JIS C 2110-2:2016 固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第2部:直流電圧印加による試験

JIS C 2110-2:2016 規格概要

この規格 C2110-2は、固体電気絶縁材料の直流電圧印加による絶縁破壊の強さの試験方法について規定。JIS C 2110-1の交流電圧印加に関する規定に追加が必要な事項を規定。

JISC2110-2 規格全文情報

規格番号
JIS C2110-2 
規格名称
固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第2部 : 直流電圧印加による試験
規格名称英語訳
Solid electrical insulating materials -- Test methods for electric strength -- Part 2:Tests using direct voltage
制定年月日
2010年1月20日
最新改正日
2016年10月20日
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対応国際規格

ISO

IEC 60243-2:2013(IDT)
国際規格分類

ICS

17.220.99, 29.035.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
プラスチック I(試験) 2021, プラスチック II(材料) 2021
改訂:履歴
2010-01-20 制定日, 2014-10-20 確認日, 2016-10-20 改正
ページ
JIS C 2110-2:2016 PDF [6]
                                                                C 2110-2 : 2016 (IEC 60243-2 : 2013)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 一般的事項・・・・[1]
  •  5 電極及び試験片・・・・[2]
  •  6 試験前の状態調節・・・・[2]
  •  7 周囲媒質・・・・[2]
  •  8 電気機器類・・・・[2]
  •  8.1 電源・・・・[2]
  •  8.2 電圧の測定・・・・[3]
  •  9 試験手順・・・・[3]
  •  10 昇圧方式・・・・[3]
  •  11 絶縁破壊の判定基準・・・・[3]
  •  12 試験回数・・・・[3]
  •  13 試験報告・・・・[3]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS C 2110-2 pdf 1] ―――――

C 2110-2 : 2016 (IEC 60243-2 : 2013)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電気
学会(IEEJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正す
べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS C 2110-2:2010は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 2110の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 2110-1 第1部 : 商用周波数交流電圧印加による試験
JIS C 2110-2 第2部 : 直流電圧印加による試験
JIS C 2110-3 第3部 : インパルス電圧印加による試験

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS C 2110-2 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 2110-2 : 2016
(IEC 60243-2 : 2013)

固体電気絶縁材料−絶縁破壊の強さの試験方法−第2部 : 直流電圧印加による試験

Solid electrical insulating materials-Test methods for electric strength- Part 2: Tests using direct voltage

序文

  この規格は,2013年に第3版として発行されたIEC 60243-2を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。

1 適用範囲

  この規格は,固体電気絶縁材料の直流電圧印加による絶縁破壊の強さの試験方法について規定する。こ
の規格は,JIS C 2110-1の交流電圧印加に関する規定に追加が必要な事項を規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60243-2:2013,Electric strength of insulating materials−Test methods−Part 2: Additional
requirements for tests using direct voltage(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 2110-1 固体電気絶縁材料−絶縁破壊の強さの試験方法−第1部 : 商用周波数交流電圧印加によ
る試験
注記 対応国際規格 : IEC 60243-1:2013,Electric strength of insulating materials−Test methods−Part 1:
Tests at power frequencies(IDT)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 2110-1による。

4 一般的事項

  直流電圧試験の場合は,JIS C 2110-1の箇条4(一般的事項)によるほか,次の事項を考慮する。
− 不均質な試験片に交流電圧を印加する場合,試験片内部の電圧分布は,インピーダンス(ほとんど静
電容量成分)によって決まる。直流電圧を昇圧する過程では,電圧分布はほとんど静電容量成分によ
って決まるが,一部は電圧上昇速度にも依存する。一定電圧印加後の直流抵抗成分だけによって決ま

――――― [JIS C 2110-2 pdf 3] ―――――

2
C 2110-2 : 2016 (IEC 60243-2 : 2013)
る電圧分布は定常状態において表れる。測定に直流電圧印加と交流電圧印加とのいずれを選ぶかは,
絶縁破壊試験を行う目的及びある程度はその材料の用途によって決める。
− 直流電圧を印加することによって,静電容量による電流,吸収電流及び漏れ電流が生じる。また,場
合によっては,部分放電電流が生じる。
− 不均質な媒質の層又は不連続界面をもつ材料の場合は,このような領域に界面分極が生じるために,
試験片の電圧分布が変化する。界面分極は,不均質界面の両側に蓄積する逆極性の電荷によって生成
し,非常に強い局所電界が生じて,試験片内部に部分放電を形成する。また,場合によっては試験片
の絶縁破壊を引き起こすこともある。
− ほとんどの材料において,直流による絶縁破壊電圧は,商用周波数の交流による絶縁破壊電圧のピー
ク値よりも高い値を示す。また,特に不均質な多くの材料の場合,直流による絶縁破壊電圧は,交流
による絶縁破壊電圧の3倍以上高い値を示す。

