63
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なお,式(D.15)及び式(D.16)の使用には,pとともにCNの値が分かっていなければならない(D.3
参照)。
c) ηCPC,a(d1)とηCPC,b(d1)との算術平均としてηCPC(d1)を計算する[式(D.17)参照]。
ηCPC, b d1
ηCPC, a d1
ηCPC d1 (D.17)
2
ηCPC,a(d1)とηCPC,b(d1)間の差異は,上記の手法でηCPC(d1)を評価する際の不確かさの大きさを示してお
り,箇条6及び箇条7でのηCPC(d1)に関する不確かさ評価において考慮しなければならない。
D.2.3 被験CPCの検出効率が粒径に対して一定の領域における校正
被験CPCの検出効率が粒径に対して一定な粒径範囲において校正を実施する場合,D.2.2 a)中の各式を
使用する[式(D.18)及び式(D.19)参照]。
CN, CPC
ηCPC d1 ηFCAEβ p p(FCAEの場合) (D.18)
CN, FCAE p≧1
CN, CPC
ηCPC d1 β (参照CPCの場合) (D.19)
ηCPC, ref
CN, CPC, ref
式(D.18)の使用には,pの値が分かっていなければならない(D.3参照)。
D.2.4 校正エアロゾル中に多価帯電粒子が存在しない場合の校正
校正エアロゾルが粒径d1の1価帯電粒子だけで構成されている場合,多価帯電粒子に対する補正は必要
ない。この場合,1=1で与えられ,式(D.8),式(D.9)及び式(D.6)から式が導かれる[式(D.20),式(D.21)
及び式(D.22)参照]。
CN, FCAE CN (FCAEの場合) (D.20)
β ηFCAE d1
CN
CN, CPC, ref (参照CPCの場合) (D.21)
ηCPC, ref d1
CN, CPC CN (被験CPCの場合) (D.22)
ηCPC d1
粒径d1における被験CPCの検出効率は次のように表される。
CN, CPC
ηCPC d1 ηFCAE d1 (FCAEの場合) (D.23)
CN, FCAE
CN, CPC
ηCPC d1 (参照CPCの場合) (D.24)
ηCPC, ref d1
CN, CPC, ref
D.3 p及びCNの決定方法
D.3.1 一般
p及びCNの二つの決定方法を,次に規定する。D.3.2に規定する第1の手法では,両極電荷調整装置を
通った一次エアロゾルは既知の平衡帯電分布になると仮定する。この仮定は,5.4.2の要求事項を満たして
いれば,近似的に成立する。ここで与えられる数式は,3価までしか適用できない。
D.3.3に規定する第2の手法は,DMASが正確に粒径分布を測定できることを前提としている。この
DMASは,校正設備とは別に用意する必要がある。この方法によって得られる結果は,粒径,DMASソフ
トウェア中に仮定されている帯電分布及び他の補正計算によって決まる。
なお,一次エアロゾルの帯電分布に関する情報は必要としない。
文献の平衡帯電分布(ISO 15900:2009の4.5及びAnnex A参照)が厳密に成り立つのは,球形の粒子に
対してだけである。したがって,ここで規定する両手法とも,対象となる粒子の形状が球形でないほど,
――――― [JIS Z 8850 pdf 66] ―――――
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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
結果の精度が低下する。繊維状又は弱凝集体のような極端な粒子形状の場合,校正エアロゾル中の多価帯
電粒子を除去するため,二つ目のDEMCを加える必要がある。
上記の二つの手法は,原理的に同一の結果を与えるはずであるが,どちらの手法が自己の目的により適
しているかは,ユーザが判断しなければならない。
D.3.2 複数のDEMC電圧を印加した測定による多価帯電粒子の割合の決定
D.3.2.1 原理
D.3.2.1.1 一般
式(D.1)及び式(D.2)によれば,同じDEMCを同じ流量設定のまま用いた場合,印加電圧UでDEMCに分
級される2価帯電粒子の粒径d2(U)は,2倍の印加電圧2Uによって分級される1価帯電粒子の粒径d1(2U)
