JIS C 2143-3:2013 電気絶縁材料―熱的耐久性―第3部:熱的耐久性の計算の手引き | ページ 2

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C 2143-3 : 2013 (IEC 60216-3 : 2006)
HICg TIgに対応する半減温度幅 7.3
i 暴露温度の順位数 4.1,6.2
j 終点到達時間の順位数 4.1,6.2
k 劣化処理温度の数 4.1,6.2
M 不完全データでの試験片の全数 6.2.2
i 化処理した試験片の数
mi 温度 4.1,6.1
N 終点到達時間の全数 6.2
ng 時間τgで劣化処理したグループでの特性値の数 6.1
i 謀祐
ni 温度 4.1,6.1
p 該当するグループの特性の平均値 6.1
p 特性値 6.1
P 2
布の有意水準 4.4,6.3.1
pe 破壊試験での終点の値 6.1
pg 時間τgでの劣化処理グループの特性の平均値 6.1
pgh 個々の特性値 6.1
q 対数の底 6.3
r 計算に含まれる設定した劣化処理時間の数(破壊試験) 6.1
r2 相関係数の二乗 6.2.3
2
1sと 2
2sとの重み付き平均
s2 6.3
2
1s 2
1isの重み付けをした平均で,対象グループ中のプールした分散
4.3,6.16.3
2
s21 1sの調整値
4.4,6.3
2
s1g 時間τgを劣化処理したグループの特性値の分散 6.1
2
1is i 椀 散
温度 4.3,6.2
2
2s
回帰直線についての分散 6.16.3
2
as
s2を調整した値 6.3
2
rs
中間定数 6.3
2
Ys
Yの分散 6.3
t スチューデント分布する確率論的変数 6.3
tc tを修正した値(不完全データ) 6.3
TC TIの下側95 %信頼限界 4.4,箇条7
TCa TCの調整値 7.1
TI 温度指数 4.3,箇条7
TI10 10 000時間(10 kh)での温度指数 7.1
TIa TIの調整値 7.3
TIg グラフ的手段又は明確な信頼限界なしに求めた温度指数 7.3
x 独立変数 : 熱力学的温度の逆数 4.1
x xの重み付き平均値 6.2
X yの推定に関するxの特定の値 6.3
X yの特定の値におけるxの推定値 6.3
Xc Xの上側95 %信頼限界 6.3

――――― [JIS C 2143-3 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
C 2143-3 : 2013 (IEC 60216-3 : 2006)
i 歛 する熱力学的温度の逆数
xi 4.1,6.1
y yの重み付き平均値 6.2
y 従属変数 : 終点到達時間の対数 4.1
Y 特定のxの値におけるyの推定値 6.3
Y xの推定に関するyの特定の値 6.3
Yc Yの下側95 %信頼限界 6.3
iy i 謀椀獗
温度 4.3,6.2
yij τijに対応するyの値 4.1,6.1
z zgの平均値 6.1
zg 破壊試験での劣化処理時間の対数−グループg 6.1
α 分散についての打切りデータ係数 4.3,6.2
β 分散についての打切りデータ係数 4.3,6.2
ε 打切りデータの平均分散の係数 4.3,6.2
Θ0 熱力学的目盛上の0 ℃に対応する温度(273.15 K) 4.1,6.1
温度指数に関する推定温度 6.3.3
c
の信頼限界 6.3.3
i
グループiの劣化処理温度(℃) 4.1,6.1
μ 平均値についての打切りデータ係数 4.3,6.2
μ2(x) x値の中央2次モーメント 6.2,6.3
ν 一つの劣化処理温度で取り出された特性値の全数 6.1
τf 温度推定のための選定時間 6.3
τg グループgの劣化処理時間 6.1.4
τij 終点到達時間 6.4
χ2 χ2分布した確率論的変数 6.3

4 計算の原理

4.1 一般原理

  一般的な計算手順及び箇条6の指示は,IEC 60493-1に規定する原理に基づいている。その原理の概略
を次に示す(IEC 60493-1の3.7.1参照)。
a) 規定の終点に到達するまでの時間(終点到達時間)の対数の平均と熱力学的(絶対)温度の逆数との
間の関係は,直線的である。
b) 直線関係からの終点到達時間の対数の偏差の値は,劣化処理温度に関係なく一定の分散で正規分布す
る。
一般の計算手順で用いるデータは,予備的な計算によって試験データから導く。この計算の詳細は,判
定試験の種類すなわち非破壊試験,保証試験又は破壊試験による(4.2参照)。全ての場合において,デー
タはx,y,m,n及びkからなる。
i i
Θ0) : 劣化処理温度 ℃)の熱力学的数値の逆数
ここに, xi=1/(
i 謀 の終点到達時間τijの対数
yij=log τij : 温度
i 化処理したグループ番号i中のy値の数
ni : 温度
i 化処理したグループ番号i中の試験片の
mi : 温度

