JIS C 0508-1:2012 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第1部:一般要求事項 | ページ 2

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C 0508-1 : 2012 (IEC 61508-1 : 2010)
して,全安全ライフサイクルモデルを適用する。
注記4 全安全ライフサイクルは,主にE/E/PE安全関連系に関するものであるが,当該システムの
技術(例えば,機械,液圧又は空圧)に関係なく,任意の安全関連系を検討するための技
術的枠組みを提供することができる。
i) 個々の産業分野に要求する安全度水準は規定しない(これは,適用する分野に関する詳細な情報及び
知識に基づくことが望ましい。)。個々の適用分野に責任をもつ技術委員会が,適用分野規格において
安全度水準を適切に指定するものとする。
j) 適用分野の製品規格などが存在しない場合のE/E/PE安全関連系に関わる一般的な要求事項を提供す
る。
k) 潜在危険及びリスク解析において,悪意ある行為及び不法な行為を考慮するように要求する。解析の
適用範囲は,関連する安全ライフサイクルフェーズ全てを含む。
注記5 このテーマは,他の規格で深く掘り下げている。ISO/IEC/TR 19791及びIEC 62443シリー
ズ参照。
l) 権限をもたない人員がE/E/PE安全関連系の機能安全を損なったり,その他の悪影響を与えたりするこ
とを防止するために必要な注意事項は,対象としない[上記k)参照]。
m) /E/PE安全関連系が要求するセキュリティ方針を満たすために必要なセキュリティ方針又はセキュ
リティサービスの開発,実装,保全及び/又は運用の要求事項については規定しない。
n) EC 60601シリーズに適合する医療機器には,適用しない。
1.3 この規格では,この規格群全てにわたって適用する一般要求事項を規定する。他の部では, 次の特定
テーマに焦点を当てて規定する。
− 第2部及び第3部では,E/E/PE安全関連系(ハードウェア及びソフトウェア)に対する補足的かつ特
定の要求事項を規定する。
− 第4部では,この規格群全体を通じて使用する用語の定義及び略語について規定する。
− 第5部では,事例的方法を示すことによって,安全度水準決定のためのこの規格の適用指針について
規定する。
− 第6部は,第2部及び第3部の適用指針である。
− 第7部は,技法及び手段の概観を含んでいる。
1.4 この規格群のうち,この規格(第1部),第2部,第3部及び第4部は,低複雑度E/E/PE安全関連
系(JIS C 0508-4の3.4.3参照)には適用しないが,基本安全規格である。IEC Guide 104及びISO/IEC Guide
51に示される原則に従って規格を策定するとき,この規格群はそれらの技術委員会によって,基本安全規
格として使用されることを意図している。また,JIS C 0508-1,IEC 61508-2,IEC 61508-3及びJIS C 0508-4
も独立した規格として使用されることを意図している。この規格群の各分野で水平展開できる安全機能は,
IEC 60601シリーズに適合する医療機器には適用しない。
注記 技術委員会の責務の一つは,適用可能な箇所にその規格の策定における基本安全規格を使用で
きるようにすることである。このような関係においては,この基本安全規格の要求事項,テス
ト方法及びテスト条件は,技術委員会が策定した規格を参照したり包含したりせずに,適用す
ることはない。
1.5 図1に,この規格群の全枠組み及びE/E/PE安全関連系に対する機能安全達成におけるこの規格(第
1部)の役割を示す。

――――― [JIS C 0508-1 pdf 6] ―――――

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C 0508-1 : 2012 (IEC 61508-1 : 2010)
技術的要求事項
第1部
全体要求事項の作成 第5部
(概念,適用範囲の定義,潜在危険及 安全度水準の決定
びリスク解析)
のための方法の例
7.17.5
第1部
E/E/PE安全関連系への
安全度要求事項の割当て
7.6
その他の要求事項
第1部 第4部
E/E/PE安全関連系に対する 用語の定義
要求仕様 及び略語
7.10
第6部
第1部
第2部及び第3
文書化
部の適用指針
第2部 第3部 箇条5及び
E/E/PE安全 安全関連ソフト 附属書A
関連系の実現 ウェアの実現
フェーズ フェーズ
第7部 第1部
技術及び手法の 機能安全の管理
概観 箇条6
第1部
E/E/PE安全関連系の設置,引渡し及び
安全妥当性確認 第1部
7.137.14 機能安全評価
箇条8
第1部
E/E/PE安全関連系の運用及び保全,修理,
部分改修及び改造,使用終了叉は廃却
7.157.17
図1−この規格群の全枠組み

