JIS C 60068-3-13:2018 環境試験方法―電気・電子―第3-13部:支援文書及び指針―はんだ付け | ページ 2

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C 60068-3-13 : 2018 (IEC 60068-3-13 : 2016)
注記 3.1.3参照

3.2 略語

  この規格で用いる主な略語は,次による。
略語 英文 日本語
SMD Surface Mount Device 表面実装部品
SMT Surface Mount Technology 表面実装技術
THD Through Hole Device スルーホールデバイス
THT Through Hole mount Technology スルーホール実装技術
THR Through Hole reflow Soldering スルーホールリフローはんだ付け

4 概要

4.1 はんだ接合の形成及び信頼性に影響する要因(はんだ付け能力)

  製造のしやすさ及びはんだ接合部の信頼性は,次の三つの要因に分類することができる。
a) 接合する二つの金属部分(それらの形状,大きさ,組成など)の選定及び実装方法(相対位置,初期
固定方法など)によって決定する接合設計。
b) 接合する表面のぬれ性
c) はんだ付け実施条件(温度,時間,フラックス,はんだ合金,装置など)。
a)及びc)の要因の選定は,関係する機器製造業者又は実装業者が条件及び量変動の限界を熟知していな
ければならない。b)の要因は,機器製造業者での異常な取扱い又は保管条件が適切でない場合を除いて,
部品製造業者に責任がある。接合する表面のぬれ性は,機器製造業者(又は実装業者)がそのぬれ性に適
したa)及びc)の要因を選定できるように,必要な精度をもって定義しなければならない。一方,表面品質
の良好な部品であっても,接合設計又は接合条件のかし(瑕疵)によって生じる接合不良を必ずしも防ぐ
ことはできない。
部品製造業者と機器製造業者(又は実装業者)との間の複雑で重複した責任分担問題が頻繁に発生して,
部品の端子部のぬれ性又は一般的な部品のはんだ付け性をさらに詳細に定義する必要が生じている。

4.2 表面ぬれの物理特性

  基板表面の銅と溶融はんだとがぬれるために,はんだ中のすずが基板表面の銅と反応して合金を形成し
なければならない。合金を形成するためには,すずと基板表面の銅とが分子接触しなければならない。分
子接触するためには,溶融はんだ及び基板の表面の両方が,非汚染状態でなければならない。
基板表面の銅上にどのようにして溶融はんだが広がるか,及び何がはんだ付け性を決めるか,をよりよ
く理解するためには,はんだの表面張力特性を理解する必要がある。
遮るものがない箇所での,自由な溶融はんだの小滴は,自由な水滴が球形になるように小球形を形成す
る。小滴は,溶融はんだの表面張力によって,この形状に保たれている。小滴の内部では,原子が均一に
他の原子に囲まれ,それらに作用する力は,熱運動を無視してゼロである。溶融はんだ表面では,表面原
子が小滴内部へ作用する力だけが存在するため,原子間引力の不均衡がある。
完全なシステムでは,最小の表面積対体積比を意味する,最小自由エネルギーの形状になるようにして
いる。この状態は,溶融はんだが球体を形成したときに達成する。表面張力の強さは,溶融はんだ内の原
子間結合エネルギーによって決定する。
球形の溶融はんだを,加熱した酸化銅プレートの上に置かれた場合,その形状は,重力によって押し下
げられ,図1に示すようになる。

――――― [JIS C 60068-3-13 pdf 6] ―――――

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C 60068-3-13 : 2018 (IEC 60068-3-13 : 2016)
溶融はんだ
酸化物層
図1−酸化銅上の溶融はんだの液滴
酸化銅の上の溶融はんだの液滴に,適切なフラックスを添加した場合,銅及び溶融はんだから酸化物層
が取り除かれ,はんだ中のすずと銅とが反応して金属間化合物層を形成することで,図2に示すようには
んだが広がる。
溶融はんだ
拡散層
図2−清浄銅上の溶融はんだ(フラックス含有)の液滴
溶融はんだが広がった最終形状は,接触面に作用する表面張力に依存する。固体と固液界面との間にも
表面張力が発生し最小自由エネルギーを達成するため,表面積を最小にする。その結果,進行する溶融は
んだ端での作用する力がゼロになる場所で平衡する。
図3は,溶融はんだ端での力を示している。空気中の固体銅(以下,銅という。)の表面張力(γSA)は,
空気と溶融はんだとの間の表面張力(γLA),及び溶融はんだと銅との間の表面張力(γLS)によって釣り合
っている。

