JIS C 60068-2-75:2019 環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh) | ページ 2

                                                                                              3
C 60068-2-75 : 2019 (IEC 60068-2-75 : 2014)
注記1 規格の中に振り子ハンマ試験を規定した幾つかのIEC規格[IEC 60238(JIS C 8280)などの
製品規格]において,用語“チェッキング点”が用いられてきたが,IEC 60068-2規格群の
この規格以外の規格(例えば,JIS C 60068-2-6のような環境試験方法規格)における“チェ
ック点”との混乱を避けるために“チェッキング点”はこの規格では用いない。
なお,JIS C 60068-2-6の測定点とは異なるので注意する必要がある。
注記2 論理的には打撃部分の重心を測定点にすることが望ましいが,実際には,重心を決定する又
は得ることは困難で難しい。したがって,測定点は,上記のように定義する。
3.5
落下高さ(height of fall)
振り子が解放される位置と衝突時の振り子の衝突点の位置との間の垂直距離(図D.1参照)。

4 ハンマ試験の共通規定

4.1 厳しさ

4.1.1  一般事項
厳しさは,4.1.2から選択した衝突エネルギー値及び4.1.3による衝突数によって規定する。
4.1.2 衝突エネルギー値
衝突エネルギー値(J)は,次の値から選択した製品規格に規定された値とする。
0.14,0.2,(0.3),0.35,(0.4),0.5,0.7,1,2,5,10,20,50
注記 括弧書きの値は,推奨するものではないが過去のデータとの照合のために使用してもよい。
4.1.3 衝突数
製品規格に規定がなければ,衝突回数は1か所について3回とする。

4.2 試験装置

4.2.1  一般
次の3種類の試験装置をこの試験を行うために用いる。
− 振り子ハンマ
− スプリングハンマ
− 垂直ハンマ
試験装置の種類は,試験Eha,試験Ehb及び試験Ehcに対応する箇条5,箇条6及び箇条7に規定する。
図1に概略図を示す打撃要素の等価質量は,通常,3種類の試験とも全て同じで,表1による。
寸法は,ミリメートル単位とする。寸法許容差は,製品規格に規定がない場合,JIS B 0405の中級(m)
とする。

――――― [JIS C 60068-2-75 pdf 6] ―――――

4
C 60068-2-75 : 2019 (IEC 60068-2-75 : 2014)
表1−打撃部分の等価質量
エネルギー値 1以下 2 5 10 20 50
J ±10 % ±5 % ±5 % ±5 % ±5 % ±5 %
等価質量 0.25(0.2) 0.5 1.7 5 5 10
kg ±2 % ±2 % ±2 % ±2 % ±2 % ±2 %
材料 ポリアミドa) 鋼b)
R mm 10 25 25 50 50 50
D mm 18.5(20) 35 60 80 100 125
f mm 6.2(10) 7 10 20 20 25
r mm − − 6 − 10 17
l mm 附属書Aによって等価質量に合致するよう調整する。
注記 1 J以下のエネルギー値に対する打撃要素の等価質量及び直径の括弧書きの値は,IEC 60068-2-75:1997の
Ef(振り子ハンマー)の値である。Eg(スプリングハンマー)に対する値も示している。これらの値は推
奨しないが,過去のデータとの比較のために利用されている。
注a) 85≦HRR≦100,JIS K 7202-2によるロックウェル硬度
b) SO 1052によるFe 490-2でロックウェル硬度は,ISO 6508によるHRE(硬さ記号)の8085である。
打撃要素の軸
図1−打撃要素の概略図
ハンマの打撃面は,試験の結果に悪影響を及ぼす損傷がないことを確認するため,各衝突の前に目視検
査を実施する。
4.2.2 取付け
供試品は,製品規格の規定に従って,次のいずれかの方法で取り付ける。
a) 剛性の高い平面支持装置に製品規格記載の方法で取り付ける,又は
b) 剛性の高い平面支持装置に当てて置く。
供試品を確実に支持するには,試験の際,例えば,確実に固着したポリアミドのシートで覆ったれんが
(煉瓦)又はコンクリート製の壁,床などの硬い平面の支持装置に,供試品を置くことが必要なこともあ
る。
シートと支持装置との間に目に見える空間がないように注意する。シートは,JIS K 7202-2に従って85
≦HRR≦100のロックウェル硬度,約8 mmの厚さ及び不十分な支持面積のために機械的な過大応力を受
ける供試品の部分がないような表面積がなければならない。
供試品に対する場合と同じエネルギーレベルの衝突を直接加えた場合,平面支持装置の衝突面の変位が
0.1 mmを超えなければ,取付け配置は十分な剛性があるとみなす。
注記1 1 J以下の衝突エネルギーを受ける供試品の取付具及び支持装置の幾つかの例を図D.3図
D.5に示す。
注記2 取付具の質量が供試品の質量の少なくとも20倍である場合,取付けの剛性は十分であると考
えられる。

