JIS B 7761-3:2007 手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項 | ページ 2

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B 7761-3 : 2007 (ISO 5349-1 : 2001)
a) ハンドグリップ位置(この状態では,手は円筒形の棒状に規格化されたグリップを把持している。)
b) 手掌位置(この状態では,手は球面を上から押し付けている。)
注記 生体力学座標系の原点は,第3中手骨の骨頭(末端)である。zh軸(すなわち,手の角度)は,第3中手骨の
縦軸として定義され,指の先端方向が正方向である。原点を通るxh軸は,zh軸と直交し,手が通常位置(掌が
前方)のときに前方方向が正方向である。yh軸は,他の二つの軸と直交し,第5指(親指)の方向が正方向で
ある。支持面座標系を用いるとき,座標系は一般的にy−z面で回転するため,yh軸は実際には把持軸と平行で
ある。
図1−手の指示面座標系

4.3 手と振動源との結合

  振動暴露の特性は,今のところ初期量として手が接触する表面の加速度を用いているが,生物学的作用
が,手と振動源との結合に大きく依存していると想定することは妥当である。また,その結合が振動の強
さの測定に大きく影響を及ぼすことに,留意することが望ましい。

――――― [JIS B 7761-3 pdf 6] ―――――

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B 7761-3 : 2007 (ISO 5349-1 : 2001)
振動測定は,工具又は工程の標準的な作業において,手と振動している動力工具,ハンドル又はワーク
ピースとの結合を代表する力で行わなければならない。
手と把持位置との間の力1) は,測定し報告することが望ましい。また,作業者の状況の詳細を,それぞ
れの状態及び/又は作業手順として報告することが望ましい(附属書D及びF参照)。
注1) 把持力及び押付け力についての国際規格は,ISOで審議中である。

4.4 測定量

  振動の強さを規定するために用いる基本量は,メートル毎秒毎秒(m/s2)で表す周波数補正加速度実効
値(r.m.s.)とする。
周波数補正加速度の測定には,周波数補正及び帯域制限フィルタが必要である。周波数補正Whは,異
なる周波数が手に障害を引き起こす重要性を想定し考慮している。周波数補正Wh及び帯域制限フィルタ
の特性は,附属書Aに規定する。
実効値は,線形積分法を用いて測定する。積分時間は,振動信号の代表例を用いるように選択する(JIS
B 7761-2参照)。
さらなる目的(研究,予防及び振動の技術的な低減)のために,周波数スペクトルを取得することを強
く推奨する(詳細な情報は,附属書F参照)。

4.5 多軸振動

  ほとんどの動力工具において,手に伝わる振動は3軸すべての測定方向の成分を含んでいることが知ら
れている。3軸の各々における振動は,等しく有害であると想定している。そのために,測定は3軸すべ
てで行うことが望ましい。x,y及びz軸の周波数補正実効加速度値ahwx,ahwy及びahwzは,別々に報告す
る(附属書F参照)。
しかし,振動暴露の評価(箇条5参照)は,3軸すべてを合成した量に基づく。これが振動合成値ahv
であり,式(1)によって求められる。
2 2 2
ahv ahwx ahwy ahwz (1)
振動測定を3軸で行うことが不可能な場合があるかもしれない。測定を一つ又は二つの軸だけで行う場
合は,(その軸が確認できるときには)振動が最大の軸を含むこととする。その振動合成値は,有効な測定
値及び注意深く考慮した倍率を用いて推定する。最大振動軸の振動の強さから振動合成値を得るために,
1.01.7の幅の倍率が必要である(詳細な助言は,JIS B 7761-2参照)。振動合成値を推定するために倍率
を用いる場合は,その倍率及びその選択の妥当性を,測定した成分値とともに報告する。

