JIS A 1493:2014 窓及びドアの熱性能―日射熱取得率の測定 | ページ 2

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4.3 貫流熱量の決定

  照射日射がある場合の試験体の貫流熱量(QW)は,式(5)によって求められる。
QW UN AW ne ni (5)
ここに, UN : 照射日射がない場合の試験体の熱貫流率[W/(m2・K)]
θne : 照射日射がある場合の屋外側環境温度(℃)
θni : 照射日射がある場合の室内側環境温度(℃)
注記 環境温度は,空気温度とみなしてもよい。

4.4 熱貫流率の測定

  照射日射がない場合の試験体の熱貫流率(UN)は,式(6)によって求められる。
QW 1
UN (6)
AW ne ni
ここに, QW : 照射日射がない場合の試験体の貫流熱量(W)
θne : 照射日射がない場合の屋外側環境温度(℃)
θni : 照射日射がない場合の室内側環境温度(℃)
注記 環境温度は,空気温度とみなしてもよい。
照射日射がない場合に測定する熱量の内訳を,図2に示す。
屋外側 QB 熱流計
バッフル
冷却板
QC
室内側
バッフル
QW QB : 計測箱周壁4面から流入する熱量
QI QC : 冷却板によって除去される熱量
QI : ファン・ヒータによって供給される熱量
QP QP : 試験体取付パネルから流入する熱量
QW : 照射日射がない場合の試験体の貫流熱量
ファン・ヒータ
図2−照射日射がない場合に測定する熱量の内訳
注記 図2は,室内側環境温度より屋外側環境温度が高い夏期条件の場合を示している。冬期条件の
場合は,計測箱内外の温度が逆転するため試験体及び試験体取付パネルの貫流熱流方向が逆に
なる。
照射日射がない場合の試験体の貫流熱量(QW)は,式(7)によって求められる。
QW QC QB QI QP (7)
ここに, QC : 冷却板によって除去される熱量(W)
QB : 計測箱周壁4面から流入する熱量(W)
QI : ファン・ヒータによって供給される熱量(W)
QP : 試験体取付パネルから流入する熱量(W)

――――― [JIS A 1493 pdf 6] ―――――

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5 測定装置及び試験体

5.1 測定装置の構成及び概要

5.1.1  測定装置の構成
測定装置は,日射照射装置,恒温室及び計測箱によって構成する。測定装置の全体構成を,図3に示す。
図3−測定装置の全体構成
5.1.2 測定装置の概要
測定装置の概要は,次による。
a) 日射照射装置で射出された光は,光導入窓,屋外側バッフルを通過し,試験体に照射される。試験体
を透過した光は,室内側バッフルを透過し,冷却板に吸収される。
b) 恒温室には,日射照射装置の光を試験体に照射するための光導入窓を設置する。
c) 試験体の恒温室側には,高透過ガラス製のバッフルを設置し,バッフルと試験体との間の熱伝達率を
設定するために,気流発生装置を設置する。
d) 計測箱の試験体との対向面には,侵入した熱を除去するために冷却板を設置する。計測箱及び試験体
取付パネルの計測箱内部の表面全面には,熱流計を貼付する。
e) 室内側バッフルは,計測箱内部に透過した光を冷却板に吸収させるために高透過ガラス製とする。
f) 室内側バッフル下部には,バッフルと試験体との間の熱伝達率の調整及び温度の制御のためのファ
ン・ヒータを設置する。

5.2 日射照射装置(ソーラシミュレータ)

  JIS C 8912に規定する等級B以上の連続光形キセノンランプソーラシミュレータを用いる。ただし,最
大入射角及び有効照射面は,次による。
a) 最大入射角 試験体への最大入射角は,10°以内とする。
b) 有効照射面 有効照射面の幅及び高さは,試験体幅(WW)及び試験体高さ(HW)の各々の寸法の105 %
以上となるようにする。

