JIS C 60068-2-68:2002 環境試験方法―電気・電子―砂じん(塵)試験 | ページ 6

                                                                C 0098 : 2002(IEC 60068-2-68 : 1994)
害な影響を調べることである。この試験はほこりっぽい屋外の状況を仮想した試験に適用でき,Lc1によ
る試験が不可能なサイズが大きい供試品の試験にも適用できる。Lc2はまた,高い風速を発生する能力を
備えているので,粉じんと砂による磨耗の影響を模擬できる。
6.2.2 試験の概要 試験方法Lc2は,供試品を規定の粒子径の粉末を含んだ空気中にさらすことである。
この試験では,風の動きと製品の動きが,実際の場合多くは水平方向であるから,水平方向の主として層
流の空気流を規定している。
粉じん濃度を試験中常に監視することを規定している。
6.2.3 試験装置 この試験に絶対必要な装置は,次のとおりである。
無理のない程度に一様な水平方向の層流を発生できるように装備した,一つ又は複数の送風機。装備は
風雨の影響を防ぐために適切に作られていなければならない。
送風機は,図7に示すような試験用粉じん注入システムを備えていることが望ましい。
試験用粉じんを平均的注入し,濃度をセンサ(反射光の測定など)を使って制御できていなければならな
い。
風速が弱い場合(10 m/s未満)は,送風機はファンでよいが,それ以上の風速の場合は,圧縮空気で動か
す排出型がより適している。
6.2.4 試験条件
6.2.4.1 試験用粉じん 製品規格の規定によるが,粉じんの組成と粒径分布は,6.1.4.1に規定する。
6.2.4.2 粉じん濃度 試験用粉じんの濃度は,6.1.4.2から選ばなければならない。
6.2.4.3 気流 試験槽内の空気流は主として層流で,すなわち,乱流成分は小さく,水平方向でなければ
ならない。
6.2.4.4 風速 風速は,6.1.4.4から選択しなければならない。ただし,Lc2では,次の二つを追加し,規
定する。
V V2
50 m/s ±5 m/s 2 500
100 10 10 000
6.2.4.5 湿度 この試験は,相対湿度には敏感ではないが,粉じんによる目詰まりと固まりの付着を防ぐ
ために,粉じんと空気中に粉じんを送り込む装置は,乾燥状態にしておくことが重要である。
6.2.4.6 試験時間 粉じんにさらす時間は,試験装置をスイッチオンしたときから測定しなければならな
い。
試験時間は,次から選択しなければならない。
2h
4h
8h
24h
又は,製品規格に規定されている場合はその時間に従う。
6.2.4.7 据付け 供試品は,製品規格に規定されていない限り,取付け台又は通常の位置に据え付けなけ
ればならない。
6.2.4.8 厳しさ 厳しさは,次の要素で定義し,製品規格で要求する。
― 粉じん濃度 (6.2.4.2参照)
― 風速 (6.2.4.4参照)

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― 試験(暴露)時間 (6.2.4.6参照)
6.2.5 前処理 製品規格において前処理を要求してもよい。
6.2.6 初期測定 供試品は,製品規格に従って目視検査,寸法測定及び機能的点検を行う。
6.2.7 試験 供試品は,試験室又は試験場所に類似の周囲温度にする。供試品は,包装を取り去りスイッ
チを切った使用準備状態で試験槽内に入れ,通常使用状態又は製品規格で規定する姿勢に設置する。供試
品が複数の場合は,供試品どうしが触れたり,粉じんの影響を互いに妨げることのないように注意しなけ
ればならない。
製品規格に要求がある場合には,供試品をスイッチを入れた状態又は動作させた状態で試験をしなけれ
ばならない。その場合は,粉じんを噴き出した時点が試験の始まりである。
終了後,供試品は試験槽内に粉じんが落ちつくまでそのままにしておかなければならない。
6.2.8 中間測定 製品規格に,試験の途中又は試験終了後供試品が試験環境にある状態での測定を指定し
てもよい。そのような測定を要求する場合には,製品規格には,測定内容と測定を行うまでの期間又は周
期を定義しなければならない。
6.2.9 後処理 製品規格に他の規定がなければ,供試品は回復のために標準大気条件で2時間放置してお
かなければならない。
6.2.10 クリーニング 製品規格には,最終検査の前に供試品の表面に付着した粉じんを除去するように記
載する場合がある。
6.2.11 最終測定 回復後,供試品は製品規格に従って目視検査,寸法測定及び機能的点検を行う。
6.2.12 製品規格に規定すべき事項 製品規格にこの試験を含める場合,適用可能な範囲で次の詳細事項を
規定しなければならない。製品規格では,次の項目に必要な情報を提供する。ここで,(*)印の付いた事
項は,必す事項であり,特に注意して規定する。
項目
a) 試験用粉じん* 6.2.4.1
b) 厳しさ*
― 粉じんの濃度* 6.2.4.2
― 風速* 6.2.4.4
― 試験時間* 6.2.4.6
c) 前処理 6.2.5
d) 初期測定* 6.2.6
e) 供試品の状態,試験中の動作 6.2.7
f) 正常動作位置と異なっていれば,据付け位置 6.2.4.7及び6.2.7
g) 中間測定 6.2.8
h) 後処理 6.2.9
i) 供試品のクリーニング 6.2.10
j) 最終測定* 6.2.11
6.3 試験Lcのためのガイダンス
6.3.1 シミュレーション方法 ここでは,装置や機械に吹き付ける粉じんや砂の影響をシミュレーション
する方法について述べる。
想定される環境の特徴は,ほこりのある場所や車などによって引き起こされる粒子が吹き付ける状態で
ある。