5 電極及び試験片

  電極及び試験片は,JIS C 2110-1の箇条5(電極及び試験片)による。

6 試験前の状態調節

  試験前の状態調節は,JIS C 2110-1の箇条6(試験前の状態調節)による。

7 周囲媒質

  周囲媒質は,JIS C 2110-1の箇条7(周囲媒質)による。

8 電気機器類

8.1 電源

  電極に印加する試験電圧は,次のような特性及び構成要素をもつ電源によって供給する。
− 正,負いずれの極性の電圧も選択できるものとし,電極の片側に接続する配線は接地する。
− 試験電圧に重畳する交流リプル成分は,絶縁破壊電圧の50 %よりも高い全ての試験電圧において,そ
の電圧の2 %以下とする。また,試験電圧は,過渡応答電圧及びその他の電圧が印加電圧の1 %を超
えてはならない。
− 静電容量の小さな試験片を試験するときは,電極と並列に適切な値のコンデンサ(例えば,1 000 pF)
を接続して,過渡現象の影響による早期の絶縁破壊の発生を防ぐことが必要である。
− 電圧調整器は,試験電圧を0から最大値まで円滑で,かつ,一様に,規定の昇圧速度で変えることが
できるものとする。昇圧速度の規定された速度とのずれは±20 %以下とする。段階昇圧試験の場合,
昇圧ステップの値は,予測される絶縁破壊電圧の値の2 %以下とする。昇圧速度は選択が可能で,自
動制御であることが望ましい。
− 直流電源を遮断するための電流遮断器を使用する。
− 多くの材料において,直流試験電圧を遮断した後も,かなりの長時間にわたって試験片の電極間には
試験者にとって危険な電圧が残留することがある。直流電源を切り離しても,出力電圧又は電極間の
電圧が0になるとは限らない。したがって,電圧印加時間の2倍以上電極間を短絡及び接地して電荷
を確実に消滅させることが必要である。ある種の大形の試験片の場合,短絡状態を1時間以上続ける
ことが必要な場合もある。

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C 2110-2 : 2016 (IEC 60243-2 : 2013)
− 絶縁破壊が発生したときに高圧電源が損傷しないように,また,試験片上の電極がなるべく損傷しな
いように,試験片に直列に電流制限抵抗を接続することが望ましい。許容される電流の最大値は試験
する材料及び許容される電極の損傷の程度によって決まる。
注記 非常に抵抗値の高い電流制限抵抗を用いた場合,低い抵抗値の場合よりも絶縁破壊電圧が高
くなることがある。
− 絶縁破壊の判定基準として,電流の急増を用いる場合は,試験片を流れる電流を測定する手段を用意
する。

8.2 電圧の測定

  電極間に印加する電圧を測定する。そのほかは,JIS C 2110-1の8.2(電圧の測定)による。

9 試験手順

  試験手順は,JIS C 2110-1の箇条9(試験手順)による。

10 昇圧方式

  特に規定がない限り,昇圧方式は,JIS C 2110-1の10.1[短時間(急速昇圧)試験],10.3[低速昇圧試
験(120秒240秒)],10.5[超低速昇圧試験(300秒600秒)]又は10.6(保証試験)のいずれかを適用
する。

11 絶縁破壊の判定基準

  絶縁破壊の判定基準は,JIS C 2110-1の箇条11(絶縁破壊の判定基準)を適用する。絶縁破壊の生成は,
電流の急増又は規定値を超える電流が流れたことによって判定してもよい。

12 試験回数

  試験回数は,JIS C 2110-1の箇条12(試験回数)による。

13 試験報告

  試験報告書には,特に規定がない限り,次の事項を記載する。
a) 供試材料の詳細な仕様(供試材料の製造元,材料の化学構造,組織,その他詳細な情報),並びに試験
片及びその調製方法の説明
b) 試験電圧の極性
c) 絶縁破壊の強さ(kV/mm)及び/又は絶縁破壊電圧(kV)の中央値(保証試験には適用しない。)
d) 各試験片の厚さ[JIS C 2110-1の5.5(電極間距離)参照]
e) 試験中の周囲媒質及びその特性
f) 試験用電極
g) 電圧印加方式
h) 各試験片の絶縁破壊の強さ(kV/mm)及び/又は絶縁破壊電圧(kV)の値(保証試験には適用しない。)
i) 空気中又はそのほかの気体中で試験した場合は,試験中の温度,気圧及び湿度。液体中で試験した場
合は,周囲媒質の温度
j) 試験前の状態調節の方法及び条件
k) 絶縁破壊の形態及び位置

――――― [JIS C 2110-2 pdf 5] ―――――

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  • IEC 60243-2:2013(IDT)

JIS C 2110-2:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 2110-2:2016の関連規格と引用規格一覧