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C 0508-4 : 2012 (IEC 61508-4 : 2010)
3.1.14
合理的に予見可能な誤使用(reasonably foreseeable misuse)
供給者が意図しない状態又は目的による製品,プロセス又はサービスの使用法。ただし,それらの使用
法は,通常考えられる人の挙動と関連し,その挙動は容易に予測できるものとする(JIS Z 8051:2004の定
義3.14)。
3.2 機器及び装置
3.2.1
EUC,被制御機器[equipment under control (EUC)]
製造,プロセス,運輸,医療,その他の業務に供される機器,機械類,装置,プラントなど。
注記 EUC制御系は,EUCから分離かつ区別される。
3.2.2
環境(environment)
検討対象の特定の用途及び任意の安全ライフサイクルフェーズにおいて,機能安全の達成に影響を与え
る可能性のある全ての関連パラメータ。
注記 これには,例えば,物理的環境,運用環境,法的環境及び保全環境を含む。
3.2.3
機能ユニット(functional unit)
特定の目的を遂行することのできるハードウェア,ソフトウェア又はそれらの両者から成る製品。
注記 IEV 191(IEC 60050-191)-01-01では,機能ユニットではなく,より一般的な用語“アイテム”
(item)が使用されている。アイテムには,ときに人も含まれる[JIS X 0001:1994 (ISO/IEC
2382-1, 01-01-40)]。
3.2.4
アプリケーション(application)
E/E/PE系ではなく,むしろEUCに関わるタスク。
3.2.5
ソフトウェア(software)
データ処理機構の運用に関係があるプログラム,手順,データ,ルール及び任意の付随する文書化を含
む知的創造物。
注記1 ソフトウェアは,それが記録される媒体とは,区別される。
注記2 この定義は,データという語彙を付け加えなければ,注記1を除いてJIS X 0001(参考文献
[7]参照)と同様である。
3.2.6
システムソフトウェア(system software)
EUCの安全に関するタスクを実行する機能を指定するアプリケーションソフトウェアと対比をなす,プ
ログラマブル装置自体による機能実行,及びプログラマブル装置自体が提供するサービスに関する,PE 系
のソフトウェアの一部。
注記 例については,IEC 61508-7:2010を参照。
――――― [JIS C 0508-4 pdf 11] ―――――
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C 0508-4 : 2012 (IEC 61508-4 : 2010)
3.2.7
アプリケーションソフトウェア(application software)
アプリケーションデータ(application data)
構成データ(configuration data)
プログラマブル装置自体による機能実行,及びこの装置自体が提供するサービス以外のEUCに関するタ
スクを実行する機能を規定するPE系のソフトウェアの一部。
3.2.8
既存ソフトウェア(pre-existing software)
現行のプロジェクト又は安全関連系のために特別に開発したものではない既に存在しているソフトウェ
ア要素。
注記 ソフトウェアには市販製品のものもあるが,ある組織が以前の製品又はシステムのために開発
したもののこともある。既存ソフトウェアは,この規格群の要求事項に従って開発されている
ことがあるが,そうでないこともある。
3.2.9
データ(data)
コンピュータによる通信,解釈又は処理に適した方法で表現された情報。
注記1 データは,静的情報(例えば,設定点の構成又は地理的情報の表示)の場合も,命令の形式
の場合もある。
注記2 例については,IEC 61508-7:2010を参照。
3.2.10
ソフトウェアオンライン支援ツール(software on-line support tool)
ランタイム中の安全関連系に直接影響を与えることができる,ソフトウェアツール。
3.2.11
ソフトウェアオフライン支援ツール(software off-line support tool)
ソフトウェア開発ライフサイクルのフェーズを支援し,かつ,ランタイム中の安全関連系に直接影響を
与えることのできないソフトウェアツール。ソフトウェアオフラインツールは,次のクラスに分類できる。
− T1 安全関連系の実行可能コード(データを含む。)に直接又は間接的に寄与できる出力を生成しな
い。
注記1 T1の例 : テキストエディタ若しくは自動的コード生成能力をもたない要求事項,又は設計
支援ツール。構成制御ツール。
− T2 ツール内にエラーがあっても欠陥を明らかにすることができないが,実行可能ソフトウェア内に
直接,エラーを生成することはなく,設計又は実行可能コードのテスト又は適合確認を支援する。
注記2 T2の例 : テストハーネスジェネレータ,テスト率測定ツール : 静的解析ツール。
− T3 安全関連系の実行可能コードに直接又は間接的に寄与できる出力を生成する。