と等しくなる。つまり,d2(U)=d1(2U)である。同様にd3(U)=d1(3U)となる。図D.2に粒径と電気移動度と
の関係を示す。
図D.2−印加電圧U,2U,3UでDEMCによって分級される粒径の関係
次に,印加電圧UでDEMCに分級されたエアロゾル中には最大で3価の粒子が存在し,印加電圧2U及
び3UでDEMCに分級されたエアロゾル中にはいずれも1価帯電粒子だけが存在すると仮定する。このと
き,次の式が成立する。
3
CN U CN dp U (D.25)
p 1
CN dp U
p (p=1, 2, 3) (D.26)
CN U
CN 2U CN d1 2U (D.27)
CN 3U CN d1 3U (D.28)
DEMCの上流に取り付けられた電荷調整装置について,粒径dにおけるp価の帯電率をfp(d)で表記すれ
ば,次の関係式が成立する。
f2 d1 2U
CN d2 U CN d1 2U (D.29)
f1 d1 2U
f3 d1 3U
CN d3 U CN d1 3U (D.30)
f1 d1 3U
――――― [JIS Z 8850 pdf 67] ―――――
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DEMCの上流に取り付けられた電荷調整装置内のイオン源にアルファ線源又はベータ線源が用いられ
ている場合,fp(d)にはISO 15900:2009の4.5及びAnnex Aに記載された平衡帯電分布を適用する。他の電
荷調整装置の場合,それぞれに適切な帯電分布を適用しなければならない。
注記 上記の計算では,濃度CN(2U)及びCN(3U)中に,より粒径の大きな多価帯電粒子の存在を考慮し
ていない。何故なら,ほとんどの一次エアロゾルに対し,この単純化に伴う誤差は大きくなら
ないからである。一次エアロゾルの粒径分布が広く(幾何標準偏差σgが2以上),かつ,校正
エアロゾル中の1価帯電粒子の粒径が100 nmより大きい場合,CN(4U)を使ったCN(2U)に対す
る二次補正,及びCN(6U)を使ったCN(3U)に対する二次補正が必要になる。d1=100 nm,σg=2.1
のとき,二次補正を適用すると,CN(d1(U))の値は約3 %変化する。
D.3.2.1.2 FCAEによる校正の場合
FCAEを利用する校正では,実際の濃度と測定された濃度との間に次の関係式が成り立つ。
3
CN U ηFCAE CN dp U p (D.31)
p1
FCAE
CN 2U η CN d1 2U (D.32)
FCAE
CN 3U η CN d1 3U (D.33)
ここで,CN(U),CN(2U),CN(3U)は,DEMCの印加電圧をそれぞれU,2U,3UとしたときのFCAEによ
る濃度測定値である。式(D.32)及び式(D.33)を用いて,測定値CN(2U)及びCN(3U)から実際の濃度である
CN(d1(2U))及びCN(d1(3U))を,次のように算出することができる。
CN 2U
CN d1 2U (D.34)
ηFCAE
CN 3U
CN d1 3U (D.35)
FCAE
また,式(D.29)及び式(D.30)から,式(D.34)及び式(D.35)はそれぞれ次のようになる。
CN 2U f2 d1 2U
CN d2 U (D.36)
FCAE f1 d1 2U
CN 3U f3 d1 3U
CN d3 U (D.37)
ηFCAE f1 d1 3U
実際の濃度CN(d1(U))は,式(D.31),式(D.36)及び式(D.37)を用いて,次の式で与えられる。
CN U
CN d1 U 2CN d2 U 3CN d3 U
ηFCAE
(D.38)
f2 d1 2U f3 d1 3U
CN U 2CN 2U 3CN 3U ηFCAE
f1 d1 2U f1 d1 3U
式(D.36),式(D.37),式(D.38)からCN(d2(U)),CN(d3(U))及びCN(d1(U))が求まり,それらを式(D.25)及び式
(D.26)に代入することで,CN(U)及びpを得ることができる。
D.3.2.1.3 参照CPCによる校正の場合
参照CPCを利用する校正では,実際の濃度と測定された濃度との間に次の関係式が成り立つ。
3
CN U CN dp U
ηCPC,ref (D.39)
p1
――――― [JIS Z 8850 pdf 68] ―――――
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CN 2U CN d1 2U
