JIS C 60068-2-17:2001 環境試験方法―電気・電子―封止(気密性)試験方法 | ページ 6

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C 0026 : 2001 (IEC 60068-2-17 : 1994)
この場合,最も適切な液体はガス抜きをした油である。
なお,ぬれ促進剤を加えた水又は20℃での動粘度が25×10−6m2/sを超えないような適切な液体ならば使
用してもよい。ただし,この場合,試験の感度が低下することに注意する必要がある。また,液が沸騰す
るおそれがあるので,減圧にも限界がある。
B.9 初期の泡立ちが,供試品の封止部からのリークによる泡を隠すことがあるので,試験方法1での減圧
の状態に速やかに達することが必要である。リーク率が大きい場合には,内部の気体が早く抜け出すこと
があるので,初期の泡立ちの間に封止部から発生する気泡は,検出できないこともある。
試験方法2
B.10 試験方法2を選ぶ前に供試品への加熱の影響を評価することを考慮しなければならない。例えば,加
熱によってリークの通路が開かれているか,閉じられているかを注意する。
B.11 試験方法2のぬれ促進剤を加えた水は,90℃以下の試験温度で使用することができる。
なお,より高い試験温度に適した液体は,試験温度での動粘度が0.3×10−6m2/s程度であることが必要で
ある。この場合,一般に用いられる液体は,フロロカーボン(ふっ素系不活性)で,例えば,過フロロト
リブチルアミン (perfluorotributylamine) 又は過フロロ(1-メチルデカリン) [perfluoro (1-methyldecaline) ] な
どである。
試験槽の容積は,供試品体積の少なくとも10倍以上が必要である。
試験方法3
B.12 試験方法3の含浸液は,室温での動粘度が0.4×10−6m2/s程度で,沸点が約60℃であることが必要で
ある。そして段階2を行うとき,供試品の内部で急速に蒸気となるように,沸点での気化熱が小さくなく
てはならない。一般に用いる含浸液はフロロカーボンで,例えば,環式パーフロロジプロピル−エーテル
(cyclic-perfluorodipropyl-ether) 又はパーフロロ−N−ヘキサン (perfloro-N-haxane) であり,これは,段階2
で用いる液体と反応を起こすような相互作用があってはならない。
B.13 含浸液は,使用前にろ紙を用いてろ過し,試験は,換気のよい場所で行うことが望ましい。部分的に
ふっ化している含浸液を用いる場合は,液中の水分と油脂の溶解による汚染のおそれがあり,また,供試
品の表示や素子の損傷の可能性がある。
B.14 大きな供試品を試験方法3によって試験するときは,リークの大きさ,含浸時間及び圧力の組合せに
よって供試品に含浸液が多量に入り,段階2の間に極めて急速に気化して爆発するおそれがあるので注意
する。このようなリークは,試験方法2だけを適用すれば確認又は試験できる。
B.15 含浸液は,蒸発したとき有毒なガスが発生することがあるので,含浸液を加熱板にこぼさないように
注意する。

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C 0026 : 2001 (IEC 60068-2-17 : 1994)
附属書C(規定) 試験Qdの指針
C.1 この試験方法の感度は,次の諸条件の影響を受ける。
a) 充てん液の動粘度 動粘度の値が小さいほうが感度がよくなる。
b) 試験時間 リークの量は,試験時間に依存する。リークの量が多いほど,より一層容易に検出でき,
試験時間が長いほど確実に検出できるであろう。
c) 検出方法
C.2 リークを検出する最も簡単な方法は,肉眼による目視検査である。早くて経済的なこの方法は,リー
クした液体が背景となる材料と,色又は反射で明確なコントラストがつく場合にだけ可能である。こうし
た条件が得られない場合には,次のいずれかの方法を推奨する。
− 供試品表面の封止部の周りを適切な細かい粉末の薄い層で覆う。
この粉末が変色した場所があれば,リークが分かる。例えば,滑石粉末の薄い層は,油性液体の検
出に適し,過マンガン酸カリウム (KMnO4) 粉末の薄い層は,水性液体の検出に適している。
− 供試品を清浄な吸取紙の上に置く。
色のついた液体や油性の液体の液滴は,明確に識別できるしみを生じる。
− 蛍光を発する液体は,紫外線を照射することによって検出できる。
この方法は,例えば,鉱物油では非常に感度よくできるが,ある種の塩素系油では検出できない。

