JIS C 1002:1975 電子測定器用語 | ページ 3

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C 1002-1975
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
2030 安定性 あんていせい 1. 規定された時間,機器がその指示stability
値,表示値又は供給値を維持する能
力。ただし,すべての状態を一定に
保つ。
2. 指定された一つの外部影響量の変
化に対して,機器がその指示値,表
示値又は供給値を維持する能力。た
だし,他の状態を標準状態に保つ。
備考
1. 数値をもって定量的に表すと
きは,安定度 (stability) という。
2. 意味1.による安定度は,ドリ
フト又はPARDの最大値などで
表される。
3. 意味2.は,外部影響量による
変動の小さい程度を表し,この
場合の安定度は,その外部影響
量に応じ,温度に対する安定度
などという。
2031 ドリフト drift
規定された時間中の機器の指示値,表
示値又は供給値の,一般に緩やかで継
続的な,好ましくない変化。ただし,
すべての状態を一定に保つ。
2032 PARD PARD (periodic
機器の指示値,表示値若しくは供給値
の周期的若しくはランダムな,又はそ and/or random
の双方を含む好ましくない変化。 deviation)
備考
1. PARDは各種の原因によって
生じるが,入力信号の有無に関
係なく存在し得る。
2. ハム及びリプルは周期的な変
化であり,雑音及び揺らぎは,
ランダムな変化である。
2033 ハム hum
指示値,表示値又は供給値の平均値付
近における,電源周波数に関連したほ
ぼ正弦波状の低周波の好ましくない
変化。
2034 リプル ripple
指示値,表示値又は供給値の平均値付
近における,周期的であるが非正弦波
状の好ましくない変化。
2035 雑音 ざつおん 1. 広い周波数範囲にわたり,ランダnoise
ムに生じる指示値,表示値又は供給
値の好ましくない変化。
2. 信号に重畳し,測定値又は供給値
をあいまいにする妨害。

――――― [JIS C 1002 pdf 11] ―――――

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C 1002-1975
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
2036 内部雑音 ないぶざつおん internal noise
機器の内部で発生するすべての雑音。
備考 増幅器の内部雑音の値は,
入力に規定のインピーダン
スを接続し,無信号にして
最も利得を上げた場合の雑
音出力を,入力に換算した
値で表される。
2037 揺らぎ ゆらぎ fluctuation
指示値,表示値又は供給値の平均値付
近にランダムに生じ,比較的ゆっくり
した好ましくない非周期的変化。ただ
し,すべての状態を一定に保つ。
2038 ジッタ jitter
信号波形の振幅,周期,位相又はパル
ス幅などの好ましくない迅速で,しか
も断続的な変化。
2039 揺れ ゆれ swinging
電子電圧計などにおいて,入力信号の
周波数が,電源電圧の周波数又はその
倍数に極めて近いときに起こる指示
器の指針の振動。
2040 感度 かんど sensitivity
機器が測定量の変化に感じる度合で,
指示値又は表示値の変化の,その変化
を生じさせた測定量の変化に対する
比で表す。
備考 振れ係数なども含めて感度
ということもある。
2041 振れ係数 ふれけいすう 感度の逆数,すなわち測定量の変化 deflection
の,その変化によって生じた指示値又 coefficient,
は表示値の変化に対する比。 deflection factor
備考 指示値又は表示値が光点の
移動によって示されるとき
は偏向係数 (de flection
coefficient) ,ディジタル測
定器では変換係数
(conversion coefficient) とい
う。
2042 分解能 ぶんかいのう 測定値を読み取ることができる測定 resolution
量の最小変化,又は設定できる供給量
の最小変化。
備考
1. 有効範囲に対する比又は百分
率で表してもよい。
2. ディジタル方式の場合は,有
効範囲内の単位の数で表しても
よい(例えば10ビット)。
2043 目盛の細かさ めもりのこまかさ 最小目盛間隔に相当する性能量の値。 fineness of scale

――――― [JIS C 1002 pdf 12] ―――――

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C 1002-1975
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
2044 操り返し性 くりかえしせい repeatability
同一の方法で同一の測定対象を,同じ
条件で,比較的短い時間に繰り返し測
定した場合,個々の測定値が一致する
度合。
備考 定量的には,得られたいく
つかの測定値のうちの最大
値と最小値との差の21で表
す。
2045 再設定性 さいせっていせい resettability
供給量の設定において,同じ条件で,
比較的短い時間に,繰り返し同じ設定
値を与えた場合の,個々の供給値が一
致する度合。
備考 数値をもって定量的に表す
ときは再設定度
(resettability) といい,次の
ように表す。
(1) 連続可変の場合 ある値に
設定するのに,ある方向か
らと反対方向からと繰り返
して行ったとき,得られた
幾つかの供給値を各方向ご
とに平均し,そ平均値の差
の21。
(2) ステップ可変の場合 ある
値に繰り返して(必要なら
ば両方向から)設定したと
き,得られた幾つかの供給
値のうちの最大値と最小値
との差の21。
(3) 再設定度は,その設定値に
対する百分率で表してもよ
い。
2046 応答 おうとう 入力信号の関数として表された指示 response
値,表示値又は出力信号が,入力信号
の変化によって変化する有様。
2047 過渡応答 かとおうとう transient response
入力信号が,ある定常状態から任意の
時間的変化を経て,ある定常状態にな
ったとき,指示値,表示値又は出力信
号が定常状態に達するまでの応答。
備考 任意の時間的変化として
は,インパルス,ステップ
などの変化が用いられる。
2048 インパルス応答 いんぱるすおうと 入力信号が衝撃的に変化したときの impulse response
う 応答。
2049 ステップ応答 すてっぷおうとう step response
入力信号が,ある一定の値から他の一
定の値に突然変化したときの応答。

