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B 9714 : 2006 (ISO 14118 : 2000)
5 遮断及びエネルギの消散のための手段
5.1 動力源の遮断装置
5.1.1 遮断装置は次でなければならない。
― 確実に信頼できる遮断とする(断路,分離)。
― 手動制御器と遮断要素間に信頼できる機械的リンクを備える。
― 各手動制御器(アクチュエータ)の各位置に対応する遮断装置の状態を明確に,かつあいまいでな
く識別できる手段を備える。
注記1 電気設備に関しては,JIS B 9960-1:1999,5.3“電源断路(遮断)装置”に適合する電源断路装
置がこの要求事項を満たす。
注記2 プラグ及びソケットシステム(電源に関して),又はその空圧式による,液圧式による,若し
くは機械式の同等のものは,動力回路において視認可能で,かつ信頼でき,断路状態を実現
できる遮断装置の例である。電気的なプラグ/ソケットに関してはJIS B 9960-1:1999,5.3.2d)
参照。
注記3 液圧及び空圧システムに関しては,EN982:1996,5.1.6及びEN983:1996,5.1.6に要求事項があ
るので,その規定内容(“ ”)を参考に示す。
“EN982:1996,5.1.6(液圧システム)
予期しない起動の防止のために,エネルギ源からの完全遮断とシステム内の流体圧力の消
散が容易であるように設計しなければならない。
空圧システムでは,例えば次による。
− 適切な遮断装置による供給の遮断(ロックを必要とする場合がある。)
− 圧力低減機能付き遮断装置(ロックを必要とする場合がある。)
− システム減圧時の機械的負荷の除去又は支持
− 給電の遮断“
EN983:1996,5.1.6(空圧システム)
“予期しない起動の防止のために,エネルギ源からの完全遮断とシステム内の流体圧力の消
散が容易であるように設計しなければならない。
油圧システムでは,例えば次による。
− 遮断弁を遮断位置に機械的にロックし,かつ,油圧システムの圧力を消散する。
− 電源を遮断する。
遮断又は減圧後の再供給には,予防措置をとる必要がある。”
5.1.2 遮断装置の位置及び数は,機械の構成,危険区域に人が存在することの必要性及びリスクアセスメ
ントにより決定される。遮断装置の各々はそれがどの機械,又はそのどの部分を遮断するか(例えば,必
要な場合,耐久性のあるマーキングにより)容易に識別可能でなければならない。
注記 機械類の電気設備に関して,JIS B 9960-1:1999,5.4参照。
5.1.3 機械への動力を遮断中に,例えば部品を保持する,情報を保護する又は局部照明を提供するために,
回路の一部を電源に接続し続けなければならない場合,オペレータの安全を確実にするために特殊な手段
を備えなければならない。
注記 そのような手段には,キー又は特殊な工具によってだけ開けることができるエンクロージャ,
警告ラベル及び/又は警告灯がある。
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5.2 施錠〔固定〕装置
遮断装置は施錠できるもの,又は他の方法で遮断位置に固定できるものでなければならない。
注記 プラグ・ソケットの結合を使用し,かつ危険区域に存在する人を直ちに監視できる状況下でプ
ラグを備えることができる場合,施錠装置は必ずしも必要としない。
施錠装置は次を含む。
― 一つ以上の南京錠を備えた施設。
― トラップド・キーインタロック装置(JIS B 9710:2006,附属書E参照)。その錠の一つは遮断装置の
手動制御器(アクチュエータ)に附属する。
― 施錠可能な容器又はエンクロージャ。
再接続をしても人が危険に暴露されない場合,施錠装置は必要としない。
5.3 蓄積エネルギの消散又は制限(封じ込め)のための装置
5.3.1 一般要求事項
5.3.1.1 蓄積エネルギの発生で危険源を生じる場合,蓄積エネルギの消散又は制限(封じ込め)のための装
置を機械に装備しなければならない。
注記 このような装置には可動部分の運動エネルギを吸収するためのブレーキ,コンデンサの放電抵
抗器及び関連回路,流体用アキュムレータを減圧するためのバルブ又は類似の装置を含む(5.1.1
の注記3参照)。
5.3.1.2 蓄積エネルギの消散が,通常使用時の機械の能力を過度に低減する場合,残存したエネルギをある
程度確実に制限する又は封じ込めるための追加手段を組み込まなければならない。
5.3.1.3 エネルギ消散又は制限(封じ込め)のための装置は次のように慎重に選択,配置しなければならな
い。
― 消散又は制限(封じ込め)は機械(又は機械部分)の遮断による。
― エネルギ消散プロセスにより危険状態を生じない。
5.3.1.4 エネルギ消散又は制限(封じ込め)のために必要な手順は,機械の取扱説明書又は機械自体の警告
表示中に記載しなければならない。
5.3.2 機械要素
機械要素で次の危険状態を生じる場合,
― その質量及び位置(例えば,不安定な状態にある,高い位置にある,重力の影響で動くおそれがあ
る場合)により,又は
― 機械要素に対するばね負荷の結果として(ばねの形状の如何を問わず),
機械要素を最も低いエネルギ状態(例えば,最も低い位置,又はばねの解放状態)にするために,通常
の機械的手動制御装置又はその機能を遂行するために特別に設計し,表示(マーク)した装置による手段