――――― [JIS C 60068-2-75 pdf 7] ―――――

                                                                                              5
C 60068-2-75 : 2019 (IEC 60068-2-75 : 2014)

4.3 前処理

  製品規格に前処理を規定してもよい。その場合には,前処理の条件を規定する。

4.4 初期測定

  製品規格の規定に従って,供試品の目視検査及び寸法検査を実施する。

4.5 試験

4.5.1  一般事項
二次衝突,すなわち,リバウンドによる衝突がないようにする。
4.5.2 姿勢及び衝突位置
製品規格では,実際に最も供試品の損傷を起こしやすい位置に衝突が加わるように,供試品の姿勢及び
位置を規定する。製品規格に規定がなければ,打撃は試験される面に垂直に加える。
4.5.3 供試品の準備
製品規格には,供試品が打撃を受ける前に供試品の底面,カバー及びこれと類似品の固定に対する要求
事項を規定する。
注記 機能検査に対する要求事項について,考慮が必要な場合がある[4.5.4 b)参照]。
4.5.4 動作及び機能検査
製品規格には,次の事項を規定する。
a) 供試品は,衝突中に動作させる必要があるかどうか。
b) 供試品は,衝突中に機能検査する必要があるかどうか。
いずれの場合も,製品規格には,供試品の合否判定基準を規定する。
注記 供試品が破損した場合,内部部品が危険になるおそれに対する注意を払う。

4.6 後処理

  製品規格で後処理を要求する場合,その条件を規定する。

4.7 最終測定

  製品規格の規定に従って,供試品の目視検査,寸法検査及び機能検査を実施する。
製品規格には,供試品の合否判定基準を規定する。

4.8 製品規格に規定する事項

  この規格の試験方法の一つが製品規格に含まれている場合,適用可能な限り,次の事項を規定する。
なお,特にアスタリスク(*)付の事項は常に必要である。
a) 衝突エネルギー* 4.1.2
b) 1か所について3回以外の場合は,衝突数 4.1.3
c) 使用する試験装置の種類 4.2.1
d) 取付方法* 4.2.2
注記 対応国際規格は4.4.2となっているが,明らかなミスなので,4.2.2と修正した。
e) 前処理 4.3
f) 初期測定* 4.4
g) 姿勢及び衝突位置* 4.5.2
h) 底面,カバー及びこれらと類似品の固定 4.5.3
i) 動作及び機能検査* 4.5.4
j) 合否判定基準* 4.5.4及び4.7
k) 後処理条件 4.6

