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C 0452-2 : 2005 (IEC 61346-2 : 2000)
参考 一般的な説明として,“クラスを鋳型と考え,これによって生成された実体である鋳物がインス
タンス”又は“クラスはインスタンスを生成するためのテンプレート”と表現する場合がある。
これらはインスタンス(実体)が,クラス(概念)から生成される関係を示している。
1.2 オブジェクト指向のモデリング 技術文書に関する規格群に関連するオブジェクト指向のモデリン
グについての概要を,次に示す。
a) 対象をクラス−インスタンスの二つの空間で表現する方法である。
b) クラスを概念の上位下位の関係で階層的に体系化する。
c) クラス間の関係をb)の関係だけでなく,その他の関係(全体−要素,機能−製品−位置,要素−要素
など)も抽象的に表現する。
d) クラスの射影(インスタンシエイト)として対象の実体(インスタンス)を記述する。
e) インスタンス間の関係(全体−要素,機能−製品−位置,要素−要素など)も具体的に記述する。
f) スーパークラス(親クラス)の特徴はサブクラス(子クラス)が引き継ぐ(クラス継承)。
参考 以上のほかに,ソフトウェア開発分野特有の内容として“カプセル化”などがあるが,技術文書
に関する規格群では関係しないため補足説明を省略する。
2. 技術文書に関する規格群におけるオブジェクト指向
2.1 技術文書に関する規格群におけるオブジェクト指向の特徴 オブジェクト指向概念の基礎では,オ
ブジェクトを“抽象的な概念のクラスと具体的な実体であるインスタンスとを包含する”と説明した。こ
の規格に関連する参照指定規格群(JIS C 0452-1の本体及び附属書1)ではクラス,インスタンスの中間
レベルとしてオカレンス(occurrence)があり,3種のオブジェクト空間が存在している。オカレンスは,次
のようの理解願いたい。
− オカレンス : 完全に具体化されていない中間的な状態(附属書2図3参照)。
プラント建設分野,電気製品分野を例に考えた場合,ソフトウェアの分野と異なり,クラスから
即時に完全なインスタンスが発生することは,ほぼ存在しない。すなわち,概念設計からある程度
具体化が進み設計の段階で,図面上に表現され必要な設備であるが,製品又は製品に対応した注文
番号など個別の実体を伴わない不完全なインスタンスがオカレンスに該当する。この部分がオカレ
ンスに該当する。この意味からオカレンスはプラント,システムのライフサイクルにおいて,主に
設計段階において扱う対象を記述する方法であり,参照指定が適用される。
参照指定に関する基本事項(JIS C 0452-1の本体及び附属書)によれば,3種のオブジェクト空間を附
属書2表 1のように表現している。
附属書2表 1 オブジェクト空間の表現
基本事項における表現 一般的表現
“クラス”
分類(クラス)・タイプ(types又はtype of object)
オカレンス(occurrence of types) 該当なし
個々の一般的識別(individuals) “インスタンス”
2.2 注意点 技術文書に関する規格群では,同一の意味を示す内容でありながら異なる表現をとる事例
があり,次の用語関係を前提として理解する必要がある。
− 一般的な“クラス”を意味する表現 : タイプ(type),オブジェクトのタイプ(type of object),分類(ク
――――― [JIS C 0452-2 pdf 31] ―――――
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C 0452-2 : 2005 (IEC 61346-2 : 2000)
ラス)
− 一般的な“インスタンス” : 個々の一般的識別(individuals),インスタンス(instance)
2.3 技術文書に関する規格群におけるオブジェクト指向 技術文書に関する規格群における参照指定の
概念を附属書2図3に示す。
――――― [JIS C 0452-2 pdf 32] ―――――
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C 0452-2 : 2005 (IEC 61346-2 : 2000)
抽象的 JIS C 0452-2
A ; エネルギーの変換・
供給,モータの保護
(二つ以上の目的を
もつ装置)
クラス MCC Q ;制御に従ったエネル
(概念) ギーの切替え
T ;エネルギーの変換
W ; エネルギーの伝達
変流器
母線
遮断器
-A1 MCC
-T1 変流器
JIS C 0452-1
-Q1 遮断器
A1
W1 -W1 主母線
オカレンス
W2
T1 -W2 垂直母線1
Q1
W3
-W3 垂直母線2
MCC(A1)
A社製主母線
型式;B01M
インスタンス
注文番号;
(実体) B社製遮断器 P2G001P001
型式; THM055 A社製垂直母線
注文番号; 型式;B01V1
C社製変流器 P2G012P077 注文番号;
型式; SY6123 A社製垂直母線 P2G001P021
注文番号; 型式;B01V2
P2G256P093 注文番号;
P2G001P022
具体的
附属書2図 3 技術文書に関する規格群における参照指定の概念
――――― [JIS C 0452-2 pdf 33] ―――――
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C 0452-2 : 2005 (IEC 61346-2 : 2000)
用語索引
IEC規格原文で用いている用語は従来の日本工業規格(日本産業規格)にない新しい用語が多く,抽象的な意味を用いて
おり,また,相互に関連して使用されており,翻訳した日本語だけを掲載することは技術上のあいまいさ
を生み出すおそれがある。このため,理解を容易にする趣旨で参考として出現順に一括掲載する。また,
章及び頁は各用語が最初に使用される部分を示す。
附属書3表 1 用語
IEC原文の英語 この規格の用語 箇条番号 頁
Object classes オブジェクトの分類(クラス) 1. 1
Letter code 文字記号 1. 1
Tree-like structure ツリー構造 1. 1
Location aspect 位置の観点 1. 2
Flow フロー又は流れ 5. 3
Purpose 目的 4. 2
Task タスク 4. 2
Classification scheme 分類体系 1. 1
Classification 分類 1. 1
Class 分類(クラス) 5. 3
Infrastructure object インフラストラクチャーオブジェクト 6. 12
Brunch-related 分岐分類 6. 12
Brunch-related standard 分岐分類標準 6. 12
Brunch-related standardization 分岐規格化 6. 12
Supporting documentation 補助資料 6. 12
Prefix signs 接頭辞 6. 15
Subdivision より細かい構成要素への分解 7. 16
Technical attributes 技術属性 7. 16
Subclass サブクラス又は補助分類 7. 16
Single level reference designation単一レベルの参照指定 7. 16
Type タイプ 附属書A 17
Subclass サブクラス(子クラス) 附属書A 17
Superclass スーパークラス(親クラス) 附属書A 17
Instance インスタンス 附属書A 17
Level 階層 附属書A 17
Aspect 観点 附属書A 17
activity アクティビティ 附属書B 20
JIS C 0452-2:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61346-2:2000(IDT)
JIS C 0452-2:2005の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.110 : 工業製品の文書化
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.080 : 図記号 > 01.080.40 : 電気及び電子工学用製図,ダイヤグラム,チャート及び関連技術文書のための図記号
JIS C 0452-2:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0452-1:2004
- 電気及び関連分野―工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品―構造化原理及び参照指定―第1部:基本原則