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C 2143-5 : 2013 (IEC 60216-5 : 2008)
X L(B) θBの下側信頼限界に対応するx値 5.3.3
AX
θAに対応するx値
BX
θBに対応するx値 5.3.3
Ax
参照電気絶縁材料のデータに関するx値の平均 5.1
Bx
評価対象電気絶縁材料のデータに関するx値の平均 5.1,5.3.3
Y ln τに等しい統計検定の変数 5.3.3
Ay
参照電気絶縁材料のデータに関するy値の平均 5.1
By
評価対象電気絶縁材料のデータに関するy値の平均 5.1,5.3.3
ΔA θAの下側信頼区間 5.3.3
ΔB θBの下側信頼区間 5.3.3
Θ0 熱力学的目盛上の0 ℃に対応する温度(273.15 K) 5.2
θA 実績熱的耐久性指数に等しい温度(℃) 5.2,5.3.3
θB 相対熱的耐久性指数に等しい温度(℃) 5.2,5.3.3
θc(A) θAの下側信頼限界 5.1,5.3.3
θc(B) θBの下側信頼限界 5.1,5.3.3
相対熱的耐久性指数の決定のための劣化処理温度 3.2
μ2(A) 参照電気絶縁材料についてのx値の中央2次モーメント 5.1
μ2(B) 評価対象電気絶縁材料についてのx値の中央2次モーメント 5.1,5.3.3
νA,νB 材料A及び材料Bについての最長平均終点到達時間の対数 5.1,5.3.4
τ 終点到達時間 3.2
τc 実績熱的耐久性指数に等しい温度での参照電気絶縁材料の推定終点 5.2,5.3.3,箇条6
到達時間(対比時間)
3A 相対熱的耐久性指数を求める目的
相対熱的耐久性指数を求める目的を,次に示す。
a) 劣化に関する適切な基準によって求めた熱的耐久性と実用性能との間にあると推定される関係を導
く。また,これを用いて比較的使用経験に乏しい電気絶縁材料の使用温度を予備的な評価のための予
測値として使用する(既知の参照電気絶縁材料との対比による。箇条4及び箇条5参照)。
注記 ほとんどの場合,予測値は試験データよりも長時間及び/又は低温度への外挿によって求め
る。外挿の範囲が増すほど,結果の不確実性が急速に増すことから,劣化処理温度及び劣化
処理時間を適切に選び,外挿を最小にとどめることが望ましい。ただし,外挿がない場合で
も,試験データのばらつき及び試験誤差に伴って,限定的ではあるが不確かさはある。
b) 劣化処理過程での系統的誤差の低減によって,熱的耐久性を求める精度を改善する。劣化処理の後で,
参照電気絶縁材料の結果が以前の経験から著しく異なる場合,それは材料の変化又は装置の変化を意
味している。これらは調査して,できる限り是正するのがよい。いかなる場合でも,参照電気絶縁材
料と評価対象電気絶縁材料とを同時に劣化処理することによって,少なくとも系統的な変化を部分的
に補正できる。変化の信頼性評価に用いる統計的手順は,附属書Aに記載がある。
c) 電気絶縁材料に対して耐熱クラスを指定する指針を提供する。
――――― [JIS C 2143-5 pdf 6] ―――――
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C 2143-5 : 2013 (IEC 60216-5 : 2008)
4 試験手順
4.1 参照電気絶縁材料の選択
参照電気絶縁材料に最も重要な必要条件は,対象とする用途について熱的耐久性指数(実績熱的耐久性
指数)が確定していることである。熱的耐久性指数を,相対熱的耐久性指数を求める手順によって決定し
た場合は,実際の使用経験によって裏付けられていることになる(附属書D参照)。
参照電気絶縁材料及び評価対象電気絶縁材料に予想される劣化の機構及び速度は,類似しており,かつ,
用途に関連していなくてはならない。
4.2 劣化程度を判定するための特性試験の選択
特性試験は,相対熱的耐久性指数を必要とする用途に関連していなければならない。参照電気絶縁材料
及び評価対象電気絶縁材料のいずれにも,同じ試験を適用する。
4.3 劣化処理手順
各材料の試験片の数及び種類,並びに劣化処理の温度及び時間は,JIS C 2143-1の規定[5.3.2(試験片
の数),5.4(初期特性値の決定)及び5.5(暴露温度及び暴露時間)の最初の段落]による。劣化処理は,
両材料を同時に同じオーブンで行う。各劣化処理温度では,一つのオーブンに入れる試験片の数は,両材
料の試験片の適切な数とする。試験片はオーブン中に均一に配置し,両材料の試験片に適用する劣化処理
