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C 5381-352 : 2020 (IEC 61643-352 : 2018)
P1 S1
P2 S2
E
記号説明
P1 : 一次巻線の端子1
P2 : 一次巻線の端子2
S1 : 二次巻線の端子1
S2 : 二次巻線の端子2
E : 接地端子(電界遮蔽端子)
図3−電界遮蔽をもつ2巻線SITの図記号
接続端子をもつJIS C 0617-6の06-10-04の図記号と同じ,二つの中間点引出し付き巻線のSITの図記号
を図4に示す。短絡巻線を用いて試験を行う場合,中間点引出しも短絡接続し,他の試験は中間点引出し
端子に接続せずに行う。
P1 S1
CT CT
P2 S2
記号説明
P1 : 一次巻線の端子1
P2 : 一次巻線の端子2
S1 : 二次巻線の端子1
S2 : 二次巻線の端子2
CT : 中間点引出し端子
図4−中間点引出し付き巻線のSITの図記号
3.3 略語
この規格で用いる略語を,表1に示す。
表1−この規格で用いる略語
略語 英語 日本語
ABD Avalanche Breakdown Diode アバランシブレークダウンダイオード
ES Electric Screen 電界遮蔽
IBN Isolated Bonding Network 分離したボンディングネットワーク
LAN Local Area Network ローカルエリアネットワーク
SIT サージアイソレーショントランス
Surge Isolation Transformer
SPD Surge Protective Device サージ防護デバイス
SPC Surge Protective Componentサージ防護部品
PoE Power over Ethernet パワーオーバイーサネット
――――― [JIS C 5381-352 pdf 6] ―――――
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C 5381-352 : 2020 (IEC 61643-352 : 2018)
4 使用条件
4.1 温度範囲
通常温度範囲 : −20 ℃40 ℃
拡張温度範囲 : この範囲は,製造業者と顧客又は使用者との合意による。
4.2 相対湿度
相対湿度は,90 %以下とする。
4.3 標高
通常標高範囲 : 1 000 m以下とする。
拡張標高範囲 : この範囲は,製造業者と顧客又は使用者との合意による。
4.4 製品内部環境条件
製品内部の環境条件の分類は,製品内部の環境条件を適用する場合,表2に示す分類の一つを用いる。
表2−製品内部の環境条件の分類
環境条件 最高気温 代表的な部品温度範囲 適用製品
の分類 ℃ ℃
X1 55 − −
X2 70 070 一般用
X3 85 −4085 工業用
X4 100 − −
X5 125 −55125 軍用
X6 155 −65150 保管用a)
X7 200 − −
注a) 保管温度の定格の確認は,この規格の範囲外である。この範囲の
確認はJIS C 60068-2-1:2010及びJIS C 60068-2-2:2010を参照する。
5 SITのサージ条件
5.1 SITによるサージの緩和
SITは,絶縁トランスの磁気誘導によって通信・信号回線を結合する。引込み線路にコモンモードサー
ジが発生した場合,SITの絶縁部分に電圧が加わる。絶縁部分には,次に示す三つの物理的な経路がある。
a) 固体絶縁−二つの巻線の間に挟まれた絶縁材料
b) 沿面距離
c) 空間距離
空間距離の設計は,想定する電圧で空間が絶縁破壊しないように設定することが望ましい。沿面距離の
設計は,想定する最大電圧差及び表面汚損度が,表面フラッシオーバ又は故障(トラッキング)をしない
ように設定することが望ましい。固体絶縁の厚さは,想定する最大の電圧差で破壊をしないように設定す
ることが望ましい。
SITのコモンモードサージ条件を,図5に示す。インパルスサージよりも高い周波数成分は,SITの内部
巻線間の静電容量(CP-SA+CP-SBとして示す。)によって一つの巻線から他の巻線に静電結合する。
――――― [JIS C 5381-352 pdf 7] ―――――
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C 5381-352 : 2020 (IEC 61643-352 : 2018)
CP-SA
経路A
ZS WP WS ZT
R
経路B
CP-SB
記号説明
WP : 一次巻線
WS : 二次巻線
ZT : 終端又は負荷インピーダンス
ZS : 通信線路のインピーダンス
CP-SA,CP-SB : 一次巻線と二次巻線との間の静電容量 経路A及び経路B
R : 基準面又は基準点
図5−SITのコモンモードサージ条件
ESをもつSITのコモンモードサージ条件を図6に示す。
内部巻線間の静電容量を低減する目的で,一次巻線と二次巻線との間に導電性のESを用いることがあ
る。ESは,巻線の静電容量の大部分を減結合し(CP-Screen A,CP-Screen B,CS-Screen A及びCS-Screen Bで示す。),内
部巻線間の静電容量(CP-SA+CP-SBで示す。)を大幅に小さくする。
――――― [JIS C 5381-352 pdf 8] ―――――
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C 5381-352 : 2020 (IEC 61643-352 : 2018)
経路A CP-SA
CP-Screen A CS-Screen A
ZS WP WS ZT
ES
CP-Screen B CS-Screen B
R
経路B CP-SB
記号説明
WP : 一次巻線
WS : 二次巻線
ES : 電界遮蔽
R : 基準面又は基準点
