この規格ページの目次
C 0098 : 2002(IEC 60068-2-68 : 1994)
かんらん石 [(Mg, Fe)2SiO4] 類は,鋳物やサンドブラストで使われる一般に入手可能な工業用鉱石であ
る。
長石類はシリカ(二酸化けい素),アルミナ(酸化アルミニウム),酸化アルカリの化合物である。火山の
ガスや水の作用で分解されることがなければ,これらの鉱石は石英とほぼ同程度に硬い。
粒子サイズ分布の測定には4.3.4.2の方法を推奨する。
5.3.5 試験の厳しさ 厳しさは試験時間によって表し,製品規格の中で定義されていなければならない。
試験の厳しさは試験時間にだけによって与えられる。1日当たりの粉じんたい積量は6 g/m2である。
厳しさと実際の状態との関係を決定することは困難である。
実際の状態は相当に変化する,そして試験の目的は再現性のある方法で供試品の防じん性を示すことで
あり,実際の状態を模倣する必要性はない。供試品の機能の重要性によって厳しさの選択が限られること
さえある。
したがって,ガイドラインでは,試験の厳しさのレベルと実際の状態の幾つかの数値の間の関係につい
ての考え方を示せるだけである。
5.3.5.1 参考値 表2はIEC 60721-2-5から転載したものである。数値はmg/m2/hからg/m2/dに変換し
てある。
表2 典型的な粉じん及び砂の降下速度
地域 粉じん及び砂の降下速度g/m2/d
田園及び郊外 0.01-0.36
市街地 0.36-1.00
工業地 1.00-2.00
これらの数値に基づき,およそのガイドラインとして,表3に示す加速係数が得られた。
表3 加速係数
地域 加速係数
田園及び郊外 600-17
市街地 17 - 6
工業地 6-3
5.3.6 試験の再現性 降じん試験の再現性は,次の試験パラメータに依存している。
温度
相対湿度
粉じん濃度
粉じん組成
試験時間
温度は,規定限界内に容易に制御される。
相対湿度は,試験を(40±2) ℃で行うことによって通常25 %より低く保たれる。暖かく湿気のある地
域では,この条件を満たすためには除湿装置を使用する必要があるかもしれない。
粉じん濃度と均質性を規定限界内に保つためには,ある程度の経験と技術を必要とする。パラメータの
測定(粉じん採取版の質量増加)は高精度を要求される。
粉じん組成は供試品にかかわる影響を与えるため,規定されたものと異なる試験用粉じん,粉じんの組
成又は他の材質を使用する場合には必ず規定しなければならない。
試験時間は,再現性に大きく寄与する。
5.3.7 試験の適用限界 試験の適用限界は,第一にこの試験方法が自然降下粉じんで行われるということ
――――― [JIS C 60068-2-68 pdf 21] ―――――
C 0098 : 2002(IEC 60068-2-68 : 1994)
である。
結局,例えば,衝撃による侵食,ひび割れ及びショットピーニングなど,供試品への強制風による侵食
の影響はこの試験では評価できない。
参考 ショットピーニング : 球状微物(ショット)を鋼材の表面に噴射し表面層に残留圧縮応力を生じ
させ,かつ加工硬化させながらある程度の仕上げ度を保持させる金属表面処理方法(JIS H 0400
電気めっき及び関連処理用語による)。
5.3.8 結果の解釈 降じん試験の結果の解釈には,粉じんのたい積と侵入の二つの原因で起こる障害があ
ることを考慮しておく必要がある。次に,幾つかの特殊なケースの解釈の手引きを示す。
5.3.8.1 供試品に対する有害な影響 粉じんは5.3.2.2.3及び5.3.2.2.4で述べたように幾つかの有害な影響
を与える要素を持っているので,これらについて適切に評価しておかなければならない。
5.3.8.2 粉じんのたい積と侵入がある場合 有害な影響(5.3.2.2.3 参照) ),b)及びc)は,供試品を関連し
た仕様書のとおりに動作させて試験した後に目視で評価する。
影響d)及びe)は,粉じんを導電性のもの,ぬ(濡)れているか化学的に活性のときはイオン導電性のもの
と仮定して評価する。試験後に解釈の信頼性を証明するため湿度試験か腐食試験を行うこともある。
有害な影響f),g)及びh)は,温度上昇の測定を含めた機能試験で確認する。
5.3.8.3 粉じんのたい積しかなかった場合 外側にたまった粉じんの影響を検証するには,供試品の機能
試験(つまみとキー操作を含む)が必要である。
外側の冷却した表面のたい積による影響を評価するには,供試品の温度上昇を測定する必要があるであ
ろう。
6. 試験Lc : 粉じん吹き付け試験 この試験では,砂を含めて粉じんという。