を備えなければならない。
機械要素を本質的に安全な状態にすることができない場合,JIS B 9700-1:2004,3.26.7に従ってブレーキ
又は機械的拘束装置により機械要素を固定しなければならない。
5.3.3 制限〔封じ込め〕装置の施錠のための又は固定のための施設
エネルギ制限〔封じ込め〕のための装置は,必要な場合,施錠できるか又は固定できなければならない。
5.4 検証
5.4.1 一般要求事項
機械,及び遮断若しくはエネルギの消散又は制限〔封じ込め〕のための装置は,その遮断及び“エネル
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ギの消散又は制限〔封じ込め〕”の効果に関して信頼できる検証が実施できるように設計され,選択され,
また準備されなければならない。
遮断,“エネルギの消散及び制限〔封じ込め〕”の方策の効果を検証する規定によりその効果が損なわれ
てはならない。
5.4.2 遮断検証の規定
動力源からの遮断は目視できる(動力回路の切離しが目視可能),又は遮断装置の手動制御器(アクチュ
エータ)の位置を明瞭に示さなければならない。
注記 遮断要素と手動制御器間の機械的リンクに関しては5.1.1参照。
5.4.3 エネルギの消散又は制限〔封じ込め〕検証の規定
5.4.3.1 人の介入を想定した機械内部・機械上にはエネルギの不在状態を検証するため,組込型装置(圧力
ゲージのような)又は試験点を,備えなければならない。
5.4.3.2 取扱説明書(JIS B 9700-2:2004,6.5参照)には安全検証手順に関する正確なガイダンスを記載しな
ければならない。
5.4.3.3 取外し又は解体できる組立品には蓄積エネルギ(例えば,圧縮ばね)による危険源に対する恒久的
警告ラベルを貼付しなければならない。
6 予期しない起動を防止するための遮断及びエネルギの消散以外の方策
6.1 設計のための方法論
遮断及びエネルギの消散の適用が人の介入作業全てに対して適切でない場合,設計者は,予期しない起
動を防止するために必要と考えられる以下に挙げる方策をリスクアセスメントに従って,決定しなければ
ならない。
― 機械の内部又は外部の影響により偶発的に生じる起動指令を防止するための方策(コンポーネント
の設計,選択及び位置の選定)(6.2参照)
― 予期しない起動を生じる偶発的起動指令を防止するためのシステム構成・構造による方策(6.3参照)
― 機械の予期しない・意図しない起動により危険状態が生じる前に機械の危険源発生部分を自動的に
停止させる手段(6.4参照)
選択する方策は,箇条5で示す遮断及びエネルギの消散に関する方策の代替手段と考えてはならない。
注記 選択する方策は,この箇条で規定される種々の方策の組合せである場合が多い。
6.2 偶発的起動指令の発生を防止するための方策
6.2.1 (手動)起動制御器の偶発的操作を防止するための方策
(手動)起動制御器の偶発的な操作及び,これらの装置の操作により生じる予期しない結果(例えば,
意図した機械とは別の機械の起動又は間違った方向への始動)は,(手動)起動制御器(アクチュエータ)
の適切な設計,配置,保護及びマーキングにより防止しなければならない。
情報の不足により人を危険にする場合には,起動制御器の操作により予想される結果・効果は,例えば,
表示手段(附属書Bの最初の文節参照)の使用により明白でなければならない。
注記1 ガイダンスはJIS B 9700-2:2004,4.11.8及びJIS B 9706-1,-2:2001で示される。
注記2 許可しない・意図しない起動を防止するための他の方策例には起動制御器の施錠,プログラ
マブル制御システムのパスワードがある。
6.2.2 データの記憶及び処理設備における安全関連部の設計
データの記憶及び処理設備の安全関連部(図1参照)は,JIS B 9702によるリスクアセスメントにおい
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て,予期しない起動指令の発生確率が,十分に低くなるように設計し,そのコンポーネントを選択しなけ
ればならない。
注記1 ガイダンスは次により示される。
− JIS B 9700-2:2004,4.11
− JIS B 9960-1:1999,特に箇条9及び箇条11
JIS B 9705-1:2000参照
注記2 プログラマブル電子システムを機械類の制御に使用している場合,制御システムの誤動作に
より重要な危険源を生じるおそれのある状況下で,単一チャンネルのプログラマブル電子設
備の正しい動作に関して信頼の保証をある程度の確実性をもって決定することは,困難であ
ると思われる。この状況が解決できるまで,そのような単一チャンネルの正しい動作だけを
信頼することは賢明ではない(JIS B 9960-1:1999,11.3.4の備考参照)。
6.2.3 動力制御要素の選択及び位置
動力制御要素[例えば,電磁接触器(コンタクタ),バルブ,図1参照]は,外乱の影響(意図する使用
条件で予想される最大振動又は衝撃)下で,又は動力源の異常(許容値内での圧力又は電圧変動)の影響
下でその動作状態が変化しないように選択し及び/又は適用しなければならない。
動力制御要素は,必要な場合(特に手動で操作される場合),許可しない又は意図しない操作を防止する
ためにエンクロージャの内部に位置しなければならない。
