JIS C 60068-2-17:2001 環境試験方法―電気・電子―封止(気密性)試験方法 | ページ 5

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C 0026 : 2001 (IEC 60068-2-17 : 1994)

11. 試験Qy : 圧力変化による封止試験

11.1 目的

 ガス(空気又は不活性ガス)が充てんされている供試品,例えば,充てん材で完全に充てん
されていない部品の封止の有効性を決定する。この試験方法は大量生産されている部品の試験を自動化す
るのに適している。

11.2 適用範囲

 この試験は,ほぼ10−5Pa・m3/s (10−4bar・cm3/s) までのリーク率を検知するのに使用できる。
この試験は内容積が5cm3以下で,かつ,試験中の減圧によって永久的な破壊又は潜在的なリーク源が変化
するような損傷を受けない部品に適用する。

11.3 試験の概要

11.3.1 試験方法

 試験方法は,供試品を試験槽に入れた状態で槽内の圧力を急速に減圧し,適切な圧力に
達したとき減圧を止め,その直後及びあらかじめ規定した期間の圧力上昇率を観測することである。

11.3.2 試験装置

 図H.1に圧力変化試験の典型的な装置を示す。試験槽の空気導入弁を開いた状態でその
中に供試品を置く。空気導入弁を閉じた後,試験槽を3kPaから4kPaの間に達するまで急速に減圧する。
そのあとポンプの弁を閉じ, 内の圧力上昇 ( ‰ 録する。この結果からリーク率を算出す
る。
試験の順序は適切な制御装置で制御することが望ましい。真空ポンプの能力は,あらかじめ規定した時
間内で3kPaに到達するものとする。真空ポンプの排気量は,排気する空気量に対応していなければならな
い。附属書HのH.1.1に規定するような微少な体積の圧力を測定できるように,ピエゾ効果を利用した検
出器を使用することが望ましい。
試験で観測された圧力の変化を図H.2に示す。

11.3.3 リーク率Rの計算

 リーク率Rは,次の式で算出する。
p Vm
R=
t
ここに, 試験時間 魎 昇 (Pa)
Vm : 測定容積 (m3)
試験時間 (s)
リーク率が当該製品規格で許容できる最大リーク率を超えなければ,供試品は合格とする。

11.4 試験装置の校正

 試験装置は,校正された供試品で校正する。校正された供試品を使った場合の圧
力上昇値は一定であり,常に,供試品を使って測定した圧力上昇値 ( ‰ かなければなら
ない。試験装置の校正のために,真空ポンプは試験中と同じ流量で,かつ,同じ期間動作しなければなら
ない。

11.5 製品規格に規定する事項

 この試験方法を製品規格で規定するとき,次の事項をできるだけ詳細に
規定することが望ましい。
箇条項目番号
a) 最大リーク率 11.3.3参照

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附属書A(規定) 試験Qaの試験装置の例
A.1 試験方法の原理 供試品を,図A.1のように小さな封止試験容器のふたに取り付ける。この容器には,
空気導入ノズル,空気供給管及び圧力調整弁を取り付ける
図A.1 (試験Qa)封止試験容器
次に,封止試験容器に試験に必要な空気圧になるまで空気を圧入する。この容器を製品規格に規定の試
験温度の液体に浸せきする。供試品にリークがある場合には,その部分から噴出する気泡の浮上が観察で
きる。
試験装置を図A.2に示す。透明な漏斗に長い収集管を付け,その端部をガラスの栓で止める。漏斗は,
栓を開いた状態で液体に浸せきする。液体を収集管内に満たし,栓を閉じる。収集管を垂直に保ち,漏斗
の口を供試品からの気泡流を捕そくできる位置に迅速に移動する。漏斗又は収集管によって,この作業を
迅速に行うことができる。上昇した気泡は,漏斗の首部を通り収集管の中に移動し,液柱を押し下げて上
端に捕集される。液柱の高さの変化の割合でリークが測定できる。空気のリーク率は,校正した目盛及び
時計によって単位時間当たりの体積として表される。

