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C 5750-4-4 : 2011 (IEC 61025 : 2006)
ステップ3.2 : SS2の第5項( d a b e c )を第3項( a c b d )に関して分離する。この例では,二
つの項は既に分離している(変数a,c及びdのために)ので,これ以上することはない。
この段階でのシステム成功式を,次に示す。
SS3 a c a b d a c b d b c a e d d a b e c
ここに, SS3 : ステップ3でのシステム成功
これ以上は単純化できないので,これが最終の分離化した式である。
通常の代入操作をすると,システム信頼度は,次の式のようになる。
RS1 Ra Rc 1( Ra ) b Rd Ra 1( Rc ) b Rd
1( Rb ) 1( Rc) a Re Rd 1( Rd ) 1( Ra ) Rb Re Rc
ここに, R S1 : 代入操作によって求めたシステム信頼度
R aR e : 信頼性ブロック図の各要素の信頼度
この場合SS3という最終結果の式は,オリジナルのブール演算式中で項が書かれている順序に依存する
ことに注意することが望ましい。
全確率の定理を使用すると,システム信頼度は次のように表せる。
RS2 Ra Rb Ra Rb Rc Rd Rc Rd Re
Ra Rc Rb Rd Ra Rc Rb Rd 1 Re
ここに, R S2 : 全確率の定理を使用して求めたシステム信頼度
R aR e : 信頼性ブロック図の各要素の信頼度
RS1及びRS2の表現は全く異なるように見えるが,実際は同じである。
B.2 システム故障(カットセット)アプローチ
分離化を次の式によって説明する。
SF a b c d a e d b e c
ここに, SF : システム故障
ae : 信頼性ブロック図の各要素に対応するブール“故障”変数
上記の式を次の手順によって分離化する。
ステップ1.1 : 各項を第1項に関して分離する。系統的な方法で進めて第2項を第1項に関して分離する。
第1項のいずれかの変数が第2項に補数形式で現れているかどうかを調べる。現れている場合,二つの項
は既に分離しており,それ以上することはない。現れていない場合,第2項(c×d)には現れていない第
1項(a×b)の変数を全て選び出す(集合論用語では,第1項における第2項の補集合と呼ぶ。)。ここで
は,変数a及び変数bである。
ステップ1.2 : 第2項c×dを a c d a b c d に置換する。
ステップ1.3 : 第3項を第1項に関して分離する。まず,第1項のいずれかの変数が第2項に補数形式で
現れているかどうか調べる。ここでは現れていないので,第1項における第3項の補集合を識別する。す
なわち,変数bである。したがって,第3項を項 b a e d に置換する。
ステップ1.4 : 第4項(b×e×c)を第1項に関して分離する。第1項における第4項の補集合は,変数a
である。次に,第4項を変数 a b e cに置換する。したがって,この段階のシステム故障表現は,次の
ようになる。
SF1 a b a c d a b c d b a e d a b e c
ここに, SF1 : ステップ1でのシステム故障
ad : 信頼性ブロック図の各要素に対応するブール“故障”変数
の補数
――――― [JIS C 5750-4-4 pdf 41] ―――――
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C 5750-4-4 : 2011 (IEC 61025 : 2006)
第2項にステップ1.1ステップ1.4を行う。
ステップ2.1 : SF1の第3項( a b c d )を第2項( a c d )に関して分離する。この例では,項は既
に分離している(変数aのために)ので,これ以上することはない。
ステップ2.2 : SF1の第4項( b a e d )を第2項( a c d )に関して分離する。この例では,項は既
に分離していることに注目する(変数aのために)。したがって,これ以上することはない。
ステップ2.3 : SF1の第5項( a b e c)を第2項( a c d )に関して分離する。補集合は変数dである。
したがって,第5項を d a b e c に置換する。
この段階でのシステム故障表現は,次のようになる。
SF2 a b a c d a b c d b a e d d a b e c
ここに, SF2 : ステップ2でのシステム故障
第3項にステップ1.1ステップ1.4を行う。
ステップ3.1 : SF2の第4項( b a e d )を第3項( a b c d )に関して分離する。補集合は変数cで
ある。したがって,第4項を b c a e d に置換する。
ステップ3.2 : SF2の第5項( d a b e c )を第3項( a b c d )に関して分離する。この例では,項
は既に分離している(変数a及びdのため,かつ,定義した書式に従って)。したがって,これ以上分離す
ることはない。
この段階のシステム故障表現は,次のようになる。
SF3 a b a c d a b c d b c a e d d a b e c
ここに, SF3 : ステップ3でのシステム故障
これ以上は単純化できないので,これが最終的な分離化された式である。
通常の代入操作をすると,システム不信頼度は,次の式のようになる。
FS1 Fa Fb 1( Fa ) Fc Fd Fa 1( Fb ) Fc Fd