5 手腕系振動暴露の特性

5.1 一般的事項

  振動暴露は,振動の強さ及び暴露の継続時間に依存する。附属書Cに示す健康への影響の指針を適用す
るために,振動の強さは振動合成値 aとして表す。
hv

5.2 日振動暴露時間

  日振動暴露時間は,労働日中に手が振動に暴露される合計時間である。振動暴露時間は,人が動力工具
又はワークピースで仕事をしている時間よりも短くてもよい。合計日振動暴露時間の推定は,種々の作業
条件の適切な代表値及び継続時間並びに中断時間を基本とすることが重要である(詳細な手引きは,JIS B
7761-2参照)。

――――― [JIS B 7761-3 pdf 7] ―――――

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B 7761-3 : 2007 (ISO 5349-1 : 2001)

5.3 日振動暴露量

  日振動暴露量は,振動の強さ(振動合成値)及び日振動暴露時間から計算する。
継続時間の異なる日振動暴露の間の比較を容易にするために,日振動暴露量は,8時間エネルギー等価
周波数補正振動合成値ahv (eq, 8h)として,式(2)に示す。この規格は,ahv (eq, 8h)を簡易的にA(8)として表す。
T
A8 ahv (2)
T0
ここに, T : ahvの振動への合計日振動暴露時間
T0 : 基準暴露時間8時間(28 800秒)
仕事が振動の強さの異なる幾つかの作業で構成される場合には,日振動暴露量A(8)の計算は,式(3)に
よる。
n
1 2
A8 ahviTi (3)
T0 i 1
ここに, ahvi : i番目の作業の振動合成値
n : 個々の振動暴露の数
Ti : i番目の作業の継続時間
A(8)を計算する個別の値は,別々に報告する。
例 (同一労働日の)1時間,3時間及び0.5時間の暴露時間に対する振動合成値がそれぞれ2 m/s2,
3.5 m/s2及び10 m/s2であれば,
1 2 2 2
A8 2 m/s2 1h 3.5 m/s2 3h 10 m/s2 5.0 h 4.3 m/s2
8h
となる。
注記 前記の計算結果は,有効数字2けたとする。これは,測定精度を同等にすることを意味するの
ではなく,計算法に起因するものである。通常の測定状態では,A(8)の値の10 %以下の精度を
得るように十分な注意を払うことが望ましい。
許容振動暴露の基準の選定においては,A(8)値を用いることを推奨する。

6 報告すべき事項

  この規格によって手腕系振動への暴露の評価を行ったときには,次の情報を報告する。
− 暴露評価の対象
− 振動暴露を引き起こす作業
− 動力工具,関連する先端工具及び/又はワークピース
− トランスデューサの位置及び方向
− 測定した単軸それぞれの周波数補正加速度実効値
− それぞれの作業に対する振動合成値
− それぞれの作業者の合計日継続時間
− 日振動暴露量
注記 JIS B 7761-2には,より多くの報告すべき推奨情報が規定されている(また,附属書D及びF
も参照)。

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B 7761-3 : 2007 (ISO 5349-1 : 2001)
附属書A
(規定)
周波数補正及び帯域制限フィルタ

