JIS C 2143-3:2013 電気絶縁材料―熱的耐久性―第3部:熱的耐久性の計算の手引き | ページ 4

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C 2143-3 : 2013 (IEC 60216-3 : 2006)
6.3.3 X及びYの推定値の信頼限界
信頼水準0.95で自由度N−2におけるスチューデントのt表(表C.4参照)にある値t0.95, N−2を求める。
データの不完全な量に応じて,修正したtの値tcを,次の式(43)によって計算する。
1
N
1
1 NM
tc (43)
t.095,N
2 5.4
8
a) の推定値 与えられたXに対応するYの推定値Y及びその下側95 %信頼限界cYを,次の式(44)及び
式(45)によって計算する。
Yc Y tcsY , Ya bx (44)
2
s2 X x
sY2 1 (45)
N 2 x
熱的耐久グラフの信頼限界曲線(6.4参照)は,対象とする範囲にわたり,幾つかの(X,Y)の組
についてYcを計算し,グラフにプロットした点(X,Yc)を通る曲線を描くことによって得られる。
2
F>F0の場合は,式(42)によってs2の値を asで置き換えなければならない。
b) の推定値 終点到達時間τfに対応するXの推定値X及びその上側95 %信頼限界を,次の式(46)式
(49)によって計算する。
c Y y tcsr
X x (46)
br br
ここに,Y logf
Y a
X (47)
b
2 2
tcs
br b (48)
Nb 2 x
2
2 s2 br X x
s
r (49)
N b 2 x
温度の推定値 及びその下側95 %信頼限界 を,対応するXの推定値X及びその上側信頼限界
Xc
c
から次の式(50)によって計算する。
1 1
X Θ0 , c Θ0 (50)
Xc

6.4 熱的耐久グラフ

  回帰直線が確定したときには,熱的耐久グラフ,すなわち縦軸にy(log τ),横軸にx[ 1 Θ0]をと
ったグラフにその直線を引く。通常,xは右から左に増すようにプロットし,劣化処理温度(℃)の値を
この軸上に記す[図D.1のa)及びb)参照]。この目的のために市販のグラフ用紙を用いてもよい。
この計算をコンピュータで行う場合は,プログラムによって適切な不等間隔目盛上にグラフをプロット
することができる。
yij=log τijの個々の値及び6.2.1で求めた平均値 iyをグラフ上の対応するxiに対してプロットする。
xiは,次の式(51)による。

――――― [JIS C 2143-3 pdf 16] ―――――

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C 2143-3 : 2013 (IEC 60216-3 : 2006)
1
xi (51)
i Θ0
熱的耐久グラフは,下側95 %信頼限界曲線を描くことよって完成する(6.3.3参照)。

7 計算及び結果に対する要求事項

7.1 熱的耐久性の計算

  回帰直線の式(52)(係数a及びbは,6.2.3に従って計算する。)を用い,終点到達時間20 000時間(20 kh)
に対応する温度(℃)を計算する。
y=a+bx (52)
この温度の数値が,温度指数TIである。
同じ方法で,終点到達時間10 000時間(10 kh)に対応する温度の数値TI10を計算する。半減温度幅HIC
は,次の式(53)となる。
HIC=TI10−TI (53)
2
6.3.3 b) の方法で,y=log 20 000におけるTIの下側95 %信頼限界TC,又は調整した値 asを用いた場合
はTCaを計算する。
その結果から(TI−TC)/HIC又は(TI−TCa)/HICを求める。
また,熱的耐久グラフにプロットする(6.4参照)。

7.2 統計検定の取りまとめ及び報告

  統計検定の判定表を附属書Bに示す。表B.1において,見出欄の“検定又は処理”の条件に合致しない
場合は,表の右端の欄に示すように処理する。条件に合致する場合は,次の段階に示すように処理する。
同様な手順を,熱的耐久性計算の判定フローチャートに示す(附属書A参照)。

7.3 結果の報告

7.3.1  (TI−TC)/HIC≦0.6の場合は,試験結果はJIS C 2143-1の6.8(試験報告書)に従って,次の形式(54)
で報告する。
TI(HIC): xxx(xx.x) (54)
7.3.2 0.6<(TI−TC)/HIC≦1.6で,同時にF≦F0(6.3.2参照)の場合は,HICとともに,次の式(55)で求
めたTIaの値を,形式(54)で報告する。
TIa=TC+0.6 HIC (55)
7.3.3 その他の全ての場合は,結果を次のように報告する。
TIg=···, HICg=··· (56)

