JIS B 2005-8-3:2008 工業プロセス用調節弁―第8部:騒音―第3節:調節弁の空気力学的流動騒音の予測方法 | ページ 2

4
B 2005-8-3 : 2008(IEC 60534-8-3 : 2000)

4 記号及び単位

  この規格で用いる記号及び単位は,表1による。
表1−記号及び単位
記号 説明 単位
A 単一の流路の面積 m2
An n段の多段トリムの,使用するトラベルでの最終段の全流路面積 m2
C 容量係数(Kv 及び Cv) 多種(JIS B 2005-1を参照)
Cn n段の多段トリムの最終段に対する容量係数 多種(JIS B 2005-1を参照)
cvc 亜音速の流動条件における縮流部での音速 m/s
cvcc 閉そく流状態における縮流部での音速 m/s
c2 下流条件での音速 m/s
D バルブ出口の直径 m
d 流路の直径(円形以外に対しては,dHを使用) m
dH 単一の流路の水力学的直径 m
di バルブ出口又はエキスパンダ入口の小さいほうの内径 m
Di 下流配管の内径 m
Dj 縮流部における噴流の直径 m
do 使用するトラベルでの流路面積の和に等しい面積をもつ,環状オリフィスの直径 m
Fd バルブ形状修正係数 無名数の1
FL 継手を接続しない場合のバルブの液体圧力回復係数 無名数の1 d)
FLn 低騒音トリムの最終段の液体圧力回復係数 無名数の1
FLP 無名数の1 d)
継手を接続する場合の,バルブの液体圧力回復係数と配管形状係数との組合せ係数
Fp 配管形状係数 無名数の1
fg 外部コインシデンス周波数 Hz
fo 内部コインシデンス周波数 Hz
fp 発生ピーク周波数 Hz
fpR バルブ出口又はエキスパンダの縮小された直径での発生ピーク周波数 Hz
fr リング周波数 Hz
Gx,Gy 周波数係数(表5参照) 無名数の1
l 放射状流路の長さ m
lw 単一の流路のぬれ縁の長さ m
配管エキスパンダで引き起こされた気体の乱れによって生じる,配管壁から
LpeR dB(A)(Po 基準)
1 mでのA特性音圧レベル
Lg マッハ数の補正 dB (Po 基準)
LpAe 配管外部でのA特性音圧レベル dB(A)(Po 基準)
LpAe, 1m 配管壁から1 mでのA特性音圧レベル dB(A)(Po 基準)
Lpi 配管壁での内部音圧レベル(5.6参照) dB (Po 基準)
LpiR 下流配管の内部音圧レベル(7.2参照) dB (Po 基準)
バルブトリムとエキスパンダとで生じた,配管壁から1 mでの組合せ
LpS dB(A)(Po 基準)
A特性音圧レベル
Lwi 全内部音響パワーレベル dB (Wo 基準)
M 流れている流体のモル質量 kg/kmol
Mj 状態IIからIVまでにおける自由膨張噴流のマッハ数 無名数の1
Mjn n段の多段弁での最終段の自由膨張噴流のマッハ数 無名数の1
Mj5 状態Vにおける自由膨張噴流のマッハ数 無名数の1
Mo バルブ出口におけるマッハ数 無名数の1
MR エキスパンダ入口におけるマッハ数 無名数の1

――――― [JIS B 2005-8-3 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
B 2005-8-3 : 2008(IEC 60534-8-3 : 2000)
表1−記号及び単位(続き)
記号 説明 単位
Mvc 縮流部におけるマッハ数 無名数の1
M2 下流配管におけるマッハ数 無名数の1
m 質量流量 kg/s
m
s 音速における質量流量 kg/s
N 数値定数(表2参照) 多種
No バルブトリムにおける独立した同一の流路数 無名数の1
pa 配管外部の実際の大気圧 Pa c)
pn n段の多段弁の最終段におけるよどみ点絶対圧力 Pa
Po 基準音圧=2×10−5 e) Pa
ps 標準大気圧 a) Pa
pvc 亜音速の流動条件における縮流部の絶対圧力 Pa
pvcc 閉そく流状態における縮流部の絶対圧力 Pa
p1 バルブ入口の絶対圧力 Pa
p2 バルブ出口の絶対圧力 Pa
p2B ブレークポイントにおけるバルブ出口の絶対圧力 Pa
p2C 閉そく流状態におけるバルブ出口の絶対圧力 Pa
p2CE 一定の音響効率の状態が始まる点でのバルブ出口の絶対圧力 Pa
R 気体定数=8 314 J/(kmol・K)
rw 音響パワー比(表4参照) 無名数の1
Tn n段の多段弁の最終段における入口の絶対温度 K
Tvc 亜音速の流動条件における縮流部の絶対温度 K
Tvcc 閉そく流状態における縮流部の絶対温度 K
T1 入口の絶対温度 K
T2 出口の絶対温度 K
TL 透過損失 dB
TLR 下流配管における透過損失 dB
tp 配管壁の厚さ m
Up 下流配管における気体の速度 m/s
UR エキスパンダの入口における気体の速度 m/s
Uvc 亜音速の流動条件における縮流部の速度 m/s
Wa 音響パワー W
WaR バルブ出口又はエキスパンダの縮小された直径での音響パワー W
Wm 質量流量の流れパワー W
WmR バルブ出口又はエキスパンダの縮小された直径での質量流量の流れのパワー W
Wms 音速での質量流量の流れのパワー W
Wo 基準音響パワー=10−12 e) W
愀 回復補正係数 無名数の1
戀 バルブ出口又はエキスパンダ入口における収縮係数 無名数の1
最 比熱比 無名数の1
音響効率係数 b) 無名数の1
1
p1及びT1における流体の密度 kg/m3
2 p2及びT2における流体の密度 kg/m3
n n段の多段弁の最終段のpn及びTnにおける流体の密度 kg/m3
Φ 相対容量係数 無名数の1
添字
e 外部を表す。