ηCPC,ref (D.40)
CN 3U CN d1 3U
ηCPC,ref (D.41)
ここで,CN(U),CN(2U),CN(3U)は,DEMCの印加電圧をそれぞれU,2U,3Uとしたときの参照CPC
による濃度測定値である。式(D.40)及び式(D.41)を用いて,測定値CN(2U)及びCN(3U)から実際の濃度であ
るCN(d1(2U))及びCN(d1(3U))を次のように算出することができる。
CN 2U
CN d1 2U (D.42)
ηCPC,ref
CN 3U
CN d1 3U (D.43)
ηCPC,ref
また,式(D.29)及び式(D.30)から,式(D.42)及び式(D.43)はそれぞれ次のようになる。
CN 2U f2 d1 2U
CN d2 U (D.44)
f1 d1 2U
ηCPC,ref
CN 3U f3 d1 3U
CN d3 U (D.45)
f1 d1 3U
ηCPC,ref
実際の濃度CN(d1(U))は,式(D.39),式(D.44)及び式(D.45)を用いて,次の式で与えられる。
CN U
CN d1 U CN d2 U CN d3 U
ηCPC,ref
(D.46)
f2 d1 2U f3 d1 3U
CN U CN 2U CN 3U ηCPC,ref
f1 d1 2U f1 d1 3U
式(D.44),式(D.45),式(D.46)からCN(d2(U)),CN(d3(U))及びCN(d1(U))が求まり,それらを式(D.25)及び式
(D.26)に代入することで,CN(U)及びpを得ることができる。
D.3.2.2 測定手順
測定手順は,次による。
a) CAE又は参照CPCを利用してCN(U),CN(2U)及びCN(3U)を測定する。ここで電圧Uは,粒径d1の1
価帯電粒子を分級する際にDEMCに印加する電圧である。
b) CAEの場合は式(D.36)式(D.38)を用い,参照CPCの場合は式(D.44)式(D.46)を用いて,CN(dp(U))
(p=1, 2, 3)を計算する。
c) 式(D.25)及び式(D.26)から,CN(U)及びpを計算する。
d) 6.4の不確かさ算出において多価帯電補正の繰返し性を評価する必要があるため,各粒径で少なくとも
5回の繰返し測定を行わなければならない。6.4で記載した不確かさ要素u(1),u(2)及びu(3)は,それ
ぞれ1,2及び3の決定における標準偏差とする。
注記 帯電率の割合CN(d2(U))/CNが一定に保持されるかどうかを測定によって確認した方がよい。何
故なら,この比の変動は,帯電分布が非平衡であること,又は帯電分布の再現性が低いことの
指標となるからである。附属書Kに,電荷調整装置に対するより詳細な試験方法を規定する。
D.3.3 DMASによる多価帯電粒子の構成比率の測定
校正エアロゾル中の,粒径及び価数ごとの粒子の割合は,ISO 15900に規定するDMASによって測定す
ることができる。入口流量を適切に調節できるよう,DMASは混合器を含むマニホールドに接続する(図
D.3参照)。
――――― [JIS Z 8850 pdf 69] ―――――
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図D.3−DMASを用いた多価帯電粒子割合の測定設備の概略
DMAS内部でのデータ逆変換では,多価帯電粒子補正及び拡散ロス補正が含まれなければならない。こ
の方法による多価帯電粒子の割合の測定は,これらの補正が正しく正確であると仮定している。また,
DMAS中の電荷調整装置において,エアロゾル粒子は既知の平衡帯電分布に達しているものと仮定してい
る。
DEMCから得られる粒子の電気移動度分布が狭く(1価帯電粒子の幾何標準偏差が1.1より小さい場合),
かつ,DMASの粒径分解能が十分な場合,測定によって,異なる電荷数及び粒径ごとに分離したピークが
観測される。図D.4に例を示す。
――――― [JIS Z 8850 pdf 70] ―――――
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- ISO 27891:2015(IDT)
JIS Z 8850:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 19 : 試験 > 19.120 : 粒度分析.ふるい分け