2
B 8101 : 2012
3.1.1
過熱蒸気タービン(superheat turbine)
主蒸気が過熱蒸気であるタービン。
3.1.2
湿り蒸気タービン(wet-steam turbine)
主蒸気が飽和又はそれに近い蒸気であるタービン。飽和蒸気タービン(saturated-steam turbine)ともいう。
3.1.3
再熱タービン(reheat turbine)
膨張段の途中で蒸気を取り出し,再熱してタービンに戻し,更に膨張させるタービン(JIS B 0127)。
3.1.4
非再熱タービン(non-reheat turbine)
膨張段の途中で蒸気の再熱を行わないタービン(JIS B 0127)。
3.1.5
混圧タービン(mixed-pressure turbine)
圧力の異なった蒸気を同一タービンに入れて仕事をさせるようにしたタービン(JIS B 0127)。
3.1.6
背圧タービン(back-pressure turbine)
タービンの排気を工場用蒸気その他に利用するタービン及び大気放出するタービン。非復水タービン
(non-condensing turbine)ともいう(JIS B 0127)。
3.1.7
復水タービン(condensing turbine)
タービンの排気を復水器で凝縮させて高真空を得て,蒸気をタービン内で十分低圧まで膨張させるター
ビン(JIS B 0127)。
3.1.8
再生タービン(regenerative turbine)
タービンの中間段から蒸気を抽出し,これをボイラの給水加熱用に利用するタービン(JIS B 0127)。
3.1.9
抽気タービン(extraction turbine)
タービンの中間段から蒸気を抽出し,これを工場用その他に利用するタービン。
抽気の圧力を制御する場合には,抽気制御タービン(controlled extraction turbine)又は自動抽気タービン
(automatic extraction turbine)ともいう。
3.1.10
複合サイクル(combined cycle)
ガスタービン,ボイラ及び蒸気タービンによって構成され,ガスタービンの排熱が蒸気サイクルの入熱
として利用されるサイクル。
3.1.11
一軸形複合サイクル(single-line combined-cycle)
蒸気タービンとガスタービンとが,同一の発電機を駆動する複合サイクル。
蒸気タービン及びガスタービンの出力を,個々に分離することはできないため,この規格の出力
及び熱消費率の定義は適用しない。
――――― [JIS B 8101 pdf 6] ―――――
3
B 8101 : 2012
3.1.12
多軸形複合サイクル(multi-line combined-cycle)
蒸気タービンとガスタービンとが,各々個別の発電機を駆動する複合サイクル。
3.2 蒸気流入方式
3.2.1
全周噴射(full-arc admission)
全ての蒸気加減弁から蒸気を噴射する方式(JIS B 0127)。
3.2.2
部分噴射(partial-arc admission)
ノズル締切り調速式タービンで,ノズル群の一部からだけタービン翼列に送気する方式(JIS B 0127)。
3.3 計画条件
3.3.1
取合条件(terminal conditions)
契約上の取合点において,発電所計画上満足すべき条件。
計画上満足すべき条件の主なものを,次に示す。
主蒸気及び高温再熱蒸気条件
低温再熱蒸気圧力
最終給水温度
排気圧力
出力
回転速度
抽気の要否
3.3.2
指定取合条件,定格取合条件(specified terminal conditions, rated terminal conditions)
出力,熱消費率とともに契約上明記して,かつ,保証すべき条件。
注記 原子炉蒸気発生器から供給される蒸気は,負荷の減少に伴い圧力が上昇する場合があり,ター
ビン設計上許容しなければならないので注意を要する。
3.3.3
蒸気条件(steam conditions)
蒸気の圧力(静圧),温度,乾き度などの集合(JIS B 0130)。
蒸気圧力は,通常は絶対圧力で表すが,ゲージ圧力で表示してもよい。
3.3.4
主蒸気条件(initial steam conditions)
主蒸気止め弁入口における蒸気条件。
3.3.5
最高使用蒸気条件(maximum steam conditions)
タービンが連続運転できる最高蒸気条件の許容値。
3.3.6
混圧蒸気条件(induction steam conditions, mixed steam conditions)
主蒸気圧力より低い圧力でタービンに流入させる低圧蒸気の蒸気条件。
――――― [JIS B 8101 pdf 7] ―――――
4
B 8101 : 2012
3.3.7
多重蒸気条件(dual steam conditions)
混圧タービンに適した主蒸気と,低圧流入蒸気とを組み合わせた蒸気条件。
3.3.8
再熱蒸気条件(reheat steam conditions)
再熱蒸気止め弁入口における蒸気条件。
3.3.9
低温再熱蒸気条件(cold reheat steam conditions)
再熱器上流側にあるタービン出口における蒸気条件。
3.3.10
抽気条件(extraction steam conditions)
給水加熱用,工場用などの蒸気のタービン取出し点における蒸気条件。
3.3.11
排気条件(exhaust conditions)
タービン出口における蒸気条件。
3.4 速度
3.4.1
定格速度(rated speed)
定格出力時の設計回転速度。
3.4.2
連続最大速度(maximum continuous speed)
連続運転できる回転速度の上限値。
3.4.3 過速度トリップ設定値(overspeed trip setting)
非常調速機が作動する回転速度。
3.4.4
瞬時最大速度(instantaneous maximum speed)
任意の負荷1)において,所定条件の下で定格速度で運転しているタービンの調速装置が正常に作動して
いる状態で,その負荷を急に遮断した直後に,瞬時的に到達する回転速度(JIS B 0127)。
注記 定格速度時に定格負荷を遮断した場合の瞬時最大速度を定格瞬時最大速度という。
