この規格ページの目次
4
B 9225-3 : 2015 (ISO 11783-3 : 2007)
これらのフィールドは,一つ又は複数のCAN・データ・フレームにパッケージ化されていて,他のネッ
トワークコントローラへ物理的なメディアを介して送信される。ISO 11783群がサポートするOSIモデル
層は,図2に示す。パラメータ・グループ定義において,複数のCAN・データ・フレームを用いて情報送
信するように規定することが可能である。
図2−ISO 11783群によるOSIモデルのアプリケーション
表1は,ISO 11783群によるネットワーク上での11ビットID,ISO 11783群用29ビットID,CAN用11
ビットID及びCAN用29ビットID使用時のそれぞれのアービットレーション及びコントローラ・フィー
ルドを示している。
ISO 11783群による各ビット・フィールド割当の完全な定義は,5.3に示す。ISO 11783群で,CAN・デ
ータ・フレームのデータフィールドは,18バイトとして規定している。1バイト目の最上位ビット(MSB)
であるビット8は,データ長コード(DLC)に最も近く最初に送信されるビットである。8バイト目の最
下位ビット(LSB)であるビット1は巡回冗長検査(CRC)に最も近く,送られるデータ・ビットの最後
である。図3参照。
注記 基本フレームを送受信するコントローラは,アービットレーション及びコントロールフィール
ドでSAを指定できるが,これらのアドレスはISO 11783群によるコントローラでは使用され
ていない。
EDP及びDPがそれぞれ1のとき,CANフレームは,ISO 15765-3によるフォーマットのフレームとし
て識別される。ISO 15765-3は,道路車両のCAN診断法を規定している。したがって,この場合のCAN・
フレーム・フォーマット処理は,ISO 11783群で指定されている定義には従わない。
――――― [JIS B 9225-3 pdf 6] ―――――
5
B 9225-3 : 2015 (ISO 11783-3 : 2007)
表1−CANの調停及び制御欄へのISO 11783群によるマッピング
ビット番号 29ビットID 11ビットID
CAN ISO 11783群 CAN ISO 11783群b)
1 SOF SOF a) SOF SOF a)
2 ID28 P3 ID11 P3
3 ID27 P2 ID10 P2
4 IS26 P1 ID9 P1
5 ID25 EDP ID8 ID8 a)
6 ID24 DP ID7 ID7 a)
7 ID23 PF8 ID6 ID6 a)
8 ID22 PF7 ID5 ID5 a)
9 ID21 PF6 ID4 ID4 a)
10 ID20 PF5 ID3 ID3 a)
11 ID19 PF4 ID2 ID2 a)
12 ID18 PF3 ID1 ID1 a)
13 SRR(r) SRR a) RTR(x) RTR a) (d)
14 IDE(r) IDE a) IDE(d) IDE a)
15 ID17 PF2 R0 R0 a)
16 ID16 PF1 DLC4 DLC4
17 ID15 PS8 DLC3 DLC3
18 ID14 PS7 DLC2 DLC2
19 ID13 PS6 DLC1 DLC1
20 ID12 PS5
21 ID11 PS4
22 ID10 PS3
23 ID9 PS2
24 ID8 PS1
25 ID7 SA8
26 ID6 SA7
27 ID5 SA6
28 ID4 SA5
29 ID3 SA4
30 ID2 SA3
31 ID1 SA2
32 ID0 SA1
33 RTR(x) RTR a) (d)
34 r1 r1 a)
35 r0 r0 a)
36 DLC4 DLC4
37 DLC3 DLC3
38 DLC2 DLC2
39 DLC1 DLC1
――――― [JIS B 9225-3 pdf 7] ―――――
6
B 9225-3 : 2015 (ISO 11783-3 : 2007)
表1−CANの調停及び制御欄へのISO 11783群によるマッピング(続き)
SOF : フレームビット始め EDP : ISO 11783群によるEDP
ID## : 識別ビット子番号 SA# : ISO 11783群によるSAビット番号
SRR : 代替遠隔(リモート)要求 DP : ISO 11783群によるDP
RTR : 遠隔転送要求ビット PF# : ISO 11783群によるPFビット番号
IDE : 識別拡張ビット PS# : ISO 11783群によるPS番号
r# : CAN確保ビット番号 (d) : ドミナント(優性)ビット
DLC# : データ長コード・ビット番号 (r) : レセシブ(劣性)ビット
P# (x)
