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JIS A 2101:2003 規格概要
この規格 A2101は、建築部位及び建築構成要素の熱抵抗及び熱貫流率の計算方法について規定。ドア,窓及びその他のガラスのはまった部分,地盤への熱移動を伴う部位並びに透気を意図した部位は対象から除外する。計算方法は,関係する材料及び製品の適切な熱伝導率設計値又は熱抵抗設計値に基づいている。
JISA2101 規格全文情報
- 規格番号
- JIS A2101
- 規格名称
- 建築構成要素及び建築部位―熱抵抗及び熱貫流率―計算方法
- 規格名称英語訳
- Building components and building elements -- Thermal resistance and thermal transmittance -- Calculation method
- 制定年月日
- 2003年3月19日
- 最新改正日
- 2015年10月26日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 6946:1996(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 27.220, 91.120.10
- 主務大臣
- 国土交通
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 2003-03-19 制定日, 2011-02-16 確認日, 2015-10-26 確認
- ページ
- JIS A 2101:2003 PDF [27]
A 2101 : 2002
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人 日本建築学会(AIJ)/財団法人 日本
規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調
査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
制定に当たっては,日本工業規格(日本産業規格)と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格(日本産業規格)の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6946:1996 (Building components
and building elements-Thermal resistance and thermal transmittance-Calculation method)を基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS A 2101には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定)表面熱伝達抵抗
附属書B(規定)換気のない中空空間の熱抵抗
附属書C(規定)テーパーのついた層をもつ構成要素の熱貫流率の計算方法
附属書D(参考)熱貫流率の補正
附属書E(参考)空げきに対する補正の例
附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表
(pdf 一覧ページ番号 1)
――――― [JIS A 2101 pdf 1] ―――――
A 2101 : 2002
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1. 適用範囲・・・・[1]
- 2. 引用規格・・・・[1]
- 3. 定義及び記号・・・・[2]
- 3.1 定義・・・・[2]
- 3.2 記号及び単位・・・・[2]
- 4. 原理・・・・[2]
- 5. 熱抵抗・・・・[3]
- 5.1 均質な層の熱抵抗・・・・[3]
- 5.2 表面熱伝達抵抗・・・・[3]
- 5.3 空気層の熱抵抗・・・・[4]
- 5.4 非暖冷房空間の熱抵抗・・・・[5]
- 6. 熱貫流抵抗・・・・[6]
- 6.1 均質な層からなる建築構成要素の熱貫流抵抗・・・・[6]
- 6.2 均質な層及び不均質な層によって構成される建築構成要素の熱貫流抵抗・・・・[6]
- 7. 熱貫流率・・・・[8]
- 附属書A(規定)表面熱伝達抵抗・・・・[9]
- 附属書B(規定)換気のない中空空間の熱抵抗・・・・[11]
- 附属書C(規定)テーパーのついた層をもつ構成要素の熱貫流率の計算方法・・・・[13]
- 附属書D(参考)熱貫流率の補正・・・・[16]
- 附属書E(参考)空げきに対する補正の例・・・・[18]
- 附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表・・・・[21]
(pdf 一覧ページ番号 2)
――――― [JIS A 2101 pdf 2] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
A 2101 : 2003
建築構成要素及び建築部位−熱抵抗及び熱貫流率−計算方法
Building components and building elements- Thermal resistance and thermal transmittance-Calculation method
序文
この規格に従って計算された熱貫流率は,この規格の適用範囲に示されている建築構成要素を通過
する熱流量を決定するのに適している。
この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 6946:1996 (Building components and building
elements-Thermal resistance and thermal transmittance-Calculation method)並びにDraft Amendment 1(1999)を
翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。ただし,追補(amendment)については,編
集し,一体とした。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書1に示す。
1. 適用範囲
この規格は,建築部位及び建築構成要素の熱抵抗及び熱貫流率の計算方法について規定す
る。ドア,窓及びその他のガラスのはまった部分,地盤への熱移動を伴う部位並びに透気を意図した部位
は対象から除外する。
計算方法は,関係する材料及び製品の適切な熱伝導率設計値又は熱抵抗設計値に基づいている。
この方法は,熱的に均質な層 (空気層も含む。)によって構成される部位及び構成要素に適用する。また,
この規格は,不均質な層に用いることのできる近似方法も示す。ただし,断熱層に金属熱橋がある場合は
対象から除外する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6946:1996,Building components and building elements-Thermal resistance and thermal
transmittance-Calculation method (MOD)
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成
するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最
新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0202 断熱用語
備考 ISO 7345 : 1987 (Thermal insulation―Physical quantities and definitions)からの引用事項は,こ