8 試験報告

  試験報告には,次の事項を含める。
a) 試験片の寸法及び状態調節を含む試験した材料の説明
b) 調べた特性,選定した終点,及び必要な場合は特性の初期値
c) 特性の測定に用いた試験方法(例えば,参照した規格など)
d) 試験手順に関連する情報(例えば,劣化処理雰囲気など)
e) 個々の劣化処理温度及び対応する次のデータ
1) 非破壊試験では,個々の終点到達時間
2) 保証試験では,劣化処理周期の数,経過時間及びその周期の間に終点に到達した試験片の数

――――― [JIS C 2143-3 pdf 17] ―――――

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C 2143-3 : 2013 (IEC 60216-3 : 2006)
3) 破壊試験では,劣化処理時間及び個々の特性値並びに劣化処理時間での特性変化のグラフ
f) 熱的耐久グラフ
g) 7.3で規定した書式に従った温度指数及び半減温度幅
h) 6.3.1で要求があった場合は,χ2及びPの値
i) 保証試験では,5.1.2に従った最初の劣化処理周期に終点に到達した試験片数

――――― [JIS C 2143-3 pdf 18] ―――――

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C 2143-3 : 2013 (IEC 60216-3 : 2006)
附属書A
(規定)
熱的耐久性計算の判定フローチャート
選定した劣化処理温度
での試験片グループ いいえ
P(χ2, k−1)≧0.05 χ2及びPの報告
?
終点到達平均時間の計算
TIの計算 はい
s12の調整
いいえ
F≦F0 2 a 2F の計算
s1 s1
いいえ ? F0
最長推定平均時間
≧5 000 h
はい
?
はい s2の計算 s2の計算
(s12とs22とのプール) [(s12) aとs22とのプール]
いいえ 外挿 TI,TC,HICの計算 TI,TC,HICの計算
≦25 k
?
いいえ いいえ
はい TI−TC≦0.6 HIC TI−TCa≦0.6 HIC
? ?
推定値の計算 :
分散 : s1i2
はい いいえ はい
χ2 の計算 TI−TC≦1.6 HIC
s12 の計算 ?
s22 の計算
はい
2
s2 の計算 いいえ
F 2
s1 破壊試験
?
はい
新たなグループでの いいえ
より低温での試験 外挿なし
?
はい
いいえ
全てF≦F1
?
はい
TI の調整

TIa=TC+0.6 HIC
TIg=xxx TIを除く
報告 HICg=xx.x 又は 試験デー
TI(HIC) xx(xx.x) の報告 タの報告

――――― [JIS C 2143-3 pdf 19] ―――――

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C 2143-3 : 2013 (IEC 60216-3 : 2006)
附属書B
(規定)
判定表
表B.1−検定に伴う判定及び処理
段階 検定又は処理a) 参照 検定不合格時の処理
1 最長終点到達平均時間≧5 000 h JIS C 2143-1の5.5 段階15へ
2 外挿≦25 K JIS C 2143-1の5.5 段階15へ
3 P( χ2, f )≧0.05 6.3.1 χ2及びPを報告
− 段階4へ
4 F≦F0 6.3.2 段階12へ
5 TI−TC≦0.6 HIC 7.3 段階7へ
6 TI (HIC): xxx (xx.x)を報告 7.3 −
7 TI−TC≦1.6 HIC 7.3 段階14へ
8 破壊試験の判定 6.1.4.4 段階11へ
9 外挿なしのデータ処理 6.1.4.4 段階14へ
10 F≦F1 6.1.4.4 段階14へ
11 7.3
TIa=TC+0.6 HICをTI (HIC): ··· (..)として報告 −
12 TI−TCa≦0.6 HIC 6.3.2 段階14へ
13 TI (HIC): xxx (xx.x)を報告 7.3 −
14 TIg=xxx,HICg=xx.xを報告 7.3 −
15 新たなグループでのより低温における試験 − −
注a) 太字は,処理を表す。

――――― [JIS C 2143-3 pdf 20] ―――――

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  • IEC 60216-3:2006(IDT)

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