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C 60068-3-13 : 2018 (IEC 60068-3-13 : 2016)
γLA
γSA γLS
図3−溶融はんだの液滴と表面張力との平衡力
進行する溶融はんだ端での加わる力は,式(1)のように示すことができる。
γ SA γ LA cos
γ LS (1)
ここに, γSA : 空気と銅との間の表面張力
γLS : 溶融はんだと銅との間の表面張力
γLA : 溶融はんだと空気との間の表面張力
この方程式は,ヤングの方程式として知られている。この接触角θは,得られた拡散の度合いの尺度と
して用いることができる。接触角度が小さいほど拡散が大きく,よりよいぬれが得られる。
溶融はんだ内部の密着力が,溶融はんだと銅との間の接着力よりも大きい場合,その溶融はんだは,非
拡散の液滴のままであり,その時の接触角は90°よりも大きくなる。接着力が密着力を超える場合,エネ
ルギー的に溶融はんだが銅と反応することに対して有利となり,溶融はんだがより外側に拡散して接触角
が90°よりも小さくなる。
表面張力を減少させる酸化物,硫化物,塩化物,炭化水素及びその他の表面の汚染物質がない状態の場
合,空気と銅との間の表面張力(γSA)は高くなる。
溶融はんだと銅との間の表面張力(γLS)が低くなるには,すずと基板表面の銅との間に金属間結合を形
成しなければならない。
溶融はんだと空気又はフラックス膜との間の表面張力は,部品をはんだ付けするために用いた,はんだ
合金,はんだ付け温度及びフラックスに依存する。はんだ合金の表面張力は,はんだ中の不純物によって
著しく影響を受ける。極めて低いレベルの不純物でも,表面張力に大きな影響をもたらす。溶融はんだの
表面張力は,はんだ全体の組成ではなく,はんだの表面の組成だけで決定される。低い表面エネルギーを
もつ不純物は,溶融はんだの表面に急速に分離し,表面張力(γLA)を低減する。
はんだ合金中の不純物及び合金の組成の変更は,溶融はんだと銅との間の表面張力(γLS)に影響し,金
属間化合物組成を変化させ,更に銅と空気との間の表面張力(γSA)に影響し,溶融はんだの前線の先の銅
上の拡散工程にわたって影響する。
はんだ合金添加物又は不純物は,溶融はんだの粘度を変化させ,はんだ合金の拡散及びぬれ特性にも影
響する可能性がある。

4.3 はんだ接合部の品質及び信頼性

  はんだ接合部の品質は,ぬれ領域,ぬれ角度,微細構造及び詳細な外観判定基準で表現される。
電子部品の実装の信頼性に影響する要因の一つは,はんだ接合部が固化する温度条件に依存するはんだ
接合部の微細構造である。はんだ全体の微細構造及びはんだと部品の端子部との間の接合部の金属間化合

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C 60068-3-13 : 2018 (IEC 60068-3-13 : 2016)
物層の構造の両方を考慮することが望ましい。
JIS C 62137-3は,上記の四つの要因を考慮した,はんだ接合部の環境的及び接合耐久性試験方法の選定
ガイダンスを示す。