――――― [JIS B 2005-8-3 pdf 7] ―――――

6
B 2005-8-3 : 2008(IEC 60534-8-3 : 2000)
表1−記号及び単位(続き)
添字
i 内部を表す。
n トリムの最終段を表す。
R 下流配管又は管エキスパンダにおける条件を表す。
注a) 標準大気圧は,101.325 kPa 又は1.013 25 bar 。
b) 添字1,2,3,4及び5は,それぞれ状態I,II,III,IV及びVを示す。
Pa 。
c) 1 bar =102 kPa =105
d) 縮流部の圧力,したがって,速度を計算するために,この規格では,気体に対する圧力回復は,液体のそれと同
一であると仮定している。
e) 音響パワー及び音圧は,慣例上デシベルスケールとして知られている対数スケールを用いて表す。このスケール
は,ある標準の基準値と対数的な関係がある。この標準の基準値は,音圧に対して2×10−5 Pa及び音響パワーに
対して10−12 Wである。

5 標準トリムバルブ

5.1 圧力及び圧力比

  騒音の予測手順においては,幾つかの圧力及び圧力比が必要である。これらを,次に示す。
縮流部は,流体の最高速度及び最低圧力の領域である。この最低圧力は,絶対圧0より小さくなること
はないが,式 (1) によって求める。
p1 p2 (1)
pvc p1 2
FL
注記1 この式は,亜音速条件に対するFLの定義である。
注記2 バルブに継手類が取り付けてあるときは,FLをFLP / Fpと入れ換える。
注記3 係数FLは,縮流部の圧力の計算に必要である。縮流部の圧力は,次に速度を計算するのに用
いるが,この速度は音響効率係数を求めるのに必要となる。
閉そく流状態では,縮流部の圧力は,式 (2) によって求める。
/
2 (2)
pvcc p1
1
縮流部で音速流が始まる臨界下流圧力は,式 (3) によって計算する。
2
p2C p1 FL p1 pvcc (3)
注記4 バルブに継手類が取り付けてあるときは,FLをFLP / Fpと入れ換える。
補正係数αは,次の二つの圧力比の比である。
a) 閉そく流状態での入口圧力の出口圧力に対する比。
b) 閉そく流状態での入口圧力の縮流部の圧力に対する比。
αは,式 (4) で定義する。
p1
p2 C pvcc (4)
p1 p2 C
pvcc
衝撃セル−乱流の相互作用機構(状態IV)が,乱流−せん断機構(状態III)を上回って騒音スペクトル
を支配し始める点は,ブレークポイントとして知られている。これらの状態の説明については,5.2を参照。

――――― [JIS B 2005-8-3 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
B 2005-8-3 : 2008(IEC 60534-8-3 : 2000)
ブレークポイントでの下流圧力は,式 (5) によって計算する。
/
p1 1 (5)
p2B
一定の音響効率の領域(状態V)が始まる点の下流圧力は,式 (6) によって計算する。
p1 (6)
p2CE
22