5.3 恒温室

  屋外側を模擬した恒温室は,次の光導入窓,気流発生装置及び屋外側バッフル並びに試験体取付パネル
用の開口で構成し,屋外側バッフルと試験体及び試験体取付パネルとの間に表3に示す屋外側環境条件を
維持する(図3参照)。
a) 光導入窓 恒温室を通して試験体に照射光を入射するために光導入窓を設置する。光導入窓は,高透
過ガラス製とする。高透過ガラスの仕様は,次による。

――――― [JIS A 1493 pdf 7] ―――――

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1) IS R 3106による日射透過率が88.0 %以上のもの
2) IS R 3106の付表2(日射透過率,日射反射率及び日射吸収率を計算するための重価係数)の波長
のうち3802 100 nmの範囲での分光透過率の最大値と最小値との差が0.050以下のもの
b) 気流発生装置 屋外側バッフルと試験体及び試験体取付パネルとの間の屋外側表面熱伝達率を維持す
るために気流発生装置を設置する。気流は,屋外側バッフル,試験体及び試験体取付パネルと平行流
とし,表3に示す屋外側表面熱伝達率を維持できる適切な風速を与える。
c) 屋外側バッフル 試験体及び試験体取付パネルとの間に表3に示す屋外側環境条件を形成し,維持す
るために屋外側バッフルを設置する。屋外側バッフルは,高透過ガラス製とする。

5.4 計測箱

  室内側を模擬した計測箱は,次の冷却板,室内側バッフル及びファン・ヒータで構成し,室内側バッフ
ルと試験体及び試験体取付パネルとの間に表3に示す室内側環境条件を維持する(図3参照)。
内部の表面には,熱流計を貼付して計測箱全体の熱流を測定する。使用する熱流計は,日射吸収率0.90
以上及び艶消しの仕上げとする。
注記 熱流計については,JIS A 1412-2の附属書C(熱流計の校正及び装置の設計)及び附属書D(熱
流計)を参照するとよい。
a) 冷却板 試験体対向面には,日射熱及び貫流熱を除去するために冷却板を設置する。冷却板の表面に
は,熱流計を貼付して除去熱量を測定する。冷却板の裏面には,室温より低めに設定した冷媒を循環
させる。室温は,後述のヒータによって制御する。
b) 室内側バッフル 試験体及び試験体取付パネルとの間に表3に示す室内側環境条件を形成し,維持す
るために室内側バッフルを設置する。室内側バッフルは,高透過ガラス製とする。
c) ファン・ヒータ バッフル下部には,熱伝達率の調整と温度の制御のためにファン・ヒータを設置す
る。ファン・ヒータは,調節可能とし,表3に示す室内側環境条件を維持する。

5.5 試験体取付パネル

  試験体取付パネルは,恒温室側と計測箱側とを隔て,試験体を正確な位置に取り付けるために使用する。
試験体取付パネルの計測箱側の表面には,通過する熱量を測定するために全面に熱流計を貼付する。使
用する熱流計は,日射吸収率0.90以上及び艶消しの仕上げとする。
試験体取付パネルの恒温室側の表面は,照射光の反射防止のために日射吸収率0.90以上及び艶消しの仕
上げとし,吸収した熱の排出を促進する工夫をしなければならない。試験体取付パネルの作成例を,附属
書Bに示す。

5.6 校正板

  校正板は,試験体とほぼ同様な大きさとする。校正板は,表面熱伝達率の測定条件を設定するために用
いる。
校正板は,JIS A 4710による。

5.7 温度及び照射日射の測定位置

  温度及び照射日射の測定位置は,次による。
a) 校正板は,恒温室側及び計測箱側の表面温度を測定する。校正板の測定点は,最低でも等面積に9分
割した長方形の中心に9点とする(図4参照)。
b) 空気温度及びバッフル板の表面温度の測定は,校正板の表面温度の測定と同様な位置とする。
c) 空気温度の測定位置は,恒温室側及び計測箱側共に試験体取付パネル表面から100 mm程度離れた位
置とする。