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

――――― [JIS C 0508-1 pdf 7] ―――――

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C 0508-1 : 2012 (IEC 61508-1 : 2010)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 0508-4 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全−第4部 : 用語の定義及び略語
注記 対応国際規格 : IEC 61508-4:2010,Functional safety of electrical/electronic/programmable
electronic safety-related systems−Part 4 : Definitions and abbreviations(IDT)
IEC 61508-2:2010,Functional safety of electrical/electronic/programmable electronic safety-related systems−
Part 2: Requirements for electrical/electronic/programmable electronic safety-related systems
IEC 61508-3:2010,Functional safety of electrical/electronic/programmable electronic safety-related systems−
Part 3: Software requirements
IEC Guide 104:1997,The preparation of safety publications and the use of basic safety publications and group
safety publications
注記 1984年のGuideは,1997年に改訂された。
ISO/IEC Guide 51:1999,Safety aspects−Guidelines for their inclusion in standards
注記 このGuideは,1999年版が最新である。

3 用語及び定義

  この規格群で用いる主な用語の定義及び略語は,JIS C 0508-4による。

4 この規格群への適合

4.1   この規格群に適合するために,全ての関連する要求事項が,指定した要求基準(例えば,安全度水
準)を満足し,各々の箇条又は細分箇条に対して目的が全て適合していることを明示しなければならない。
4.2 この規格群は,E/E/PE安全関連系に対する要求事項を規定し,当該システムに関わり,考えられる
全ての複雑さに対応する。ただし,要求される安全度達成に十分信頼が置ける確実なフィールド経験が存
在する低複雑度E/E/PE安全関連系(JIS C 0508-4の3.4.3参照)では,次の選択が可能である。
− この規格群の第1部から第7部までの要求事項を取り入れる適用分野の製品規格などにおいて,この
規格群の要求事項の一部は不要になることがある。その場合,不要となった要求事項への適合の必要
はない。
− 適用分野の製品規格などがないため,この規格群を直接用いる場合,この規格群の要求事項の一部は
不要になる。要求事項への適合除外が正当化できる場合は,その要求事項を除外してもよい。
4.3 この規格群の枠組みで展開されるE/E/PE安全関連系に関わる適用分野の製品規格などは,ISO/IEC
Guide 51及びIEC Guide 104に示す要求事項を考慮しなければならない。

5 文書化

5.1 目的

5.1.1  この箇条の要求事項は,全安全ライフサイクル,E/E/PE系及びソフトウェア安全ライフサイクル
での全てのフェーズを効果的に遂行できるように必要な情報の文書化を規定することを第一の目的とする。
5.1.2 この箇条の要求事項は,機能安全の管理(箇条6参照),適合確認(7.18参照)及び機能安全評価
(箇条8参照)の諸業務を効果的に実施できるように,必要な情報の文書化を規定することを第二の目的
とする。
注記1 この規格群では,文書化は,物理的な文書というよりは,本質的に情報を重視している。そ
の情報は,これが関連する細分箇条で規定されない限り具体的な書類の中に含まなくてもよ

――――― [JIS C 0508-1 pdf 8] ―――――

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C 0508-1 : 2012 (IEC 61508-1 : 2010)
い。
注記2 文書化は,紙面,フィルム,スクリーン,ディスプレイ上に表示する任意のデータ媒体など
の電子情報として整備した各種の方法で行う。
注記3 可能な文書構成については,附属書A参照。
注記4 IEC 61506(参考文献 [7])を参照。

5.2 要求事項

5.2.1  全安全ライフサイクル,E/E/PE系及びソフトウェア安全ライフサイクルで実施する各フェーズに
関する情報を,十分に包括するように文書化しなければならない。それは当該フェーズに引き続くフェー
ズ,及び実施したフェーズの適合確認業務に必要である。
注記 十分な情報は,幾つかの要因によって構成される。それらには,E/E/PE安全関連系の複雑度,
規模及び適用に関わる要求事項を含む。
5.2.2 機能安全の管理に必要な情報を漏れなく含むように,文書化しなければならない(箇条6参照)。
注記 5.1.2の注記1注記4を参照。
5.2.3 機能安全評価の実施に必要な情報,並びに全ての機能安全評価から得られる情報及び結果を含むよ
うに文書化しなければならない。
注記 5.1.2の注記1注記4を参照。
5.2.4 正当性が述べられない限り,この規格群の規定に従って文書化されなければならない。又は,関連
する適用分野の製品規格などに規定されるように文書化しなくてはならない。
5.2.5 この規格群の箇条を履行しなければならない責務者に対して,十分な文書化の機会を設けなければ
ならない。
注記 各関係者は,この規格群が要求する特定の業務を実施するときに必要な情報を保存する必要が
ある。
5.2.6 次の事項に留意して文書化を行わなければならない。
− 正確で要領を得ている。
− 使用者が容易に理解できる。
− 意図した目的に合致している。
− 入手が容易で保全しやすい。
5.2.7 文書又は情報集には,この規格群が要求する情報を直ちに入手できるように,内容の範囲を示す表
題又は名称,及び何らかの見出し票を付けなければならない。
5.2.8 企業での文書化方式,及び,各製品又は適用分野での実務方式を考慮して文書化を構成してもよい。
5.2.9 文書の改訂版が識別できるように,文書又は情報集には,改訂番号を付けなければならない。
5.2.10 文書又は情報集は,関連情報の検索ができるように構成しなければならない。また,文書又は情報
集の最新の改訂番号の識別が可能でなければならない。
注記 文書の具体的な構成は,システムの規模,複雑度,組織からの要求事項など複数の要素によっ
て変化する。
5.2.11 全ての関連する文書を,適切な文書管理計画に基づき,校閲,訂正,審査及び承認しなければなら
ない。
注記 文書の作成に自動又は半自動化された手段を使用する場合,文書改訂などの文書管理の方法に
対する効果的措置を保証するために,手順を決めておく必要がある。