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C 1002-1975
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
2050 行過ぎ量 ゆきすぎりょう overshoot
ステップ応答において,指示値,表示
値又は出力信号が,過渡的に最終値を
超えたとき,その超えた値の最大値。
備考 最終値に対する比又は百分
率で表してもよい。
2051 応答時間 おうとうじかん response time
ステップ応答において,指示値,表示
値又は出力信号が,最終値からの特定
範囲に納まるまでの時間。
2052 周波数特性 しゅうはすうとく frequency
供給値,測定値などの性能量の値又は
せい 応答が,周波数によって変化する有 characteristic
様。
2053 周波数応答 しゅうはすうおう frequency response
応答が周波数によって変化する有様。
とう すなわち応答の周波数特性。
備考 増幅器などの入出力周波数
が等しい機器においては,
入力信号が正弦的に変化す
る定常な状態であるとき,
入力信号に対する出力信号
の振幅比及び位相ずれが,
周波数によって変化する有
様をいう。
2054 周波数帯域幅 しゅうはすうたい frequency band
周波数を変化したとき,利得又は損失
いきはば の値の基準周波数における値からの width
偏差が,規定された限度内にある周波
数範囲。
備考
1. 通常3dB又は6dBを偏差の限
度とする。
2. 基準周波数は,指定された周
波数,又は利得若しくは損失の
最大となる周波数である。
2055 遅れ おくれ time lag,
入力信号の変化に対して,出力信号の
delay
変化が直ちに伴わないこと,又はこれ
を特徴付ける時間。
2056 遅延回路 ちえんかいろ 信号に遅れを生じさせる目的で使用 delay circuit
する回路。
(3) 状態に関する用語
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
3001 外部影響量 がいぶえいきょう influence quantity
一般に機器の外部にあって,機器の性
りょう 能に影響を与えるすべての量。
備考
1. 外部影響量には,環境,電源,
負荷などに関する量がある。
2. 外部影響量には,影響性能量
(2003) は含まれない。
3002 外部影響量の標準値 がいぶえいきょう reference value of an
機器の固有誤差を決定するために,標
りょうのひょうじ 準として規定した一つの外部影響量の influence quantity
ゅんち 単一の値。

――――― [JIS C 1002 pdf 14] ―――――

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C 1002-1975
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
3003 外部影響量の標準範囲 がいぶえいきょう reference range of an
機器が固有誤差に関する条項を満足す
りょうのひょうじ る外部影響量の値の範囲。 influence quantity
ゅんはんい
3004 定格使用範囲 ていかくしょうは rated range of use
機器が動作誤差に関する条項を満足す
んい る一つの外部影響量の値の範囲。
3005 定格使用状態 ていかくしょうじ rated conditions of
機器が動作誤差に関する条項を満足す
ょうたい る各外部影響量の値の範囲全部。 use
備考 この状態において,一つの
外部影響量の取り得る値の
範囲が,その外部影響量の
定格使用範囲である。
3006 定格電源電圧 ていかくでんげん rated supply voltage
機器に指定した電源電圧。三相電源の
でんあつ ときは,線間電圧を指す。
3007 定格電源周波数 ていかくでんげん rated supply
機器に指定した電源周波数。指定のな
しゅうはすう いときは,50Hz及び60Hzとする。 frequency
3008 影響性能量の基準値 えいきょうせいの reference value of an
機器が固有誤差に関する条項を満足す
うりょうのきじゅ る一つの影響性能量の単一の値。特に influencing
んち 指定がなければ定格値に等しい。 characteristic
3009 影響性能量の基準範囲 えいきょうせいの reference range of an
機器が固有誤差に関する条項を満足す
うりょうのきじゅ る一つの影響性能量の値の範囲。特に influencing
んはんい 指定がなければ定格範囲に等しい。 characteristic
3010 標準状態 ひょうじゅんじょ reference conditions
各外部影響量が標準値又は標準範囲,
うたい 及びもし必要なら,影響性能量が基準
値又は基準範囲にある状態であって,
比較及び校正を行うために規定したも
の。
備考 標準値又は基準値は,通常
許容差と共に示される。
3011 定格動作状態 ていかくどうさじ rated operating
各性能量の有効範囲及び各外部影響量
ょうたい の定格使用範囲の全部で,機器の動作 conditions
誤差は,その範囲内で規定される。
3012 限界動作状態 げんかいどうさじ limit conditions of
定格使用範囲を超える外部影響量,及
ょうたい び有効範囲を超える性能量の値の範囲 operation
の全部で,機器をその範囲内で動作さ
せても損傷を受けることがなく,また
後で機器を定格動作状態で動作させた
とき,性能が劣化していない範囲の全
部。
3013 保管及び輸送状態 ほかんおよびゆそ conditions of storage
温度,湿度,気圧,振動及び衝撃など
うじょうたい の状態で,その状態で機器を非動作状 and transport
態で保管又は輸送しても損傷を受ける
ことがなく,また後で機器を定格動作
状態で動作させたとき,性能の劣化が
ない範囲の全部。
3014 短時間保管状態 たんじかんほかん 温度,湿度,気圧,振動及び衝撃など
じょうたい の状態で,その状態で機器を非動作状
態でこん包せずに,一時放置しておい
ても損傷を受けることがなく,また後
で機器を定格動作状態で動作させたと
き,性能の劣化がない範囲の全部。

――――― [JIS C 1002 pdf 15] ―――――

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JIS C 1002:1975の国際規格 ICS 分類一覧