――――― [JIS A 1493 pdf 8] ―――――

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d) 照射日射熱量(QSolar)の測定のために放射強度計を恒温室側に照射日射の光源と正対させて設置する。
測定位置は,温度センサに影を落とさない試験体の中央付近かつ試験体取付パネル表面から50 mm程
度離れた位置とする(図4参照)。
e) 温度センサは,可能な限り照射日射による影響を排除する工夫をしなければならない。
f) 放射強度計は,直達日射計などを用いる。
A
屋外側バッフル 室内側バッフル 試験体取付パネル 試験体
単位 mm
屋 室
外 内
( (
恒 計
温 測
室 箱
) )
側 側
50 × : 温度センサ
100 100 ○ : 放射強度計
A-A 断面図 A
図4−温度及び照射日射の測定位置

5.8 試験体

  試験体は,実際の施工に準じて試験体取付パネルの開口部に気密に取り付ける。
試験体取付パネルと試験体のフレームとの隙間は5 mm以下とし,試験体取付パネルと試験体との接合
周辺は,両側ともテープ,コーキング又はマスキング材料でシールする。試験体の取付方法と伝熱開口寸
法の取り方は,JIS A 4710の附属書3(試験体の取付方法と伝熱開口寸法の取り方)による。

6 測定手順

6.1 室内外表面熱伝達率の設定

  表面熱伝達率の設定は,照射日射がない条件で行う。
表面熱伝達率の設定には,5.6に規定する校正板を用いる。
表面熱伝達率の設定値の算出には,空気温度又は環境温度による方法を用いる。空気温度による表面熱
伝達率の算出方法は,附属書Aに規定する。環境温度による表面熱伝達率の算出方法は,JIS A 4710の附
属書1(環境温度の求め方)による。
なお,校正板の通過熱量と,ファン・ヒータによる供給熱量,試験体取付パネル及び計測箱内に貼付し
た熱流計の熱収支とが合致していることを確認する。

――――― [JIS A 1493 pdf 9] ―――――

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室内外の表面熱伝達率は,恒温室側の気流発生装置及び計測箱側のファンによって表3の環境条件にな
るように調整する。
表面熱伝達率の設定値と表3に示す環境条件との許容差は,±10 %とする。調整した気流発生装置及び
ファンの運転は一定とし,以降全ての測定を行う。
表3−環境条件
項目 夏期条件a) 冬期条件a)
室温θin ℃ 25 20
外気温θex ℃ 30 0
室内側表面熱伝達率hsi W/(m2・K) 8 8
屋外側表面熱伝達率hse W/(m2・K) 14 24
照射日射強度b) Solar W/m2 500 300
注a) 窓及びドアに求められる性能は,夏期は日射遮蔽,冬期は日射熱取得で
ある。このため,この規格では,各々の環境条件について規定する。
b) 照射日射は,試験体面に対して垂直に入射させる。夏期条件における照
射日射強度(ISolar)は,日射照射装置の能力上困難な場合には400 W/m2
以上かつ日射照射装置で可能な最大照射強度としてもよい。

6.2 測定の実施

  測定は,表3に示す環境条件によって照射日射がある場合及び照射日射がない場合のそれぞれについて
行う。
測定の際の室内外空気温度差の許容値は,設定値±2 ℃とする。
試験体表面及びバッフル表面の温度を測定する場合の測定点は,空気温度と同様な位置とする。
なお,結露などの影響が生じないよう恒温室及び計測箱の相対湿度は,十分に低く保たなければならな
い。
試験体を通過する熱量などは,箇条4に示すとおりである。
日射熱取得率を求めるために必要なパラメータは,十分熱移動が安定した後に測定器で可能な最短の間
隔で10分間以上かつ120回以上の測定の平均値とする。

7 報告書

7.1 報告書の内容

  試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 規格番号及び測定名
b) 測定を行った組織名
c) 測定年月日
d) 環境条件
e) 試験体に関する必要な事項
1) フレーム,グレージング,日射遮蔽物,不透明パネル等の名称,種類,幅,高さ,厚さ,材質,色
等の仕様
2) 試験体取付納まり図(正面図,側面断面図),写真など
f) 測定結果
測定結果は,表4に示す値を提示する。日射熱取得率は,小数点以下2桁とする。

――――― [JIS A 1493 pdf 10] ―――――

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JIS A 1493:2014の国際規格 ICS 分類一覧

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