――――― [JIS C 2143-3 pdf 7] ―――――

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C 2143-3 : 2013 (IEC 60216-3 : 2006)
数(打切りデータではniと異なる。)
k : 劣化処理温度又はy値のグループの数
注記 計算を通して一貫していれば,対数の底には,いかなる数値を用いてもよい。ほとんどのコン
ピュータ言語及び計算機では,自然対数(底がe)を使用しているので,自然対数を用いるこ
とが望ましい。

4.2 予備的な計算

4.2.0A 一般
全ての場合に,劣化処理温度の熱力学的数値の逆数をxiの値として計算する。
4.2.14.2.3によって求めた各終点到達時間τijの対数をyijの値として計算する。
多くの非破壊試験及び保証試験の場合,経済的な理由によって(例えば,データのばらつきが大きい場
合),全ての試験片が終点に到達する前に,少なくとも幾つかの温度グループでの劣化処理を中止するのが
よい。このような場合,得られたx及びyのデータを基に打切りデータの計算を行う(6.2.1.2参照)。
完全データ及び不完全データが混在するグループ,又はそれぞれの劣化処理温度ごとに異なる時点で打
ち切った打切りデータのグループは,いずれも6.2.1.2の計算に用いてもよい。
4.2.1 非破壊試験
非破壊試験(例えば,劣化処理中の質量減少)では,各試験片の判定特性の値は,劣化処理周期ごとに,
直接得られる。したがって,終点到達時間τijは,直接的に又は連続した測定値の間の直線的な内挿によっ
て得られる。
4.2.2 保証試験
保証試験では,個々の試験片の終点到達時間τijは,終点に到達した劣化処理周期とその直前の周期との
中間点として求める[JIS C 2143-1の6.3.2(保証試験)参照]。
4.2.3 破壊試験
破壊試験では,特性値を得るときに試験片が破壊されるため,各試験片の終点到達時間は直接測定でき
ない。
終点到達時間を推定するため,終点近傍に次の仮定を置く。
a) 特性の平均値と劣化処理時間の対数との関係は,おおよそ直線的である。
b) この直線関係からの各特性値の偏差の値は,劣化処理時間に関係なく一定の分散で正規分布している。
c) 個々の試験片に関して,特性の曲線と時間の対数との関係は,a) の関係で示す線に平行な直線である。
これらの仮定を適用するために,それぞれの劣化処理時間で求めたデータについて劣化曲線を描く。曲
線は,その劣化処理時間の対数に対して各試験片グループの特性値の平均をプロットして得られる。
グループ平均の一つ以上が終点レベルを超えるまで,各温度の劣化処理を続けるのがよい。この曲線の
おおよその直線になる範囲の終点ラインの近傍に直線を引く(図D.2参照)。
選択範囲の直線性からの偏差が許容できるかどうかを決定するため,統計検定(F検定)を行う(6.1.4.4
参照)。許容できる場合,同じグラフの上に,各試験片の特性値をプロットする。個々の試験片のプロット
した点を通り,劣化直線に平行な直線を引く。その試験片についての終点到達時間の対数yijの推定値は,
終点ラインと直線との交点に対応する時間の対数の値となる(図D.2参照)。
グループ平均の一つ以上が終点レベルを超えない場合でも,幾つかの制限付きで,平均値から求めた直
線部分を終点レベルまで外挿をしてもよい(6.1.4.4参照)。
上記の操作は,6.1.4に規定する計算の中で数値的に実行できる。

――――― [JIS C 2143-3 pdf 8] ―――――

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C 2143-3 : 2013 (IEC 60216-3 : 2006)

4.3 分散の計算

  分散は,4.2.0Aで得たx及びyを用い,次によって計算する。
2
yijの値のそれぞれのグループについて,平均 iy及び分散 1isを計算し,21isにグループサイズに従った重み
2
付けをしてプールした分散 1sを求める。
不完全データについては,Sawが導き(参考文献[1]参照),それを基に発展させた6.2.1.2に規定する
計算式を用いる。必要な係数(平均に関するμ,分散に関するα及びβ並びにグループの分散からの平均
の分散を求めるためのε)は,表C.1に記載してある。多数のグループに関して,グループサイズに応じ
て重み付けし,分散をプールする。εのグループ値の平均値は,重み付けなしでプールした分散を乗じて
求める。
注記 ここでは,グループサイズによる重み付けは,Sawによる最初の提案に同じく,εの定義の中
に暗に含まれている。このことは,幾つかの式の表現をより簡単にしている。
係数a及びb(xとyとの間の最適直線の係数)は,平均値 iy及びxiの値から単回帰分析によって計算
する。
温度指数TI及び半減温度幅HICの値は,回帰係数から計算する。回帰直線からの偏差の分散は,回帰
係数及びグループ平均から計算する。

