JIS C 60068-2-17:2001 環境試験方法―電気・電子―封止(気密性)試験方法 | ページ 2

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 0026 : 2001
(IEC 60068-2-17 : 1994)

環境試験方法−電気・電子−封止(気密性)試験方法

Basic environmental testing procedures−Part 2 : Tests−Test Q : Sealing

序文

 この規格は,1994年に第4版として発行されたIEC 60068-2-17 (Basic environmental testing procedures
−Part 2 : Tests−Test Q : Sealing) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1. 適用範囲

 封止試験は,いろいろな適用に対してそれぞれ異なった試験手順を規定した試験方法から
構成されている。図1に,すべての封止試験の分類を示す。
図1 封止試験方法の分類
試験Qは,その検出方法によって,更に次の二つに分類することができる。
− 内部検出 : リークによって供試品の中に浸入した試験媒体(液体又は気体)で生じた電気的特性の変
化を測定する方法
− 外部検出 : リークによって試験媒体が排出するのを観測する方法
内部検出試験Qf及びQlの二つの試験は,よく似ている。この試験は,部品,例えば,プラスチックホ
イルコンデンサなどの試験には,大変有効である。しかし,電気的変化が長時間たってから(例えば,試
験終了後)現れる部品には推奨できない。

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C 0026 : 2001 (IEC 60068-2-17 : 1994)
外部検出試験は,その適用によって細分される。試験Qaは軸受,回転軸及びガスケットの封止を確認
するために使用する気泡試験である。他のQc,Qd,Qk及びQmは,金属容器などの容器中のリークを観測
するために使用される。試験Qcは,3種類の感度をもった気泡試験である(1Pa・cm3/s以上の漏れ)。
試験Qk及びQmは,これらの試験の中で最も感度の高い試験である。感度の範囲は,1Pa・cm3/sから
10−6Pa・cm3/sまでである。試験Qdは,製造工程中で液体又は試験温度で液化するものを充てんして行う液
体浸出試験である。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60068-2-17 : 1994, Basic environmental testing procedures−Part 2 : Tests−Test Q : Sealing (IDT)

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 0010 環境試験方法−電気・電子−通則
備考 IEC 60068-1 : 1998, Environmental testing−Part 1 : General and guidanceが,この規格と一致し
ている。

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 リーク率 (Leak late)リーク箇所の圧力差が既知のとき,ある温度の乾燥ガスが単位時間当たりに
流れる量。
備考 リーク率のSI単位は,Pa・m3/sであるが,誘導単位であるPa・cm3/sとする。
ここで,1Pa・m3/s=106Pa・cm3/sである。
3.2 温度及び圧力差が標準条件でのリーク率。
標準リーク率 (Standard leak late)
この試験の標準条件は,温度25℃,圧力差100kPaである。
3.3 測定リーク率 (R) (Measured leak rate)規定の条件で,規定の試験ガスによって測定した供試品の
リーク率,又は上記以外の試験方法によって測定した供試品のリーク率。
備考1. 測定リーク率 (R) は,温度25℃,圧力差100kPaで,ヘリウムガスを使用して測定することが
多い。
2. 上記以外の試験方法によって求めた測定リーク率は,比較するために等価標準リーク率に換
算する。
3.4 試験用ガスに空気を用いたときの供試品の標
等価標準リーク率 (L) (Equivalent standard leak rate)
準リーク率。
3.5 リークの時定数 ( Time constant of leakage)リーク箇所の圧力差の変化率が初期の値で一定に保
たれていると仮定し,圧力差が零になるまでの時間。この試験の目的に対しては,供試品の内部容積を等
価標準リーク率で除した値に等しい。
参考 次の式で求められる。
V
= P0
L
ここに, V : 供試品の内容積 (cm3)
L : 等価標準リーク率 (Pa・cm3/s)

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P0 : 圧力差 (Pa)
3.6 大リーク (Gross leak)等価標準リーク率が,1Pa・cm3/s以上のリーク。
3.7 微小リーク (Fine leak)等価標準リーク率が,1Pa・cm3/s未満のリーク。

3.8 見掛けのリーク (Virtual leak)

