JIS A 2101:2003 建築構成要素及び建築部位―熱抵抗及び熱貫流率―計算方法 | ページ 2

4
A 2101 : 2002
表 1 表面熱伝達抵抗 ( m2・K/W )
熱流方向
上向き 水平 下向き
Rsi 0.10 0.13 0.17
Rse 0.04 0.04 0.04
備考 表1の値は設計値である。構成要素の熱貫流率の
宣言及び熱流方向に依存しない値が要求される
場合には,水平熱流の値を用いることが望まし
い。

5.3 空気層の熱抵抗

 この項で得られる値は,次の条件を満たす空気層に適用する。
− 実際上,平行,かつ,熱流方向に垂直で,放射率が0.8以上の2面にはさまれている。
− (熱流方向に測定した)厚さが,他の二つの方向の寸法のどちらに対しても0.1倍未満で,0.3 m以下。
備考 0.3 mを超える厚さの空気層を含む構成要素単独の熱貫流率は,計算しないほうがよい。むしろ,
熱流量は熱平衡を解くことによって計算することが望ましい(ISO 13789 : 1999を参照)。
− 室内環境との間に空気のやりとりがない。
上記の条件に当てはまらない場合には,附属書Bの手順を用いる。
5.3.1 換気のない空気層 換気のない空気層とは,その中に明確に流れ込む空気がないような空気層のこ
とである。熱抵抗の設計値は,表2による。“水平”の欄の値は,熱流方向が水平面に対して±30°までの
場合に適用する。
表 2 換気のない空気層の熱抵抗 (m2・K/W) 高放射率面
空気層
熱流方向
の厚さ
mm 上向き 水平 下向き
0 0.00 0.00 0.00
5 0.11 0.11 0.11
7 0.13 0.13 0.13
10 0.15 0.15 0.15
15 0.16 0.17 0.17
25 0.16 0.18 0.19
50 0.16 0.18 0.21
100 0.16 0.18 0.22
300 0.16 0.18 0.23
備考 中間値は,線形補間によって求める。
空気層と屋外環境の間に断熱層がなく,空気層に屋外環境に通じる小さな開口がある場合で,空気層の
中を空気が流れないようにこれらの開口が配置されており,開口が次の値を超えないときには,その空気
層も換気のない空気層とみなす。
− 垂直空気層に対しては,長さ1 m当たり500 mm2
− 水平空気層に対しては,表面積1 m2当たり500 mm2 (1)
備考 組積造中空壁の外側壁に垂直オープンジョイントの形で排水口がある場合には,この排水口を
換気のある開口とはみなさない。
注(1) 垂直空気層に対しては,範囲は,長さ1 m当たりの開口面積で表す。水平空気層に対しては,
範囲は,面積1 m2当たりの開口面積で表す。

――――― [JIS A 2101 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
A 2101 : 2002
5.3.2 わずかに換気のある空気層 わずかに換気のある空気層とは,その中に屋外環境から次の範囲の開
口を通って限られた空気が流れ込む空気層のことである。
− 垂直空気層に対しては,長さ 1 m当たり 500 mm2を超え 1 500 mm2以下
− 水平空気層に対しては,表面積 1m2当たり 500 mm2を超え 1 500 mm2以下(1)
わずかに換気のある空気層の熱抵抗の設計値は,表2の対応する値の二分の一とする。ただし,空気層
と屋外環境の間の熱抵抗が 0.15 m2・K/Wを超える場合には,その値を0.15 m2・K/Wに置き換える。
5.3.3 十分に換気のある空気層 十分に換気のある空気層とは,空気層と屋外環境との間にある開口が,
次の値を超える空気層のことである。
− 垂直空気層に対しては,長さ1 m当たり1 500 mm2
− 水平空気層に対しては,表面積1 m2当たり1 500 mm2 (1)
− 十分に換気のある空気
層を含む建物構成要素の熱貫流抵抗は,その空気層及びその空気層と屋外環境との間にあるすべての層
の熱抵抗を無視し,屋外側表面熱伝達抵抗として静止空気に対応する値(すなわち,同じ構成要素の室内
側表面熱伝達抵抗に等しい値)を用いる。

