JIS A 1420:1999 建築用構成材の断熱性測定方法―校正熱箱法及び保護熱箱法

JIS A 1420:1999 規格概要

この規格 A1420は、壁,屋根,天井,床などの建築用構成材の断熱性能としての熱貫流率,熱抵抗などを保護熱箱法[(Guarded Hot Method(GHB法)]及び校正熱箱法[Calibrated Hot Box Method(CHB法)]によって測定する方法について規定。

JISA1420 規格全文情報

規格番号
JIS A1420 
規格名称
建築用構成材の断熱性測定方法―校正熱箱法及び保護熱箱法
規格名称英語訳
Determination of steady-state thermal transmission properties -- Hot box method
制定年月日
1979年3月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 8990:1994(MOD)
国際規格分類

ICS

91.100.60
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
建築 II-1(試験) 2021, 建築 II-2(試験) 2021
改訂:履歴
1979-03-01 制定日, 1981-08-01 改正日, 1986-09-01 確認日, 1992-06-01 改正日, 1994-02-01 改正日, 1999-04-20 改正日, 2006-11-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS A 1420:1999 PDF [23]
A 1420 : 1999

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS A 1420 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS A 1420には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 表面での熱移動と環境温度
附属書B(規定) 小さな伝熱面積をもつ校正熱箱法
附属書C(参考) 文献

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS A 1420 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
A 1420 : 1999

建築用構成材の断熱性測定方法−校正熱箱法及び保護熱箱法

Determination of steady-state thermal transmission properties− Hot box method

序文 この規格は,1994年に第1版として発行された,ISO 8990, Thermal insulation−Determination of
steady-state thermal transmission properties−Calibrated and guarded hot boxを元に作成した日本工業規格(日本産業規格)であ
り,附属書Bを除いて,技術的内容を変更することなく作成している。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,主として壁,屋根,天井,床などの建築用構成材の断熱性能としての熱貫流
率,熱抵抗などを保護熱箱法[Guarded Hot Box Method(GHB法)]及び校正熱箱法[Calibrated Hot Box Method
(CHB法)]によって測定する方法について規定する。
備考 この規格で規定するのは,試験装置の設計に関する必要最低条件であり,装置の寸法などは測
定する試験体によって決定される。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS A 1412-1 熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第1部 : 保護熱板法(GHP法)
JIS A 1412-2 熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第2部 : 熱流計法(HFM法)
ISO 7345 Thermal insulation−Physical quantities and definitions
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 平均放射温度 Tr 試験体表面への放射伝熱量を決定するための温度で,試験体と相対する面の温度を
適切に加重平均したもの(附属書A参照)。
b) 環境温度 Tn 試験体表面への伝熱量を決定するための温度で,空気温度及び平均放射温度から算出す
る(附属書A参照)。
4. 記号及び単位 この規格で用いる記号及び単位は,次による。
i : 内部,一般に加熱側を表す添字
e : 外部,一般に冷熱側を表す添字
s : 表面を表す添字
n : 雰囲気を表す添字

――――― [JIS A 1420 pdf 2] ―――――

2
A 1420 : 1999
: 熱伝導率 [W/ (m・K) ]
h : 表面熱伝達率 [W/ (m2・K) ]
: 熱量 (W)
: 加熱箱内供給熱量 (W)
試験体通過熱量 (W)
試験体表面と平行な損失熱量 (W)
加熱箱周壁からの損失熱量 (W)
試験体の側面での損失熱量 (W)
試験体エッジでの試験体表面に平行な損失熱量 (W)
A : 熱流に対して垂直な面積(伝熱面積) (m2)
q : 熱流密度 (W/m2)
d : 試験体厚さ (m)
Ta : 空気温度 (K)
Tr : 平均放射温度 (K)
Tn : 環境温度 (K)
Ts : 表面温度 (K)
R=A (Tsi−Tse) / 熱抵抗 (m2・K/W)
Rs=1/h : 表面熱伝達抵抗 (m2・K/W)
Rsi=A (Tni−Tsi) / 内部表面熱伝達抵抗 (m2・K/W)
Rse=A (Tse−Tne) / 外部表面熱伝達抵抗 (m2・K/W)
Ru=Rsi+R+Rse : 熱貫流抵抗 (m2・K/W)
Ru=1/U (m2・K/W)
U= 一 Tni−Tne) : 熱貫流率 [W/ (m2・K)
保護熱箱に対して) (W)
校正熱箱に対して) (W)
備考 この規格では,熱伝導率を直接測定する方法は規定しないが,試験体が不透明で均質,かつ,
平板状である場合,次の式から熱伝導率を算出することができる。
d/Rs
参考 温度差を除いて温度は,セルシウス単位 (℃) を使用してもよい。その場合には,記号 罵
する。
5. 測定原理
5.1 保護熱箱法 装置は,図1に示すように保護熱箱の中に加熱箱が設置され,保護熱箱は び
最小にするように制御される。理想的には, 0となり,そのとき試験体通過熱量と加熱箱への供
給熱量は等しく 地 実際の測定においては 0とすることは困難であり
がって, 瀰歛地曰 び 要となる。

――――― [JIS A 1420 pdf 3] ―――――

                                                                                              3
A 1420 : 1999
図1 保護熱箱法
5.2 校正熱箱法 装置は,図2に示すように,装置全体が恒温室内に設置される。このとき,加熱箱内
の空気温度と恒温室内の空気温度は必ずしも一致しない。加熱箱からの損失熱量 加熱箱を熱抵抗が
大きな構造とすることで,小さくできる。試験体通過熱量 加熱箱への供給熱量 瀰 加熱箱から
の損失熱量 び試験体側面の損失熱量 し引くことによって求める。この
び あらかじ
校正する。この校正には,熱抵抗が既知の校正板を用いるが,特に, 実際に試験を行う試
験体と同じ厚さ及び同程度の熱抵抗をもつ校正板を選び,かつ,同程度の温度条件で行う必要がある。試
験体側面及び試験体枠での熱の流れは,図3に示すようになる。

――――― [JIS A 1420 pdf 4] ―――――

4
A 1420 : 1999
図2 校正熱箱法
図3 試験体及び試験体枠の熱流路
6. 制限及び誤差要因 要求精度を確保するために,試験装置には,装置自体の構造,校正方法,測定方
法及び試験体条件(厚さ,熱抵抗及び均質性)に関連する要因によって制限が加えられる。
6.1 装置による制限及び誤差
6.1.1 保護熱箱法における熱的な不均衡による制限 実際の測定では,試験体が均質であっても局所的な
熱伝達率は一様ではなく,特に,加熱箱との境界付近では乱れが大きい。そのため,加熱箱内側及び外側
の周辺部では,表面温度も空気温度も一様ではなくなる。このため, び 時に0にすることは不
可能であるが,その状態での最適な不均衡状態は加熱箱近傍の試験体表面温度及び空気温度によって決ま
る。
瀰 ┰ 最適な熱流のバランスが得られるように装置の設計及び操作,す
なわち,装置の形状,保護部の寸法及び内部の風速を決める。

――――― [JIS A 1420 pdf 5] ―――――

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  • ISO 8990:1994(MOD)

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