――――― [JIS C 60068-2-75 pdf 8] ―――――

6
C 60068-2-75 : 2019 (IEC 60068-2-75 : 2014)
l) 最終測定* 4.7

5 試験Eha : 振り子ハンマ

5.1 試験装置

5.1.1  一般事項
試験装置は,基本的に,上端を回転の中心とし,垂直面内で回転する振り子で成り立つ。振り子の回転
軸は,測定点の上方1 000 mmにある。振り子は,基本的に剛体の腕及び表1に規定する要求事項に適合
する打撃要素で構成する(測定点については図2参照)。
重い,大きい又は取扱いが困難な供試品の試験に対しては,携帯式の振り子を用いてもよい。この場合,
上記の規定に適合しなければならないが,振り子の回転軸は直接供試品又は可動式の構造物に固定しても
よい。この場合,試験前に振り子の回転軸が水平であり,それが確実に固定され,そして,衝突点が打撃
要素の軸を通る垂直面にあることを確認しなければならない。
全ての場合,振り子が解放されるときに重力の影響以外を受けずに落下できなければならない。
5.1.2 1 J以下の厳しさ用試験装置
打撃要素は,半球面をもつポリアミドのインサートの付いた鋼体から成り立つ。打撃要素の結合質量は,
その等価質量が表1に適合する200 g(150 g)±1 gとする。附属書Dに試験装置の例を示す。
5.1.3 2 J以上の厳しさ用試験装置
打撃要素の結合質量に対する腕の質量の比は,0.2以下でなければならず,打撃要素の重心は,可能な限
り腕の軸に接近していなければならない。
特殊な適用として,振り子の腕にはひも(紐)が用いられ,打撃要素には鋼球が用いられる。これは,
この規格に規定した打撃要素の形状に適合しないので推奨しない。

5.2 落下高さ

  必要な厳しさの衝突を発生させるために,打撃要素は,表2の振り子の等価質量に見合った高さから解
放する。
表2−落下高さ
エネルギ 0.14 0.2 (0.3) 0.35 (0.4) 0.5 0.7 1 2 5 10 20 50
ー値
J
等価質量 0.25 (0.2) 0.25 (0.2) 0.25 (0.2) (0.2)0.25 0.25 0.25 0.5 1.7 5 5 10
kg
落下高さ 56 (100) 80 (150) 140 (200) (250) 200 280 400 400 300 200 400 500
mm
±1 %
注記1 括弧書きの値は推奨しないが,過去の試験との整合性のために記載している。
注記2 この規格は,エネルギー(単位 : J)は,最も近い整数,すなわち,10 m/s2に丸めた重力による自然落下の
標準加速度(gn)を使って計算している。

5.3 試験

  リバウンドによる二次衝突を避けるため,最初の衝突後に,打撃要素をつかんでハンマを保持する。腕
は,変形のおそれがあるため,保持しないように注意する。

――――― [JIS C 60068-2-75 pdf 9] ―――――

                                                                                              7
C 60068-2-75 : 2019 (IEC 60068-2-75 : 2014)
垂直軸
測定点
測定点
打撃要素の軸
図2−測定点の求め方

6 試験 Ehb : スプリングハンマ

6.1 試験装置

  スプリングハンマ試験装置は,三つの主要部分,本体,打撃要素及びその解放機構で構成する。
本体は,きょう(筐)体,打撃要素のガイド,リリース機構及びそれらを堅固に取り付けた部分から構
成する。
打撃要素は,ハンマヘッド,ハンマシャフト及びコッキングノブで構成する。打撃要素の質量は,1 J
以下の打撃強さ(エネルギー値)に対しては250 g(200 g),2 Jに対しては500 gとする(許容差について
は,表1による。)。
打撃要素を解放する力は,10 Nを超えてはならない。
ハンマシャフト,ハンマヘッド及びハンマスプリングの調整手段は,ハンマヘッドの先端が衝突面に到
達する前およそ1 mmでハンマスプリングの貯蔵エネルギーが全て解放されるように配置する。衝突直前
の最終行程1 mmの間は,摩擦は別として,打撃要素は運動エネルギーだけで貯蔵エネルギーをもたない
で自由に運動する質量として作用するようになる。さらに,打撃要素は,ハンマヘッドの先端が衝突面を
通過した後8 mmから12 mmの間で,妨害なく自由に動くようになる。附属書Eに試験装置の例を示す。
表1に適合させるために,2 Jに対するリリースヘッドの形状は,直径35 mm,長さ23 mmの円筒形と
する(図3参照)。

――――― [JIS C 60068-2-75 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS C 60068-2-75:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60068-2-75:2014(IDT)

JIS C 60068-2-75:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 60068-2-75:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称