注記3 T3の例 : ソースコードプログラムと生成したオブジェクトコードとの間の関係が明白でな
い場合の最適化コンパイラ : 実行可能なランタイムパッケージを実行可能なコードに組み
込むコンパイラ。
3.2.12
プログラマブル電子の[programmable electronic (PE)]
ハードウェア,ソフトウェア,並びに入力及び/又は出力装置などから成るコンピュータ技術に基づく。
――――― [JIS C 0508-4 pdf 12] ―――――
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C 0508-4 : 2012 (IEC 61508-4 : 2010)
注記 この用語は,1個以上の中央演算処理装置(CPU)及び関連する記憶装置などから成るマイク
ロ電子機器を包括する。
例 次に示すものは,全てプログラマブル電子機器である。
− マイクロプロセッサ
− マイクロコントローラ
− プログラマブルコントローラ
− 特定用途向け集積回路(ASIC)
− プログラマブル論理コントローラ(PLC)
− その他のコンピュータ関連装置(例えば,スマート・センサ,送信機,アクチュエータなど)。
3.2.13
電気・電子・プログラマブル電子の(E/E/PE)(electric/electronic/programmable electronic)
電気(E),電子(E)及び/又はプログラマブル電子(PE)技術に基づく。
注記 この用語は,電気的原理で作動する全ての機器又はシステムを包括する。
例 電気・電子・プログラマブル電子機器は,次のものを含む。
− 電気機械機器(電気の)
− 半導体非プログラマブル電子機器(電子の)
− コンピュータ技術に基づく電子機器(プログラマブル電子の)3.2.12参照。
3.2.14
制約可変言語(limited variability language)
適用能力がある範囲に制約された,商用及び産業用電子制御器のための,表記形式がテキスト形式若し
くは図式的,又はそれらの両方であるソフトウェアプログラム用言語。
例 次に示すものは,JIS B 3503(参考文献[8]参照)及びその他の出典から,制約可変言語である。
それらは,PLCシステムのための適用プログラムに用いられる。
− ラダー図 リレーに類似した挙動を表す出力記号に電流の方向を指示するための線で結ばれ
た通常開及び通常閉接点のような機器と同様な挙動を示す,一連の入力記号から成る図式言
語。
− ブール代数 記憶を命令できる能力を付加したAND,OR及びNOT記号のようなブール演算
子に基づく低レベルの言語。
− 機能ブロック線図 ブール演算子に加えて,データ転送ファイル,ブロック転送読込み及び
/又は書込み,シフトレジスタ及びシークエンサ命令のような,より複雑な機能を行うブロ
ックの図式表現。
− 順序機能図 相互連結ステップ,実行及び遷移条件をもった有向結合から成る順序プログラ
ムの図式表現。
3.2.15
特定用途向け集積回路(ASIC)(application specific integrated circuit)
その機能性が製品開発者によって定義された,特定の機能のために設計及び製造された集積回路。
注記 単独でのASICという用語は,次の集積回路の全てのタイプを対象とする。
− フルカスタムASIC : 製品開発者が定義した機能性をもつ,設計及び生産が標準集積回路に
類似しているASIC。
――――― [JIS C 0508-4 pdf 13] ―――――
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C 0508-4 : 2012 (IEC 61508-4 : 2010)
標準集積回路は大量に製造されており,様々な用途に使用することができる。機能性の
創成,妥当性確認,生産及び生産テストは,半導体の売り手側の専権になっている。必要
な面積を低減するため,しばしば,レイアウト水準での手作業による操作及び最適化が行
われている。これらは,安全関連系向けに設計されてはいない。生産プロセス,プロセス
技術及びレイアウトの頻繁な変更も,コスト及び歩留まりの最適化のために行われている。
ある種のプロセス又はマスク変更(mask revision)を使用して製造した構成部品の個数は,
公表されていない。
− コアベースASIC : 事前レイアウト,事前設計又は生成したマクロコアに基づいたASIC
で,追加論理によって支援されている。
例1 事前レイアウトのマクロの例には,標準マイクロプロセッサコア,周辺構成部品,
通信インタフェース,アナログブロック,特殊機能I/Oセルがある。
例2 知的財産(IP)として知られる事前設計のマクロの例には,例1に挙げた多様な
類似構成部品があり,設計データが,セルベースASICについて記述した超高速
集積回路設計用ハードウェア記述言語(VHDL,Verilog)で構成されている点が
異なる。
例3 生成マクロの例には,内蔵形RAM,ROM,EEPROM又はFLASH(フラッシュメ
モリ)を含む。生成されたブロックは,設計規則に基づいて,正しい構造をして
いると仮定する。事前レイアウト又は生成マクロはプロセス固有のものであるが,
異なる技術に移植してもよい。大半のケースで,マクロコアは,本来の個別的な