5.4 非暖冷房空間の熱抵抗

 非暖冷房空間と室内環境との界壁が断熱されており,かつ,非暖冷房空間
の外皮が断熱されていない場合には,非暖冷房空間を熱抵抗として扱う次のような簡易な手順を適用して
もよい。
備考 ISO 13789 : 1999には,建物から非暖冷房空間を経由して屋外環境に流れる熱流量の,一般的
で,より正確な計算方法の手順が示されており,より正確な結果が要求されている場合にはこ
の手順を用いるのが望ましい。床下空間に対しては,ISO 13370 : 1998を参照。
5.4.1 小屋裏空間 平らな断熱された天井とこう配屋根からなる小屋組みに対しては,小屋裏空間をあた
かも表3に示す熱抵抗をもつ熱的に均質な層とみなしてもよい。ただし,小屋裏空間が外気に通じている
場合には,5.3.3と同様の扱いとする。
表 3 小屋裏空間の熱抵抗
屋根の特徴 Ru
m2・K/W
1 0.06
ルーフィングフェルト,野地板及び類似した下地材のないかわら屋根。
2 シート屋根 0.2
ルーフィングフェルト,野地板又は類似した下地材のあるかわら屋根。
3 0.3
2と同様だが,屋根裏面がアルミめっき又はその他の低放射率の表面
のもの。
4 野地板及びルーフィングフェルトが下地としてある屋根。 0.3
備考 表3の値は,小屋裏空間と(こう配)屋根の熱抵抗を含む。これらは,屋外側表
面熱伝達抵抗(Rse)を含まない。
5.4.2 その他の空間 建物に小さな非暖冷房空間があり,かつ,非暖冷房空間と室内環境との界壁が断熱
されている場合には,室内環境と屋外環境との間の熱貫流率を,非暖冷房空間とその外側の構成要素をあ
たかも熱抵抗がRuの均質な層を付け加えたかのように扱うことによって求めることができる。ただし,非
暖冷房空間が外気に通じている場合には,5.3.3と同様の扱いとする。Ruは,次の式による。
Ai (2)
Ru = 0.09 + 0.4
Ae
ただし,Ru 0.5 m2・K/W

――――― [JIS A 2101 pdf 7] ―――――

6
A 2101 : 2002
ここに, Ai : 室内環境と非暖冷房空間の間のすべての構成要素の総面積
Ae : 非暖冷房空間と屋外環境の間のすべての構成要素の総面積
備考1. 小さな非暖冷房空間には,車庫,倉庫及び温室を含む。
2. 室内環境と非暖冷房空間との間に二つ以上の構成要素がある場合には,それぞれの構成要素
の熱貫流率の計算に,Ruを含めることが望ましい。

6. 熱貫流抵抗

 最終的に得られた熱貫流抵抗は,小数2位の値に丸める。

6.1 均質な層からなる建築構成要素の熱貫流抵抗

 熱流に垂直な熱的に均質な層からなる平らな建物構
成要素の熱貫流抵抗 RT は,次の式によって計算する。
RT = Rsi + R1 +R2 + ··· + Rn + Rse (3)
ここに, Rsi : 室内側表面熱伝達抵抗
R1, R2, ··· Rn : 各層の熱抵抗設計値
Rse : 屋外側表面熱伝達抵抗
室内の建物構成要素(間仕切りなど)の熱貫流抵抗を計算する場合又は構成要素が室内環境と非暖冷房
空間との間にある場合には,Rsiを両面に適用する。
備考 構成要素の表面から表面までの熱抵抗が要求されている場合には,表面熱伝達抵抗を式(3)から
省く。

6.2 均質な層及び不均質な層によって構成される建築構成要素の熱貫流抵抗

 この項では,熱的に均質
な層及び不均質な層からなる建物構成要素の熱貫流抵抗を計算する簡易な方法を示す。ただし,断熱層に
金属熱橋がある場合は対象から除外する。
備考1. ISO 10211-1 : 1995又はPart 2(準備中) : Calculation of linear thermal bridgesに従った数値計
算方法を用いることによって,より正確な結果が得られる。
2. 6.2で述べる手順は,結露危険性を評価する目的で表面温度を計算する場合には適さない。
6.2.1 構成要素の熱貫流抵抗 表面に平行な熱的に均質な層及び不均質な層からなる構成要素の熱貫流
抵抗RTは,熱貫流抵抗の上限値及び下限値の算術平均として計算する。
RT+RT
RT (4)
2
ここに, RT : 熱貫流抵抗の上限値で,6.2.2によって計算する。
RT : 熱貫流抵抗の下限値で,6.2.3によって計算する。
上限値と下限値の計算は,図1に示すように,セクション及び層に分割した構成要素を考えて行う。構
成要素は,mjの部分に分割されたようになり,それぞれの部分は熱的に均質となる。

