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B 0955-3 : 2022 (ISO 14955-3 : 2020)
5.2.2 評価手順
工作機械運転状態の時間配分率の選択手順は図10による。
図10−運転状態の評価手順
5.2.3 供給されるエネルギーの推定
決定した運転状態の時間配分割合に基づいて,式(1)によってエネルギーの計算を行うことが可能である。
この計算は,1年間に供給される推定エネルギーを示す。この値及び運転状態の時間配分率に関連する計
算は,文書化しなければならない。
ショップフロア生産では,生産に使用していない工作機械の運転状態に関連して供給される電力は,総
エネルギー供給に大きな影響を与える可能性がある。可能な場合には,工作機械の自動スイッチオフを適
用し,報告しなければならない。
E=(sOFF×POFF+sSTANDBY×PSTANDBY+sSETUP×PSETUP+sREADY×PREADY+
sPROCESSING×PPROCESSING+sESTOP×PESTOP+sO×PO)×(365×24) (kWh) (1)
ここで, E : 与えられた環境下で1年間に供給される推定エネルギ
ー(kWh)
POFF : 工作機械状態“オフ”の間の平均電力(kW)
PSTANDBY : 工作機械状態“待機”中の平均電力(kW)
PSETUP : 工作機械状態“セットアップ”中の平均電力(kW)
PREADY : 工作機械状態“準備”中の平均電力(kW)
PPROCESSING : 工作機械状態“加工”中の平均電力(kW)
PESTOP : 工作機械状態“非常停止”中の平均電力(kW)
PO : 工作機械状態“その他”の間の平均電力(kW)
sOFF : 年間当たりの工作機械状態“オフ”の配分割合
sSTANDBY : 年間当たりの工作機械状態“待機”の配分割合
sSETUP : 年間当たりの工作機械状態“セットアップ”の配分割
合
sREADY : 年間当たりの工作機械状態“準備”の配分割合
sPROCESSING : 年間当たりの工作機械状態“加工”の配分割合
sESTOP : 年間当たりの工作機械状態“非常停止”の配分割合
sO : 年間当たりの工作機械状態“その他”の配分割合
年間当たりの時間配分率の値は,1年間の平均生産量によって計算した平均時間配分率である。そのた
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B 0955-3 : 2022 (ISO 14955-3 : 2020)
め,1日24 h,365日の生産量の平均生産日数の測定値によって直接算出可能である。それ以外の場合は,
運転していない時間を考慮して測定値を調整しなければならない。式(1)は,1年間を通しての推定供給エ
ネルギーを計算する式であるため,工作機械に供給される電力が0 kWであっても,生産プラントが稼働
していないときの工作機械の運転状態を考慮しなければならない。
例1
− 大量生産,年間365日
− 運転時間,1日2 シフト(=16 h/日)
− 非運転時間(工作機械が“オフ”になる時間),8 h/日
運転時間が16 h/日のときの年間当たりの時間配分率(測定値)は,表10に示すように,“オフ”が5 %,
“待機”が15 %,“セットアップ”が10 %,“準備”が5 %,“加工”が60 %,及び“非常停止”が5 %で
ある。
したがって,式(1)で使用している年間当たりの非生産時間の実際の配分率は,“オフ”=1/3+2/3×0.05
=36.6 %
“加工”の時間配分率は,表10によると,“加工”=2/3×0.6=0.4=40 %
例2
− ショップフロア生産,年間220日
− 運転時間,1日1シフト(=1日8 h)
− 非運転時間(工作機械がOFFになる時間),16 h/日
運転時間が1日8時間で,年間当たりの時間配分率(測定値)は,表10に示すように,“オフ”が5 %,
“待機”が15 %,“セットアップ”が10 %,“準備”が5 %,“加工”が60 %,及び“非常停止”が5 %で
ある。この工作機械は,1日16 時間,年間145日“オフ”の状態にある。
この例の場合,表10による時間配分率は,“オフ”が81 %,“待機”が3 %,“セットアップ”が2 %,
“準備”が1 %,“加工”が12 %,及び“非常停止”が1 %になる。
5.2.4 関連する運転状態の計算
測定値に基づき関連する運転状態を決めることは可能である。関連する運転状態は,時間配分率又はエ
