JIS B 8105:2004 蒸気タービン―受渡試験方法―改造時の性能確認 | ページ 2

                                                                                              3
B 8105 : 2004
表 1 記号及び単位
量 記号 単位 倍量又は分量
出力 P W kW
流量 m kg/s
絶対圧力 pabs Pa kPa
ゲージ圧力 pe Pa kPa
大気圧力(気圧) pamb Pa kPa
差圧 Δp Pa kPa
圧力損失割合 Δpn
熱力学温度 T,Θ K
セルシウス温度 t,θ ℃
温度差 Δt ℃
高さ H m mm
比エンタルピー h J/kg kJ /kg
飽和水比エンタルピー h' J/kg kJ /kg
飽和蒸気比エンタルピー h'' J/kg kJ /kg
熱落差 Δh J/kg kJ /kg
比エントロピー s kJ / (kg・K)
標準偏差 s
比熱容量;質量熱容量 c J/(kg・K) kJ/ (kg・K)
乾き度 x kg/kg g/g
回転速度 n s−1 min−1
流速 w m/s
密度 ρ kg/m3
比体積 υ m3/kg
直径 D,d m mm
重力の加速度 g m/s2
タービン室熱効率 kW・s/kJ
タービン効率 kW・s/kJ
ケーシング断熱効率 泰
熱消費率 HR kJ / (kW・s) kJ / (kW・h)
蒸気消費率 SR kg / (W・s) g / (kW・s)
kg / (W・h) g / (kW・h)
kg /J kg/kJ
熱流量 Q J/s kJ/s
キャビテーション係数 K
濃度 C
修正係数 F
等エントロピー指数 k
流出係数 Cd
重み付き平均係数 γ
信頼限界;信頼区間 V
一般量 x
xの相対的な測定の不確かさ x Vx
x
効率(一般)
湿分修正係数 WCF
排気損失(比エントロピー一定の場合)LL J/kg kJ/kg
のみ込み容量 FPC m2
加減弁全開 VWO
備考 この規格では,流量とは質量流量を表す。

――――― [JIS B 8105 pdf 6] ―――――

4
B 8105 : 2004

3.2 添字,肩書き及び定義

 この規格に用いる添字,肩書き及びその定義は,表2.1,表2.2による(図
1参照)。
表 2.1 添字及び定義
量 添字 位置又は定義
出力 b 発電機端子
a タービンで駆動されない補機動力
g 正味電気出力 : Pg=Pb−Pa
c 別駆動の場合のタービン補機に必要な動力を引いたタービン軸端
i タービン内部
主蒸気流量及び出力 mech ポンプ及びポンプ駆動機の機械損失
蒸気条件及び流量 max 蒸気加減弁全開時の値
1 タービン契約内の高圧タービン主蒸気止め弁及び蒸気ストレーナ(あ
れば)直前
2 蒸気が再熱器へいく高圧タービン排気
3 中圧タービン蒸気止め弁直前
4 タービン排気
e 抽気タービンの抽気点
復水及び給水の条件並びに流量5 復水器出口
6 復水ポンプ入口
7 復水ポンプ出口
8 図1参照(再熱器過熱低減水取出点)
9 ボイラ給水ポンプ入口
10 ボイラ給水ポンプ出口
11 最終給水加熱器出口
d 契約内の復水ポンプ及び復水予熱器(油,発電機,ガス又は空気)通
過後
a ドレン冷却器出口
b 空気抽出器出口
is 給水系から過熱器へ抽出される主蒸気温度調節用の水
ir 給水系から再熱器へ抽出される再熱温度調節用の水
補給水の条件及び流量 m 復水系又はグランド蒸気発生器入口蒸気フランジ近接の計測
グランド蒸気の条件及び流量 g 別の蒸気源から供給される蒸気
gl 主蒸気量の測定に含まれ,系内に戻るグランド及び弁棒からの漏れ蒸

q 系外用に抽出される入口端又は再熱器前のグランド及び弁棒からの漏
れ蒸気流量で,流量もその熱もタービン系に戻らない。
qy 再熱器又はその下流からくるqと同様な漏れ流量
主蒸気流量及び濃度 M 原子炉出口主蒸気流量
質量流量及び濃度 F 原子炉給水
core 炉心を通過する流体
cond 凝縮される水
inj 注入トレース溶液
E 加圧水形原子炉炉心入口
R 汽水分離器からの再循環水流量
復水器冷却水の条件及び流量 w
wi 復水器入口
wo 復水器出口
wio 復水器出入口平均値
熱効率 t タービン室
td タービン
熱落差 s 断熱熱落差

