JIS B 7762-3:2006 手持ち可搬形動力工具―ハンドルにおける振動測定方法―第3部:ロックドリル及びロータリハンマ | ページ 2

4
B 7762-3 : 2006 (ISO 8662-3 : 1992)

6. 作業手順

6.1 一般

 測定は,適切に点検整備を行い,注油した新品の動力工具で行う。電気及び油圧工具,並び
に内燃エンジンによって駆動される工具では,測定を始める前に約10分の暖機時間を与えることが望まし
い。空気圧工具では,暖機時間は必要としない。
試験中,工具を定格動力,すなわち定格電圧又は定格圧力で操作し,製造業者の取扱説明書に従って,
安定,かつ,円滑に行う(6.3参照)。
試験における動力工具の,例えば回転速度などの特性は,用いるドリルビットに合わせるために,製造
業者の指定に従って調整する。
ドリルビットは,試験中,回転させる。
試験中,作業者が直立した姿勢がとれ,また動力工具を垂直下向きに操作できるように,加工物又はエ
ネルギー吸収装置を配置する(図2及び図3参照)。
図 2 作業者の作業姿勢 : ロータリハンマ及び軽いロックドリル

――――― [JIS B 7762-3 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
B 7762-3 : 2006 (ISO 8662-3 : 1992)
図 3 作業者の作業姿勢 : 重いロックドリル

6.2 負荷

6.2.1  ロータリハンマ及び軽いロックドリル 測定中,作業者は少なくとも40 MPa(28日経過した後)
の圧縮強度をもち,最大の粒度サイズが16 mmの強化されていないコンクリート製長方形ブロック(加工
物)に,せん孔を行う。ブロックの圧縮強度は,JIS R 5201による。
ブロックの寸法は,少なくとも800 mm×500 mm×200 mmとする。表面の凹凸を埋めるために,ブロッ
クは吸収材料(例えば砂,遮断マット,又は木製の板)の上に配置する。著しい共振を起こさないように
ブロックを据え付けることが重要である。
6.2.2 重いロックドリル 15 kgより重いロックドリルの場合,鋼球エネルギー吸収装置を用いる。この
装置は,衝撃波のエネルギーを吸収するとともに,通常の作業環境と同じように,15 %20 %程度の衝撃
波の反動を工具に与える。
エネルギー吸収装置は,工具の飛び跳ねを防ぐために,質量300 kg以上の硬いベースプレート上に,硬
化した鋼球を充てんした鋼管を固定したものとする。鋼管の最上部の鋼球に先端工具を挿入し,動力工具
をその上で作動させる。鋼管は,62±2 HRC又は750±10 HVの硬度,アンビル及び先端工具は55±2 HRC
の硬度とする。鋼球は63 HRCより高い硬度とする。
備考 長時間の試験では,冷却が必要な場合がある。
エネルギー吸収装置(負荷装置)及び先端工具を図4に示す。鋼管の直径Dは60 mm,鋼球の直径は4
mm,鋼球柱の高さHは150 mmとする。dは先端工具のシャンク径と同じにする。

――――― [JIS B 7762-3 pdf 7] ―――――

6
B 7762-3 : 2006 (ISO 8662-3 : 1992)
図 4 鋼球エネルギー吸収装置

6.3 押付け力

 動力工具が通常レベルの性能で作動するように,その質量に対して押付け力を加え,安
定した作業ができ,先端工具のカラーとの接触が生じないようにする。
このため,キログラム(kg)で表される動力工具の約15倍の質量に相当するニュートン(N)で表す押付け
力FAを加える。押付け力は,80 N以上で200 N以下とする。また,工具は円滑に作動させる。
備考 例えば,動力工具が12 kgの質量のとき,押付け力は約180 Nである。
この試験中,押付け力FAの値を確認し,調整するために,作業者ははかりの上に立って作業
する。この場合,押付け力は作業者自身の質量からはかりの示す質量を差し引いた値とする。

6.4 ドリルビット

 ロータリハンマの場合,製造業者の推奨するドリルビットを用いる。ロッドの実用
的な長さとドリルビットの直径は,表1によって選ぶことが望ましい。

――――― [JIS B 7762-3 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
B 7762-3 : 2006 (ISO 8662-3 : 1992)
表 1 シャンク直径によるドリルビット寸法の相関
単位 mm
シャンク直径,d ドリルビット直径 おおよその実用的な長さ
d ≦ 12 10 100
12 < d < 20 20 200
備考 実用的な長さは,標準的な長さの範囲から選ぶべきである。しかし,この表に推
奨される適切な値に,できるだけ近いことが望ましい。
ロータリハンマの場合,それぞれ一連の試験は,新しい又は再研磨されたドリルビットを用いて行う。
それぞれの試験中,ドリルビットは交換又は再研磨しない。

7. 測定手順及び測定の有効性

7.1 供給動力

 電動工具の供給電圧は,実効値を測定する測定器で測定する。
空気圧工具の空気圧は,ISO 2787に従い測定し,製造業者が指定した値を維持する。
油圧は,製造業者の指定どおりに測定及び調整する。
内燃エンジンで作動する工具のように,他の動力で駆動する工具の場合も上記と同等の調整を行う。
試験中の工具の打撃数は,電子フィルタ又は振動トランスデューサからの信号を用いて測定する。

7.2 測定手順

 3人の熟練作業者が,試験する動力工具で,一連の試験をそれぞれ実行する。一連の試験
は,5回のせん孔試験,又はエネルギー吸収装置上での5回の回転打撃試験からなる。
一連の試験が,5回のせん孔試験の場合,せん孔時間は,1回ごとに規定することができるが,8秒以上
とする。ドリルビットがドリルビットの直径の深さに達したとき読取りをスタートし,ドリルビットがロ
ッド実用長さの80 %の深さに到達後,又はブロックの最下面を貫通する前に,読取りを停止する。
エネルギー吸収装置でのそれぞれの測定時間は,安定した作業状態で8秒以上とする。

7.3 測定の有効性

 測定は,作業者ごとに一連の試験の有効性を得るため,5回連続して補正加速度実効
値の変動係数(7.4参照)が0.15未満,又は標準偏差が0.30 m/s2未満になるまで続ける。

7.4 変動係数

 変動係数 Cは,一連の試験の測定値の標準偏差
v sn1 と,一連の試験の平均値xとの比で
定義される。
sn1
Cv (1)
x
ここに,標準偏差は,
n
1 2
sn 1 xi x (2)
n 1i 1
一連の試験の平均値は
n
1 ix
x (3)
ni1
ix : i番目の測定値
ここに,
n : 測定値の数

8. 試験報告書

 JIS B 7762-1の7.の項目及び次の事項を,試験報告書に記載する。
a) ドリルビットの直径
b) ドリルロッドの長さ

――――― [JIS B 7762-3 pdf 9] ―――――

8
B 7762-3 : 2006 (ISO 8662-3 : 1992)
c) 鋼球柱の直径及び高さ,鋼球の直径,及びエネルギー吸収用当て金など,負荷装置の仕様
d) 電圧,作動圧,又は動力供給に関するその他のデータ
e) 打撃数
f) 押付け力
試験報告書例を,附属書Bに示す。

――――― [JIS B 7762-3 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS B 7762-3:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8662-3:1992(IDT)
  • ISO 8662-3:1992/AMENDMENT 1:1999(IDT)

JIS B 7762-3:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7762-3:2006の関連規格と引用規格一覧