条件の間に系統的な誤差がないようにする。計算に含める3点以上の温度で,両材料の試験片を同時に劣
化処理することが重要である。
注記 JIS C 2143-1の5.5には,“温度指数の決定には,終点到達時間の対数と熱力学的温度の逆数と
の間に直線関係を立証できる範囲で3点以上,望ましくは4点以上の温度で試験片を暴露する。”
と規定している。したがって,図1(JIS C 2143-1の3.1.3及び3.1.4参照)に示すデータは解析
に用いることができるが,図2のようなデータは解析に使用できない。すなわち,図1では,
参照電気絶縁材料(A)及び評価対象電気絶縁材料(B)について,それぞれ4点の同一劣化処
理温度でデータが得られている。一方,図2では,それぞれ参照電気絶縁材料(A)の最も低
い劣化処理温度(直線Aの左端)及び評価対象電気絶縁材料(B)の最も高い劣化処理温度(直
線Bの右端)に対応するデータが得られていない。図2のようなデータは,それぞれ4点の温
度で試験を行ったにもかかわらず,最も低い劣化処理温度において評価対象電気絶縁材料(B)
の試験片グループが終点に到達せず,また最も高い劣化処理温度において参照電気絶縁材料
(A)の試験片グループが終点に到達していない場合に対応する。このような結果は,高温側
で試験片が規定した時間より早く終点に到達した場合,及び低温側で終点到達時間が予想より
遅れて,終点到達前に全試験片を使い果たした場合などに起きるときがある。
――――― [JIS C 2143-5 pdf 7] ―――――
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C 2143-5 : 2013 (IEC 60216-5 : 2008)
A 参照電気絶縁材料
B 評価対象電気絶縁材料
RTE 相対熱的耐久性指数
ATE 実績熱的耐久性指数
図1−熱的耐久グラフの例
A 参照電気絶縁材料
B 評価対象電気絶縁材料
注記 両材料の試験片を,3点以上の同一温度で同時に劣化処理していない。
図2−不適切な熱的耐久グラフの例
選定した温度での劣化処理が完了したとき,いずれかの材料の結果が6.1 b) の要求を満足しない場合は,
更に一つの試験片グループを追加し,適切な温度において同時に同じオーブン中で劣化処理する。このグ
ループは,必要な各材料の試験片の数及び種類で再び構成する。
――――― [JIS C 2143-5 pdf 8] ―――――
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C 2143-5 : 2013 (IEC 60216-5 : 2008)
5 計算手順
5.1 熱的耐久性データ-中間パラメータの計算
熱的耐久性の回帰直線の計算は,JIS C 2143-3の手引きに従って行う。
相対熱的耐久性指数に関する計算には,表1の入力パラメータが必要であり,記録する(各記号には,
参照電気絶縁材料については添字A,又は評価対象電気絶縁材料については添字Bのいずれかが付いてい
る。)。
表1−相対熱的耐久性指数の計算に関する入力パラメータ
入力パラメータ JIS C 2143-3 JIS C 2143-3 JIS C 2143-5
中の記号 中の式の番号 中の記号
回帰直線の勾配 b (33) bA bB
回帰直線の切片 a (34) aA aB
x値の重み付き平均 x (26) xA xB
x値の中央2次モーメント μ2(x) (31) μ2(A) μ2(B)
y値の重み付き平均 y (27) yA yB
2
As 2
Bs
y値の分散 s2 (41)
y値の数 N (25) nA nB
半減温度幅 HIC (53) − HICB(c)
終点到達対数時間の最大平均 yk − νA νB
θの下側信頼限界 c (50) θc(A) θc(B)
直線性の検定[JIS C 2143-3の6.3.2(直線性の検定)参照]の結果も必要である。
5.2 相対熱的耐久性指数の計算
熱的耐久性の回帰直線の係数は,JIS C 2143-3の6.1(予備的な計算)及び6.2(本計算)に従って,参
照電気絶縁材料及び評価対象電気絶縁材料の両材料について計算する(5.1参照)。これらの係数から,τc
及びθBの値を,次によって計算する(図1も参照)。
a) 参照電気絶縁材料の回帰係数から,その実績熱的耐久性指数に対応する時間τcを,次の式(1)によって
計算する。
bA
lnc aA (1)
A Θ0
b) 評価対象電気絶縁材料の回帰係数から,時間τcに対応する温度θBを,次の式(2)によって計算する。
bB
B Θ0 (2)
lnc aB