5.2 状態の定義

  調節弁は,ポテンシャル(圧力)のエネルギーを乱流に変換することによって流れを制御する。調節弁
内の騒音は,このエネルギーのわずかの部分が音へ変換することから生じる。大部分のエネルギーは,熱
に変換される。
音響の現象が多様であること,又は気体分子と音速衝撃セルとの間の干渉の結果,騒音の発生は,複数
の状態に分類できる。状態Iでは,流れは亜音速であって,気体は部分的に再圧縮され,したがって,係
数FLが深く関与している。この状態での騒音発生は,主として双極子的である。
状態IIでは,音速流が衝撃セル間の相互作用及び閉そく流の乱流混合を伴いながら存在している。状態
IIの限界に近づくにつれて,再圧縮の程度が低下してくる。
状態IIIでは,等エントロピーの再圧縮は存在しない。流れは超音速となり,乱流−せん断機構が支配的
となる。
状態IVでは,マッハディスクが形成されるにつれて衝撃セル構造が弱まり,これに代わって衝撃セル−
乱流相互作用が支配的となる。
状態Vでは,一定の音響効率が存在し,更にp2が減少しても騒音は,増加しない。
流れの各状態は,与えられる一連の運転条件によって,次のように場合分けできる。
状態I p2 ≧ p2C の場合
状態II p2C > p2 ≧ pvcc の場合
状態III pvcc > p2 ≧ p2B の場合
状態IV p2B > p2 ≧ p2CE の場合
状態V p2CE > p2 の場合

5.3 予備的計算

5.3.1  バルブ形状修正係数 Fd
多段弁の場合,Fdは最終段だけ適用する。
バルブ形状修正係数は,式 (7a) によって計算する。
dH (7a)
Fd
do
単一流路の水力学的直径dHは,式 (7b) によって求める。
4A (7b)
dH
lW
全流れ面積の等価円の直径doは,式 (7c) による。
4 No A
do (7c)
π
Fdの代表的な値を,表3に規定する。

――――― [JIS B 2005-8-3 pdf 9] ―――――

8
B 2005-8-3 : 2008(IEC 60534-8-3 : 2000)
5.3.2 噴流の直径 Dj
噴流の直径は,式 (8) による。
Dj N14 FdCFL (8)
注記1 N14は,数値定数である。使用する容量係数(Kv又はCv)によって決まる。定数の値は,表
2による。
注記2 バルブの定格Cの値ではなく,所要のCの値を使用する。
注記3 バルブに継手類が取り付けてあるときは,FLをFLP/Fpと入れ換える。
5.3.3 音響パワー比 rw
音響パワー比は,下流側配管へ放射する音響パワーと運動エネルギーの割合を表す。種々のバルブ及び
継手類に対する係数を,表4に規定する。
表2−数値定数 N
定数 容量係数
Kv Cv
N14 4.9×10−3 4.6×10−3
N16 4.23×104 4.89×104
注記 表にない数値定数は,この規格に用いない。
表3−バルブ形状修正係数Fdの代表的な値(フルサイズトリム)
バルブ形状 流れ方向 相対容量係数Φ
0.10 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00
グローブ,パラボリックプラグ オープン 0.10 0.15 0.25 0.31 0.39 0.46
クローズ 0.20 0.30 0.50 0.60 0.80 1.00
グローブ,3V‐ポートプラグ 両方向 a) 0.29 0.40 0.42 0.43 0.45 0.48
グローブ,4V‐ポートプラグ 両方向 a) 0.25 0.35 0.36 0.37 0.39 0.41
グローブ,6V‐ポートプラグ 両方向 a) 0.17 0.23 0.24 0.26 0.28 0.30
グローブ,60同径ドリル孔ケージ 両方向 a) 0.40 0.29 0.20 0.17 0.14 0.13
グローブ,120同径ドリル孔ケージ 両方向 a) 0.29 0.20 0.14 0.12 0.10 0.09
両方向
バタフライ,スイングスルー(同心軸),70° 0.26 0.34 0.42 0.50 0.53 0.57
バタフライ溝付きベーン,70° 両方向 0.08 0.10 0.15 0.20 0.24 0.30
バタフライ,60°平円板 両方向 0.50
偏心回転プラグ 両方向 0.12 0.18 0.22 0.30 0.36 0.42
セグメント ボール,90° 両方向 0.60 0.65 0.70 0.75 0.78 0.98
注記 これらの値は代表的な値である。実際の値は製造業者による。
注a) フロー ツー クローズ方向の流れに対しては,弁差圧(p1−p2 )の制限がある。
表4−音響パワー比 rw
バルブ又は接手 rw
グローブ,パラボリックプラグ 0.25
グローブ,3 V‐ポートプラグ 0.25
グローブ,4 V‐ポートプラグ 0.25
グローブ,6 V‐ポートプラグ 0.25
グローブ,60同径ドリル孔ケージ 0.25

――――― [JIS B 2005-8-3 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS B 2005-8-3:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60534-8-3:2000(IDT)

JIS B 2005-8-3:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 2005-8-3:2008の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB2005:1995
バルブの容量係数の試験方法