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B 8008-2 : 2009
注記 対応国際規格 : ISO 8178-11,Reciprocating internal combustion engines−Exhaust emission
measurement−Part 11: Test-bed measurement of gaseous and particulate exhaust emissions from
engines used in nonroad mobile machinery under transient test conditions (MOD)
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
粒子状物質 (particulates)
ろ過した清浄な空気で,1次捕集フィルタの直前において,315 K (42 ℃) を超え,325 K (52 ℃) 以下
まで希釈した排気から,決められたフィルタ上に捕集されたすべての物質。
注記1 粒子状物質は,主に,炭素,凝縮した炭化水素及び水を含む硫化物である。
注記2 この規格で定義する粒子状物質は,希釈しない排気から加熱フィルタ法(例えば,ISO 9096)
によって直接捕集する粒子状物質又はダストと比べて組成及び質量が本質的に異なる。この
規格で規定する粒子状物質測定法は,燃料中の硫黄含有率が0.8 %以下まで有効であること
を確認している。0.8 %を超える場合には,測定方法について受渡当事者間で協議すること
が望ましい[測定方法の一例については,附属書Aの参考文献37) 及び38) を参照。]。
注記3 米国及び欧州連合の最新の規制との整合化を図るために,希釈排気の温度条件は,旧規格か
ら変更した。旧規格に基づいて製作された既存の設備は,更新までそのまま用いてもよい。
3.2
分流希釈法 (partial-flow dilution method)
全排気から希釈前の排気の一部を分岐した後,粒子状物質捕集フィルタの上流で適切な量の希釈空気と
混合する方法(JIS B 8008-1の図10図18参照)。
3.3
全流希釈法 (full-flow dilution method)
希釈空気と全排気とを混合した後,分析のために希釈した排気の一部分を分岐する方法[JIS B 8008-1
の図20(粒子状物質捕集システム)参照]。
注記 あらかじめ希釈した排気の一部を捕集フィルタ前で再希釈して適切な温度にすることが多くの
全流希釈システムで一般的に行われている[JIS B 8008-1の図19(全流希釈システム)参照]。
3.4
等速吸引 (isokinetic sampling)
採取プローブ内の平均吸引流速を排気の平均流速と同一にするように排気採取量を制御する方法。
3.5
非等速吸引 (non isokinetic sampling)
排気採取量を排気平均速度と無関係に制御する方法。
3.6
マルチフィルタ法 (multiple-filter method)
試験サイクルの個々のモードごとに一対又は1枚の捕集フィルタを用いる方法。
3.7
シングルフィルタ法 (single-filter method)
試験サイクルの全モードにわたり一対又は1枚の捕集フィルタを用いる方法。
――――― [JIS B 8008-2 pdf 6] ―――――
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B 8008-2 : 2009
3.8
排出率 (specific emission)
軸出力当たりの汚染物質の質量流量 (g/kW・h)。
3.9
軸出力 (brake power)
台上での機関の運転に必要な標準補機だけを装備した状態で,クランク軸又は同等の部分で測定された
出力[JIS B 8008-1の5.3(出力)及びJIS B 8004参照]。
3.10
補機 (auxiliaries)
JIS B 8004で規定した装置及び機器。
注記1 この規格の適用範囲にある形式の機関については,機関に装着する補機は,製造時又は認証
時には明確でないことが多い。
注記2 例えば,機関及びトランスミッションが一体である場合のように,JIS B 8004によって試験
するのが適切でない場合には,標準補機以外の補機を用いて試験してもよい。ただし,補機
の損失動力が機関の最大出力の5 %を超える場合には,試験前に,受渡当事者間の協定が必
要である。
3.11
搭載状態 (field conditions)
試験すべき機関が,その機関の駆動する実際の装置又は車両に搭載され,かつ,連結されており,その
装置又は車両が正常な機能を発揮できるような状態。
4 記号及び略号
4.1 一般記号
一般記号は,表1による。
――――― [JIS B 8008-2 pdf 7] ―――――
