9
C 5630-30 : 2020 (IEC 62047-30 : 2017)
10.0
9.0
8.0
7.0
m2)
6.0
(C/
5.0
1f
,
d3
e
4.0
3.0
2.0
1.0
0
0 5 10 15 20 25
先端変位 (
図A.1−先端変位に対する正圧電定数の算出値
A.3.2 逆圧電定数の測定手順
次の記載は,逆圧電定数の測定手順の例を段階的に示している。
a) 図1に示すように,試験サンプルをクランプで固定して,カンチレバーの取付け端を固定した状態に
する。
b) 電極にボンディングされている金ワイヤーを電力増幅器の端子に接続する。
c) カンチレバーの寸法及び逆圧電定数の算出に必要な値を示した表A.4を用意する。
d) カンチレバーのヤング率及びポアソン比は,結晶方位 <110> シリコンの参照値を使って算出する。
e) ポーリング処理が必要であれば,測定の前に実施する。
f) 電力増幅器から上部電極へ負のユニポーラ正弦波電圧を印加する。
g) 入力電圧は,5 V30 Vの間で変化させる。
h) 入力電圧周波数は,400 Hz,及びカンチレバーの共振周波数は,2.2 kHzに設定する。
i) 出力先端変位は,ドップラー振動計によって測定する。
j) 先端変位は,入力電圧を最初に5 Vから30 Vへ増加させ,次に30 Vから5 Vへ減少させ,最後に再
度5 Vから30 Vへ増加させて,測定する。入力電圧及び先端変位の測定は,合計3回行う。
k) 表A.5は,入力電圧とカンチレバーの先端変位に対応した逆圧電定数ec31,fの算出値との関係を示して
いる。
l) 図A.2のプロットは,入力電圧のピークツーピーク電圧に対する圧電薄膜の逆圧電定数ec31,fの算出値
の関係を示している。
m) 図A.2の測定値及び外挿曲線は,ec31,f(Vin,0) 及びec31,f(Vin,max) の算出値が,それぞれ10.0 N/Vm及び15.0
N/Vmとなることを示している。
――――― [JIS C 5630-30 pdf 11] ―――――
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C 5630-30 : 2020 (IEC 62047-30 : 2017)
表A.4−逆圧電定数算出用の材料特性
特性の種類 材料特性
圧電薄膜材料 PZT(Zr/Ti=52/48)
カンチレバー基板材料 面方位 (100) のシリコン
長さ方向に沿った結晶方位 <110>
カンチレバー基板のヤング率 1.69×1011 Pa
カンチレバー基板のポアソン比 0.064
カンチレバーの長さ 17.45 mm
カンチレバーの幅 2.00 mm
カンチレバーの厚さ 625 μm
薄膜の厚さ 3.00 μm
表A.5−カンチレバーの先端変位に対する逆圧電定数の算出値
1回目 2回目 3回目
(電圧上昇) (電圧下降) (電圧上昇)
入力電圧 先端変位 逆圧電定数 先端変位 逆圧電定数 先端変位 逆圧電定数
(V) (μm) (N/Vm) (μm) (N/Vm) (μm) (N/Vm)
5 0.74 11.5 0.76 11.8 0.76 11.8
10 1.59 12.4 1.65 12.8 1.62 12.6
15 2.58 13.4 2.64 13.6 2.59 13.5
20 3.66 14.2 3.68 14.3 3.67 14.2
25 4.74 14.8 4.75 14.9 4.72 14.8
30 5.78 15.0 5.78 15.0 5.76 15.0
16.0
14.0
12.0
]
y = -0.003 1x2+ 0.237 2x + 10.647
Vm)
10.0
NN
|([/
/
8.0 1回目電圧上昇
f
1
,|
f
,
2回目電圧下降
3
31
e
c
6.0
c
|
e
3回目電圧上昇
|
4.0 外挿曲線
2.0
0.0
0 5 10 15 20 25 30 35
入力電圧(V)
入力電圧[V]
図A.2−入力電圧に対する逆圧電定数の算出値
A.4 試験報告
次の表A.6は,圧電薄膜の測定条件及び電気機械的特性の結果の一例を示している。次の測定項目は,
必須項目である。
――――― [JIS C 5630-30 pdf 12] ―――――
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C 5630-30 : 2020 (IEC 62047-30 : 2017)
表A.6−圧電薄膜の測定条件及び電気機械的特性結果の一例
項目 特性の種類 材料特性
1) ユニモルフはり(梁) 長さ(取付け端を含む長さ) 22.5 mm
幅 2 mm
厚さ 0.628 mm
2) カンチレバーの長さ (取付け端を含まない長さ) 17.45 mm
3) 圧電薄膜 組成 Pb(Zr0.52Ti0.48) O3
厚さ 3 μm
4) 成膜工程 − スパッタリング
5) 基板材料 材料 (100) Si
厚さ 0.625 mm
長さ方向に沿った結晶方位(単結晶の場合) <110>
ヤング率(Es) 169 GPa
ポアソン比(νs) 0.064