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6.3.2 吹き付ける粉じん及び砂の特性と影響
6.3.2.1 原因 吹き付ける粉じんや砂は幾つかの原因によって発生する。しかし,最も一般的なものはほ
とんどあらゆる土地にある石英と土である。
成分と粒径分布は,粉じんの種類によって異なる。それらに共通していることは最大粒子径である
(6.3.3.2と6.3.4.4参照)。
6.3.2.2 粉じん及び砂の挙動と影響 吹き付ける粉じんや砂(自然発生のもの又は誘発されたものがある)
にさらされる装置に対する粉じんや砂の挙動と影響には,次のものがある。
6.3.2.2.1 侵入 試験品の中への粉じんや砂の侵入は,次のようにして起こる。
― 風によって吹き込む。
― 冷房機のような空気の強制循環によって運び込まれる。
6.3.2.2.2 一次的影響 粉じん及び/又は砂は,それ自身次の一つ又はそれ以上の有害な影響を及ぼすこと
がある。
a) 可動部品の拘束
b) 可動部品の摩耗
c) 可動部品への付着によるアンバランスの発生
d) 電気絶縁性の低下
e) 誘電特性の低下
f) エアフィルタの目詰まり
g) 熱伝導度の低下
h) 光学的特性への障害
6.3.2.2.3二次的影響及び複合効果 粉じんは,他の環境因子と結びついて,供試品に対して,例えば,腐
食及びかびの成長といった有害な影響を及ぼす。特に温湿度環境は化学的に活性な粉じんと結びついて腐
食を引き起こす。さらに,フィルタの目詰まり,及び換気又は冷却能力の低下は,過熱及び火災を引き起
こす危険を秘めている。
6.3.3 吹き付ける粉じん及び砂の特性と影響 粉じん及び砂が供試品に及ぼす可能性のあるすべての影響
をカバーするためには,多くの要因を考慮しなければならない。
6.3.3.1 場所 屋外の粉じん及び砂の環境(例えば,砂漠で起きる砂あらし,ほこりのある地域で走行する
自動車又は飛行機の周辺環境)は,空気の流れによって供試品に影響を及ぼす。
6.3.3.2 粉じん及び砂の挙動と影響 粉じん及び砂の特性は場所によって違う。粉じんは,ほとんどが石
英及び長石であるが,他の粉じん物質(例えば,セメント,石灰岩,粘土など)も,それらが混じったもの
である。
6.3.3.3 試験中の供試品の動作状態 供試品の形式及び特性によって,供試品の動作状態は,粉じんの捕
捉及び粉じんの侵入に影響を与える。
粉じんがすき間へ挟まるようなことは,強制空冷装置に組み込まれた供試品のフィルタで起こる。
したがって,そのような装置は,空冷装置のスイッチを入れた状態で試験するのがよい。
粉じんの侵入は,対流式の空冷装置の換気口のある発熱供試品で起こる。そのような供試品は,スイッ
チを入れた状態で試験するほうがよい。
密閉構造の発熱供試品は,熱サイクルによるポンプ効果を得るためになるべく間欠運転をするのが良い。
6.3.4 試験条件を作り出す方法
6.3.4.1 一般的要求事項 再現可能な試験条件を作り出すために,次のパラメータについて一般的な要求