: ISO 11783群による優先順位ビット番号 : メッセージによるビット状態
注a) SO 11783群で変わらないCAN定義ビット
b) 独自の11ビット識別子を必要とするフォーマット(書式)
図3−CAN・データ・フィールド
5.1.3 パラメータ・グループ番号(PGN)
パラメータ・グループ番号(以下,PGNという。)は,CAN・データ・フレームのデータ・フィールド
の中にあるパラメータ・グループを識別するために24ビットで表す。24ビット値は,最下位バイトが最
初に送信され,中間バイト,最上位バイトの順に送信される(表2参照)。24ビットPGNは,6ビットの
ゼロ,EDP(1ビット),DP(1ビット),PF(8ビット)及びGE(8ビット)で規定される。
ビット・フィールドからPGNに変換する手順を次に示す。PGNの最上位バイトの上位6ビットはゼロ
に設定され,次の10ビットは,EDP,DP,PFを配置する。PFの値が240(F016,16進法F0)未満の場合
は,PGNの最下位バイトはゼロに設定される。それ以外は,GEの値に設定される。PGNの対応ビット及
び10進法への転換例を,表2に示す。
注記 131 072の全ての組合せ(217)がPGNとして割り当てできるわけではない。計8 672の組合せ
だけがPGNに割り当てできる{上記の転換手順を使い,2DP×[240+(16×256) ]=8 672として
算出。ISO 11783-1:2007のPGN参照}。
――――― [JIS B 9225-3 pdf 8] ―――――
7
B 9225-3 : 2015 (ISO 11783-3 : 2007)
表2−PGNの例
PGN構成要素 PGN 割り当て 累積パラ ISO又は
PGN (MSB) PGN PGN (LSB) 10進法 16進法 られるパ メータ・ 製造業者
CAN・データ・フレームで CAN・デー CAN・デー の場合 の場合 ラメー グループ 割当て
3番目に送信されるバイト タ・フレームタ・フレーム タ・グル 数
1 で2番目に で1番目に ープ数
送信される 送信される
バイト2 バイト3
ビット EDP DP PF PS
8−3 ビット2 ビット1 ビット8−1 ビット8−1
0 0 0 0 0 0 00000016 ISO
239 239
0 0 0 238 0 60928 00EE0016
0 0 0 239 0 61184 00EF0016 1 240 MF
0 0 0 240 0 61440 00E00016 ISO
3840
0 0 0 254 255 65279 00FEFF16 4080
0 0 0 255 0 65280 00FE0016
256 MF
0 0 0 255 255 65535 00FFFF16 4336
0 0 1 0 0 65536 01000016
0 0 1 238 0 126464 01EE0016 239
0 0 1 239 0 126720 01EF0016 240 4576 MF
0 0 1 240 0 126976 01F00016
4096 ISO
0 0 1 256 255 131071 01FFFF16 8672
5.1.4 ISO 11783群のISO 11898-1基本フレーム・フォーマット・メッセージへの対応
ISO 11783群ネットワーク上のコントローラは,CAN基本フレーム(11ビットID)フォーマット・メ
ッセージに対応することができる。CAN基本フレームはISO 11783群によるメッセージ構造と互換性がな
いが,同一バス上に二つのフォーマットが共存できるように,ISO 11783群には最低限の定義がされてい
る。この定義は,基本フレーム・フォーマットを使用するコントローラが,他のコントローラと干渉しな
いために独自形式で通信するよう定義されている。表1によると,11ビットIDフィールドは,次のよう
に構成される。上位3ビットが優先順位として使用され,下位8ビットがSAとPDUを示す。優先順位に
ついては,5.2.2で説明されている。SAについては,ISO 11783-1:2007の附属書Cで定義されている。
基本フレームと拡張フレームとの二つのメッセージが,同時にバスにアクセスすると不適切なバス・ア
ービットレーション(バス調停)が起こる。SAは,拡張フレーム・フォーマット・メッセージで使用さ
れる場合に比べて,基本フレーム・フォーマット・メッセージで使用される場合の方が,相対的に優位と
なる。11ビットID(基本フレーム)によるメッセージは,29ビットID(拡張フレーム)メッセージのEDP,
DP及びPFより高い優先度を示すSAをもつことができる。基本フレームの三つの優先ビットは,正しい
バス・アービットレーション(バス調停)を実現するために使用されなければならない。