ネルギーと高い関連性を示す。さらに,関連する運転状態は,JIS B 0955-1:2020に基づき工作機械の機能
に注目した[以下,機能指向(FO)という。]評価手法を使って分析しなければならない。
運転状態のデフォルトの配分率は,工作機械の使用段階で関連する運転状態を,表11に従って決定する
ことが可能である。
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表11−運転状態のデフォルトの配分率に対する供給エネルギーの計算に関連するパラメータ
運転状態 “オフ” “待機” “セット “準備” “加工” “非常停止” “その他”
アップ” (遷移運転状態)
年間当たりの 5 15 10 5 60 5 0
配分率(%)
年間当たりの sOFF sSTANDBY sSETUP sREADY sPROCESSING sESTOP sO
配分割合 =0.05 =0.15 =0.1 =0.05 =0.6 =0.05 =0
運転状態当た POFF PSTANDBY PSETUP PREADY PPROCESSING PESTOP PO
りの測定平均
電力P
年間の運転状 EOFF ESTANDBY ESETUP EREADY EPROCESSING EESTOP EO
態当たりの計 =POFF =PSTANDBY =PSETUP =PREADY =PPROCESSING =PESTOP =PO×sO
算エネルギーE ×sOFF ×sSTANDBY ×sSETUP ×sREADY ×sPROCESSING ×sESTOP ×365×24
×365×24 ×365×24 ×365×24 ×365×24 ×365×24 ×365×24
1年間の運転状態ごとに計算されたエネルギーEは,どの運転状態が関連しているかを示す。この関連
性に基づいて,JIS B 0955-1:2020に従って機能指向(FO)分析を行わなければならない。
5.2.5 関連するパラメータ
表12のEnPI値は,必要に応じて収集し,文書化しなければならない。表12にない又は特定の運転状態
は,記載し,それぞれ文書化することが望ましい。
表12−文書化すべき関連するエネルギーパフォーマンス指標(EnPI)
必要な値 単位 説明
POFF kW 工作機械状態“オフ”の間の平均電力
tOFF s デフォルト値は,300 s
デフォルト時間と等しい場合でも,測定時間を文書化する必要がある。
PSTART kW 工作機械状態“オフ”から“待機”へ遷移する間の平均電力
tSTART s 工作機械状態“オフ”から“待機”へ遷移する間の時間
この時間は,工作機械に依存する。
PSTANDBY kW 工作機械状態“待機”中の平均電力
tSTANDBY s デフォルト値は,300 s
デフォルト時間と等しい場合でも,測定時間を文書化する必要がある。
PSETUP kW 工作機械状態“セットアップ”中の平均電力
tSETUP s 工作機械状態“セットアップ”にかかった時間
この時間は,加工工程に依存する。
PREADY kW 工作機械状態“準備”中の平均電力
tREADY s デフォルト値は,300 s
デフォルト時間と等しい場合でも,測定時間を文書化する必要がある。
PPROCESSING kW 工作機械状態“加工”中の平均電力
tPROCESSING s 加工工程表の個々の加工時間
PESTOP kW 工作機械状態 “非常停止”中の平均電力
tESTOP s デフォルト値は,300 s
デフォルト時間と等しい場合でも,測定時間を文書化する必要がある。
PSWO kW 工作機械状態“待機”から“オフ”へ遷移する間の平均電力
tSWO s 工作機械状態“待機”から“オフ”へ遷移する間の個々の加工工程の時間
EOFF kWh 工作機械状態“オフ”の間に必要な,計算された1年間のエネルギー
ESTANDBY kWh 工作機械状態“待機”の間に必要な,計算された1年間のエネルギー
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表12−文書化すべき関連するエネルギーパフォーマンス指標(EnPI)(続き)
必要な値 単位 説明
ESETUP kWh 工作機械状態“セットアップ”中に必要な,計算された1年間のエネルギー
EREADY kWh 工作機械状態“準備”中に必要な,計算された1年間のエネルギー
EPROCESSING kWh 工作機械状態“加工”中に必要な,計算された1年間のエネルギー
EESTOP kWh 工作機械状態“非常停止”中に必要な,計算された1年間のエネルギー