5 部品のはんだ付け工程

5.1 概要

5.1.1  部品のはんだ付け適応性
はんだ付け工程条件の多様化によって,従来のように部品の対応を“フローはんだ付け”・“リフローは
んだ付け”とか“鉛フリーはんだ付け”のように単純に分類することができなくなっている,特に,鉛フ
リーはんだ付け対応については,様々な鉛フリーはんだ合金及び工程条件があるため,その部品の対応を
明言することができなくなっていることに注意が必要である。代表的なはんだ付け工程及びその工程条件
は,IEC 61760-1に記載がある。
部品が,特定のはんだ付け工程に適用するためには,次の要求事項を満足しなければならない。
a) 部品の端子部の材質及び表面が,そのはんだ合金及びはんだ付け方法ではんだ付けされることに適し
ている。
b) 用いるはんだ合金の液相線よりも適切に高い温度でぬれが発生するのに必要な時間に到達し維持する
ことができる,十分に小さな熱的特性(熱容量)とする。
c) はんだ付け間隔(はんだこてによる手直し及び可能性のある修理を含む。)に関連した熱ストレスに対
して,短期又は長期の変化に耐える。
d) フラックス残さの洗浄作業に関連する機械的及び化学的ストレスに対して,短期又は長期の損傷に耐
える。この規格では,洗浄の影響についての考察をしていない。
したがって,潤滑した機械部品(例えば,スイッチ),封止していない汚染に対して敏感(例えば,リレ
ー,ポテンショメータなど),又は耐熱性が低いプラスチック材料(例えば,熱可塑性誘電体を含む特定の
コンデンサ)を含む,特定の部品は,大量のはんだ付け作業のために慎重に選定しなければならない。そ
の工程に付随する一つ以上のストレスに耐えることができないからである。
これらの理由から,工業用はんだ付けの全体の適合性に言及する部品の加工性(はんだ付け適応性)と
端子部のはんだで覆われやすさだけに注意した端子部のぬれ性との違いを明確に区別しなければならない。
これらの概念は,残念ながら多くの場合,日常言語で混同されているため円滑な生産の妨げになることが
ある。
さらに,指定する一般条件下でのはんだ付け(5.1.25.5参照)が不適切な部品は,その端子部をプリン
ト配線板又はその他の支持体に,はんだ付けできないことを意味するものではない。例えば,温度に敏感
な絶縁物がある場合,又は幾つかの若しくは全ての溶剤に不適合性をもつ場合のように,それを満足でき
ない状態に応じて特別な予防措置をとる必要があることだけを示す。端子部のぬれ性の不具合だけが,部
品をはんだ付け実装で用いることができない理由となる。端子部のぬれ性が最も重要であるが,その他の
品質も考慮する。
この規格で示す標準化試験は,この条件の組合せの効果の一部をシミュレートするようになっている。
電気的及び機械的な測定と併せて,これらの試験群を適切に選定することによって“この部品は,電子
部品で通常用いる工法ではんだ付け可能か”という質問に答えることができる。これは,機器製造業者(又
は実装業者)がはんだ付け工程(工場の生産の工程)で部品を載せる前に考慮しなければならない質問の
一つである。

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C 60068-3-13 : 2018 (IEC 60068-3-13 : 2016)
標準化したそれぞれの試験の原理及び得られる情報については,箇条7に記載している。
このようにして部品の製品規格の作成者は,理由を熟知した上で,はんだ付け中の部品の挙動をはっき
りさせるのに必要な試験の回数及び種類を選定することができる。その上,要求事項は,機器製造業者(又
は実装業者)の全ての製造方法での一般要求事項に基づいていなければならない。
同様に,試験実施者は示された情報の程度を理解しやすくなる。
5.1.2 はんだ付け工程
図4に,種類別に分類した代表的なはんだ付け工程を示す。
フローはんだ付け リフローはんだ付け 特別なはんだ付け工程
ウェーブ 対流 Soldering ironはんだこて
(ダブル・シングル) (赤外線補助 有又は無)
Hot air 高温空気
選択
(ミニウェーブ・はんだポット・ 気相 ホットプレート
浸せきはんだ付け)
誘導又はマイクロ波
Induction / microwave soldering
はんだ付け
レーザー
Hot bar ホットバー
図4−代表的なはんだ付け工程
5.1.3 はんだ付け欠陥
JIS C 61191規格群及びIEC 61192シリーズは,電気及び電子機器のはんだ付け実装の要求事項,並びに
関連するでき栄え基準の情報を提供する。
はんだ付け欠陥は,次による。
− ぬれなし及びはんだはじき
− ツームストーン(チップ立ち)
− シフティング
− ウィッキング(基板の繊維に沿って毛管現象で液体が吸い込まれること)
− ブリッジ
5.1.4 はんだ付け結果に影響する幾何学的要因
はんだ付け結果に影響することがある幾何学的要因は,次による。
− ラウンドパターン設計
− 部品形状
− 部品の電極部形状
− 挿入穴の直径

――――― [JIS C 60068-3-13 pdf 10] ―――――

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JIS C 60068-3-13:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60068-3-13:2016(IDT)

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