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C 0026 : 2001 (IEC 60068-2-17 : 1994)
附属書D(規定) 試験Qkの試験パラメータの相互関係
D.1 ヘリウムの測定リーク率Rは,与えられた温度に対して試験条件と空気の等価標準リーク率Lとによ
って,次の式で与えられる。
1 1 1
P Ma 2 L Ma 2 L Ma 2
R=L 1− exp − t1 exp − t2
P0 M VP0 M VP0 M
ここに, R : ヘリウムガスの測定リーク率 (Pa・cm3/s)
L : 等価標準リーク率 (Pa・cm3/s)
P : 浸せき絶対圧力 (Pa)
P0 : 大気圧 (Pa),P0=105 (Pa)
V : 供試品の内容積 (cm3)
Ma : 空気の質量 (1.29g/l)
M : ヘリウムガスの質量 (0.18g/l)
t1 : 浸せき時間 (s)
t2 : 圧力を取り去ってからリーク測定を終了するまでの時間 (s)
P0V
= : 厳しさ (s)
L
備考1. 大気圧が105Paにほぼ等しいとし,この値を代入すれば,この式は簡易化できる。
2. 通常の試験温度の範囲 (15℃30℃) では,温度の影響を無視してもよい。
3. 厳しさを60時間(約2×105s)以上とすれば,次の式に簡略化してもよい。
.717L2Pt1 RV
R= 又は L=
V .717Pt1
D.2 図D.1は,与えられた他のパラメータの値に対して,R,L又はt1の値を決定する図表である。この図
表は,上記の簡易化した式から求められる。したがって,この図表は,厳しさが60時間以上の場合に限定
して適用する。
適用例
a) ,P,t1及びVを与えてRを決める場合 与えられたPの値とt1とを結ぶ直線を引く。支点軸 愀
の交点に目印を付ける。同様に,目印と与えられたLの値を結ぶ直線を引き,支点軸 愀 の点に目印
を付ける。Vの値と 愀 の目印の点を結ぶ直線を引き,Rの目盛上の点が求める値となる。
b) ,P,t1及びVを与えてLを決める場合 与えられたPの値とt1とを結ぶ直線を引く。支点軸 愀
の交点に目印を付ける。同様に,RとVとを結ぶ直線を引き,支点軸 愀 の支点に目印を付ける。こ
れらの二つの目印を結ぶ直線を引き,L軸と交わった点が求める値となる。
c) ,R,P及びVを与えてt1を決める場合 与えられたRの値とVとを結ぶ直線を引く。支点軸 愀
の交点に目印を付ける。同様に,目印の点と与えられたLの値とを横切る直線を引き, 愀 に目印を
付ける。Pと 愀 の目印を結ぶ直線を引きt1の目盛上の点が求める値となる。
現状では,この計算図表は,表3に示す値の範囲に対して使用することができる。
この計算図表の作成に当たり重要な点は,この計算図が次のような関係を表していることである。
R,Vと 愀
愀 愀

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C 0026 : 2001 (IEC 60068-2-17 : 1994)
P,t1と 愀
この図から,関係パラメータ間に直線を引くだけでR,L又はt1の値を決定できる。
図D.1 試験パラメータを決めるための計算図表
適用例
P=4とt1=30を結ぶ線1上で 愀 桎 わる点を求める。
愀 の点とL=5×10−7とを結ぶ線2上で 愀桎 わる点を求める。
愀 の点とV=1.0を結び,これを延長した線3とRとが交わる点は1.26×10−8となる。
備考 表3でのRの数値は,丸めてある。試験パラメータを決める場合は,このことに留意する必要
がある。一般に計算図上の最も近い標準値を採用すれば十分である。

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C 0026 : 2001 (IEC 60068-2-17 : 1994)
附属書E(規定) 試験Qkの指針
E.1 この規格では,リーク現象をリークの通路を通るガス分子の流れとみなしている。
ガスは,ヘリウムガス又は混合ガス以外のガスを使用してもよいが,これによって得られた結果とヘリ
ウムを使用して得られた結果との相関関係を計算又は実験によって定める。ただし,供試品の物質によっ
ては使用できないガスがある。
JIS C 0010の5.3.1の温度範囲 (15℃35℃) では温度の影響は無視する。
E.2 リーク率の測定に使用する真空槽の容積は,この槽内容積が小さいほど感度がよくなるので,実用的
な最小の大きさにするのがよい。
E.3 試験中(8.4.5参照)に,ヘリウムガスを吹き込む方法を適用する場合は,槽内にガスを吹き込む入口
と出口とが対面していると,吹き込むときの効果が減少するので,注意する必要がある。吹き込むガスの
速度を遅くして,槽の容積の5倍10倍程度のヘリウムガス量を吹き込むことが望ましい。
E.4 すべての場合,微小リーク及び大リークを検出する方法の感度がその境界で十分に重複していること
を確認し,微小リークの検出を完全なものにするために大リーク検出をする必要がある。これは,もしリ
ークが大きいと後処理期間中にヘリウムガスの分圧が相当量減少し,リーク検出器に信号が得られなくな
るからである。
E.5 特に,リーク検出器の読みが減少しているときは,大リークによるものか,又は後処理時間が不十分
によるものか,を示している可能性があるので技術的判断が必要である。
この両者を区別することは,しばしば困難となる。そのため同じ材料の固体片のようなダミーの供試品
によって信号の時間的変化を比較する方法を勧める。
E.6 一群の製品間のばらつき(例えば,ガラス封止での気泡の数,ラッカー又は塗料の品質上の差異,セ
ラミックスの保留能力など)によって,吸収又は吸着したヘリウムガスの量が変わることがある。このよ
うな場合は,ヘリウムガスを吸い込む方法を適用するか,又は特定の電圧印加の温湿度試験を適用するこ
とによって真のリークが決定できる。
他の方法として,リーク率−時間曲線を注意深く調査する方法がある。
吸着されたヘリウムガスは,早く減衰する曲線となるが,一方指数関数のリークの時定数及びリーク率
は実際のリークしているものに対して比較的大きくなる。
この場合,供試品は8.4.7の規定時間よりも長く観察しなければならない。観察時間がリークの時定数
に関して無視できる場合は,附属書DのD.1にも示した簡易化した式を使用することができる。
E.7 加圧段階中,供試品内のヘリウムガスの分圧は,次の式で与えられる。
1
Ma 2 t1
p=P0 1− exp −
M

――――― [JIS C 60068-2-17 pdf 30] ―――――

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  • IEC 60068-2-17:1994(IDT)

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