吸収,吸着又は吸蔵されたガスの放出によって生じるリーク。3.9 漏れ測定器 (Leakage meter) (試験Qmに適用) 混合ガスのサンプルを採集するハンドプローブと
サンプル中にあらかじめ決められたガスの種類の濃度を目盛表示できるメータとから構成されている測定
器。
3.10 測定容積 (Vm) (Volume of measurement) (試験Qmに適用) 漏れたガスを集める容器と供試品との
間に含まれている容積。
備考 トレーサガスの濃度は低いので,容器の気密性は完全なものでなくてよい。
3.11 漏れ検出器 (Leak detector) (試験Qmに適用) 混合ガスのサンプルを採集するためハンドプロー
ブとあらかじめ決められたガスの種類の存在に敏感な装置で,濃度があらかじめ設定したしきい値
(threshold level) に達したとき,音又は目視で分かる信号を出す装置。

3.12 プロービング (Probing)

 (試験Qmに適用) 漏れの場所を探すために,供試品に沿って漏れ検出器
のプローブをゆっくり動かす。

4. 試験Qa : 軸受,回転軸及びガスケットの封止試験

4.1 目的

 この試験方法は,軸受,回転軸及び類似品の封止(気密性)の有効性を調べることを目的と
する。
備考 封止の状態を次の2種類のいずれかで試験する。
種類A : 製品規格に規定されている向きに100kPa110kPaの圧力差を加えて試験する。
種類B : 供試品の各向きに100kPa110kPaの圧力を加えて試験する。

4.2 適用範囲

 試験Qaは,大リークの検出に適用する。

4.3 試験方法の概要

 供試品を加圧できる封止試験容器のふたに取り付けて液体に浸す。供試品にリー
クがあれば,そのリークした空気の単位時間当たりに集められた量から空気リーク率を求める。
なお,適切な試験装置の例を附属書Aに示す。

4.4 初期測定

 規定しない。

4.5 供試条件

4.5.1  製品規格に圧力差の規定がある場合を除いて,次に示す圧力差をそれぞれの封止又は幾つかの封止
で構成される組立部分の各封止部分に同時に加える。
種類A : 製品規格に規定されている向きに100kPa110kPaの圧力差を加える。
種類B : 供試品の各向きに100kPa110kPaの圧力差を加える。
なお,製品規格に高い圧力差の規定がある場合は,圧力差を340kPa360kPaとする。
備考 附属書Aに示す試験装置の例は,高圧用には使用できない。
4.5.2 種類Bの封止は,静止状態及び製品規格に規定する機械的動作状態の両方で試験する。

4.6 最終測定

 リーク率を測定する。リーク率の規格値は,製品規格に規定する。

4.7 製品規格に規定する事項

 この試験方法を製品規格で規定するとき,次の事項をできるだけ詳細に
規定することが望ましい。
関連箇条項目
a) 印加圧力 4.5.1参照

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C 0026 : 2001 (IEC 60068-2-17 : 1994)
b) 圧力の差を加える向き 4.5.1参照
c) 試験中の機械的動作 4.5.2参照
d) リーク率 4.6参照

5. 試験Qc : ガスリークによる封止試験

5.1 目的

 この試験方法は,ガスで満たされた空間のある供試品(例えば,供試品の内部がすべて充て
ん物で占められていないもの)の封止の有効性を調べることを目的とする。

5.2 適用範囲

 試験Qcは,次の試験方法のいずれかを選ぶことによって,100Pa・cm3/s,10Pa・cm3/s又は
1Pa・cm3/sより大きなリーク率の検出ができる。
試験方法1及び試験方法3は,十分な減圧及び充てんの際の加圧(5.3.3参照)で,ひずみ又は永久的な
損傷が生じない供試品に適用する(附属書BのB.1,B.2及びB.3参照)。
試験方法2は,供試品が最高動作温度になったときに,熱によって圧力差が生じるような供試品に適用
する。

5.3 試験方法の概要

 大リークの検出は,制御された条件で適切な液体に供試品を浸せきし,供試品の
表面から発生する気泡を観察することによって行う(附属書BのB.5参照)。次に示す方法のいずれかで
供試品の内圧を高める。

