JIS C 60068-2-17:2001 環境試験方法―電気・電子―封止(気密性)試験方法 | ページ 7

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C 0026 : 2001 (IEC 60068-2-17 : 1994)
V
ここに, =P0
L
L : 等価標準リーク率 (Pa・cm3/s)
P0 : 大気圧 (Pa),P0=105 (Pa)
V : 供試品の内容積 (cm3)
Ma : 空気の質量 (1.29g/l)
M : ヘリウムガスの質量 (0.18g/l)
t1 : 浸せき時間 (s)
異なった内容積の供試品でヘリウムガスの分圧が同じように変化するならば,これは充てん時定数
同じであることを意味する。したがって,試験の厳しさは,供試品内部の空間の容積と無関係にし,かつ,
同じ用途で使用する異なった供試品の封止の品質を比較するため,充てん時定数で表すのがよい。
E.7.1 試験方法1にはH.1.2に示されているほかに,容器の厚さによってリーク場所を通るガスの流れを確
定するためにかかる時間を考慮する必要がある。
試験方法2では,指示されている30分間は短すぎる可能性があるので,実際に行った時間を試験結果に
記載すべきである。
E.7.2 小さい供試品(表3参照)に対する試験方法2は,供試品の封止後に,すぐに行うときだけに適用
できる。時間の遅れによってヘリウム・トレーサガスがなくなってしまうことがあるからである。
E.8 適切な厳しさの選定
E.8.1 この規格でリークがある場合,厳しさは,供試品内部の空間内でのヘリウムガス濃度の指数的変化
に対応する時定数 する。この考え方は等価標準リーク率Lよりも が適しているからであり,
内部の空間内の容積Vと等価標準リーク率Lとで定まるからである( 燿 P0・V/L)。たとえ,こ
のリークの時定数が正確に充てん時間Lに等しくない(E.8.2参照)としても,非常に異なった容積の二つ
の供試品が同じ厳しさの試験に合格するならば,封止の検査の観点から,おそらく同様な期待寿命をもつ
はずである。反対に,600時間の厳しさの試験に合格している供試品の期待寿命は,供試品の内部空間の
容積と,加圧圧力又は加圧時間がどのような値でも,60時間の厳しさだけの要求を満たすものよりも大き
くなる。
それにもかかわらず,同一容積の供試品に対しては,等価標準リーク率Lを比較することが有効である。
大形の封止部品が開発され,従来の小形封止部品に適用された比較的高い圧力の試験に耐えることがで
きなくなったので,この問題を考慮し,新しい考え方が導入された。
E.8.2 製品規格の原案作成の際,要求する厳しさは,表3で示したリークの時定数が理論的に得られる近
似的なものであることを考慮して選定するのがよい。実際の現場で使用する場合は供試品の空間を充てん
するために必要な時間がこの値よりも常に長いことに注意する。これは,すべての計算が次の仮定によっ
たからである。すなわち,リークの通路が幾何学的に完全であること,ヘリウムガスの流れが分子流の法
則に従うこと,ヘリウムガスを理想気体としたことである。
この場合,リーク率は絶対温度の平方根に比例し,ガスの分子量の平方根に反比例する。また,混合ガ
スの異なったガス成分が相互に関係なく流れると仮定した。
E.8.3 製品規格の作成に当たっては,実際の用途を考慮して厳しさを選定するとよい。
厳しさ6時間は,主として民生用分野で使用する小形の部品に適用する。
厳しさ,60時間及び600時間は,一般的に民生用分野で使用する比較的大形の部品,又は工業の専門分
野での小形部品に適用する。

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厳しさ1 000時間は,主として高度な封止が必要なところに適用する。
E.8.4 試験の際は,試験中の供試品の機械的耐圧強度に応じて加圧圧力を選定する。大きく平らな供試品
を試験する場合には,特別な注意をしなければならない。
加圧時間は,仕様に規定している厳しさと試験の際に選定した加圧圧力とによって決める。
試験パラメータを選定する場合,試験の際に存在しているリーク通路の閉鎖の可能性があるか,供試品
の物理的ストレスによる新しいリーク通路の発生があるかどうかを正しく判断することが望ましい。
E.9 試験方法3は,高真空に耐えられ,かつ,あまりガスが出ない供試品に適用する。
E.10 選択a)(ポケット方法)は,複雑な形をした比較的大きな供試品の試験に便利である。これは,選択
b)(噴射方法)より早く試験を行えるが,局部的なリークの場所を知ることはできない。そのため,必要
ならば修理をすることになるが,修理した供試品には,噴射方法で欠陥品の再試験をすることを推奨する。
選択a)はポケットが供試品と試験装置の間の接続部の全体又は一部を覆ってしまうため,間違える危険が
ある。なぜならば,この接続部の封止は供試品の封止より非常に弱いので,補強なしではこの方法は適用
できないからである。
E.11 幾つかの小さい供試品を試験するときは,弁付きの独立容器を幾つか使用し,それぞれ真空容器から
分岐させるアダプタを付けて試験を行うと便利である。
全体の装置を真空にし,次に個々の弁を開けて実際に試験する供試品を分析計に接続することができる
からである。
E.12 質量分析計に信号が検出されるまでのタイムラグは,幾つかの要因(ダクトと配管の形状,装置の種
類,リークと検出器との距離,リークの量など)による。
校正を確認するためには基準リークを使用する。基準リーク値は,許容リーク値にできるだけ近いもの
で校正することを推奨する。基準リークを発生させる箇所は,供試品の置かれている所よりも質量分析計
の応答遅れが長くなるような場所とすべきである。噴射法の場合,時間遅れは数分間(最大5分間)を超
えてはならない。なぜならば,このような場合はリークの場所が分からなくなるからである。ポケット方
法の場合,タイムラグを決めておくことが望ましい。測定は,その時間が経過した後に行うことができる。
E.13 選択b)の場合は,常に供試品の最も高い部分から噴射することから始め,規則正しく下部の方におろ
していく。リーク場所の位置決めの誤りを少なくするために,どの場所も飛び越さないようにする(例え
ば,噴射した場所の真上にリークがあると,そこでヘリウムが吸収されるからである。)。
備考 質量分析計で一定,かつ,十分に測定ができた後ならば,供試品を高真空に置く必要はない。
リークを通るヘリウムガス量は,測定圧力が102Pa又は10−3Paでは同じである。
E.14 噴射方法は,正確にリークの場所を知ることができ,適切な装置を使用すれば5mm離しても検出で
きる。この精度は,ノズル(例えば,注射針)の直径とヘリウムガスの供給圧力(リークを掃引するのに
必要な高い圧力,しかし,層流でヘリウム濃度を保持できるような低い圧力)による。