――――― [JIS B 8105 pdf 7] ―――――

                                                                                              5
B 8105 : 2004
表 2.1 添字及び定義(続き)
量 添字 位置又は定義
速度 throat 流量計ノズルのど(喉)部
静圧 sat 相当する水の温度の飽和圧力
濃度 wat 水相
L 沸騰水形原子炉の再循環系
B 加圧水形原子炉ブローダウン水系
inj 注入トレーサ
o トレーサ注入点直前
試験結果及び保証値 g 保証
c 修正
m 測定
修正係数F a,b,c 修正係数番号
HR 熱消費率修正用
P 出力修正用
G 主蒸気流量修正用
一般使用 i,j 番号添字
効率 cyl 包括的,又は全体蒸気タービンのケーシング断熱効率[3.3 s)]
cyl-dry 全体乾燥基準の蒸気タービンのケーシング断熱効率[3.3 t)]
cyl-wet 全体湿り基準の蒸気タービンのケーシング断熱効率(附属書I)
cyl-HP 高圧蒸気タービンのケーシング断熱効率(附属書I)
cyl-IP 中圧蒸気タービンのケーシング断熱効率(附属書I)
cyl-LP 低圧蒸気タービンのケーシング断熱効率(附属書I)
比エンタルピー UEEP 有効エネルギーの最終点[3.3 u)]
ELEP 膨張線最終点(附属書I)
比エンタルピー落差 s ケーシング入口から出口の等エントロピー
's 湿り域の膨張の部分を参照(附属書I)
タービンケーシングの性能 tp 取合点での蒸気性状[3.3 s) w)]
in 部品入口の蒸気性状[3.3 s) w)]
out 部品出口の蒸気性状[3.3 s) w)]
質量流量* loss 漏れ流量(6.3.1)
make-up 給水流量(6.3.1)
注* 質量流量比及び比エンタルピーの添字は各々の文中に明示されているのもある(例6.3.8)。
備考 JIS B 8102の附属書Fに記載した信頼限界V及び相対的な測定の不確かさ 替 量の記号と同じ添字(例
えば, pb 発電機端子出力の相対的な測定の不確かさを示す。)は,この量の相対的な測定の不確かさに対
する信頼限界を表す。
表 2.2 肩書き及び定義
量 肩書 位置又は定義
効率 / 計算機算出の参考値
- 平均値
重み付き平均値

――――― [JIS B 8105 pdf 8] ―――――

6
B 8105 : 2004

3.3 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0127,JIS B 8101,JIS B 8102によるほか,次に
よる。
a) タービン室熱効率 (thermal efficiency) 蒸気タービンプラントの熱効率。この熱効率は,外部から系
内に入る熱量に対する出力の比で,次のように定義する。
P
t

(pdf 一覧ページ番号 )

                              (mj   hj )
t タービン室熱効率(kW・s/kJ)
ここに,
P : 出力(kW)
mj 受熱流体の流量(kg/s)
jh 受熱流体の比エンタルピー上昇(kJ/kg)
タービン室熱効率の具体的な定義式は,蒸気タービンプラントの熱サイクルに応じて決定されるの
で,受渡当事者間で協定する。したがって,それぞれの場合に対する保証熱サイクルを定義しなけれ
ばならない。保証熱サイクルは,試験で実施する熱サイクル構成に沿ったものでなければならない。
図1に示す一段再熱再生タービン設備の具体的定義は,次による。
b(
PP c)
g 又はP
t

(pdf 一覧ページ番号 )