EO kWh 工作機械状態“その他”,例えば,製造業者又は使用者の特定の工作機械の状態にあるとき
に必要な,計算された1年間のエネルギー
E kWh 運転状態の指定された時間配分に基づいて計算された1年間の推定エネルギー
5.2.6 機能指向(FO)分析
図11は,関連する運転状態に基づき,JIS B 0955-1:2020に従った機能指向評価の手順を示す。
図11−関連する運転状態に基づいてJIS B 0955-1:2020に従って行う機能指向(FO)評価の手順
関連する工作機械機能に基づき,JIS B 0955-1:2020の6.4に従って,個別に測定しなければならない構
成要素を決めることが可能である。
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6 加工工程表
6.1 一般
工作機械は,様々な構成要素(例えば,主軸,ベッド,駆動装置,ファン,モータなど)を組み立てた
ものであり,その構成及び用途も様々である。個々の工作機械のエネルギー挙動及び関連する特定のエネ
ルギー効率最適化対策は,主に工作機械の構成,加工工程及び用途,能動的な構成要素及びその制御,工
作機械運転状態の順序,製造環境,などに依存する。
工作機械は,その構成及びその用途がそれぞれ大きく異なり,様々である。したがって,定義された形
状及び材料特性をもつ標準化された評価用試験片又は加工工程を定義しようとすると煩雑になることは明
らかである。特定の評価用試験片は,常に特定の工作機械に直接又は間接的に関連しているため,その工
作機械では最適化された条件で製造可能であるが,その評価用試験片を別の工作機械で製造することは意
図していない。特定の工作機械と工作物との組合せは,産業用としては現実的ではなく,一般的でもなく,
有用でもない。現実的でない又は一般的でない機械加工の用途に基づいて,エネルギー効率最適化のため
に行うエネルギー評価及びその関連指標は,特定の用途に対してエネルギーが効率的か又は非効率か,及
び/又はエネルギー的に不利か又は有利かの指摘につながり兼ねず,誤る可能性がある。そのため,この
規格は,評価用試験片を標準化することを意図していない。それは,産業環境下における工作機械の実際
の用途を反映しない可能性があるからである。
JIS B 0955-2:2021の5.2.2及び5.2.3に記載されている稼働状況の例は,工作機械の現実的ではない用途
を示している可能性がある。評価用試験片及び加工工程表は,対象とする個々の工作機械及び関連する構
成に強く依存し,個々に定義する必要があると結論付けることが可能である。この規格は,個々の工作機
械の定義及び金属切削の用途に依存した加工工程表に焦点を絞っている。個々に加工工程表を定義するこ
とによって,産業界において代表される典型的な加工工程を確実に評価することが望ましい。加工工程表
は,所定の工作機械に対して意図的な値を表している。この規格は,工作機械の比較に使用することを意
図したものではない。
離散型生産を伴う大規模生産では,加工工程のばらつきが制限される。一般に,大規模生産で使われる
工作機械は,ある特定の工作物,又は同様の幾何学的に複雑な形状の工作物を製造するように設計されて
いる。工作物の複雑さの程度,工作物の材料特性,必要な加工操作,及び各工作機械の関連する加工パラ
メータは,類似している。工作機械の研究·調査·測定によると,特に自動車及び航空宇宙機器の製造プ
ロセス(大量生産)においては,目標とする様々な加工工程が一つ又は幾つかの似た加工工程に限定され
ることが示されている。これは,定義された顧客固有の加工工程が,その用途の代表であり,選択可能な
ことを意味している。より高い柔軟性又は加工工程の変動性については,中規模生産及びショップフロア
生産にある工作機械で観察することが可能である。
工作機械の製造業者は,使用者の実際の用途(例えば,部品サイズ,材料,切削抵抗,加工プログラミ
ング)に関する情報を得ることが制限されることがある。使用者側では,製造しようとしている部品及び
関連する用途は分かっているが,工作機械の可能な構成に関する知識は限られている。
注記1 工作機械の構成の例には,コラム移動又はコラム固定,内部及び外部冷却,内部及び外部排気
装置,切りくず処理装置がある。
注記2 製造環境の定義の例に環境の温度及び湿度に関する情報を含めることは可能である。
注記3 大規模生産の例には,自動車産業がある。
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