6.1 試験方法Lc1 : 循環式試験槽試験
6.1.1 目的 この試験の目的は,空気の流れで運ばれる特定の物質の,電気・電子製品に対する有害な影
響を調べることである。この試験はまた,自然界や自動車が巻き起こすような人為的な妨害によって発生
する屋外のほこりっぽい状況を想定した試験にも使うことができる。
また,電気・電子製品の侵入粉じんに対する保護性の試験を行う試験Laの代わりとしても使用可能で
ある。
6.1.2 試験の概要 試験方法Lc1は,供試品を一定の粒子径の粉末を含んだ空気中にさらすものである。
この試験では,水平方向の空気の流れを規定しているが,それは風の動きと機械製品の主な動きが通常
の場合は水平方向であるからである。
また,粉じん濃度の連続的な監視と制御を規定している。
6.1.3 試験装置 試験装置は,次の特性をもつ試験槽を装備する。
― 試験槽は規定量の試験粉じんを含んだ一定の水平方向の空気の層流を発生できなければならない。
― 試験槽は,ほぼ立方体であるのが望ましい。空気流断面内の辺の長さはそれぞれ,流れ方向に垂直な断
面内の供試品の縦と横の最大の長さの少なくとも3倍なければならない。試験槽は加熱又は冷却がで
きることが望ましい。
― 粉じん濃度の制御は,センサ(反射光検出型など)と調節弁制御装置で行う。粉じんは空気回路の調節
弁を通して間欠的に噴出する。
― 供試品取付板を設備する。取付け板は供試品の各面を粉じんにさらせるように回転できるようにする。
― 試験中,供試品を動かしておけるようにしておく必要があるならそれなりの設備をする。
――――― [JIS C 60068-2-68 pdf 22] ―――――
C 0098 : 2002(IEC 60068-2-68 : 1994)
― 試験機の材料は,温度及び粉じんに耐えるものを使う。材料は粉じんの特性に影響するものであっては
ならない。
供試品の大きさがこの規定に合わない場合は,次の方法の一つを適用する。
a) その供試品が幾つかに仕切られていたら仕切ごとに試験する。
b) 壊れやすい部品(端子類,集電子などのようなもの)からなる構成品(ドア,換気窓,シート,軸シール
など)でできている製品については,代わりの部品を用いて試験する。
c) 製品をそっくり同じまま小形化したものによる試験。
適合する試験装置の一例を,図6に示す。
6.1.4 試験条件
6.1.4.1 試験用粉じん 粉じんは炭素質又は他の不純物を含まないもので乾燥状態のものを使う。
粉じんは,かんらん石,石英又は変質しない長石からなるものとする。
粒子径の分布は,次の範囲内でなければならない。
種類1 : 細かい粉じん
75 μm以下 100 %から 96 %(質量で)
40 87 81
20 70 64
10 52 46
5 38 32
2 20 15
種類2 : 粗い粉じん
150 μm以下 100 %から 99 %(質量で)
105 86 76
75 70 60
40 46 35
20 30 20
10 19 11
5 11 5
2 5 1.5
種類3 : 砂
850 μm以下 100 %から 94.5 %(質量で)
590 98.3 93.3
420 83.5 74.5
297 46.5 43.5
210 17.9 15.9
149 5.2 4.2
――――― [JIS C 60068-2-68 pdf 23] ―――――
C 0098 : 2002(IEC 60068-2-68 : 1994)
混合粉じん(例えば糸くず,土,セメント)は,用途に応じて考慮する必要がある。これらは注意して作
らなければならない。これについての解説は,附属書Aに示す。
6.1.4.2 粉じん濃度 製品規格で要求する試験用粉じんの濃度は,次の値から選択する。
1 g/m3±0.3 g/m3
2 g/m3±0.5 g/m3
5 g/m3±1.5 g/m3
10 g/m3±3 g/m3
6.1.4.3 気流 試験槽内の気流は,主として層流でなければならない。すなわち,乱流と水平方向の流れ
は少しあるだけである。
6.1.4.4 風速 製品規格で要求する風速は,次の値から選択する。
V V2
1.5 m/s±0.2 m/s 2.25
3.0 m/s±0.3 m/s 9
5.0 m/s±0.5 m/s 25
10 m/s±1 m/s 100
15 m/s±1.5m/s 225
20 m/s±2 m/s 400
30 m/s±3 m/s 900
粗い粉じんでは,5 m/s以下は適用しない。砂は20 m/s及び30 m/sだけを適用する。