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E.15 測定されたリーク率は,リーク箇所でのヘリウム濃度による。試験方法3は正確なリーク率を知るた
めには適していないが,その傾向とか調査を目的とするには有効である。

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附属書F(規定) 試験Qlの指針
F.1 この試験は,次の理由によって全数検査に適用することは,推奨しない。
− 液体の浸入が試験中に検出されずに,後から供試品の変質又は腐食の原因となることがある(例えば,
半導体デバイスのパッシベーション)。
− 加圧下で液体に供試品を浸す場合,実際の使用中には通常経験しない部分に湿気が浸入する傾向があ
り,この作用は,潜在的な電気的特性劣化の原因となる(例えば,外部の漏れ電流)。
− しかし,この試験は,経済的理由からサンプルは1個でもよいが,前述の危険を十分理解している場
合だけに使用する。
− これらの危険を最小にするため,後処理時間を2週間程度とし,中間時点で測定してもよい。
F.2 試験Qcの試験方法2で感度が不十分な場合には,試験Qlを封止(気密生)の部分又は部品に使用す
る。
なお,試験Qlは試練Qcの試験方法2よりも熟練度の低い試験員で行うことができる。
F.3 試験時間は,試験圧力を上げた場合には短縮できるが,試験に適用する圧力は,供試品が耐えられる
最大値を超えないことに注意する。多くの場合,250kPaの圧力で十分である。
この試験に合格したようにみえる供試品でも,適用した圧力によって損傷を受けている場合もある。特
に,圧力を取り除いた直後に行う電気的測定では,リークが非常に小さく検出できない。判定の誤りを避
けるために,参照用供試品との比較測定をしてもよい。
F.4 液体,供試品に検出可能な電気的特性の変化をさせる液体とする。液体として水とアルコールの混合
物が広く使用されている。それぞれの場合,液体による供試品の表面の化学的反応がないことを確かめる
ことが望ましい。

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附属書G(規定) 試験Qmの指針
G.1 時間の影響 試験Qmの二つの方法は,加圧された供試品の外側でリークを検知する。供試品の壁を
通過して漏れたトレーサガスを,プローブで検知する。試験に要する時間は,ガスの性質,供試品の内部
圧力,リーク通路の形,供試品の清浄度及び温度によって変わる。少量の漏れには,確実な検知及び測定.
のため,リーク率が安定するまで待つ必要がある。供試品の壁が厚い場合,又は内部圧力が極めて低い場
合は,この時間は長くなる。特に,直列に幾つかの壁がある場合,例えば,多重ガスケット又は二重溶接
の場合には時間がかかる。
G.2 試験方法1 : 蓄積試験
G.2.1 感度 リーク測定の感度は,リーク測定器の感度,測定容積及び濃度測定の間隔によって変わる。
この方法で測定したリーク率の精度は,±50%程度である。
供試品内のトレーサガスが1種類の混合ガスだけのとき,測定したリーク率には,全内圧とトレーサガ
スの分圧の比として得られる修正率を乗じる必要がある。
試験圧力が供給圧力と違うとき,リーク率は,1Pa・cm3/sと同じかそれ以下で,かつ,圧力の変化がリー
ク通路の形を変えないという仮定で,外挿法によって絶対圧力に比例した値として得られる。
試験ガスが供給ガスと相違するときには,リーク率は試験又は計算によって換算する。一般に微小リー
クのリーク率は,分子量の比の平方根に逆比例する(空気の分子量は29とする。)。
G.2.2 利点及び欠点
a) 利点
− トレーサガスとして最終的に封入するガスを使用することができる。
− 供試品の使用圧力で試験をすることができる。
− 測定前にリーク率が安定するまで待つことができる(夜間などを待ち時間に利用できる。)。
− 定量的な制御ができる。
b) 欠点
− 試験に時間がかかり,栓,ストッパなどの位置を保つための保持道具が必要である。
− この方法は,封止が不完全な場所を直接知ることができない。
G.2.3 試験報告書 試験報告書には,少なくとも次の項目を含める。
a) 採用した試験方法
b) 供試品の内容,これには内部容積,充てんされているガスの性質と圧力を含む。
c) 試験温度
d) リーク率が安定するまでの時間,すなわち,加圧の時間から測定開始までの時間[b)参照]。
e) 測定容積
f) 測定記録
g) リーク測定器の校正
h) 試験結果を規定された使用圧力と同等の結果に換算するための係数(適用する場合)。
G.3 試験方法2 : プロービング試験

――――― [JIS C 60068-2-17 pdf 35] ―――――

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