JIS B 0130:2019 火力発電用語―一般 | ページ 7

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番号 用語 定義 参考
慣用語 対応英語
4228 軸振動 円板,翼などをもつ回転体が回転するとき発生する軸 shaft vibration,
の振動。 spindle vibration
4229 腐食 材料が化学的又は電気化学的作用によって変質・浸食
コロージョ corrosion
される現象。 ン
4230 エロージョン 侵食,
材料が流体又は固体によって摩耗するなど物理的な erosion
原因によって浸食される現象。 浸食
注記 JIS B 8040を参考に定義した。
4231 高温腐食 1) 高温場で金属が,燃焼ガス又は溶融塩中で反応す high temperature
る現象の総称。 corrosion,
2) ガスタービンの場合,燃料中のバナジウム,ナト hot corrosion
リウム若しくは硫黄化合物又は空気中の塩分が,
燃焼器において比較的低融点の化合物を形成し,
タービンブレードなどの表面に付着堆積し,金属
を腐食させる現象。
注記1 高温酸化,溶融塩腐食,高温硫化腐食,高温
塩化腐食,浸炭などがある。
注記2 JIS B 0126を参考に定義した。
4232 酸化還元腐食 還元腐食,
ボイラ又はガス化炉内部で発生する硫化水素などの corrosion in
還元性の物質による還元雰囲気条件下での金属腐食。
硫化還元腐 reducing
食 atmosphere
4233 低温腐食 酸露点腐食 low temperature
排ガス中の三酸化硫黄(SO3)が水蒸気と反応して硫
酸(蒸気)となり,露点以下の金属表面に凝結して腐 corrosion,
食を起こす現象(JIS B 0126参照)。 acid dew point
corrosion
4234 アルカリ腐食 高濃度のアルカリによって起こる腐食現象(JIS B alkali corrosion,
0126参照)。 caustic attack
4235 アンモニア腐食 復水及び給水中のアンモニア量が多くなり,銅系統の ammonia corrosion,
材料が腐食される現象。 ammonia attack
4236 経年劣化 長い年月の間に材料の腐食,摩耗などによる時間経過 aged deterioration
に伴う物理的性質が低下する現象。
4237 (チューブ)膨 材質不良,腐食,摩耗などによる強度の不足,又は過 tube swelling
出 熱によって管が膨らむ現象。
(ぼうしゅつ)
4238 (チューブ)乱 管相互の伸びの不均等,スペーサの損傷などによって tube disarrangement
れ 管の整列が乱れる現象。
4239 クリープ破断 材料がある応力の下でクリープを生じて破断する現
クリープラ creep rupture
象。 プチャ
4240 クリープボイド クリープ温度域での粒界破壊発生の核となる空孔。 creep void
注記 金属材料のクリーブ破壊は,温度の上昇,応力
の低下に伴い,粒内破壊から粒界破壊へと変化
する。粒界破壊は,クリープボイドの生成,成
長,合一結合,最終破断の過程から成る。
4241 熱疲労 熱応力の繰返しによって生じる疲労損傷。 thermal stress
注記 金属内又は金属間において,温度差が発生し, fatigue
その膨張差による変形が拘束されると,金属内
又は金属間に応力(熱応力)が生じる。

――――― [JIS B 0130 pdf 31] ―――――

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番号 用語 定義 参考
慣用語 対応英語
4242 クリープ疲労重 クリープと熱疲労とが同時に作用し,相互に影響し合 creep fatigue
畳 うこと。 interaction
注記 従来,クリープと熱疲労とは,強度現象として
は異なった性質のものであり,高温で使用され
る金属材料においては,クリープ又は疲労のい
ずれかに限られるという場合は非常に少なく,
両者の相互作用によって寿命が消費される。
4243 低サイクル疲労 破壊に至るまでのひずみ繰返し回数(許容繰返し回 low cycle fatigue
数)が少ない場合の疲労。
注記1 一般的には,繰返し回数104105回を境界と
し,破壊に至るまでの繰返し回数がそれより
少ないものをいう。
注記2 そのひずみの状態から塑性疲労ともいう。
4244 高サイクル疲労 破壊に至るまでのひずみの繰返し回数(許容繰返し回 high cycle fatigue
数)が多い場合の疲労。
注記 火力発電所の場合,タービン動翼の疲労などが
代表的な例である。
4245 疲労限度 材料にある繰返し応力を作用させたとき,材料が永久 fatigue limit
に破壊しない応力の限度。
注記 繰返し応力は,上限及び下限の絶対値が等しく
ない場合が多い。このような場合には,上限及
び下限の平均値を平均応力とし,その差の半分
を応力振幅として,両者の組合せによって疲労
限度を表示するものを疲労限度線図又は耐久限
度線図という。
4246 寿命診断 材料の使用開始から,時間経過に伴って劣化し破壊す life assessment,
るまでを寿命とする場合,現在までの寿命消費を推定 life estimation
する診断。
4247 余寿命診断 設備・材料の残された寿命を推定する診断。 remaining life
assessment
3) 溶接
番号 用語 定義 参考
慣用語 対応英語
4301 アーク溶接 電気アークを熱源とする融接(JIS Z 3001-7参照)。 arc welding
4302 ガス溶接 溶接熱が燃料ガス又は燃料ガスの混合ガスと酸素の gas welding
燃焼火炎とで得られる融接(JIS Z 3001-1参照)。
4303 イナートガスア inert gas shielded
ティグ溶接及びミグ溶接の総称(JIS Z 3001-7参照)。 不活性ガス
ーク溶接 アーク溶接 arc welding
4304 シールドアーク アーク及び溶着金属を保護媒質で大気から遮蔽しな shielded arc welding
溶接 がら行うアーク溶接。
4305 抵抗溶接 溶接継手部に大電流を流し,ここに発生する抵抗熱に resistance welding
よって加熱し,圧力を加えて行う溶接(JIS Z 3001-6
参照)。
注記 スポット溶接のように接合部を溶かして溶接す
る溶融接合の方法と,アプセット溶接のように
溶かさない固相接合の方法とに分かれる。
4306 自動アーク溶接 溶接ワイヤの送りが自動的にでき,連続的に溶接が進 automatic arc
行する装置を用いて行うアーク溶接。 welding