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B 8008-2 : 2009
表1−一般記号
記号 意味 単位
愀愀 火花点火機関の軸出力修正係数 −
bx 燃料消費率 kg/kW・h
fa 測定場所の大気条件係数 −
Ha 吸入空気絶対湿度 g/kg
L 最大トルクに対する測定トルクの比 %
nd 機関回転速度 min−1
nt 過給機回転速度 min−1
pb 大気圧(絶対圧力) kPa
pbe 給気冷却器出口の空気圧力 kPa
ps 乾き状態の大気圧 kPa
P 無修正軸出力 kW
Paux JIS B 8004で不要とされ,試験時に装着した補機の呼び合計消費動力 kW
Pm 試験条件の回転速度での実測最大出力又は呼び出力(11.5参照) kW
rNOx ZRDO分析器のNOx応答係数 −
rNO2 ZRDO分析器のNO2応答係数 −
rNO2, max 最大NO2/NOx濃度割合 −
s 燃料ラック位置(可能なら,各シリンダごと) −
S 動力計の設定値 kW
Ta 吸入空気絶対温度 K
Tba 給気冷却器出口の空気温度 K
Tci 冷却媒体入口温度 K
Tco 冷却媒体出口温度 K
Toil 潤滑油温度 K
4.2 測定する排出物成分の記号
測定する排出物成分の記号は,表2による。
表2−測定する排出物成分の記号
排出物成分 記号
メタン CH4
メタノール CH3OH
一酸化炭素 CO
二酸化炭素 CO2
(全)炭化水素 (T) HC
ホルムアルデヒド HCHO
水 H2O
アンモニア NH3
非メタン炭化水素 NMHC
一酸化窒素 NO
二酸化窒素 NO2
窒素酸化物 NOx
亜酸化窒素 N2O
酸素 O2
粒子状物質 PT
――――― [JIS B 8008-2 pdf 8] ―――――
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B 8008-2 : 2009
4.3 略号
略号は,表3による。
表3−略号
略号 意味
ECM 電子制御モジュール
ZRDO 二酸化ジルコニウム(ジルコニア)
PEMS 可搬式排出物測定装置
5 試験条件
5.1 一般要求事項
搭載状態での測定は,次の要求及び条件の一つ又は複数が当てはまる場合にだけ実施する。
a) 現地の条件が再現できないため,型式認定の台上測定が適切でない場合。
この試験は,台上測定の代用であるので,試験はJIS B 8008-4の試験サイクルを用いて実施する。
例1 現地で使用する実際の燃料が試験台の設置場所で入手困難である場合又は環境上の理由で使
用できない場合。
例2 高度,湿度又は気温の違いのため,試験台の大気条件が現地の条件を代表していない場合。
この場合には,この規格は,現地でJIS B 8008-4に規定した測定点を実現できる機関,すな
わち,海上試運転における船用機関,発電機駆動用機関,ディーゼル電気機関車用の初搭載
機関などに適用できる。
b) ある地域での実際の汚染を評価するために,現地での測定が必要な場合。
この試験は,実際の又は実際を模擬した運転条件で実施する。JIS B 8008-4に規定した試験サイク
ルに従った運転が常に可能とは限らないが,試験手順は,規定の手順にできるだけ一致させることが
望ましい。測定値は試験サイクルに強く依存するので,この場合は,台上測定結果と一致しないこと
がある。
c) 搭載状態での測定を受渡者当事者間で協定している場合。
得られた測定値は,特定の機関の,特定の搭載状態での値を表すだけであり,平均的な又は代表的
な値を表している必要はない。測定値は試験サイクルに強く依存するので,多くの場合,台上測定結
果と比較することはできない。
d) 中古又は再製機関が規格に適合しているかどうかを搭載状態での測定で確認する必要がある場合。
e) 使用過程における適合性試験がJIS B 8008-4の8.3(試験サイクルC “オフロード車両及びオフロー
ド産業機械”)に規定したオフロード車両に要求されている場合。
この試験は,その車両の実際の運転条件で実施する。JIS B 8008-4又はJIS B 8008-11で規定した試
験サイクルに従った運転は,実際の運転条件下では不可能である。排気排出物の測定は箇条7の要求
に合致する可搬式排出物測定装置(PEMS)を用い,JIS B 8008-1又はJIS B 8008-11の一般規定によ
って実施する。実際の運転条件下で得られた測定値は,台上測定結果と比較することはできない。し
たがって,その車両又は機関の適合を決定するためにはNTE 2) のような他の方法を必要とする。
注2) “Not to exceed”の略語。機関からの排出物は,通常,規定の大気条件及び試験サイクルで機
関を運転し,その平均の排出率で評価するが,別途規定する大気条件及び機関運転条件の範
囲内の任意の点において,いずれの点においても,排出率が別途規定する上限値を超えない
ことをNTEという。