6.3 予期しない起動を生じる偶発的起動指令の防止方策
6.3.1 一般要求事項
停止維持指令は,個別に又は組み合わせて,図1に示すように異なる“レベル”で機械に入力される。
これらの停止維持指令は停止制御装置(6.3.2参照)により,又は保護装置(6.3.3参照)のいずれかにより
発生可能である。機械的な分離(6.3.4参照)又は可動部の固定(6.3.5参照)が停止維持指令の代わりに又
は追加して使用される場合がある。
入力レベル(レベルA,B,又はC)の上位機械コンポーネントにより,若しくはその中で,停止維持指令
が生じる場合,又は機械的分離若しくは可動部分の固定(レベルE)が達成される場合,偶発的起動指令
により機械の起動を生じるべきではない(図1参照)。
6.3.2 停止制御装置を用いた停止維持指令の発生[レベルA,B,C入力(図1参照)]
起動指令(制御システム自体の内部で発生する起動指令を含む。)の偶発的な発生による予期しない(意
図しない)起動を防止するために,停止装置の安全要求事項(注記参照)にしたがって停止制御装置から
の停止指令が停止装置の起動指令に優先するように制御システムが設計されるという条件で,停止手動制
御器(又は停止制御装置)をオフ/ストップ条件に固定して良い。オフ/ストップ条件への固定は次の手
段により達成できる。
― 装置が手動でリセットされるまで停止維持指令を生成するラッチ・イン又はキー操作式停止制御装
置。
― スイッチが手動でリセットされるまで停止維持指令を生成する信頼でき,かつ明瞭な位置表示付き
施錠可能セレクタ。
― カバーを閉じて施錠すると,手動停止制御器をオフ/ストップ条件にする施錠可能なカバー。この
カバーにより起動手動制御器へのアクセスを防止する場合,この起動制御器の偶発的運転を防止で
きる。
― ガード開の開始で,手動停止制御器をオフ/ストップ条件にする可動式ガード。可動式ガードによ
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り起動手動制御器へのアクセスを防止する場合,この起動制御器の偶発的操作を防止できる。
意図する用途に適した固定手段の設計・選択基準は次による。
― 明瞭性,装置がオフ/ストップ条件にある場合,明瞭で,かつ混同することがない表示
― 信頼性,オフ/ストップ条件にある装置の能力に関して信頼できるもの
停止制御器がオフ/ストップ条件で保持される固定装置を備えている場合,固定装置の取り外しにより
再起動指令を生成してはならない。
注記 停止装置に関しては,ISO/TR12100-2:1992,附属書A.1.2.4に要求事項があるので,その規定内
容(“ ”)を参考に示す。
“1) 通常停止:機械には各々安全に機械を完全停止状態に移行できる制御器を備えなければ
ならない。それぞれのワークステーションには,機械の運動部分を一部及び/又は全てを
停止させ,機械を安全状態に移行するための制御器を備えなければならない。機械又はそ
の危険な部分が停止した場合,当該アクチュエータへのエネルギ供給を遮断しなければな
らない。
2) 非常停止
各機械には,現実に発生している,又は切迫した危険を回避するために一つ以上の非常停
止装置を備えなければならない。
これには次の例外がある。
−非常停止装置が停止時間を短縮しない,又はリスクを処理するのに必要な特別の方策を
講じることができない場合のいずれかの理由で,非常停止装置を設けてもリスクが低減
しない機械。
−携行式手持ち機械及び手案内機械
非常停止装置は次でなければならない。
−明確に識別可能で,明確に視認でき,かつ速やかに接近可能である。
−新たな危険源を生じないように可能な限り迅速に危険な工程を停止する。
−必要な場合,特定の安全防護物の作動を開始するか,又は開始を許可する。
非常停止制御は接続状態に維持されなければならない。この接続は,適切な操作によって
だけ解除可能でなければならない。制御の解除により,機械は再起動してはならず,再起
動の許可だけとしなければならない。停止制御は,接続位置になる前に,停止機能を開始
してはならない。
3) 複合機械:集合体として機能するように設計された機械又は機械の一部においては,運転
の継続により,危険のおそれがある場合,製造者は非常停止を含む停止制御器が当該機械
だけではなく,その上位側及び/又は下位側の全ての装置を停止できるように,機械を設
計しなければならない。”
6.3.3 保護装置を用いた停止維持指令の発生(レベルA,B,C入力(図1参照))
人が危険区域にいる場合,機械の運転を防止するために(予期しない起動を含み,原因の如何を問わず),
保護装置又は保護装置の組合せを選択して良い。保護装置からの停止指令の継続は,リスクアセスメント
(JIS B 9702参照)に従って,図1における適切なレベルで入力されなければならない。
注記 ガイダンスを示す規格は次である。
― JIS B 9700-2:2004,5.2
― JIS B 9710:2006,ガードと共同するインタロック装置
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JIS B 9714:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.110 : 機械の安全
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