重要 ISO 11783群は拡張フレーム・フォーマットを使い,標準通信方式を規定している。ISO 11898-1
にだけ準拠したハードウェアは,拡張フレーム・メッセージで通信されることを考慮していな
いので,そのネットワーク上で使用してはならない。
――――― [JIS B 9225-3 pdf 9] ―――――
8
B 9225-3 : 2015 (ISO 11783-3 : 2007)
5.2 プロトコル・データ・ユニット(PDU)
5.2.1 一般
アプリケーション及び/又はネットワーク層は,一連の情報をPDUとして提供する。PDUは,CAN・
データ・フレームの各送信ごとに必須の情報をまとめるための枠組みである。ISO 11783群によるネット
ワークのPDUは,5.1.2で示した七つのフィールドから構成される。これらのフィールドは,CAN・デー
タ・フレームに含まれ,そして他のネットワークへ向け物理メディアを介して送信される。CAN・データ・
フレームごとに一つのPDUがある。
注記 幾つかのPGNの定義では,対応するデータを送信するために複数のCAN・データ・フレーム
を必要とする。
幾つかのCAN・データ・フレームのフィールドは,CAN仕様で完全に制御され,かつ,データ・リン
ク層上位のOSI層の全てで出てこないために,PDUの定義から除外される。PDUから除外されたCAN・
データ・フレームのフィールドには,SOF,SRR,IDE,RTR,CRC,ACK及びEOFの各フィールド,そ
して制御フィールドの一部が含まれている。これらは,CANプロトコルで定義され,ISO 11783群で変更
されず残る。
PDUフィールドは,5.2.2及び5.2.8に規定する(図4参照)。
優先順位 EDP, DP, PF, PS, SA, データ
ビット数 ...3..., .1., .1., ...8..., ...8..., ...8..., ...64...
図4−PDUフィールド
5.2.2 優先順位(P)
優先順位は,バス転送におけるメッセージ待ち時間の最適化だけに用いられ,受信コントローラでは,
全部無視する必要がある。任意のメッセージの優先順位は,最高の0 (0002) から最低の7 (1112) まで設定
することができる。制御に関する全てのメッセージのデフォルトは3 (0112) で,他の全ての情報,独自形
式の通信,リクエスト及びNACKの各メッセージのデフォルトは6 (1102) である。優先順位は,将来新た
なPGN値が割り当てられ,バス負荷が変わったときに上げたり下げたりすることが認められている。推奨
される優先順位は,PGNがアプリケーション層に関する規格に加えられたときに,各々のPGNに割り当
てられる。ただし,優先順位フィールドは,製造業者によるネットワーク調整の必要が生じる場合を考慮
して,再プログラムできるようにしておくのが望ましい。
5.2.3 拡張データ・ページ(EDP)
このビットは,CAN・データ・フレームのCAN IDの構造を決定するために,DPと組み合わせて使わ
れる。全てのISO 11783群によるメッセージは,送信時にEDPをゼロに設定しなければならない(EDP
及びDPのフィールドの使用定義は,表3を参照)。今後の定義は,新しいPDUフォーマット定義,優先
フィールド拡張又はアドレス・スペース増大を行うことで,PFフィールドを拡張することが可能となる。
5.2.4 データ・ページ(DP)
DPは,CAN・データ・フレームのCAN ID構造を決定するために,EDPと組み合わせて使われる。EDP
を0に設定すると,DPビットはPGN表記のページ0又はページ1を選定する(表3参照)。
――――― [JIS B 9225-3 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS B 9225-3:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11783-3:2007(IDT)
JIS B 9225-3:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 65 : 農業 > 65.060 : 農業機械,用具及び設備 > 65.060.01 : 農業機械及び設備一般
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.99 : その他の分野へのITの応用
JIS B 9225-3:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9225-5:2015
- 農業機械―シリアル制御及び通信データ・ネットワーク―第5部:ネットワーク管理