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A 2101 : 2002
の規格の該当事項と同等である。
ISO 10456 : 1999Building materials and products―Procedures for determining declared and design thermal
values
ISO 13789 : 1999 Thermal performance of buildings―Transmission heat loss coefficient―Calculation
method
ISO 13370 : 1998Thermal performance of buildings―Heat transfer via the ground―Calculation methods
ISO 10211-1 : 1995Thermal bridges in building construction―Heat flows and surface temperatures―Part
1 : General calculation methods
3. 定義及び記号
3.1 定義
この規格で用いる主な用語の定義は,JIS A 0202によるほか,次による。
3.1.1 建築部位(building element) 建築物の主要な部分。例えば,壁,床又は屋根。
3.1.2 建築構成要素(building component) 建築部位又はその一部。
備考 この規格において,“構成要素”という用語は部位及び構成要素の両方を示す。
3.1.3 熱設計値(design thermal value) 熱伝導率設計値又は熱抵抗設計値。
備考 ある特定の製品は,適用法又は環境条件が異なる場合,二つ以上の設計値をとり得る。
3.1.4 熱伝導率設計値(design thermal conductivity) 特定の室内外条件のもとでの建築材料又は製品の熱
伝導率の値であり,建築構成要素に組み込まれた状態でその材料又は製品の性能を代表しているとみなす
ことができるもの。
3.1.5 熱抵抗設計値(design thermal resistance) 特定の室内外条件のもとでの製品の熱抵抗の値であり,
建築構成要素に組み込まれた状態でその製品の性能を代表しているとみなすことができるもの。
3.1.6 熱的に均質な層(thermally homogeneous layer) 熱物性が一様又は一様になっているとみなせる一
定の厚みの層。
3.2 記号及び単位
記号 量 単位
A 面積(area) m2
R 熱抵抗設計値(design thermal resistance) m2・K/W
Rg 空気層の熱抵抗(thermal resistance of air space) m2・K/W
Rse 屋外側表面熱伝達抵抗(external surface resistance) m2・K/W
Rsi 室内側表面熱伝達抵抗(internal surface resistance) m2・K/W
RT 熱貫流抵抗(環境から環境) m2・K/W
[total thermal resistance (environment to environment) ]
T m2・K/W
R′ 熱貫流抵抗上限値(upper limit of total thermal resistance)
T m2・K/W
R″ 熱貫流抵抗下限値(lower limit of total thermal resistance)
Ru 非暖冷房空間の熱抵抗(thermal resistance of unheated space) m2・K/W
U 熱貫流率(thermal transmittance) W/(m2・K)
d 厚さ(thickness) m
h 熱伝達率(heat transfer coefficient) W/(m2・K)
λ 熱伝導率設計値(design thermal conductivity) W/(m・K)
4. 原理
計算方法の原理は,次による。
a) 構成要素の熱的に均質な部分それぞれの熱抵抗を求める。
b) 表面熱伝達抵抗も含めて,a)で求めた個々の熱抵抗を結合し,構成要素の熱貫流抵抗を求める。
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A 2101 : 2002
個々の部分の熱抵抗は,5.1によって求める。
5.2によって求めた表面熱伝達抵抗の値は,たいていの場合適切である。低放射率表面,外部風速が明確
な場合及び平らでない表面に対する詳細な計算手順は,附属書Aによる。
この規格では,空気層は熱的に均質であるとみなしてよい。高放射率表面をもつ大きな空気層の熱抵抗
の値は,5.3によって求める。その他の空気層に対する手順は,附属書Bによる。
層の熱抵抗は,次に示すように結合する。
a) すべて熱的に均質な層から成る構成要素の場合,熱貫流抵抗は6.1によって,熱貫流率は7. によって
求める。
b) 一つ以上の熱的に不均質な層を含む構成要素の場合,熱貫流抵抗は6.2によって,熱貫流率は7. によ
って求める。
c) テーパーのついた層を含む構成要素の場合,熱貫流抵抗及び熱貫流率は,附属書Cによって求める。
断熱層に空げきがある場合,断熱層を接合具が貫通している場合及び屋根防水上部断熱工法の屋根に降
水がある場合には,それらの影響を考慮するために,最後に,適切であれば,附属書Dによって熱貫流率
の補正を行うことができる。
このように計算された熱貫流率は,当該構成要素の両側の環境の間に適用する。例えば,外気に接して
いる場合には室内環境と屋外環境の間,両側とも室内の場合には二つの室内環境の間,非暖冷房空間に接
する場合には非暖冷房空間と室内環境の間に適用する。非暖冷房空間を熱抵抗として扱う簡易な手順は,
5.4による。
5. 熱抵抗
5.1 均質な層の熱抵抗
熱設計値は,熱伝導率設計値又は熱抵抗設計値のいずれかで与えられる。熱伝
導率設計値が与えられている場合には,次の式によって,層の熱抵抗を求める。
d
R (1)
λ
ここに, d : 構成要素内の層の厚さ
λ : 材料の熱伝導率設計値(ISO 10456 : 1999によって計算
された値,又は表から得られた値)
備考1. 厚さdは呼び厚さとは異なることがある(例 : 圧縮性の材料が圧縮状態で取り付けられたと
きには,dは呼び厚さよりも小さくなる)。厚さの許容差が与えられている場合には,許容差
も適切に考慮してdの値を設定することが望ましい(例 : 許容差が負の値のとき)。
2. 熱伝導率設計値λは,公的機関によって測定された値を用いることもできる。
計算途中で用いる熱抵抗値は,少なくとも小数3位まで計算しなければならない。
5.2 表面熱伝達抵抗
平らな表面で境界条件が特に指定されていない場合には,表1の値を用いる。“水
平”の欄の値は,熱流方向が水平面に対して±30°までの場合に適用する。平らではない表面又は境界条
件が明確な場合には,附属書Aの手順を用いる。
――――― [JIS A 2101 pdf 5] ―――――
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JIS A 2101:2003の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6946:1996(MOD)
JIS A 2101:2003の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.220 : 熱回収.断熱
JIS A 2101:2003の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA0202:2008
- 断熱用語