JIS Z 8850:2018 エアロゾル粒子の個数濃度―凝縮粒子計数器の校正 | ページ 22

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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
附属書K
(規定)
最大粒子数濃度での電荷調整装置及びDEMCの試験
この附属書では,最大濃度レベルにおいて,電荷調整装置が平衡帯電状態を達していること,かつ,DEMC
分級に対して粒子電荷による偏りが生じていないことを調べる手法を規定する。この試験は,6.3.3 b)及び
7.3.3 b)において必須となっている。箇条6及び箇条7に記載してある全ての前準備は,この試験を行う前
に完遂していなければならない。この試験は,特に,次の場合に重要である。
− DEMCに導入される一次エアロゾルの濃度が106 cm-3以上の場合。
− 校正エアロゾルに2価帯電粒子が含まれていて,検出効率の計算において附属書Dに従った補正が必
要な場合。
− D.3.2に従って行った多価帯電補正の測定において,濃度比に変動が見られた場合。
この試験は,次の手順に従う。
a) EMCを目標粒径(6.3.2又は7.3.2)に設定する。
b) 目標最大濃度レベルに到達するよう,エアロゾル源の操作条件を設定する。
c) CAEの場合,6.3.5のb)及びc)の手順に従って電荷量濃度を測定する。参照CPCの場合,7.3.5 a)の
手順に従って粒子数濃度を測定する。
d) EMCの電圧を2倍にする。
e) 手順c)と同様にして,参照装置の電荷量濃度又は粒子数濃度の測定を繰り返す。
f) 手順c) e)で測定された電荷量濃度又は粒子数濃度の比を計算する。
g) 手順a)と同様にして,再び目標粒径にDEMCを設定する。
h) エアロゾル調整器中の希釈装置を調節し,一次エアロゾル濃度を最大濃度レベルの約半分に低下させ
る(この濃度が参照装置にとって低すぎる場合,代替的に,最大濃度レベルの2倍にエアロゾル濃度
を倍増させる。)。濃度の調節では,一次エアロゾル発生器自体の操作パラメータを変えてはならない。
これは,一次エアロゾルの帯電分布を変化させてしまう可能性があるためである。
i) 手順c) f)を繰り返す。
j) 手順f)によって計算される電荷量濃度又は粒子数濃度の比が,濃度レベルが異なっても10 %以上変化
しなければ,電荷調整装置及びDEMCはこのエアロゾル濃度において正常に動作している。

――――― [JIS Z 8850 pdf 106] ―――――

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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
附属書L
(参考)
参照FCAEを用いたときの推奨データ記録方法
L.1 一般
参照装置との比較によるCPCの校正においては,二つの機器によって同時計測されたエアロゾルの粒子
数濃度を記録し,被験CPCの検出効率を計算するために使用する。幾つかの理由によって,参照装置及び
被験CPCは,計測された濃度にある程度の時間変動が見られる。例えば,濃度が低いとき,計測された濃
度は変動を示す。CPCにおけるこの現象は,低濃度における,単位時間当たりにカウントされた粒子の数
が少なすぎるからである。FCAEにおいては,低濃度での計測値の変動がCPCに比べてより顕著である。
これは,電流計測が低フェムトアンペア領域内であり,電気的ノイズに悩まされるためである。高濃度で
あっても,エアロゾル粒子発生が不安定である,又は希釈装置などの校正設備の流量が安定的に制御され
ていない場合,計測された濃度は大幅に変動する。これらは,検出効率の校正における偶然誤差の原因で
ある。検出効率の変動の大きさは,計測を繰り返すことによって調べることができる。
次の項に記載する方法は,このような繰返し計測を行う方法の一例である。
L.2 反復濃度計測のためのDEMC電圧循環
図L.1は反復濃度計測の一例を記載しており,ゼロと目標粒子サイズの電圧との間で,DEMC電圧を一
定時間間隔で切り替えている。この例では,時間間隔60秒間で,FCAEを参照装置として使用している。
電圧の切り替えに対応して,被験CPC及びFCAEは60秒間ごとに高濃度と低濃度とを反復している。高
濃度は目標粒径での濃度で示され,低濃度はFCAEのゼロオフセット,又は被験CPCの偽計数(もしあれ
ば)で示される。正味の粒子濃度は高濃度(図中CFCAE,i及びCCPC,i)と隣接した二つの低濃度(図中C0,FCAE,i)
の算術平均の差である。DEMC電圧を切り替えた後に濃度が安定するまで数秒間を必要とするため,図
L.1での両矢印によって示されるように,濃度の安定した最後の30秒間の算術平均として,各60秒間間
隔に対する,FCAE及び被験CPCの1回分の測定結果とする。
このようにFCAEのオフセットを差し引く方法は,測定の最初又は最後にだけ差し引くオフセットを測
定する方法に比べ,オフセットがドリフトしていても濃度計測を正確に行えるという優位性がある。

――――― [JIS Z 8850 pdf 107] ―――――

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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
DEMC設定電圧(V)
時間(s)
) F m-)
3
CAEによって測定された濃度(c
時間(s)
3
cm-
被験 CPCによって測定された濃度(
時間(s)
図L.1−DEMC電圧循環,並びにFCAE及び被験CPCによる濃度測定の例

――――― [JIS Z 8850 pdf 108] ―――――

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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
附属書M
(参考)
粒径の不確かさに起因する検出効率の不確かさ
校正に用いた粒子の粒径に誤差がある場合,校正によって得られるCPCの検出効率に誤差を生じ得る。
図M.1はこの問題を例示している。
検出効率
粒径
1 検出効率曲線
図M.1−粒径誤差に起因するCPC検出効率の誤差,及び検出効率曲線の傾きの影響
図M.1に示されるように,検出効率の誤差の大きさは検出効率曲線の傾きに応じて変化し得る。誤差は
曲線の傾きが急な最小可測粒径近傍でより顕著である。サイズd1における効率誤差Δηは,サイズ誤差Δd
の関数として次のように表される。

Δη(d1 ) Δd (M.1)
dd dd1
CPC校正に用いられる粒子の粒径は,ある程度の不確かさをもつ。このことは,校正によって得られる
検出効率には,粒径の不確かさに起因する不確かさがあるということであり,全体的な不確かさの評価に
加えることが望ましい。粒径の不確かさに起因する検出効率の不確かさは,式(M.2)によって推定すること
ができる。

u(ηsize ) u(d) (M.2)
dd dd1
式(M.2)によれば,粒径の不確かさに起因する検出効率の不確かさu(ηsize)を推測するためには,被験CPC
の検出効率曲線及び粒径の不確かさu(d)の双方の知識が必要ということである。
粒径の不確かさは,粒径標準粒子の粒径の不確かさ,又はDEMCによって分級された粒子の粒径分布が
有限の幅をもつことなどの理由によって生じる。
CPCの検出効率曲線の傾き(dη/ddd = d1)は,多くの場合よく知られていない。なぜなら,検出効率曲線
自体が校正における測定の目標だからである。傾きが分からない場合,以前の同一のCPCの校正データ,

――――― [JIS Z 8850 pdf 109] ―――――

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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
又は同型のCPCの校正データを基に推測する必要がある。
不確かさを最小限にするためには,不確かさの小さな粒径標準粒子を用いてDEMCの分級粒径を校正す
ることが望ましい。DEMC分級粒径の校正方法は,ISO 15900に記載されている。

――――― [JIS Z 8850 pdf 110] ―――――

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JIS Z 8850:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 27891:2015(IDT)

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