6) 電気的特性 容量(C) 56.27 nF
誘電損失(tanδ) 0.020 7
7) 試験環境 温度 20 ℃
湿度 40 %
8) 正圧電定数の試験条件 入力先端変位 ≒23.55 μm
入力波形 圧縮三角波形
周波数 5 Hz
9) 逆圧電定数の試験条件 入力波形 上部電極への負のユニポーラ
正弦波電圧
入力電圧 ≒−30 V
周波数 400 Hz
10) ポーリング処理条件 電圧 20 V
方向 上部 : 負
下部 : 接地
波形 ユニポーラ正弦波電圧
周波数 100 Hz
ポーリング時間 1 min
ポーリング処理から測定までの時間 3 min
11) 試験項目 ed31,f −6.4 C/m2
ec31,f(Vin,min) −11.8 N/Vm(5 V印加時)
ec31,f(Vin,max) −15 N/Vm(30 V印加時)
次の表A.7の項目は選択項目である。
――――― [JIS C 5630-30 pdf 13] ―――――
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C 5630-30 : 2020 (IEC 62047-30 : 2017)
表A.7−圧電薄膜の測定条件及び電気機械的特性の選択項目の一例
項目 特性の種類 材料特性
1) ポーリング処理条件(逆方向) 電圧 20 V
方向 上部 : 正
下部 : 接地
波形 ユニポーラ正弦波電圧
周波数 100 Hz
ポーリング時間 1 min
ポーリング処理から測定までの時間 3 min
2) 逆圧電定数の試験条件 入力波形 上部電極への正のユニポーラ
正弦波電圧
入力電圧 ≒30 V
周波数 400 Hz
3) 試験項目 ed31,f −6.4 C/m2
ec31,f(Vin,min) −11.8 N/Vm(5 V印加時)
ec31,f(Vin,max) −15.0 N/Vm(30 V印加時)
4) 0 Vにおける外挿ec31,f ec31,f(Vin,0) −10.6 N/Vm
波形 負のユニポーラ測定波形から
の外挿
式 y=−0.003 1x2+0.24x+10.6
5) ユニモルフカンチレバーの共振仕様共振周波数 2.2 kHz
Q値 120
A.5 中立面の数式
正圧電定数ed31,f及び逆圧電定数ec31,fは,5.2の式(2)及び式(3)から導かれる。これらの式は,基板厚さの
半分であるユニモルフの中立面の理論式である。重複領域の中立面の理論式は,式(A.1)のように示される。
2 2
Ep 2hphs hp Eshs
yc (A.1)
2 Ephp Eshs
基板厚さhsが圧電薄膜の厚さhpよりも十分に大きいときは,ycはhsの半分とほとんど同じ値となる。シ
リコン基板厚がPZT(Ep≒70 GPa)の100倍厚い場合には,hs/2とycとの差が2 %と小さくなり,シリコ
ン基板厚が圧電薄膜の厚さと比べて100倍超えの場合,式(2)及び式(3)が有効である。
――――― [JIS C 5630-30 pdf 14] ―――――
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C 5630-30 : 2020 (IEC 62047-30 : 2017)
参考文献
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coupling
[2] EN 50324-2,Piezoelectric properties of ceramic materials and components−Method of measurement−Low
power
[3] Dubois, M., and Muralt, P., Sensors and Actuators, A77, pp.106-112 (1999)
[4] Y. Tsujiura, S. Kawabe, F. Kurokawa, H. Hida, and I. Kanno: Jpn. J. Appl. Phys. 54 10NA04 (2015)
[5] Chun, D.-M., Sato, M., and Kanno, I., Journal of Applied Physics, Volume 113, Issue 4, pp. 044111-044111-9
(pdf 一覧ページ番号 )
[6] Kanno, I., Kotera, H., and Wasa, K., Sensors and Actuators, A107, pp. 68-74 (2003)
[7] McSkimin, H. J., Bond, W. L., Buehler, E., and Teal, G. K., Measurement of the Elastic Constants of Silicon
Single Crystals and Their Thermal Coefficients, Phys. Rev. 83, 1080 (1951)
JIS C 5630-30:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62047-30:2017(IDT)