JIS C 1005:2006 電気・電子計測器の性能表示 | ページ 6

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C 1005 : 2006 (IEC 60359 : 2001)
附属書B(参考)性能の仕様化手順
この附属書は,性能表示についての規定であり,計器の性能を決定する方法及び手順は,この附属書の
適用範囲及び対象ではない。それらは,通常,特定の形式の計測器に関係するJISの対象であり,いまや
GUMの概念の表現で書き換えられることが望ましい。計器の不確かさの決定に関するGUM適用のための
一般規格は,統一性のために大変有用なものであるといえる。
ただし,この附属書に基づいて性能を表現するために採られる手順を,参考として,ここにブロックダ
イアグラムの形で(図B.1)説明しておくことは価値がある。
第1のステップは,当然,測定量及び測定範囲(3.3.9参照)の仕様化である。これは,出力形式の仕様,
すなわち,指示が表される単位を伴うものである(3.1.5及び3.2.2参照)。
校正曲線図
図B.1 性能の仕様化手順
出力形式が任意の目盛上の表示か又は他の計器によって読まれる信号である場合,その仕様は校正作業
を必要としない。すなわち,校正曲線図はそれ以降の校正によって作成されるであろう(図1参照)。出力
が他の計器又は外部表示用であるとき,その出力形式の仕様は,読出装置に対して必要とされる接続特性
の仕様を含まなければならない。
一方,測定量の測定単位で直接標識付けすることを選択したとき(図2参照),原理的にこの標識付け作
業は校正を前提とする。類似の計器での以前の経験に基づいて計器の校正前に標識付けを行う場合は,次
の二つの選択肢がある。
a) 標識付けが定義的に行われる,つまり校正曲線が,単一こう(勾)配をもつ直線としてあらかじめ定
められているということである(図2参照)。この場合には,以降の校正は,校正曲線図がどの程度の
幅をもってあらかじめ定められたこの校正曲線をまたいでいるのか,すなわち,不確かさを決定する
だけである。
b) 標識付けが,読値を記述する方法で検討される。この場合には,以降の校正は,校正曲線によって二
分される完全な校正曲線図を提供することになる。その校正曲線図は,あらゆる読値を,不確かさを
もつ測定値に関係付けている。
選択肢b)では,それが単に出力値の標識付けの問題であるということを忘れてしまうと,誤解を生じさ

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せるかもしれない。校正は,測定結果に“補正”を与えるのではなく,測定結果そのもの(値及び不確か
さ)を与える。
古くから用いられてきた目盛付き指針計器では,この標識付け作業(伝統的には,“目盛付け”又は,“目
盛線付け”と呼ばれる。)は,一度限りの根拠で達成されたが,それはまた当時の哲学的な枠組みの中にお
いて,理論的な困難さの原因でもあった。この作業は,上に述べた選択肢a)を意味したが,計器の寿命と
いう事実は,それが標識付けの問題であるということを認識することなく,選択肢b)への移行を要求した
のである。計器が期待どおりに動作せず,“誤差”が計器の“欠陥”によるように見え,また,その“校正”
が, “系統誤差”を補償するために,測定結果に対して付加的な“補正”を示唆したのである。現代のデ
ジタル出力計器では,その作業は,A/D変換器のパラメータ設定及び読出表示装置への接続設定のことで
あり,おそらく,かつ,実際にもっと頻繁に行う設定は,ソフトウェアに関係している。厳密にいえば,
それは調整,すなわち,与えられた測定量の値に対応して,与えられた指示を備えることの問題であり
(3.2.13参照),かつ,調整と校正とを混同しないように注意するのがよい。しばしば,いわゆる自己校正
計器と呼ばれるものは,事前に設定した校正曲線に出力を再調整しているだけである。校正曲線図の幅が
その過程で変化しないことが確かであれば,これは非常に有用である。そうでなければ,誤解を生じさせ
ることになる。
次に,(他の関係条件とともに)関連する影響量及び影響量の範囲の仕様が必要である。ここで,選択肢
a) c)のどれを規定すべきかの選択をしなければならないが,
a) 基準条件だけ。
b) 基準条件及び定格動作条件。
c) 定格動作条件だけ。
a) c)のいずれによるかは,直面させられる計器の使用分野,計器の不確かさのレベル及び校正の作業量
による(6.4及び7.1参照)。選択肢b)を選択すれば,固有不確かさの限界及び変動で結果を表すか(6.4.2
及び6.4.3参照),固有不確かさの限界及び動作不確かさの限界で結果を表すか(6.4.4及び6.4.5参照)の
選択をしなければならない。校正の作業量(直接的なもの又は過去の経験からの推定によるもの)は,動
作不確かさの限界を規定した場合の方が,変動だけを規定した場合よりも,むしろ多くなる。なぜなら,
前者の場合,どのように幾つかの変動が互いにかかわりあっているのか,かつ,その不確かさが基準条件
によってどの程度変化するのかを表現しなければならないからである。
不確かさの限界を規定してから,限界条件(3.3.15及び3.3.16参照)並びに保管及び輸送条件(3.3.17
3.3.19参照)も規定しなければならない。
可能な更なるステップとしては,例えば,分解能又は過渡動作における応答特性といった,校正曲線図
から推論できない(かつ,この規格で言及していない。)性能特性の仕様化である。

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C 1005 : 2006 (IEC 60359 : 2001)
参考文献
a) EC刊行物
IEC 60051 (all parts) irect acting indicating analogue electrical measuring instruments and their accessories
参考 JIS C 1102-1-9(直動式指示電気計器)は,IEC 60051-1-9と一致している。
IEC 60068 (all parts) nvironmental testing
参考 JIS C 60068(環境試験方法−電気・電子−)シリーズのほとんどはIEC 60068シリーズと一致
しているが,すべてではない。
IEC 60529: 1989 Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)
参考 JIS C 0920(電気機械器具の防水試験及び固形物の侵入に対する保護等級)の附属書は,IEC
60529: 1989と一致している。
IEC 60654 (all parts) ndustrial-process measurement and control equipment−Operating conditions
IEC 60721-3-0: 1984 Classification of environmental conditions. Part 3: Classification of groups of
environmental parameters and their severities−Introduction
参考 JIS C 0112(環境条件の分類 環境パラメータとその厳しさのグループ別分類 通則)は,IEC
60721-3-0: 1984と一致している。
IEC 60851-5 Winding wires−Test methods−Part 5: Electrical properties
b) その他の刊行物
CIPM Recommendation INC-1 (1980)
CIPM Recommendation 1 (CI-1981)
CIPM Recommendation 1 (CI-1986)
ISO/IEC INT-VOC-MET: 1993 International Vocabulary of Basic and General Terms in Metrology (VIM)
UNI 4546: 1984 Misure e misurazioni. Termini e definizioni fondamentali−Norma italiana
CDU 681.2: 001.4,1984 (Measures and measurements−Fundamental terms and definitions. Italian standard)

JIS C 1005:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60359:2001(IDT)

JIS C 1005:2006の国際規格 ICS 分類一覧