序文

  この附属書は,周波数補正及び帯域制限フィルタについて規定する。
A.1 周波数補正及び帯域制限フィルタの特性
ahwの測定には,周波数補正及び帯域制限フィルタを適用することが必要である。周波数補正Whは,手
への障害を起こす,異なる周波数の,想定される重要性を反映する。振動障害(附属書C参照)の予測の
ための測定値の周波数適用範囲は,8 Hz1 000 Hzのオクターブバンドをカバーする実用的な周波数範囲
(例えば,公称周波数幅5.6 Hz1 400 Hz)を反映する。帯域制限ハイパス及びローパスフィルタは,周
波数の相関関係がまだ合意されていないこの範囲外の振動周波数による測定値への影響を制限する。
注記 振動への応答の周波数依存は,すべての軸において同じである可能性は低い。しかし,異なる
軸に異なる周波数補正を推奨することは,まだ適切ではない。
周波数補正及び帯域制限フィルタは,アナログ方式又はディジタル方式で実現できる。表A.1に,周波
数補正及び帯域制限フィルタの特性について,フィルタ設計者にとって身近な数学的な表現で定義して,
図A.1に帯域制限を含む手腕振動のための周波数補正曲線を規定する。より詳細なフィルタ特性及び許容
差が,JIS B 7761-1に規定してある。
表A.1−周波数補正Whのための帯域制限フィルタ及び補正フィルタの特性
帯域制限a) 周波数補正a)
f1 f2 Q1 f3 f4 Q2 K
6.310 1 258.9 0.71 15.915 15.915 0.64 1
帯域制限フィルタは,フィルタの伝達関数Hb(s)で定義する。
s2 4 π 2 f22
Hb (s) 2 2 2 2 2 2
(s 4 π f1 ( ) s
2 πf1s/ Q1 4 π f2 )
2 πf2s/ Q1
ここに, s=j2替 ラプラス変換の変数
帯域制限フィルタは,2極フィルタで実現できる。
周波数補正フィルタは,フィルタの伝達関数Hw(s)で定義する。
(s 2 πf3 ) 2 πKf42
Hw (s) 2 2 2
(s 2 πf4s/Q24 π f4 ) 3
ここに, s=j2替 ラプラス変換の変数
周波数補正フィルタは,2極フィルタで実現できる。
Hb (s)
合計周波数補正関数は, H(s) Hw (s) である。
注a) nの値は,共振周波数(n=14)を表す。Qnは,選択的に(n=1又は2)を示す。Kは,定利得である。

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B 7761-3 : 2007 (ISO 5349-1 : 2001)
補正係数
1
0.1
0.01
1 2 4 8 16 31.5 63 125 250 500 1
周波数 Hz
図A.1−帯域制限を含む手腕振動のための周波数補正曲線Wh(概略図)
A.2 1/3オクターブバンドデータの周波数補正加速度への変換
対応する周波数補正加速度を得るために,周波数補正Whフィルタの使用に代えて1/3オクターブバンド
分析から得る加速度実効値を用いることができる。
周波数補正加速度実効値ahwは,次の式から計算できる。
2
ahw Whiahi (A.1)
i
ここに, Whi : 表A.2に示すi番目の1/3オクターブバンドのための補正係数
ahi : i番目の1/3オクターブバンド中で測定した加速度実効値(m/s2)
主な周波数範囲は,(公称周波数が)6.3 Hz1 250 Hzまでの1/3オクターブバンドフィルタで構成され,
式(A.1)を用いたahwの計算には,この範囲内の1/3オクターブバンド分析結果を用いる。主要周波数範囲
から外れた周波数(例えば,表A.2の灰色の部分として示す。)の成分は,主要周波数範囲の高域端及び低
域端の振動エネルギーにほとんど影響を与えない。
周波数補正加速度値が,周波数範囲の高域及び低域で有意な成分によって影響を受ける場合には,附属
書Cにある振動暴露データからの白指予測のための指針は,慎重に取り扱うことが望ましい。
注記 スペクトルに顕著な単一周波数要素を含む場合には,概略を述べたA.2の手順は,周波数補正
加速度の計算値と直接測定値との間に差異を生じさせるかもしれない。これらの要素が1/3オ
クターブバンドの中心周波数と異なる周波数であれば,不一致が生じる。したがって,補正フ
ィルタWhの使用,又は狭帯域測定を基本とした計算が望ましい。後者の場合,ある周波数f
又は公称中心周波数fの狭周波数バンドに対して,補正なし振動加速度a(f)が与えられるなら
ば,補正加速度ah(f)は,次の式(A.2)から計算する。
ah f af H j2π (A.2)

――――― [JIS B 7761-3 pdf 10] ―――――

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  • ISO 5349-1:2001(IDT)

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