1( Fb ) 1( Fc ) Fa Fe Fd 1( Fd ) 1( Fa ) Fb Fe Fc
ここに, FS1 : システム不信頼度
FaFe : 信頼性ブロック図の各要素のシステム不信頼度
最終結果の形(この場合はSF3)は,オリジナルのブール演算式中で項が書かれている順序に依存する
ことに注意することが望ましい。
――――― [JIS C 5750-4-4 pdf 42] ―――――
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C 5750-4-4 : 2011 (IEC 61025 : 2006)
参考文献
[1] NASA Office of Safety and Mission Assurance: Fault Tree Handbook for Aerospace Applications, Version 1.1,
2002
[2] US Nuclear Regulatory Commission: NUREG 0492, Fault Tree Handbook, January, 1981
[3] Mohame Modarres, Mark Kaminskiy, Vasiliy Krivitsov: Reliability Engineering and Risk Analysis, Marcel
Dekker Inc., New York, 1999
[4] Alfredo H-S. Ang, Wilson H. Tang: Probability Concepts in Engineering Planning and Design, 1990
[5] Milena Krasich: Fault Tree Analysis for Failure Mode Identification and Product Reliability Improvement,
Tutorial, RAMS, 2005, Alexandria, VA
[6] Joanne Bechta Dugan, “Fault-Tree Analysis of Computer-Based Systems” 1999 Tutorial Notes, Reliability and
Maintainability Symposium, Washington, DC
[7] Kiran Kumar Vemuri and Joanne Bechta Dugan, “Reliability Analysis of Complex Hardware-Software
Systems”, Proceedings, Annual Reliability and Maintainability Symposium, January 1999, Washington, DC
[8] Gza Szab and Pter Gspr, “Practical Treatment Methods for Adaptive Components in the Fault-Tree
Analysis”, Proceedings, Annual Reliability and Maintainability Symposium, January 1999, Washington, DC
[9] JIS C 5750-1 ディペンダビリティ マネジメント−第1部 : ディペンダビリティ マネジメントシステ
ム
注記 対応国際規格 : IEC 60300-1,Dependability management−Part 1: Dependability management
systems(IDT)
[10] JIS C 5750-3-1 ディペンダビリティ管理−第3-1部 : 適用の指針−ディペンダビリティ解析手法の指
針
注記 対応国際規格 : IEC 60300-3-1:2003,Dependability management−Part 3-1: Application guide
−Analysis techniques for dependability−Guide on methodology(IDT)
[11] JIS C 5750-4-3 ディペンダビリティ マネジメント−第4-3部 : システム信頼性のための解析技法−
故障モード・影響解析(FMEA)の手順
注記 対応国際規格 : IEC 60812,Analysis techniques for system reliability−Procedure for failure mode
and effects analysis (FMEA)(IDT)
[12] IEC 61078,Analysis techniques for dependability−Reliability block diagram and boolean methods
JIS C 5750-4-4:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61025:2006(IDT)
JIS C 5750-4-4:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.99 : 品質に関するその他の規格
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.01 : 品質一般
JIS C 5750-4-4:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8115:2019
- ディペンダビリティ(総合信頼性)用語