――――― [JIS B 0130 pdf 32] ―――――

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慣用語 対応英語
4307 手溶接 溶接棒ホルダ,溶接ガン又はトーチを手動で操作して manual welding,
行う溶接(JIS Z 3001-1参照)。 hand welding
注記 抵抗溶接は除く。
4308 シール溶接 流体の漏れを防ぐことだけを目的とする溶接(JIS Z
漏れ止め溶 seal welding,
3001-1参照)。 接 seal weld
4309 タック溶接 本溶接の前に,定められた位置に母材を保持するため tack weld,
の断続的な位置決めのための溶接(JIS Z 3001-1参 tack welding
照)。
注記 一時的溶接を含めて仮付溶接又は組立溶接とも
いう。
4310 肉盛溶接 母材表面に硬化,耐食,補修,再生などの目的に応じ cladding by welding,
た所要の組織及び寸法の金属などの層を加える溶接 overlaying
(JIS Z 3001-1参照)。
4311 開先加工 溶接性をよくするため,母材の縁に施す加工。 edge preparation
4312 余盛 突合せ継手で,母材表面から盛り上がった溶接金属 weld reinforcement,
(JIS B 0190参照)。 reinforcement of
weld
4313 スラグ巻込み 溶接金属に巻き込まれたスラグ(JIS Z 3001-4参照)。 slag inclusion
注記 その形成状況によって,線状,孤立状,群れ状
などがある。
4314 ブローホール 溶接金属中に生じる球状の空洞(JIS Z 3001-4参照)。 gas pore,
blow hole
4315 アンダカット 母材又は既溶接の上に溶接して生じた止端の溝(JIS Z undercut
3001-4参照)。
4316 溶込み 母材の溶けた部分の最頂点と,溶接中に母材又は前の penetration,
溶接層で溶けた範囲の先端位置との距離(JIS Z weld penetration,
3001-1参照)。 fusion penetration,
penetration depth of
fusion
4317 ピーニング 特殊なハンマなどで溶接部を連続的に打撃して,表面 peening
層に塑性変形を与える操作。
注記1 表面層の引張残留応力緩和の目的でも使用さ
れる。
注記2 JIS Z 3001-1の定義を一部変更している。
4318 ビード 溶接ビード bead
1回の溶接パスによって作られる結果としての1回分
の溶接部又は溶接金属(JIS Z 3001-7参照)。
4319 ルート 溶接の断面で見た場合の溶着金属の底と母材との交 root of weld
点。
4320 後熱 溶接部,ガス切断部などに後から熱を加える作業(JIS postheating
(ごねつ) Z 3001-7参照)。
4321 溶接後熱処理 溶接,はんだ付,ろう付,溶射又は切断後に組み立て post weld heat
た溶接構造物を加熱する処理(JIS Z 3001-1参照)。 treatment
注記 代表的な溶接後熱処理として,応力除去熱処理
がある。