――――― [JIS A 2101 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
A 2101 : 2002
図 1 熱的に不均質な構成要素のセクションと層
構成要素[図1 a)]を,セクションに切断されたもの[図1 b)]及び層に切断されたもの[図1 c)]と
みなす。
構成要素の表面に垂直なセクションm(m = a, b, c,···, q)の面積比を fm とする。
表面に平行な層 j( j=1, 2, ···, n)の厚さをdjとする。
m j部分の熱伝導率をλmj ,厚さをdj ,面積比を fm ,及び熱抵抗を Rmj とする。
セクションの面積比は,全面積に対するそのセクションの面積の割合である。すなわち, fa + fb + ··· +
fq = 1
6.2.2 熱貫流抵抗の上限値(R′T) 熱貫流抵抗の上限値は,構成要素の表面に垂直な一次元的な熱流を
仮定することによって,求める。計算式を次に示す。
1 fa fb fc fq

(pdf 一覧ページ番号 )

                         R'T   RTa   RTb   RTc       RTq
ここに, RTa , RTb , ··· , 各セクションごとに式(3)を用いて計算
RTq : した,環境から環境への熱貫流抵抗
··· , fq : 各セクションの面積比
fa , fb ,
6.2.3 熱貫流抵抗の下限値(R″T) 熱貫流抵抗の下限値は,構成要素の表面に平行なすべての面が等温
面(2)であると仮定することによって,求める。
まず,熱的に不均質な層の等価熱抵抗Rj を,それぞれ次の式によって計算する(3)。
1 fa fb fq
+ + + (6)
Rj Raj Rbj Rqj
次に,式(3)を用いて熱貫流抵抗の下限値を求める。すなわち,
T = Rsi + R1 + R2 +···+ Rn + Rse
R″
注(2) 空気層に接して平らではない面がある場合は,次のように,あたかも平らな面であるかのよう
に計算を行うのが望ましい。

――――― [JIS A 2101 pdf 9] ―――――

8
A 2101 : 2002
引っ込んだ部分を引き伸ばす(ただし,熱抵抗は変更しない)。
突出した部分を取り除く(取り除いた分の熱抵抗は減らす)。
注(3) 他に,次に示す層の等価熱抵抗 Rj を用いる方法がある。
j
R j = d j /λ″
j はj層の等価熱伝導率で,次の式によって計算する。
ここに,λ″
j = λaj fa+λbj fb+···+λqj fq
λ″
j =dj / Rg の材料として扱って
空気層が不均質な層の一部の場合は,空気層を等価熱伝導率λ″
もよい。ここに,Rg は附属書Bに従って求めた空気層の熱抵抗である。
6.2.4 誤差評価 計算した熱貫流率が,明示された精度基準を満たす必要がある場合には,最大相対誤差
をここで示す方法によって推定してもよい。
6.2の近似方法を用いたときの最大相対誤差eは,パーセント表示で次のようになる。
RT RT
e 100 (7)
2RT
例 上限値と下限値との比が1.5の場合,生じ得る誤差の最大値は20 %となる。
実際の誤差は,通常,最大誤差よりもかなり小さくなる。6.2で述べた手順によって求めた値の精度が容
認できるか否かを決定するために,この誤差評価を用いても差し支えない。このとき,次のことを顧慮す
る。
− 計算の目的
− 6.2で述べた手順によって熱貫流抵抗を求めた構成要素を通過して流れる建物外皮の全熱流量の割合
− 入力データの精度

7. 熱貫流率

 熱貫流率は,次の式によって求める。
1
U (8)
RT
熱貫流率は,附属書Dに従って適切な補正を行うことができる。ただし,U の全補正量が3 %より小さ
い場合は,補正を行わなくてもよい。
最終的に得られた熱貫流率は,有効数字2けたに丸める。計算に用いた入力データの情報も提供しなけ
ればならない。

――――― [JIS A 2101 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS A 2101:2003の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6946:1996(MOD)

JIS A 2101:2003の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 2101:2003の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA0202:2008
断熱用語