JIS B 8240:2015 冷凍用圧力容器の構造 | ページ 23

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10.2.8 ステーの溶接による取付け
10.2.8.1 棒ステーの溶接などによる取付け
棒ステーを溶接などによって取り付ける場合は,次による。
a) 棒ステーを溶接によって取り付ける場合には,図44 a) 及びc) に示すように,板に開先をとって溶接
するか,又は図44 b) に示すようにステーを板の穴に差し込み,その端を板の外面から外に出して周
囲をすみ肉溶接で取り付ける。この場合,ステーの軸に平行にせん断力の作用する溶接面の面積は,
ステーの必要な断面積の1.25倍以上とする。
b) 胴,鏡板などに板又はリングを溶接によって取り付け,これらに棒ステーをねじによって取り付ける
場合には,図44 d) に示す方法による。
c) ステーの端は,火炎に触れる板の外側へ10 mmを超えて出てはならない。
単位 mm
a) b) c) d)
tはステーを取り付ける板のうち,薄い方の板の厚さとする。
図44−棒ステーの取付け†
10.2.8.2 斜めステーの溶接による取付け
斜めステーを溶接によって取り付ける場合は,次による。
a) 斜めステーは,鏡板の内面にすみ肉溶接によって取り付けてはならない。
b) 斜めステーを胴の内面にすみ肉溶接によって取り付ける場合は,ステーの溶接される部分の断面積及
び胴の軸に平行に測ったすみ肉ののど部の断面積は,ステーの必要な断面積の1.25倍以上としなけれ
ばならない。
c) ガセットステーを鏡板の内面にフレア溶接によって取り付ける場合は,K形溶接又はレ形溶接としな
ければならない。
d) 溶接は,ステー取付部の全周にわたって行わなければならない。
10.2.9 管フランジの溶接
管台及び管を管フランジに取り付ける場合の溶接は,図45による。
なお,JIS B 8602:2002の管突合せ溶接フランジの溶接は,B−1継手,B−2継手又はB−3継手とし,
10.2.2の使用範囲による。

――――― [JIS B 8240 pdf 111] ―――――

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単位 mm
ラップ(t1)と胴又は管台ネック(tn)のt1又はtnの全厚にわたって溶接してよい。
tcは,tc≧0.7c
ここに, c : tn又はtxのいずれか小さい値(mm)
tn : 管台の呼び厚さ(mm)
tx : JIS B 8265:2010の附属書Gのルーズ形フランジとして計算する場合は,内圧に対する管台の計算
厚さの2倍以上(mm)。ただし,6 mm以上。
a) ラップジョイント形フランジ
1)(FW継手) 2)(FW継手) 3)(PP+FW継手) 4)(PP+FW継手)
a) においてsは,次の値とする。
s≦c+6.4 mm
ここに, c : tn又はtxのいずれか小さい値(mm)
tn : 管台の呼び厚さから腐れ代を除いた厚さ(mm)
JIS B 8265:2010の附属書Gのルーズ形フランジとして計算する場合は,内圧に対する管台の計算
tx :
厚さの2倍以上(mm)。ただし,6 mm以上。
b) 差込み形フランジ
図45−管フランジの溶接†

――――― [JIS B 8240 pdf 112] ―――――

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単位 mm
1)(PP+FW継手) 2)(PP+FW継手) 3)(PP継手) 4)(PP継手)
5)(PP継手) 6)(PP継手)
図中の記号の意味は次による。
c : tn又はtxのいずれか小さい方の値(mm)
tn : 管台の呼び厚さ(mm)
tx : JIS B 8265:2010の附属書Gの一体形フランジとして計算する場合は,2g0(mm)
ルーズ形フランジとして計算する場合は,内圧に対する管台の計算厚さの2倍以上(mm)。ただし,6 mm
以上。
g0 : ハブ先端の厚さ(mm)
c) 任意形フランジ
図45−管フランジの溶接†(続き)

10.3 溶接士

  溶接士は,法規によって定められた試験,JIS Z 3801:1997の試験又はその他の試験によって一定の水準
の技量が確保された有資格者とする。また,溶接に従事した溶接士は,確認できるように記録する。

10.4 溶接施工

  溶接施工は,次による。
a) 1日の冷凍能力が20トン以上の圧力容器の溶接施工は,あらかじめJIS B 8285:2010による溶接施工
方法の確認試験で確認した方法によって溶接要領書を作成し,それによって施工する。
b) 胴,鏡板などの溶接は,下向き溶接とする。ただし,下向き溶接が困難な場合はこの限りでない。
c) 開先面及びその周辺はよく清掃し,溶接金属中に不純物が混入しないようにする。
d) 溶接継手内の仮付けは,本溶接の前に削り取る。やむを得ず本溶接に含まれる場合には,仮付け溶接
を十分溶かし得る溶接方法によって行う。また,ジグなどの取付け溶接は,母材に有害な影響を与え
ない取付位置,溶接方法などの溶接条件をあらかじめ定めておく。
e) 予熱は,必要に応じて定められた溶接要領書に基づいて行う。
f) 突合せ両側溶接は,一方の側から溶接を行い,次に他方の側から溶接を行う前に開先の底部の欠陥を

