JIS B 0170:2020 切削工具用語(基本) | ページ 2

4
B 0170 : 2020
番号 用語 定義 対応英語(参考)
0304 付刃工具 tipped tool
切れ刃として超硬合金その他の材料のチップをろう付けした
(つけはこうぐ) 工具。
0305 先むく工具 top solid tool
ボディの先端からある長さの部分だけを,むくの工具材料をろ
う付けした工具。
注記 シャンクタイプ工具に多い。
0306 差込工具 inserted tool
ボディをシャンクに差し込んで,ろう付け,圧入などの方法で
接合した工具。
注記 シャンクタイプ工具に多い。
0307 組立工具 二つ以上の部品を機械的に組み立てた工具。 built-up tool,
assembled tool
0308 植刃工具 ブレードをボディに機械的に取り付けた工具。 inserted blade tool
0309 刃先交換工具 indexable insert tool
刃先交換チップをボディに機械的に取り付け,刃先を交換可能
にした工具。
0310 調整工具 外径,直径,高さ,幅などが機械的に調節できる工具。 adjustable tool
0311 組合せ工具 二つ以上の工具を組み合わせて使用する工具。 interlocking tool,
combination tool
0312 単刃工具 一つの切れ刃で切削する工具。 single point tool
(たんばこうぐ)
0313 多刃工具 複数の切れ刃で切削する工具。 multi-point tool
(たじんこうぐ) 注記 多くのドリル,エンドミル,ホブ,ブローチ,タップな
ど。
4.1.5 取付方法による分類
番号 用語 定義 対応英語(参考)
0401 シャンクタイプ shank type tool
ホルダ又は直接工作機械に取り付けるシャンクをもつ工具。
工具 注記 シャンクには,ストレートシャンク,テーパシャンク,
角シャンク,ダブテールシャンクなどがある。
0402 ボアタイプ工具 bore type tool
アーバ又は直接工作機械に取り付ける穴(ボア)をもつ工具。
注記 穴には,プレイン穴,ドライブ穴付き穴,キー溝付き穴,
端面キー溝付き穴,ねじ付き穴,テーパ穴などがある。

4.2 工具の部分の名称及び刃部の要素

 番号      用語                              定義                                 参考
量記号 対応英語
1001 ボディ −
工具の基幹部。それ自身が切れ刃を形成するか,又はブレード body
若しくはチップを保持する部分を含めた全体(図2参照)。
1002 シャンク 工具の柄部。使用に際してはこれを保持する(図2参照)。 − shank
1003 刃部 −
工具の切削に直接あずかる部分。切れ刃,すくい面及び逃げ面 cutting part
からなる(図2参照)。
1004 チップ −
ボディ又はシャンクに取り付けて使用する刃部材料。その一部 tip,
に切れ刃を形成する(図2参照)。インサートともいう。 insert

――――― [JIS B 0170 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
B 0170 : 2020
番号 用語 定義 参考
量記号 対応英語
1005 刃先交換チップ −
機械的にボディに取り付けられ,一つの切れ刃が工具寿命に達 indexable insert
したとき,他のコーナ又は他のチップに交換することで再研削
することなく,そのまま作業が継続できるようにしたチップ。
通常は複数の切れ刃をもつ。
注記 次に示すタイプがある(3023及び3024参照)。
ネガティブレーキタイプ ボジティブレーキタイプ
a) バイト b) フライス c) ドリル d) リーマ
図2−工具の部分の名称 その1
番号 用語 定義 参考
量記号 対応英語
1006 ブレード ボディに機械的に保持されて刃部を構成する比較的長めのチ − blade,
ップ又は台金にチップを固着したもの。インサートブレードと insert blade
もいう。
1007 首(部) −
工具の製作上又は使用上の必要によって,シャンク以外の部分 neck,
に設けたくびれた部分。ネック又はリセスともいう(図3参照)。 recess
1008 溝 逃げ面の最後部にあるヒールの後ろのへこんだ部分(図3参 − flute
照)。
注記 切りくず排出のためのチップポケットになる。
1009 ヒール −
逃げ面の後ろに溝がある工具において,逃げ面の最後部,すな heel
わち,溝とのつなぎとなる部分(図3参照)。

