験を行う。せん断速度
を,例えば,16.7 μm/s(1 mm/min)にして上部セルを移動させ,垂直応力に対するせん断応力を測定する。
セルは,内径95 mm又は64 mmの2種類とする。
あらかじめ上部セルの上に分銅を載せて20 kPaの垂直応力を加え,せん断応力が定常状態になるまで予
備せん断を行い,その結果をプロットする[図A.1 b) の点A]。
その後,5 kPa,10 kPa及び15 kPaの垂直応力でのせん断試験をそれぞれ行い,その結果をプロットする

――――― [JIS Z 8835 pdf 8] ―――――

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[図A.1 b) の点B点D]。点B点Dの3点の近似直線を描き,これをPYLとする。
CSLは,垂直応力σ−せん断応力τ図において,予備せん断時の垂直応力条件でせん断応力が最大にな
る点[図A.1 b) の点E]と原点とを通る直線を描き,これをCSLとする[図A.1 b)]。
せん断応力は,ロードセルで検出されたせん断力を,ジェニケセル型の断面積で除して求める。
1 せん断力
2 垂直荷重(分銅)
3蓋
4 上部セル
5 下部セル
6 セル固定台
a) 試験装置の概略図 b) SLの求め方
図A.1−ジェニケセル型(上部セル直動型)
A.3 回転セル型
A.3.1 装置及び概略
回転セル型装置の概略を,図A.2に示す。下部の試料セル2を固定し,上部のせん断セル1を回転させ
る方法である。
試料セルは,一般的なタイプとしては内径50 mmの円筒である。
予圧密には専用の円柱形ピストンを用いる。試料セル下部のロードセル3で垂直荷重を検出し,所定の
垂直応力に達するまでピストンを押し込む。このとき,試料を十分に圧密できるように,ピストンを押し
込む速度は装置に自動で制御させる。また,応力緩和時間についても装置に自動で制御させる。
せん断セルは,底面に刃高3 mmのブレードを18枚取り付けた外径48 mmの円柱である。このブレー
ドによって,粉体をか(噛)み込み,せん断セルを回転させることによって直下の粉体層との間にせん断
面を形成させる。
回転セル型は,せん断セルを回転させてせん断応力を得るため,測定中にせん断面積が変化しない。こ
れによって,試料を入れ替えることなく,連続して異なる垂直応力下でのせん断応力を得ることができる。
また,トルクメータ4によって測定したトルクから次の式によってせん断面に作用するせん断応力を算
出する。
τ 3T
3 (A.1)
2 πr
ここに, τ : せん断応力(Pa)
T : トルク(N・m)
r : 回転セルの内径(m)
また,例えば,内径25 mmの試料セルを使用することによって,少量の試料の測定が可能である。
A.3.2 CSLの測定
予圧密応力よりも小さい3点以上の垂直応力を設定し,それぞれについてせん断応力を測定する。

――――― [JIS Z 8835 pdf 9] ―――――

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試料セルの下部に取り付けられたロードセル3によって垂直荷重を検出し,その値をセルの断面積で除
することによって垂直応力を測定する。
せん断速度は,例えば,角度6°/minの回転速度でせん断セルを回転させ,所定の角度だけ回転した時
点(例えば,15°など)で,せん断試験を終了する。
終了直前の安定したせん断応力とそのときの垂直応力とから,σ−τ線図で原点を通る直線を求め,CSL
とする。
1 せん断セル
2 試料セル
3 ロードセル
4 トルクメータ
図A.2−回転セル型
A.4 下部セル直動型
A.4.1 装置及び概略
下部セル直動型による装置の概略を,図A.3に示す。下部セル直動型は,上部固定セル4に対して,下
部可動セル5を移動させる方法である。
下部セル直動型のひな形は,ジェニケセル型において分銅を交換するたびに長時間の測定時間を要した
問題点を解決する方法として,1970年代に提案された[3][5]。下部セル直動型によるせん断試験では,
ジェニケセル型と同様に垂直応力を変化させてPYL,WYL及びCSLを測定する。また,所定の垂直荷重
で予圧密した後,その垂直荷重を保持した状態でせん断を行い,せん断力が定常状態に達した時点で短時
間に垂直荷重を除去することによって,1回のせん断操作でPYLを求めることができる。
下部セル直動型は,定容積型せん断試験装置に分類されるが,擬似的な定荷重せん断試験も可能である。
また,せん断面にかかる垂直応力をロードセルによって直接測定できるところに特長がある。セルの内径
は,例えば3 mm43 mmである。
せん断速度は10 m/sを標準とするが,必要に応じて変更が可能である。セルに充する試料量は,セ
ル容積の60 %を目安とする。
A.4.2 CSLの測定
あらかじめ設定した3点以上の垂直荷重(例えば,50 N,100 N,150 N)について,それぞれのせん断

――――― [JIS Z 8835 pdf 10] ―――――

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