市販構成部品とは同じではない(第三者から提供された異なるプロセス)。
− セルベースASIC : セルライブラリから採ったロジックプリミティブ(AND,OR,フリッ
プフロップ,ラッチ)に基づくASIC。通常,ロジックプリミティブ及び相互接続部を含む
ゲートレベルのネットリストは,超高速集積回路設計用ハードウェア記述言語(VHDL,
Verilog HDL)から合成ツールを用いて作成する。ロジックプリミティブの機能特性及びタ
イミング特性は,セルライブラリで明らかにされている。これらの特性は,合成ツールを
動かすために使用され,また,シミュレーションでも使用する。さらに,レイアウトツー
ルは,セルの設置及び相互接続のルート決定にも使用する。
− ゲートアレイ : 事前製造シリコンマスターで,定数のセルをもち,異なる構成部品に対し
て共通のスタートポイントを設定する。
機能性は,事前製造セル間の相互接続マトリックス(金属層)で定義する。設計プロセ
スは,セルベースのASICに非常に類似している。ただし,レイアウトステップは,既存
のセルを接続するためのルート決定ステップに代わっている。
− フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA) : 機能ブロック間の接続及び個別ブロッ
クの機能性を構成するために,1回だけプログラミング可能な又は再プログラミング可能
な要素を使用する標準集積回路。
生産中は,プログラマブル要素の性質から,1回だけプログラミング可能なFPGAを完
全にテストすることはできない。
− プログラマブル論理装置(PLD) : 一般にはAND又はOR積項に基づいた,組合せ論理を
定義するために,1回だけプログラミング可能な又は電気的に消去可能な要素(ヒューズ)
及び構成可能な格納要素を用いる,複雑さが低水準から中水準の標準集積回路。
――――― [JIS C 0508-4 pdf 14] ―――――
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C 0508-4 : 2012 (IEC 61508-4 : 2010)
PLDは規則的な構造をしているので,同期設計において,予測可能なタイミング及び保
証最高使用周波数を提供する。
PLDのタイプには,例えば,PAL,GAL,PML,(E) EPLD,PLA,PLSがある。
− 複合プログラマブル論理装置(CPLD) : 単一のチップ上の複数のPLD状ブロックを,プロ
グラマブル接続マトリックス(クロスバー)で接続したもの。
プログラマブル論理要素は,大半のケースで再プログラミングが可能である(EPROM又
はEEPROM)。
3.3 システム(系) : 一般的観点
3.3.1
プログラマブル電子系,PE系[programmable electronic system (PE system)]
1個以上のプログラマブル電子装置に基づいて制御,防護又は監視を行うための,動力供給源,入力装
置(センサ),インタフェース及び他の通信経路,出力装置(アクチュエータなど)などの要素を全て含む
システム(図2参照)。
注記 PE系の構造を,図2 a)に示す。図2 b)には,この規格群のPE系簡略図式表現法を示す。ここ
で,PE装置は,EUCでのセンサ,アクチュエータ及びそれらのインタフェースから区別した1
個のユニットとして示しているが,PE系の複数の部分に存在することもある。図2 c)には,2
個の区分したPEユニットをもつPE系を表現している。図2 d)は,1個のセンサ及びアクチュ
エータをもつ冗長系を構成するPE装置(2チャネル)を表現している。
3.3.2
電気・電子・プログラマブル電子系,E/E/PE系[electrical/electronic/programmable electronic system (E/E/PE
system)]
制御,保護又は監視を行う1個以上のE/E/PE機器を含むシステム。動力源供給装置,入力装置(センサ),
インタフェース及び他の通信経路,出力装置(アクチュエータなど)などの要素を全て含むシステム(図
3参照)。
3.3.3
EUC制御系(EUC control system)
プロセス及び/又は運転員からの入力信号に応答して,EUCを望ましい方法で運転するための出力信号
を生成するシステム。
注記 EUC制御系は,入力装置及び最終要素を包む。
3.3.4
アーキテクチャ(architecture)
システムでのハードウェア及びソフトウェア要素の構成法。
3.3.5
ソフトウェアモジュール(software module)
手順及び/又はデータ宣言からなり,かつ,同類のその他の構造と相互作用を行うことのできる構成物。
――――― [JIS C 0508-4 pdf 15] ―――――
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JIS C 0508-4:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61508-4:2010(IDT)
JIS C 0508-4:2012の国際規格 ICS 分類一覧
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