4.4 統計検定

  統計検定は,次による。
a) 終点到達時間を推定する計算の前に,破壊試験データの直線性に関するフィッシャー検定(F検定)
を行う(4.2.3参照)。
b) の値のグループ中の分散が著しく異なるかどうかを確認するため,分散の同等性の検定(バートレ
ットのχ2検定)を行う。
c) 回帰直線からの偏差の,グループ内のプールした分散に対する比が,基準値F0より大きいかどうかを
確認するためのF検定を行う。すなわち,試験データにアレニウス則を適用することの妥当性を検定
する。
ばらつきが非常に小さいデータの場合,実際にはほとんど意味のない非直線性が統計的に有意として検
出されることがある。
このようにF検定を満足しない場合であっても,結果が得られるように次のような手順を含む。
2
1) 検定がちょうど受入可能な結果を与えるように,グループ中のプールした分散 1sの値に係数
F/F0を乗じ増やす(6.3.2参照)。
2) この調整した値
s21を用いて,結果の下側信頼限界TCaを計算する。
3) 下側信頼区間(TI−TCa)が受入可能とみなせる場合は,非直線性は実用上重要でないと判断する
(6.3.2参照)。
2 2
4) データのばらつきの成分 1s及び 2sから,回帰方程式を用いておおよその信頼区間を計算する。
温度指数TI,その下側信頼限界TC及び半減温度幅HICを計算し(7.1参照),次の式(1)の条件が成り立
つ場合,結果は受入可能とする。
TI−TC≦0.6 HIC (1)
下側信頼区間(TI−TC)が僅かに限界0.6 HICを超えている場合でも,温度指数TIの値に(TC+0.6 HIC)
を代入してF≦F0が成り立っている場合は,結果は有効とする。

4.5 結果

  上記のように,統計検定に規定する結果からの多少のずれを許容し,温度指数TI,その半減温度幅HIC

――――― [JIS C 2143-3 pdf 9] ―――――

8
C 2143-3 : 2013 (IEC 60216-3 : 2006)
及びその下側95 %信頼限界TCは回帰方程式から計算する。
温度指数及び半減温度幅の報告の形式は,統計検定の結果によって決まる(7.2及び7.3参照)。
ただ一つの数値的な結果であるTI(HIC)だけでは試験データの定性的な全体像を表せない場合,及び
データの評価が熱的耐久グラフ(6.4参照)以外では完全にできない場合は,報告の重要な要素として熱的
耐久グラフの添付が必要である。

5 有効な計算を行うための要求事項及び推奨事項

5.1 試験データに関する要求事項

  この規格の計算手順に従う試験データは,JIS C 2143-1の箇条5(試験手順の詳細)の要求事項に適合し
なければならない。
5.1.1 非破壊試験
この試験におけるほとんどの特性については,グループの試験片の数は5個が適切である。ただし,デ
ータのばらつき(信頼区間,6.3.3参照)が大き過ぎる場合は,試験片の数を増やすことによって,より満
足できる結果が得られる。このことは,全ての試験片が終点に到達する前に劣化処理を終える必要がある
場合に,特に当てはまる。
5.1.2 保証試験
いずれのグループでも,最初の劣化処理周期に2個以上の試験片が終点に到達してはならない。また,
二つ以上のグループがこのような試験片を含んでいる場合は,実験の手順を注意深く調査し(6.1.3参照),
試験報告書にそのことを記載することが望ましい。
それぞれのグループの試験片の数は5個以上とし,現実的に取扱いが可能な最大の個数は31個までとす
る(表C.1)。ほとんどの目的のための適切な試験片の数は21個である。
5.1.3 破壊試験
それぞれの試験温度について,一つ以上のグループの特性平均値が終点レベルより上になり,かつ,一
つ以上のグループの特性平均値が終点レベルより下になるまで劣化処理を続けることが望ましい。場合に
よっては,特別な条件の下に,終点レベルを超えて特性の平均値を僅かに外挿して求めてもよい(6.1.4.4
参照)。ただし,このような取扱いは,一つの温度グループ以外に適用してはならない。

5.2 計算の精度

  多くの計算の段階が,数値自体に比べて一般にその値は小さいとはいえ,数値の差の合計又はこれらの
差の平方和を含んでいる。このような状況から,計算結果に有効数字3桁の精度を求めるためには,6桁
以上の有効数字の内部精度で計算を行う必要がある。計算において同じことの繰返しが単調に続くことを
考慮して,コンピュータの利用が望ましい。この場合は,内部精度10桁以上の有効数字による計算が容易
に行える。

6 計算手順

6.1 予備的な計算

6.1.1  温度及びx値
全ての種類の試験で,それぞれの劣化処理温度は,熱力学的温度(K)で表し,その逆数をxiとして,
次の式(2)によって計算する。
1
xi (2)
i Θ0

――――― [JIS C 2143-3 pdf 10] ―――――

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