特に高い風速を用いる場合,供試品の最大動作温度を超えないように注意する。
6.1.4.5 供試品内部の空気圧 規格の動作状態によって,供試品のエンクロージャは二つの異なるカテゴ
リになる。
カテゴリ1 : 供試品内部の気圧が,周囲の大気圧と異なる場合(減圧)。
カテゴリ2 : 供試品内部の気圧が,周囲の大気圧と同じ場合。
6.3.4.2.3を参照する。
製品規格には,供試品エンクロージャのカテゴリと減圧(カテゴリ1)を規定する。
6.1.4.6 湿度 試験槽内の相対湿度は,25 %未満とする。これは試験槽内温度を上げることで達成される
(A.3参照)。
6.1.4.7 試験時間 試験時間は,試験装置のスイッチオンから測定する。試験時間は,次から選択する。
2h
4h
8h
24h
又は製品規格の規定による。
6.1.4.8 取付け 供試品は通常動作位置で試験槽の取付け板に取り付ける。又は,製品規格に他の方法を
記述する。
6.1.4.9 厳しさ 厳しさは,次の要素で定義し,製品規格で要求する。
粉じん密度 (6.1.4.2参照)
風速 (6.1.4.4参照)
試験時間 (6.1.4.7参照)
――――― [JIS C 60068-2-68 pdf 24] ―――――
C 0098 : 2002(IEC 60068-2-68 : 1994)
気圧
カテゴリ1 : 2 kPa(20 mbar),5 kPa(50 mbar)の減圧,又は製品規格に記載する。
カテゴリ2 : 周囲気圧
6.1.5 前処理 製品規格において前処理を要求してもよい。
6.1.6 初期測定 供試品は,製品規格に従って目視検査,寸法測定及び機能的点検を行う。
6.1.7 試験 試験槽内の空気は,相対湿度を25 %又はそれ以下に保つために十分高い温度にする。
供試品は試験場所で包装を取り去り,スイッチは切り,使用待機状態で,試験槽内に通常使用状態又は
製品規格に規定する状態に配置する。複数の供試品の場合は,供試品どうしが触れないように,また粉じ
んの影響をお互いに妨げないように注意する。
製品規格の規定で供試品を,試験中スイッチを入れた状態,及び/又は動作状態にするように指示するこ
ともある。試験は粉じんの噴き出したとき始まる。
試験終了後,供試品は試験槽内の粉じんが落ちつくまで放置する。
6.1.8 中間測定 製品規格に試験の途中又は試験の終了時,供試品が試験槽内にあるとき,測定の指示が
ある場合がある。その場合は,製品規格に測定項目,経過時間又は間隔を規定する。
6.1.9 後処理 製品規格に他の規定がなければ,供試品は回復のために標準大気条件で2時間放置してお
かなければならない。
6.1.10 クリーニング 製品規格によっては,最終測定の前に供試品の外表面に付着した粉じんを除去す
るように指示する場合がある。
6.1.11 最終測定 回復後,供試品は製品規格に従って目視検査,寸法測定及び機能的点検を行う。
6.1.12 製品規格に規定する事項 製品規格にこの試験を含める場合,適用可能な範囲で次の詳細事項を
規定する必要がある。製品規格では,次の項目に必要な情報を提供する。ここで,(*)印の付いた事項は,
必す事項であり,特に注意して規定する。
項目
a) 粉じんのタイプ* 6.1.4.1
b) エンクロージャのカテゴリ* 6.1.4.5
c) 厳しさ
粉じん濃度* 6.1.4.2
速度* 6.1.4.4
試験時間* 6.1.4.7
気圧* 6.1.4.9
d) 前処理 6.1.5
e) 初期測定* 6.1.6
f) 供試品の状態,試験中の動作 6.1.7
g) 通常と異なる場合の取付け位置 6.1.4.8 及び 6.1.7
h) 中間測定 6.1.8
i) 後処理 6.1.9
j) クリーニング 6.1.10
k) 最終測定 6.1.11
6.2 試験方法Lc2 : 砂じんの任意吹きつけ試験
6.2.1 目的 この試験の目的は,空気流で運ばれる特定の粒子物質によって,電気・電子製品に及ぼす有
――――― [JIS C 60068-2-68 pdf 25] ―――――
次のページ PDF 26
JIS C 60068-2-68:2002の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60068-2-68:1994(IDT)
JIS C 60068-2-68:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.01 : 気質一般
JIS C 60068-2-68:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称