θB(℃)の値が,求める相対熱的耐久性指数である。
5.3 統計検定及び数値的検定
5.3.1 JIS C 2143-3の検定
5.3.2の計算の前に,JIS C 2143-3の統計検定及び数値的検定を行う。その結果は,箇条6の報告に用い
る。
5.3.2 対比時間の正確さ
参照電気絶縁材料について,過去と同じ試験項目及び実績熱的耐久性指数を用いて試験を行った場合は,
試験に用いた参照電気絶縁材料で得られた対比時間τcと過去の試験実績の対比時間τcとの平均の差をスチ
ューデントのt検定を用いて比較することが望ましい。
有意差がある場合は,参照電気絶縁材料の変化,オーブン又は試験装置の変化を意味する。その原因は,
――――― [JIS C 2143-5 pdf 9] ―――――
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C 2143-5 : 2013 (IEC 60216-5 : 2008)
調査し,報告することが望ましい。
値の間の差の有意性評価に関する統計的手順を,附属書Aに記載する。
5.3.3 相対熱的耐久性指数の下側信頼限界
相対熱的耐久性指数の下側信頼限界は,θA及びθBに等しい温度推定値の下側信頼限界から計算する[JIS
C 2143-3の6.3.3 b) の式(46)式(50)参照]。
θBの下側信頼限界θc(B)は,τcに等しい時間についてJIS C 2143-3の6.3.3 b) のように,式(3)式(7)によ
って計算し,θBからθc(B)を差し引いて信頼区間ΔBを求める。
Y yB tsr
XL B xB (3)
br br
B Y aB
Y ln c,X (4)
bB
2 2
t sB
ここに, br bB (5)
bB 2 B
2
2 2 br X xB
s
r sB (6)
bB 2B
ここに, t : 自由度nBで有意水準0.05におけるスチューデントのtの値(表
E.2参照)。
μ2(B) : x値の中央2次モーメントで,次の式(7)による。
k
1 2
2 B ni Bxi B xB (7)
nB i1
注記 参考に,θc(B)を式(7A)に示す。
1
c B Θ0 (7A)
XL B
θAの下側信頼限界θc(A)は,τcに等しい時間について上と同じく計算し,θAからθc(A)を差し引いて下側信
頼区間ΔAを求める。
相対熱的耐久性指数の下側信頼区間ΔRは,二つの信頼区間(ΔA及びΔB)から式(8)によって求める。
2 2
ΔR ΔA ΔB (8)
5.3.4 外挿
対比時間を求めるために必要な外挿は,参照電気絶縁材料及び評価対象電気絶縁材料の両材料について,
対比時間の対数と終点到達時間の対数の最大平均(νA又はνB)との差として計算する。必要な外挿は,こ
れら二つの値のより大きい方である。
6 報告
6.1 統計検定及び数値的検定の結果
統計検定及び数値的検定の結果には,次の基準を適用する。
a) 熱的耐久性の直線性,並びに参照電気絶縁材料及び評価対象電気絶縁材料の温度指数の結果の信頼区
間[JIS C 2143-3の6.3.2(直線性の検定)及び6.3.3(X及びYの推定値の信頼限界)参照] JIS C 2143-3
の7.3.1及び7.3.2の要求事項に適合しなければならない。
――――― [JIS C 2143-5 pdf 10] ―――――
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JIS C 2143-5:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60216-5:2008(IDT)
JIS C 2143-5:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 19 : 試験 > 19.020 : 試験条件及び手順一般
JIS C 2143-5:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2143-1:2015
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第1部:劣化処理手順及び試験結果の評価
- JISC2143-2:2011
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第2部:熱的耐久性の測定―評価指標の選択
- JISC2143-3:2013
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第3部:熱的耐久性の計算の手引き