――――― [JIS B 8008-2 pdf 9] ―――――
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B 8008-2 : 2009
搭載状態での測定で台上条件と同一な運転条件を正確に再現できない場合には,排気排出物の測定値は
台上測定で得られる測定値と一致しない。したがって,適合性の決定には特別な方法を使用しなければな
らない。それらの方法は,この規格には含まないので,それぞれの法令又は受渡当事者間の協定による。
5.2 機関試験条件
5.2.1 大気条件
機関の吸入空気絶対温度Ta (K) 及び乾き状態の大気圧ps (kPa) を測定し,測定場所での大気条件係数fa
を次の条件によって,式(1)又は式(2)によって求める。
無過給及び機械過給圧縮点火機関に対しては,
7.0
99 Ta
fa (1)
ps 298
ターボ過給圧縮点火機関に対しては,空気冷却器の有無に関係なく,
7.0 5.1
99 Ta
fa (2)
ps 298
無過給及び過給火花点火機関の軸出力修正係数 愀 次の式(3)によって求める。
2.1 6.0
99 Ta
a (3)
ps 298
fa及び 愀 試験結果に記載しなければならない。
次のパラメータは,4.1で定義する単位で測定し,記録することを推奨する。
a) 吸入空気絶対湿度 (Ha)
b) 大気圧 (pb)
5.2.2 給気冷却式機関
冷却媒体の温度及び給気温度を記録する(5.2.3参照)。
5.2.3 測定及び記録すべきエンジンパラメータ
次のエンジンパラメータを,4.1で規定された単位で測定し記録することが望ましい。
a) 燃料消費率 (bx)
b) 試験中の機関回転速度 (nd)
c) 過給機回転速度(可能な場合)(nt)
d) 給気冷却器出口の空気圧力 (pbe)
e) 試験中の無修正軸出力 (P)
f) 各シリンダの燃料ラック位置(可能な場合) (s)
g) 給気冷却器出口の空気温度(可能な場合) (Tba)
h) 冷却媒体入口温度 (Tci)
i) 冷却媒体出口温度 (Tco)
j) 潤滑油温度 (Toil)
5.3 出力
出力は,JIS B 8004で定義する。排出率の単位としてg/kW・hを使う場合,排出率測定の基準は無修正
軸出力である。搭載状態での出力,機関回転速度及びトルクは台上条件と異なる。したがって,搭載状態
でのg/kW・hで表された排出率の値は,台上条件の値とは異なる。台上測定の100 %負荷が達成できない
場合には,測定すべき最大出力は,最大許容機関回転速度及び最大許容トルクによって制限される。
トルクを直接測定できない場合,出力は機関のECMからの信号を含む他の利用できるデータから計算
――――― [JIS B 8008-2 pdf 10] ―――――
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JIS B 8008-2:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8178-2:2008(MOD)
JIS B 8008-2:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.020 : 内燃機関
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.50 : 交通機関からの排気ガス
JIS B 8008-2:2009の関連規格と引用規格一覧
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- 規格名称
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- 内燃機関―機関出力の決定方法及び測定方法―共通要求事項
- JISB8004:2005
- 往復動内燃機関―機関出力の決定方法及び測定方法―排気排出物測定に対する追加要求事項
- JISB8008-1:2009
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- JISB8008-11:2008
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第11部:オフロード機関のガス状排出物及び粒子状排出物の過渡状態における台上測定
- JISB8008-4:2009
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第4部:各種用途の定常状態における試験サイクル
- JISB8008-5:2009
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第5部:試験燃料
- JISB8008-6:2000
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第6部:試験報告