5.3.1 試験方法1

 減圧した容器の中で試験することによって,封止の両側の圧力差を増加させる。

5.3.2 試験方法2

 高い温度の液体に浸す(附属書BのB.10参照)。

5.3.3 試験方法3

 沸点が試験用液体の温度より低い含浸液を含浸し,試験用液体に浸せきする。

5.4 試験方法1

5.4.1  試験槽は,槽内に浸せき容器をもち,真空にできるものとする。浸せき容器の大きさは,供試品の
最上部又は封止部分を液面から10mm以上の深さに浸すことができ,液体(附属書BのB.8参照)の温度
を15℃35℃の間に維持できるものとする。
なお,試験槽は,槽内の圧力を大気圧に戻す前に液体を排除できるか,又は供試品を液体から取り出せ
る構造とする。
5.4.2 供試品の封止部を最も上にして,試験用液体に浸す。槽内の圧力を1分間以内に1kPa又は製品規
格に規定の値にまで減圧する。リークが観測されなければ(5.4.4参照)更に,1分間又は製品規格に規定
する時間この圧力を維持する(附属書BのB.9参照)。
5.4.3 供試品の複数面上に封止がある場合は,各面の封止部を最も上にして,5.4.2に従って試験を行う
(附属書BのB.4参照)。
5.4.4 欠陥の判定基準は,試験中に明確な気泡の流れ,2個以上の大きな気泡又は付着した気泡の成長が
観測された場合とする(附属書BのB.6,B.7参照)。

5.5 試験方法2

5.5.1  浸せき容器は,供試品を完全に試験用液体(附属書BのB.11参照)に浸すことができ,かつ,供
試品又は封止の最上部を液面から10mm以上の深さに浸すことができるものとする。
5.5.2 液体の温度は,供試品の最高動作温度よりも1℃5℃高い値,又は製品規格に規定する温度に維
持する。
5.5.3 15℃35℃の供試品を封止部分を上にして,液体(附属書BのB.11参照)に浸す。浸せき時間は,
10分間以上又は製品規格に規定する時間とする(附属書BのB.3参照)。

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C 0026 : 2001 (IEC 60068-2-17 : 1994)
5.5.4 供試品の複数面上に封止部分がある場合には,各面の封止部分を最も上にして,5.5.3によって各
封止部分の試験を行う(附属書BのB.4参照)。
5.5.5 欠陥の判定基準は,試験中に明確な気泡の流れ,2個以上の大きな気泡又は付着した気泡の成長が
観測された場合とする(附属書BのB.6及びB.7参照)。

5.6 試験方法3

 次の2段階で構成する。
5.6.1 段階1 段階1は,室温で行う。
供試品を真空・圧力容器に入れ,1時間で100Paにまで減圧する。次にその圧力を保ちながら含浸液(附
属書BのB.12及びB.13参照)を注入し,供試品が完全に浸るようにする。
さらに,次の条件(表1)で含浸液に圧力を加える。
表1
供試品内部空間の容積 最小の絶対圧力 最小含浸時間
cm3 kPa h
0.1以下 600 1
0.1を超えるもの 300 2
最小含浸時間経過後,供試品を含浸液に浸したままの状態で大気圧に戻す。次に含浸液から取り出し,
段階2を実施する前に室温で3±1分間又は製品規格に規定の時間,乾燥させる(附属書BのB.14及びB.15
参照)。
5.6.2 段階2 試験方法2を適用する。この場合,製品規格に規定がなければ,試験用液体の温度を125
±5℃とする。浸せきしてから30秒間又は製品規格に規定の時間,供試品を観察する。

5.7 製品規格に規定する事項

 この試験方法を製品規格で規定するとき,次の事項をできるだけ詳細に
規定することが望ましい。
関連箇条項目
a) 試験方法 5.3,5.4,5.5及び5.6参照
b) 使用する液体 附属書BのB.8,B.11及び5.6.1参照
c) 試験方法1 : 圧力及び時間(5.4.2と異なる場合) 5.4.2参照
d) 試験方法2 : 液体の温度(5.5.2と異なる場合) 5.5.2参照
e) 試験方法3 : 浸せき時間(5.5.3と異なる場合) 5.5.3参照
f) 乾燥時間(3分間以外の場合) 5.6.1参照
g) 試験方法3 : 段階2の温度(125℃以外の場合) 5.6.2参照

6. 試験Qd : 充てん液のリークによる容器の封止試験

6.1 目的

 この試験方法は,液体を充てんした供試品の封止の有効性を調べることを目的とする。
備考 この試験方法は,供試品の充てん物が常温では固体で試験温度では液体となる場合に適用して
もよい。

6.2 適用範囲

 この試験は,等価標準リーク率1Pa・cm3/s以上のリーク率の検出に適用する。この試験方
法の検出感度は,試験温度での液体の動粘度及びリークの検出方法によって決まる。

6.3 試験方法の概要

 供試品が,最高動作温度よりやや高い温度に達したときに,発生しやすい充てん
液のリークを試験する。

6.4 厳しさ

 製品規格に規定する厳しさは,供試品を試験温度に保つ試験時間で定める。製品規格では,
次に示す試験時間から厳しさを選定する。

――――― [JIS C 60068-2-17 pdf 10] ―――――

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