――――― [JIS C 0508-1 pdf 9] ―――――

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C 0508-1 : 2012 (IEC 61508-1 : 2010)

6 機能安全の管理

6.1 目的

6.1.1  この箇条の要求事項は,E/E/PE安全関連系又は全E/E/PE系及びソフトウェア安全ライフサイクル
の一つ以上のフェーズに対して機能安全管理における責務を規定することを第一の目的とする。
6.1.2 この箇条の要求事項は,機能安全管理において,それぞれ責務をもつ人員が遂行しなければならな
い業務を規定することを第二の目的とする。
注記 この箇条で扱う組織上の措置は,技術上の要求事項の効果的な実施を目標とし,E/E/PE安全関
連系,要素及び構成部品に要求される機能安全の達成及び保全の目的に限定している。機能安
全を維持するために必要な技術的要求事項は,E/E/PE安全関連系及びその要素並びに構成部品
の供給者が提供する情報の一部として規定している。

6.2 要求事項

6.2.1  E/E/PE安全関連系,又は全E/E/PE系若しくはソフトウェア安全ライフサイクルに責務をもつ組織
は,次の事項に全責務をもつ一人以上の個人を割り付けなければならない。
− システム及びそのライフサイクルフェーズ
− これらのフェーズで実施しなければならない安全関連業務の調整
− これらのフェーズと,他の組織によって実施する他のフェーズとの間のインタフェース
− 6.2.26.2.11及び6.2.13の要求事項の実施
− 機能安全評価[6.2.12 b)及び箇条8]の調整。特に,機能安全評価の実施者がフェーズによって異なる
場合は,コミュニケーション,計画及び文書,判断及び勧告の統合を含む。
− この規格群の目的及び要求事項に従って,機能安全が確実に達成及び実証されるようにする。
注記 安全関連業務又は安全ライフサイクルのフェーズに対する責任は,特に,関連する専門知識
をもつ人たちなど他の人員に委譲してもよく,異なる人員が異なる業務及び要求事項に対す
る責任をもつようにすることもできる。ただし,調整及び全安全機能に対する責任は,十分
な管理権限をもつ一人又は少人数の人員に与えることが望ましい。
6.2.2 機能安全を達成するための方針及び戦略は,その達成の評価手段及びその組織内でのコミュニケー
ションの手段と併せて規定しなければならない。
6.2.3 該当する全E/E/PE系又はソフトウェア安全ライフサイクルのフェーズにおける業務に責任をもつ
全ての人員,部局及び組織(適合確認及び機能安全評価に責任をもつ人員,並びに該当する場合は許認可
当局又は安全監督機関)を特定して,その責任を完全かつ明瞭に,これらの人員,部局及び組織に伝達し
なければならない。
6.2.4 手順を作成して,関連する当事者間でどのような情報を伝達し合わなければならないか,また,そ
の伝達をどのように行わなければならないかを明確に定めなければならない。
注記 文書要求事項については,箇条5を参照。
6.2.5 E/E/PE安全関連系に関する勧告の速やかなフォローアップ及び満足できる解決が,次に起因する
ものを含めて確実にできるようにしなければならない。
a) 潜在危険及びリスク解析(7.4参照)
b) 機能安全評価(箇条8参照)
c) 適合確認業務(7.18参照)
d) 妥当性確認業務(7.8及び7.14参照)
e) 変更管理(6.2.10,7.16,IEC 61508-2及びIEC 61508-3参照)

――――― [JIS C 0508-1 pdf 10] ―――――

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JIS C 0508-1:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61508-1:2010(IDT)

JIS C 0508-1:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 0508-1:2012の関連規格と引用規格一覧