――――― [JIS B 0170 pdf 7] ―――――

6
B 0170 : 2020
番号 用語 定義 参考
量記号 対応英語
1010 バックテーパ シャンクの長手方向の送り運動に対して工具に逃げを与える − back taper
ために設けたテーパ(フライスを除く。)。
1011 すくい面 工具の切削を営む主体となる面(図4参照)。切りくずは,こ− face,
の面上を擦過する。すくい面が複数の面からなる場合は,切れ rake face
刃に近い方から順に第一すくい面(first rake face),第二すくい
面(second rake face),第三すくい面(third rake face)などとい
う。幅の狭い第一すくい面はランドともいう。
これらのすくい面は,特に指定がないときは主切れ刃に関係す
るものを指す。
主切れ刃と副切れ刃とに分ける必要がある場合には,主切れ刃
につながるすくい面を主すくい面(major rake face)といい,副
切れ刃につながるすくい面を副すくい面(minor rake face)とい
う。
例 主第二すくい面(major second rake face)。副第一すくい面
(minor first rake face)。
a) バイト
b) フライス c) ドリル d) リーマ
図3−工具の部分の名称 その2
番号 用語 定義 参考
量記号 対応英語
1012 逃げ面 −
切削仕上げ面との不必要な接触を避けるために逃がした面(図 flank,
4参照)。逃げ面が複数の面からなる場合は,切れ刃に近い方か relief
ら順に第一逃げ面(first flank),第二逃げ面(second flank)な
どという。幅の狭い第一逃げ面はランドともいう。
これらの逃げ面は,特に指定がないときは,主切れ刃に関係す
るものを指す。
1013 主逃げ面 主切れ刃につながる逃げ面(図4参照)。主逃げ面が複数の面− major flank
からなるときは,主切れ刃に近い方から順に第一主逃げ面(first
major flank),第二主逃げ面(second major flank)などという。

――――― [JIS B 0170 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
B 0170 : 2020
番号 用語 定義 参考
量記号 対応英語
1014 副逃げ面 副切れ刃につながる逃げ面(図4参照)。副逃げ面が複数の面− minor flank
からなるときは,副切れ刃に近い方から順に第一副逃げ面(first
minor flank),第二副逃げ面(second minor flank)などという。
1015 ランド a) 溝をもつ工具の,切れ刃からヒールまでの堤状の幅をもっ− land
た部分[図4 d)参照]。
b) すくい面上に切れ刃に沿って設けた幅が狭い帯状の面[図
4 a)参照]。
c) 逃げ面上に切れ刃に沿って設けた幅が狭い帯状の面。逃げ
角を付けないことが多い。
1016 マージン −
逃げ面上の,逃げ角の付いていない部分[図4 c) 及び図4 d) 参 margin
照]。
1017 切れ刃 −
刃部構成要素の一つで,すくい面と逃げ面との交線又はりょう cutting edge
(稜)線を形成する部分。
1018 切れ刃の状態 −
工具材種,工具形状,使用用途などを考慮して処理を施した切 condition of
れ刃の状態(図5参照)。 cutting edge
a) バイト
b) フライス c) ドリル d) リーマ
図4−工具の部分の名称 その3

――――― [JIS B 0170 pdf 9] ―――――

8
B 0170 : 2020
a) シャープ切れ刃 b) 丸切れ刃 c) 角度切れ刃 d) 複合切れ刃
注記 切れ刃の状態は一般に次の形状がある。
a) シャープ切れ刃(sharp cutting edge) : 特に処理をせず鋭利な状態を維持した切れ刃。
b) 丸切れ刃(rounded cutting edge) : すくい面側と逃げ面側とを円弧で結んだ切れ刃。
c) 角度切れ刃(chamfered cutting edge) : すくい面側と逃げ面側とをある角度で直線的に結んだ切れ刃。
d) 複合切れ刃(chamfered and rounded cutting edge) : すくい面側と逃げ面側とをある角度で直線的に結
び,かつ,すくい面側と逃げ面側とのそれぞれのかどの片側又は両側を丸めた切れ刃。
図5−切れ刃の状態
番号 用語 定義 参考
量記号 対応英語
1019 主切れ刃 切削作用において,切りくず生成に主な役割を果たす切れ刃 − major cutting
(図4及び図6参照)。 edge
主切れ刃が複数ある場合には,コーナに近い方から順に第一主
切れ刃(first major cutting edge),第二主切れ刃(second major
cutting edge)などという。
バイトでは前切れ刃という(図6参照)。
1020 副切れ刃 切れ刃のうち主切れ刃を除く部分(図3及び図4参照)。副切 − minor cutting
れ刃が複数ある場合には,コーナに近い方から順に第一副切れ edge
刃(first minor cutting edge),第二副切れ刃(second minor cutting
edge)などという。
バイトでは横切れ刃という(図6参照)。
1021 コーナ −
一つの切れ刃と他の切れ刃とがつながる角(かど)の,比較的 corner
小範囲の切れ刃部分(図4及び図6参照)。
1022 チップポケット −
切削中の切りくずの生成,収容及び排出を容易にするために工 chip pocket,
具に設けた溝又はくぼみ(図4参照)。 chip space
1023 食付き部 −
工具の工作物に食い付く部分,又は切削しながら工具自身を案 leading part,
内する部分(図4参照)。 bevel lead,
面取りをした形状の場合は,チャンファともいう。 chamfer
図6−刃先交換チップの各部の名称
番号 用語 定義 参考
量記号 対応英語
1024 横切れ刃 一般に切削仕上げ面から遠ざかる側の切れ刃(図6参照)。 − side cutting edge

――――― [JIS B 0170 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS B 0170:2020の国際規格 ICS 分類一覧