                              1( 1
mh h11 ) mh2( 3 h2 ) ir ( 3
mh h8 )
t タービン室熱効率(kW・s/kJ)
ここに,
bP : 発電機端出力(kW)
gP : 正味電気出力(kW)
cP : 正味タービン軸端出力(kW)
タービン室熱効率の算出に際しては,補給水,減温用スプレー水又は蒸気式空気予熱器への抽気な
どによって,系内に付加又は系外に出る熱量を考慮しなければならない。この規格でタービン系のす
べての変数を網羅するのは不可能であるので,保証定義に対し,試験時系統が計画条件を逸脱する場
合は,7.5による修正を行うのが望ましい。
出力の定義は,受渡当事者間であらかじめ協定しなければならない(5.2.3参照)。
b) 熱消費率 (heat rate) タービンの単位出力当たりに要した熱消費量。熱消費率とタービン室熱効率と
の関係を,次に示す。
1
HR (3)
t
ここに,HR : 熱消費率[kJ/(kW・s)]
したがって,図1に示す一段再熱再生タービンの場合の定義を,次に示す。
mh1( 1 11 )
h+mh 2( 3 2)
h+mh ir (
3 h8 )
HR (4)
PP
b( g P
又はc)
c) 蒸気消費率 (steam rate) タービンの単位出力当たりに要した蒸気消費量。蒸気消費率は,出力に対
する主蒸気流量の比で,次のように定義する。
m (5)
SR
P
ここに, SR : 蒸気消費率[kg/(kW・s)]
P : 出力(kW)

――――― [JIS B 8105 pdf 9] ―――――

                                                                                              7
B 8105 : 2004
m 主蒸気流量(kg/s)
蒸気消費率は,図2 a)のように,一つのタービン主蒸気条件で全蒸気を受け入れ,低圧で全蒸気を
排出する復水タービン又は背圧タービンの性能を示す値として用いる。ただし,この値は,主蒸気と
排気の条件に依存するので,仕様条件が相違するタービンと比較する値ではない。比較のためには,
次のタービン効率を用いることが望ましい。
d) タービン効率 (thermodynamic efficiency) 単独又は発電機を含む蒸気タービンの有効効率。タービン
効率は,次のように定義する。
P

(pdf 一覧ページ番号 )

                               (台
td
mj hsj )
ここに, td
タービン効率(kW・s/kJ)
mj タービン各部における蒸気流量(kg/s)
sjh 上記各部の断熱熱落差(kJ/kg)
図2 a)の非再生復水又は背圧タービンのタービン効率は,
b(
PP g 又はPc )
td (7)
m1 hs1,4
ここに, hs1,4 : 点1の入口蒸気状態と点4の排圧間の断熱熱落差(kJ/kg)
したがって,蒸気消費率とは,次の関係にある。
1
SR (8)
td hs1,4
同様に,図2 b)の非再生一段抽気タービン(背圧又は復水)のタービン効率は,次のように定義する。
b ( g 又はP
PP c)
td (9)
m1 hs1,e(m1 me ) se,4
出力,入口蒸気流量及びタービン効率に加えて,適切な抽気蒸気流量及び副次蒸気流量を仕様書に
明記し,各負荷の保証に適用する。
再生タービンの場合は,更に現実的にタービン室熱効率で定義できるが,この場合も,適切な抽気
蒸気流量及び副次蒸気流量を明確に定義しなければならない。
e) 定格出力 所定条件でタービンを運転する場合の保証最大連続出力(JIS B 0127参照)。この出力は,
発電機端出力,正味電気出力又は正味軸端出力などで定義する(JIS B 8101参照)。したがって,保証
出力の定義は,あらかじめ受渡当事者間で協定しなければならない。
保証タービン室熱効率で定義される熱サイクルと,定格出力で定義される熱サイクルとは,必ずし
も一致していなくてもよい。
ここに,所定条件とは,主蒸気条件,再熱蒸気条件,抽気条件,排気条件など発電所計画時の取合
条件である(JIS B 8101参照)。
f) 最大主蒸気流量 (main steam flow capacity) 所定条件でタービンを運転する場合のタービン主蒸気条
件での主蒸気止め弁入口における最大蒸気流量。バルブステム,グランド及びバランスピストンへの
供給蒸気並びに給水ポンプ駆動タービン,蒸気―蒸気加熱器,エゼクタなどのプラント補機への供給
蒸気も含める(JIS B 8101参照)。タービンの最大のみ込み蒸気流量ともいう。

――――― [JIS B 8105 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS B 8105:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60953-3:2001(MOD)

JIS B 8105:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8105:2004の関連規格と引用規格一覧