注1) 定格負荷を超えて蒸気タービンを運転する場合にあっては,その最大の負荷。
3.4.5
整定速度(permanent speed)
タービンの調速装置が正常に作動している状態で,負荷遮断したときに,最終的に安定した状態におけ
るタービン回転速度(JIS B 0127)。
3.4.6
最大速度上昇(maximum speed rise)
定格負荷1)における負荷遮断後で,調速システムが作動しないで過速度トリップが作動した際の,計算
上の過渡的なタービン回転速度の最大値。
――――― [JIS B 8101 pdf 8] ―――――
5
B 8101 : 2012
3.5 出力
3.5.1
出力(power, output)
タービン又はタービンが駆動する機器が発生する出力。負荷(load)ともいう。
注記1 測定点及び各種損失,補機用動力の取扱いについては,明確に定義しなければならない。
注記2 ここでいう出力とは,特に断りがない限り,指定取合条件におけるタービンに関するもので
ある。
3.5.2
正味軸端出力(net power at coupling)
タービン軸端(軸継手部)における出力で,タービンが直接駆動しないタービン補機用動力を差し引い
た出力。
3.5.3
発電機出力(generator output)
発電機端子における出力。
明確な定義をしていない場合は,励磁電力を差し引かないものを指す。
3.5.4
定格出力(rated output)
所定の計画条件(主蒸気圧力,主蒸気温度,真空度など)でタービンを運転する場合の発電機端子にお
ける保証連続出力。定格負荷(rated load)ともいう。
注記1 所定の計画条件とは,一般的に“銘板”に記載してある事項をいう。
注記2 発電機駆動以外の場合は,出力は協議によって決定したタービン軸継手部,又は被駆動機側
軸継手部で評価する。
3.5.5
設計最大出力(maximum design capability)
所定の主蒸気条件において,蒸気加減弁を全開としたときの,発電機端子における計算上の可能最大出
力。蒸気加減弁全開出力(valves-wide-open capability)ともいう。この出力は真空度によって変化する。
3.5.6
過負荷出力(maximum overload capability)
過負荷条件でタービンを運転する場合の発電機端子における,計算上の可能最大出力。過負荷の条件は,
必要な場合,協議によって決めるものであり,必ずしも出力の保証を伴うものではない。
3.5.7
連続最大出力(maximum continuous rating : MCR)
指定された寿命を超えることなく,所定の条件でタービンを運転する場合に,発電機端子における保証
連続出力。蒸気加減弁は全開でない。
3.5.8
経済出力(most economical continuous rating : ECR)
熱消費率又は蒸気消費率が最小となる出力。
3.5.9
正味電気出力(net electrical power)
発電機端子の出力から補機動力を差し引いた電気出力。
――――― [JIS B 8101 pdf 9] ―――――
6
B 8101 : 2012
3.5.10
補機動力(electrical auxiliary power)
主機が直接駆動しないタービン及び発電機の補機用動力。
注記1 一般的に,この動力には,励磁電力,制御,潤滑,発電機冷却,発電機シールなどに要する
全ての動力を含む。
注記2 補機動力として含める補機については,受渡当事者間で協議する。補機動力には,電動機駆
動の給水ポンプを含む場合もある。
3.6 蒸気流量及び蒸気消費率
3.6.1
主蒸気流量(initial steam flow rate)
タービン主蒸気条件におけるタービンのみ込み蒸気流量。バルブステム,グランド,バランスピストン
などへの供給蒸気,並びに給水ポンプ駆動用タービン,蒸気/蒸気加熱器,エゼクタなどのプラント補機
への供給蒸気も含める。
3.6.2
蒸気消費率(steam rate)
1 kWh当たりの蒸気消費量(JIS B 0127)。
3.7 熱消費率
3.7.1
熱消費率(heat rate)
1 kWh当たりの熱消費量(JIS B 0130)。
3.7.2
保証熱消費率(guarantee heat rate)
契約に基づいて保証される熱消費率。熱消費率を定義した計算式は,契約仕様書に記載する。
3.7.3
未修正試験熱消費率(uncorrected test heat rate)
試験結果を契約仕様書に記載の計算式を用いて計算した熱消費率。
3.7.4
修正熱消費率(fully-corrected heat rate)
取合条件などの周囲条件が全て,性能保証上の所定条件にある状態における熱消費率。
熱消費率の定義の詳細は,JIS B 8102による。
3.8 効率
3.8.1
熱効率(thermal efficiency)
サイクルへの入熱に対する出熱(出力)の比。保証である場合は,熱効率の定義を契約仕様書に記載す
る。
3.9 運転方式
3.9.1
ベースロード運転(base-load operation)
定格又はそれに近い負荷で長時間運転する運転方式。
――――― [JIS B 8101 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS B 8101:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60045-1:1991(MOD)
JIS B 8101:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.040 : ガス及び蒸気タービン.蒸気機関
JIS B 8101:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0127:2012
- 火力発電用語―蒸気タービン及び附属装置並びに地熱発電設備
- JISB0130:2019
- 火力発電用語―一般
- JISB8102:2012
- 蒸気タービン―受渡試験方法
- JISB8105:2004
- 蒸気タービン―受渡試験方法―改造時の性能確認
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様