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C 0098 : 2002(IEC 60068-2-68 : 1994)
事項を満たさなければならない。
a) 粉じん又は砂じんの濃度
b) 粉じん濃度の均一性
c) 供試品周囲の風速
d) 温度
e) 相対湿度
f) 静電気の蓄積
g) 粉じん特性
パラメータa)からf)は,試験装置の設計によって制御できる。試験装置の設計についての解説は,6.3.4.2
及び6.3.4.3に記載する。試験用粉じんの選択についての解説は,6.3.4.4に記載する。
6.3.4.2 試験方法Lc1用の試験装置 試験装置は,次の三つの部分で構成する。
― 試験槽
― 注入システム
― 供試品圧力制御システム
6.3.4.2.1試験槽 試験槽は,ほぼ立方体であるのが望ましい。空気流断面内の辺の長さはそれぞれ,流れ
方向に垂直な断面内の供試品の縦と横の最大の長さの少なくとも3倍なければならない。試験槽は加熱又
は冷却ができることが望ましい。試験槽は,供試品を規定した量の粉じんを含む一定で水平方向の,主に
層流の空気の流れにさらせなければならない。
試験槽は,供試品を置く試験槽の上流部に前置槽(pre-chamber)を装備し,その二つの槽の横断面は同じ
でなければならない。前置槽に導く空気通路の入り口開口部のすぐ後ろに付けた空気案内弁の完全な調整
によって,水平な層流を作り出すことができる。試験装置内の空気流を作る送風機は,試験槽のすぐ後ろ
に設置する。その送風機は,試験槽から空気を吸い出し,空気通路を通して前置槽に戻す役目をする。
試験槽の下に粉じん収集タンクを設置する。これによって循環する粉じんを減らせるので,粉じん濃度
の制御が容易にできる。
供試品を設置するためのプレートを装備している。そのプレートは,供試品のすべての面を粉じんにさ
らせるように回転できなければならない。
試験装置の材料は,温度,湿度及び試験用粉じんに対して耐性がなければならない。その材料は,試験
用粉じんの特性に影響してはならない。
6.3.4.2.2 注入システム 試験用粉じんは調節弁によって間欠的に空気配管中に注入される。
試験用粉じんの貯蔵容器は,詰まりや凝集が避けられるように設計されなければならない。これは貯蔵
容器に暖かい乾燥圧縮空気を吹き込むことによって得られる。
粉じん濃度の制御は,センサと調節弁を連続的に制御する装置によって得られる。
センサとして使用可能なものとしては,試験槽に光を導く光ファイバと,粉じんによって反射された光
をセンサのフォトセルに導く別の光ファイバとを備えた装置がある。
6.3.4.2.3供試品内部の空気圧 製品の使用状態によって,供試品のエンクロージャは二つのカテゴリがあ
る。
カテゴリ1 : このカテゴリの供試品の,エンクロージャの内部では,作動中の熱サイクル効果によって,
空気圧が周囲の大気圧より低くなる場合がある。
カテゴリ1の供試品のエンクロージャは,試験槽内に設置するときに真空ポンプに連結され,供試品内
部の気圧を大気圧より低く維持する。このために供試品のエンクロージャには適切な孔が必要である。供

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試品の壁に凝縮水用のドレイン孔が既にあるものは,この孔に真空ポンプからのパイプを連結する。この
場合は試験用に別な孔をあける必要はない。供試品の壁にドレインの孔が一つ以上ある場合は,どれか一
つにつなぎ,他の孔は試験中はふさいでおく。
差圧の値は,製品規格に規定しなければならない。
カテゴリ2 : このカテゴリの供試品の内部では,気圧が周囲の大気圧より低くなることはない。
このカテゴリの供試品のエンクロージャには,真空ポンプをつながない。
試験する電気・電子製品についてはすべて,そのカテゴリを製品規格に規定しなければならない。
製品規格によっては,試験中,供試品を回転取付板上に置くように規定する場合がある。そうすれば供
試品の側面への粉じんの影響はより均質化される。
6.3.4.3 試験方法Lc2用試験装置 この試験装置は,二つの部分から構成される。
― 空気の流れを発生させる機械(送風機)
― 注入システム
6.3.4.3.1 送風機 規定の風速を発生するために,二つの送風機が適している。
10 m/s以下の風速の場合は,可変速ファンが使われる。
それ以上の風速が必要な場合は,圧縮空気で動く送風機が適切である。この送風機は“コアンダ効果”
を利用したものである。
屋外で試験する場合,自然風が干渉するのを避けるため,送風機と供試品は適切な方法で囲わなければ
ならない。この措置によって,降雨が試験に影響を与えるのを防ぐことができる。
参考 コアンダ効果 : 流体(気体,液体)が壁の形に添って流れる効果
6.3.4.3.2注入システム 試験用粉じんは,空気流中に注入される。実用的な注入システムを図7に示す。
試験用粉じんは,目詰まりや凝集を防ぐように管理された乾燥状態の雰囲気中におく。粉じん又は砂は,
小さなバケットエレベータで傾斜のあるテーブルに運ばれ,加振器の振動によって排出装置に送られる。
注入システムは空気流を妨げないところに設置する。粉じん濃度の制御は,センサ(例えば,反射光測定)
で行う。
6.3.4.4 試験粉じん/砂 2種類の標準粉じんと1種類の標準砂が規定され使われる。しかし,製品仕様書
によっては,他の粉じんや砂が指定されることがある。試験用の粉じんと砂の詳細は6.1.4.1に記載する。
粒径分布を測定する方法は数種類ある。粉じんや砂のサンプルを光学的に分析するという方法がある。
6.3.5 試験の厳しさ 試験時間は,試験装置の電源を入れた時点から測る。試験時間は2,4,8,24時間
から選ぶか,製品規格の指示による。
6.3.5.1 試験方法Lc1 試験方法Lc1の厳しさは,試験時間と試験槽内の風速に比例する。
6.3.5.2 試験方法Lc2 試験方法Lc2の厳しさは,試験時間と供試品周囲の風速に比例する。
6.3.6 試験の再現性 粉じん吹き付け試験の再現性は,次の諸因子に依存する。
a) 温度
b) 相対湿度
c) 粉じん濃度
d) 粉じんの均一性
e) 粉じんの性状
f) 試験時間
方法Lc1の場合,試験温度は規定値内に容易に制御できるが,方法Lc2を屋外で実施する場合は,かな
り困難であり不可能に近い。

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