――――― [JIS B 0130 pdf 33] ―――――

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番号 用語 定義 参考
慣用語 対応英語
4322 裏当て 開先溶接において,片面から溶接施工するため又は溶 backing,
落ち,欠陥の発生などを防止するために,開先の底部 backing ring,
に裏から当てる金属板又は粒状フラックス。 backing strip,
注記1 金属板であって母材とともに溶接される場合 backing metal
は,裏当て金ともいう。
注記2 JIS Z 3001-7の定義を一部変更している。
4323 インサートリン 管内に突起部分ができないように,接合する部材の隙 insert ring
グ 間に差し入れるリング状部材。
4324 予熱 溶接に先立って部材の適切な範囲を加熱する作業 preheating
(JIS Z 3001-7参照)。
4) 保温・保冷
番号 用語 定義 参考
慣用語 対応英語
4401 耐火れんが 炉壁その他高温で使用する構造物の構築に適する firebrick,
種々の形をもった耐火物。 refractory brick
注記 JIS R 2001の定義を一部変更している。
4402 耐火断熱れんが 熱伝導率の低い耐火れんが。 insulating firebrick
注記 JIS R 2001の定義を一部変更している。
4403 耐火モルタル 耐火れんがを積むときの目地材料。 refractory mortar,
注記1 その硬化の状態から,熱硬性,気硬性及び水 refractory cement
硬性の3種類の耐火モルタルに分類される。
JIS R 2501を参照。
注記2 JIS R 2001の定義を一部変更している。
4404 キャスタブル耐 耐火性骨材及び硬化剤を混合した粉体の耐火物。 castable refractory
火物 注記1 水和性又は化学結合をもち,鋳込み,振動,
突き固め,ラミング等種々の形式で施工され
る。
注記2 JIS R 2001の定義を一部変更している。
4405 プラスチック耐 耐火性骨材に可塑性のある材料を加え,さらに,適量 plastic refractory,
火物 の水を混ぜてねり土状にした耐火物。 moldable refractory
注記1 比較的低温で硬化させるように化学薬品を添
加したものもある。
注記2 JIS R 2001の定義を一部変更している。
4406 目地材 れんがを積む場合に,れんが間を結合するために使用 bond
(めじざい) する材料。
注記 モルタルなどが用いられる。
4407 保温材, 保温とは常温以上,約1 000 ℃以下の物体を被覆し熱 hot insulation
保温材料 放散を少なくすること,又は被覆後の表面温度を低下 material,
させることをいい,保温の目的を果たすために使用さ thermal insulating
れる材料。 material
注記1 無機多孔質及び繊維質材料が使用される。
注記2 工業分野で主として呼称する。
注記3 JIS A 0202の定義を一部変更している。
4408 保温工事 高温部から低温部への熱の放散を防止するために保 hot insulation work
温材,外装板などで外面を包む工事。
4409 外装板 保温材などの表面を囲んで,それらの損傷を防止する outer jacketing
ための外被。 lagging

――――― [JIS B 0130 pdf 34] ―――――

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番号 用語 定義 参考
慣用語 対応英語
4410 防湿材 保冷用保温材への湿気の侵入を防止するための水分 vapor barrier
の透過を少なくする材料。 retarder,
注記 JIS A 0202を参考に定義した。 vapor barrier
4411 保冷工事 外気から低温部への熱の侵入を防止するために保冷 cold insulation work
用保温材,防湿材,外装板などで外面を包む工事。
e) 建設
1) 立地調査
番号 用語 定義 参考
慣用語 対応英語
5101 地質調査 発電所立地点の岩石,地層の種類及びそれらの分布状 geological survey
態についての調査。
注記 工事の設計・施工の資料とする。
5102 深浅調査 海洋,河川,湖沼などで水面以下の深さの測定。 soundings
(しんせんちょ 注記 この測定の結果で深浅図を作成する。
うさ)
5103 水理実験 水の流動特性を究明するための模型による実験。 hydraulics model test
5104 ボーリング 地質調査,さく井などのための地盤せん孔作業。 試すい, boring,
せん孔,
注記1 ビットに回転及び推力を与えて地盤又は構築 drilling
物にあな(孔)をあけること。 さく孔
注記2 JIS M 0103を参考に定義した。
5105 載荷試験 積荷板,試験ぐい,ピアー又は既に施工された構造物 load test
のはり(梁)などに一時的に静的荷重を加えて,載荷
重と沈下又は変形との関係を求め,地盤,くい,ピア
ーの支持力,はり(梁)などの安定性を調査する試験。
5106 土質試験 土の物理的及び力学的性質を求める試験。 soil test
5107 沈下量 地盤,盛土又は構造物のある点が,種々の原因で鉛直 settlement
方向に下がる変位量。
5108 地盤係数 地盤上に直径30 cm又は75 cmの鋼板を介して圧力を modulus of
加えたときの,圧力に対する地盤の変位量の割合。 subgrade reaction
5109 風力係数 構造物の形状に応じて決まる係数で,物体の風方向の force coefficient,
投影面積をA,風荷重をW,風速をV,空気密度をρ coefficient of wind
とし,W/Aを次の式で表したときのCの値。 force
W 1V 2

A 2
注記 JIS B 8830を参考に定義した。
5110 水平震度 構造物に作用する水平方向の加速度。 horizontal seismic
coefficient
5111 許容支持力 地盤のせん断破壊又は沈下によって,その上部構造物 allowable bearing
に被害が生じない範囲で許容できる最大の地盤の耐 capacity
力。
5112 既往最高潮位 既往の潮位のうちで最高の潮位。 HHWL highest high water
level
5113 既往最低潮位 既往の潮位のうちで最低の潮位。 LLWL lowest low water
level
5114 基本水準面 地理調査所の水準標準と周辺海面の潮位とから算定 datum plane for
した最低潮位面。 sounding

――――― [JIS B 0130 pdf 35] ―――――

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