CP-Screen A,CP-Screen B : 一次巻線からESまでの静電容量 経路A及び経路B
CS-Screen A,CS-Screen B : 二次巻線からESまでの静電容量 経路A及び経路B
CP-SA,CP-SB : 一次巻線から二次巻線までのESの影響が及ばない静電容量 経路A及び経路B
ZT : 終端又は負荷インピーダンス
ZS : 通信線路のインピーダンス
図6−ESをもつSITのコモンモードサージ条件
5.2 コモンモードサージ
雷サージは,誘導,局所的な接地電位の上昇,線路に直列な絶縁バリアの絶縁破壊又はバイパスによっ
て発生する可能性がある。これらのサージは,本質的にコモンモード(対地間)である。
被保護装置には,二つ以上のSITの絶縁障壁がある場合がある。例えば,イーサネットポートに一つ,
電源ポートに一つのSITの絶縁障壁を設置する場合がある。クラスII機器の場合,イーサネットと電源ポ
ートの絶縁バリアとが直列になっており,サージは信号線路と電源線路との間に加わる。二つの直列の絶
縁障壁に加わるサージ電圧の分担は,動的及び静的な電圧分布のために予測するのが困難な場合がある。
最悪の場合には,サージ電圧の大部分が二つの障壁のうちの一つに加わるために,定格インパルス耐電圧
を増加する必要がある。
注記1 “クラスII機器”に関してはJIS C 0365:2007の7.3参照。
複数のポートをもつ装置においてSITを用いたポートの絶縁障壁は,このSITの二次側と他のポートと
の間をSPCで橋絡している場合,サージに対して他のポートのSITの絶縁障壁として適用することができ
る。この場合は,SITを含むポートの絶縁障壁は,各ポートに想定するサージ電圧の合計に対して定格を
設定することが望ましい。
コモンモードサージ条件下のSITを図5及び図6に示す。定格インパルス耐電圧は,絶縁協調を考慮し
て想定するコモンモードサージ電圧のピーク以上とする。ESによって減結合していない一次巻線から二次
巻線までの静電容量(CP-SA+CP-SBで示す。)は,一次側から二次側回路へ容量性の電流経路を提供する。
――――― [JIS C 5381-352 pdf 9] ―――――
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C 5381-352 : 2020 (IEC 61643-352 : 2018)
コモンモードサージの主なパラメータは,定格インパルス耐電圧,内部巻線間の静電容量及び絶縁の健
全性を確認するための試験後の絶縁抵抗である。
注記2 対応国際規格のSITを説明する図番号の脱落があったため,図5を追加した。
5.3 ディファレンシャルモードサージ
5.3.1 一般
ディファレンシャルモードサージは,通常,システムの非対称によってコモンモードサージからディフ
ァレンシャルモードに変換することによって発生する。ディファレンシャルモードサージでのSITの動作
は,それらを緩和することはほとんどない。SITの帯域幅によっては,出力サージの周波数領域にフィル
タリング効果をもたらす。
SITは,コアの飽和によって,二次電圧の波形が切り取られる可能性がある。幾つかの規格では,SIT
に一次巻線の電流定格を要求し,ディファレンシャルモードの電力故障の試験を規定している。
注記 ディファレンシャルモードサージは,差動モードサージともいう。
5.3.2 イーサネットトランスのディファレンシャルモードサージでの動作
フェライト磁性体のコアをもつ信号用トランスは,コアの飽和によってディファレンシャルモードサー
ジを切り取ることがある。二次巻線出力における一次巻線に侵入したディファレンシャルモード電流サー
ジを切り取ったイーサネットポートのトランスの一例を図7に示す。図7の点線の三角形の二次巻線サー
ジ電流は,次の三つの段階から成る。
a) 一次電流を二次電流に変換するトランスの線形電流変換。
b) トランスのコアの飽和事象は,ピーク二次電流を制限し,及び一次巻線と二次巻線とを切り離す。
c) 飽和したコアの二次巻線のエネルギー急減は,トランスの飽和コア巻線インダクタンス,ピーク二次
電流及び二次側の負荷インピーダンスによって起こる。
二次電流のピーク値は,インパルス発生器の波頭長(電流上昇率)に依存する。図7から,コアの飽和
による二次側へのサージ電流の移行には,サージ電流の波尾長は重要ではない。サージの二次側への移行
は,サージのdi/dt,トランスの瞬時的な二次巻線のピーク電圧Vs,飽和二次インダクタンス,二次抵抗及
び並列接続の二次側の電圧制限器に依存する。通過電流の継続時間は通常1 μs5 μsの範囲である。
注記 Vsは,瞬時二次巻線ピーク電圧を意味する。詳細はJIS C 5381-351:2019の6.4を参照。
一次側 二次側 IP
RP IP RS IS
コアの飽和
インパルス
SIT 線形電流 二次巻線のエネルギー急減
発生器
変換
IS
コア
記号説明
RP : 一次側抵抗
IP : 一次側電流
RS : 二次側抵抗
IS : 二次側電流
図7−SITのディファレンシャルモードサージの動作
――――― [JIS C 5381-352 pdf 10] ―――――
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JIS C 5381-352:2020の引用国際規格 ISO 一覧
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JIS C 5381-352:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.040 : 電気通信システム > 33.040.99 : 通信システムのその他の装置
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