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図A.2 (試験Qa)封止試験用装置
低温で低粘度,かつ,沸点近くの高温まで安定な液体を用いれば,装置は広い温度範囲にわたって使用
することができる。安定な液体とは,ガスの吸収若しくは分散がないもの又は気泡の吸収若しくは分散を
防止する作用があるもので揮発性の低い液体のことである。低温試験には,アルコールが適しており,高
温試験には,ろう(パラフィン)が適している。
A.2 操作 容器の液体を試験温度にし,さらに,試験の間液体を常にかくはんして,均一な温度を維持す
る。
封止試験容器の空気を,試験条件で規定している圧力まで加圧する。封止試験容器を注意しながら液体
に完全に浸せきすることによって,リークがある場合はリーク部分からの気泡の流れによって直ちにリー
クが発見できる。この場合,供試品が温度安定に達するまで,適切な時間放置する。
収集器の漏斗開口部を液体に浸せきして,液体を収集管内に吸い上げる。
次に,漏斗の開口部をすべて気泡流が捕そくできるように,その流れの上に移動する。それによって気
泡が首部から収集管内に上昇する。このとき,収集管を垂直に保持し,漏斗の開口部を校正のときに用い
た一定の深さに維持するよう注意する。
収集管の目盛を立方センチメートル単位で校正しておき,一定の時間中に液体の上部界面が押し下げら
れる量を測定し,リーク率を計算する。その結果は,1時間当たりの立方センチメートル単位で表す。

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A.3 校正及び精度 収集管は,液体を収集管内に吸い上げ,封止しておくことで校正することができる。
まず,注射器を空気ポンプとして用い,既知の量の空気を段階的に液体中の漏斗の開口部の中に注入する。
各段階で,収集管表面又は目盛尺に液面の位置を記録する。この操作を適切な目盛尺ができるまで行う。
なお,校正中は,漏斗の開口部は一定の浸せき深さに保持する。これは,液柱の高さの変化などによっ
て圧力が変化し,わずかではあるが校正誤差が生じるからである。
空気のリーク率は,収集管及び目盛尺全体を規定の温度に維持することによって,任意の温度及び圧力
での測定ができる。一般に,リーク率は,室温及び室内の気圧での値で表す。このことは,捕集された収
集管の上端の空気が急速に室温となるので,容易に得ることができる。
リーク率測定の総合精度は,幾つかの個々の測定要素の精度に依存し,その主なものは次のとおりであ
る。
a) 空気圧力
b) 空気圧力の安定性
c) 収集管内の空気体積
d) 規定の体積に達するまでの時間
e) 収集管内の液柱高さ又は圧力
f) 液体の温度
a)の空気圧力及びf)の液体の温度の測定誤差は,直接的にリーク率と比例関係にあり,これらを総合誤
差とみなす。b) e)の誤差は,a)に比較して,通常,非常に小さく,無視することができる。

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附属書B(規定) 試験Qcの指針
一般
B.1 この試験によって得られる情報は,供試品についての半ば定量的な性質及び個々のリークの通路だけ
を示すものであり,供試品に関するリークの総量を示すものではない。
B.2 最適試験条件を適用することで,試験方法1は10Pa・cm3/s,試験方法2は100Pa・cm3/s,試験方法3
は1Pa・cm3/sの感度を得ることができる。試験の厳しさの変更は,試験方法1では真空度の,試験方法2
では試験液温度の,それぞれ異なるレベルを用いることによって行うことができる。ただし,供試品によ
っては,過大な加圧又は減圧によって破損するおそれがあることに留意しなければならない。
B.3 試験方法1では100kPaの圧力差が加えられるが,試験方法2では12kPa (55℃) 36.5kPa (125℃) の
範囲の圧力差が加わる。したがって,試験方法2の浸せき時間を10分間にすることは,試験方法1とほ
ぼ等価な厳しさになる。
B.4 2面以上の面に封止がある供試品は,各面ごとに試験する。各面の試験の前に,供試品を元の状態に
戻す必要があるかどうかの検討を行う。例えば,気体を封止した小さい空洞がある供試品では,一つの面
の試験の間に,これが排気されてしまうことがあるためである。
B.5 観察は,曇った反射がない黒色の背景で,供試品が最もよく見えるように調整した直接照明で,液体
に浸した供試品から発生する気泡を観測するために約3倍の拡大鏡又は立体顕微鏡を用いる。
B.6 ある種の供試品では,材料がガスを吸収・吸着する性質によって“真”のリークか“見掛け”のリー
クかを判別するために,技術的な判定が必要となる。ほとんどの場合,“見掛け”のリークは,ガスが排気
されるに従って発生する気泡の個数,気泡の大きさ及び/又はその時間変化率は減少する。このため,同
じ材料の固まりからできた模擬の供試品を比較のために用いることもある。
B.7 供試品はできるだけ洗浄し,塗装・皮膜及び種々の表示によって誤った試験結果が生じるおそれがあ
る場合は,これらを含む表面の異物の影響を除くようにする。特に試験結果に影響を与えるような供試品
の敏感な部分に手指が直接触れないように取扱いに注意する。
試験液は,試験の間安定した状態で作用する液を選定する。
試験方法1
B.8 試験方法1のための試験液は,次の特性をもつものとする。
20℃での動粘度 : 25×10−6m2/s
50℃での動粘度 : 9×10−6m2/s
周囲蒸気圧 : <10Pa

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