――――― [JIS B 8240 pdf 113] ―――――

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除去する。ただし,自動溶接などのように溶込みが深い溶接方法で有害な欠陥がないときは,裏はつ
りなどを省略してもよい。
g) 裏はつりは,機械切除,たがね,アークエアガウジング,フレームガウジングなどの方法で行っても
よいが,ガウジングによる場合は,グラインダなどで仕上げる。
h) 溶接部には溶込み不良,融合不良,割れ,アンダーカット,オーバーラップ,クレータ,スラグの巻
き込み,ブローホールなど継手性能に影響を及ぼすきずがあってはならない。また,余盛は滑らかに
盛り上がっていなければならない。
i) 一時的に溶接によって取り付けた取付物の除去跡は,滑らかに仕上がっており,きずがあってはなら
ない。

10.5 溶接材料

  溶接材料は,圧力容器の使用目的に応じて,かつ,母材及び溶接方法に適合する次の規格材料又はこれ
らと同等以上の性能をもつものでなければならない。
a) IS Z 3201:2008
b) IS Z 3202:2007
c) IS Z 3211:2008
d) IS Z 3221:2013
e) IS Z 3224:2010
f) JIS Z 3231:2007
g) IS Z 3232:2009
h) IS Z 3233:2001
i) JIS Z 3312:2009
j) JIS Z 3316:2011
k) IS Z 3321:2013
l) JIS Z 3322:2010

10.6 余盛の高さ及び仕上げ

  突合せ溶接継手は,溶接開先が完全に溶着金属で埋められる必要があるが,溶接表面は隣接する母材の
表面より低くならないように溶接部に余盛を付けてもよい。
なお,溶接表面は溶接状態のままでもよいが,放射線透過試験などの非破壊試験で正しい評価が得られ
るように,粗いビード波形,急激な隆起,谷部などがない形状とする。ただし,放射線透過試験を実施す
る場合の余盛高さ及び仕上げは,次のa) 及びb) による。
a) 余盛の高さは,母材の厚さ(母材の厚さが異なる場合には,薄い方の厚さ)の区分に応じ,表37に示
す値以下とする。

――――― [JIS B 8240 pdf 114] ―――――

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表37−余盛の高さ
単位 mm
母材の材質 母材の厚さの区分 t 余盛の高さ
t ≦12 1.5
アルミニウム及
12 びアルミニウム
25 合金以外
50 t ≦6 2.0
アルミニウム及
6 びアルミニウム
15 合金
25b) 仕上げ 溶接部の止端は,母材の表面と段が付かないように滑らかにする。
c) −2継手では,裏当ての反対側の溶接表面に余盛を付けてもよい。

10.7 溶接後熱処理

10.7.1  溶接後熱処理の範囲
この規定は,1日の冷凍能力が20トン以上に使用する圧力容器に適用する。溶接部は,原則として溶接
後熱処理(以下,後熱処理という。)を行うものとする。ただし,他の項で必要とするものを除き,次の場
合省略することができる。
a) 母材の区分P-1及びP-2(JIS B 8265:2010の表B.1,表B.2及び表B.3参照)
1) 溶接部の厚さ[ここでいう厚さとは,10.7.2 c) による。]32 mm以下のもの及び厚さ32 mmを超え
38 mm以下で95 ℃以上の予熱を行うもの。
2) 後熱処理を必要とする容器に取り付ける管台などで次のもの。ただし,取り付ける部分の厚さが32
mmを超える場合は95 ℃以上の予熱を行う。
2.1) 内径50 mm以下の取付物の突合せ溶接部で12 mm以下のもの及びすみ肉溶接部でのど厚12 mm
以下のもの。
2.2) 圧力のかからない取付物のすみ肉溶接部で,のど厚12 mm以下のもの。
2.3) スタッド溶接部。
b) 母材の区分P-8について原則としては後熱処理を行わない。
c) 母材の区分P-11A,P-21,P-22,P-23,P-25,P-31,P-32,P-34,P-35,P-42及びP-51の溶接部は,原
則として後熱処理を行わない。
d) 母材の区分がa) c) に示す以外の材料については,JIS B 8265:2010の附属書Sによる。
10.7.2 後熱処理方法
後熱処理方法は,JIS Z 3700:2009によって原則として炉内熱処理とするが,周継手などについては局部
後熱処理によることができる。
a) IS Z 3700:2009に示す材料以外の材料の後熱処理の要否及び条件は,施工法試験の前に決めておかな
ければならない。
b) 焼入焼戻しの熱処理を行った材料では,加熱温度は焼戻し温度を超えてはならない。ただし,後熱処
理後も材料の性質が保証されている場合はこの限りでない。
c) 厚さは溶接部における母材の呼び厚さとし,母材の厚さが異なる場合は次による。
1) 突合せ継手の場合,薄い方の母材の厚さ。

――――― [JIS B 8240 pdf 115] ―――――

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