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C 60068-3-4 : 2004 (IEC 60068-3-4 : 2001)
ない。水蒸気の浸透速度が温度の上昇とともに速くなると,二つの温度レベルの実効平均値が試験Cにお
ける試験温度より低い場合,試験Dbでは水分吸収は,より遅く進行することになる。
5.2 加速係数
高温高湿試験に対して,一般的に妥当性のある加速係数を与えることは不可能である。
もし,加速係数を知ろうとしても,個々の特定製品ごとに経験から決定できるにすぎない。
比較試験の場合,個々の製品に対する故障メカニズムが変わらなければ,加速性を強めることは有効で
あり,容認できる。
6. 定常試験及びサイクル試験の比較
6.1 試験C : 高温高湿(定常)試験
この定常試験は,主要部に対して水蒸気吸着,水分吸収又は水分
拡散が作用するところで使用することが望ましい。呼吸作用の伴わない水分拡散のときは,定常試験又は
サイクル試験のいずれによるか,供試品及びその適用の形式によって決めるのがよい。
多くの場合,試験Cabは,誘電体の要求される電気的特性が,湿気のある雰囲気の中で維持されるか,
又は絶縁密封が十分に保護保証できるか決定するために適用する。
供試品によっては,定常試験によって生じるストレスとサイクル試験によって生じるストレスが同程度
のものとなるものがある。このような場合には,試験時間の制約によって適切な試験を選択すればよい。
6.2 試験Db : 高温高湿(サイクル)試験
高温高湿(サイクル)試験が適切である場合は,試験Dbは
あらゆるタイプの供試品に用いることができる。サイクル試験は,結露の影響又は呼吸作用による水蒸気
の浸入及び蓄積の影響が重要であるすべての場合に適用することが望ましい。
方法1は,呼吸作用による水蒸気の水分吸収の影響又は浸透及び蓄積の効果が重要である場合に適して
いる。
方法2は,複雑な試験装置が必要でなく,これらの影響効果があまり重要でない場合に使用する。
試験Q : 封止試験は,呼吸作用によって漏れ箇所を速やかに検出することができるが,湿度サイクル試
験の影響を再現することはできない。
6.3 一連試験及び組合せ試験
一連試験又は組合せ試験の必要な例としては,1回又はそれ以上の温度サ
イクル試験と湿度を組み合わせた試験は通常必要としない。
試験N : 温度変化試験が,試験C又は試験Dbに従って,適切に使用される場合,要求される結果は厳
正に求められる。耐湿性試験が,試験 : A低温(耐寒性)試験に続き直ちに行われるならば,その効果は
より高められる。試験Nの大きな温度差は,温度変化の割合がやや遅い試験Dbよりも非常に大きいスト
レスを発生させる。
幾つかの高温高湿サイクル及び冷却サイクルからなる組合せ試験は,供試品が異なる材料及び結合部を
もつもので構成され,特にガラス結合部をもつ場合の試験として推奨される。このような試験は,試験Z/AD
に規定され,一定の時間内のより多くの湿度変動,より高い上限温度,及び0℃以下の温度への数々の逸
脱条件の追加からもたらされた効果があるという点で,他の高温高湿サイクル試験と異なる。加速した呼
吸作用及び割れ目又は裂け目に閉じ込められた水の氷結の効果は,組合せ試験の本質的な効果である。
湿度サイクルの間に冷却サイクルを導入することは,何らかの欠陥部に残留している可能性のある水を
氷結させ,氷結による膨張でその欠陥部を通常の寿命の間に起こるより早く故障に至らしめることを意図
したものである。
しかし,氷結の効果は,裂け目の大きさが凝集した水の固まりの浸透が十分に考えられる場合にだけ生
じるのであり,通常はシール及び金属組立て又はシール及びワイヤ配線電極の間の裂け目のような場合に
限られることを強調しておく。
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例えば,プラスチック封止における小さい細線上の割れ目又は多孔性材料に対しては吸収効果が優勢と
なる。定常の高温高湿試験は,これらの影響を調査するのに適している。
7. 供試品に対する試験環境の影響
7.1 物理的特性の変化
材料の機械的及び光学的特性は,湿った大気中で変化する可能性がある。例え
ば,素材の膨張,摩擦係数のような表面特性の変化,強度の変化などである。
そのような特性の変化を確立することは,それは適用する試験によって変わる。つまり,定常試験又は
サイクル試験のどちらが適正か,そして結露が必要であるかどうかに依存する。
7.2 電気的特性の変化
7.2.1 表面湿気の場合 絶縁材料の表面が,結露又はある程度の湿気吸収によって影響を受けた場合,表
面抵抗値の減少,交流におけるキャパシタンス/インダクタンスの場合は損失角の増加のような,幾つか
の電気的特性が変化する可能性がある。
一般に,試験Dbはそのような場合に適用する。もし,結露を考慮しない場合は,試験Cabをその代わ
りに使うことができる。
ある場合には,供試品はスイッチオンさせること,実負荷の状態となること,又は試験中の測定が要求
される。
一般に,表面の湿気による電気的特性の劣化は,数分後に現れる。
7.2.2 浸透した湿気による場合 絶縁材料に吸収された湿気は,電気的耐性の減少,絶縁抵抗の減少,損
失角の増加,静電容量の増加のような電気的特性の変化を引き起こす。
水分吸収及び水分拡散のプロセスは,長期間にわたって発生し,均衡状態の到達には数百又は数千時間
もかかるので,それに応じて長期の試験時間を選択するのが望ましい。
時間依存性が分かっている場合に限って,試験結果の推定が可能である。
一例を挙げれば,試験Cabによる56日間の暴露試験後,十分であるように見えるプラスチック封止で
も,水分吸収/高湿気による水分拡散のため,長い期間にわたって劣化する可能性がある。
例えば,半導体のパッシベーション膜,乾燥剤の同封等によって,封止体内の機能部分が湿度に対して
更に保護されているとき,浸透した湿気による影響の評価が問題となるかもしれない。
7.3 腐食
十分な量の湿気があるときに腐食が起こる。温度又は湿度の増加に伴って腐食の影響は加速
され,頻繁な結露と再蒸発が存在するとき,腐食による著しい劣化が起こる。
高温高湿試験は,腐食の影響の決定には使わないほうがよい。異質の物質,例えば,フラックスの残余,
製造プロセスにおける他の残余,汚れ,指紋などが金属の表面にたい積したとき,それらは湿気の存在下
で,腐食を引き起こすか,又は促進する可能性がある。
異種の金属間,又は金属及び非金属材料間の結合部分は,結露又は高相対湿度状態が存在すると腐食の
発生源となる。
これは,バイアス電圧の印加によって,促進できる(試験Cx及び試験Cy参照)。
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附属書A(参考)湿度の影響のダイアグラム
この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
A.1 概要 次の図A.1は,湿度試験にかかわる物理的プロセス,及びその過程間の関連,材料又は試験片
の構造的特徴,附属書並びに試験の効果を示すものである。
次に挙げた種々の試験パラメータに対応する記号は,図の種々の“四角の枠”に挿入されている。
時間(全試験期間) t
温度 θ
温度差 Δθ
温度変化率 dθ/dt
相対湿度 RH
相対湿度の差 Δ(RH)
絶対湿度 AH
試験雰囲気中に存在する不純物質の割合 Pu
A.2 解説
A.2.1 水の浸入 材料中への浸透のメカニズム及びエンクロージャにおける漏れを通して発生するメカニ
ズムの違いを,次に示す :
a) 材料においては,浸透は“バルク拡散”,すなわち固体中に存在する分子欠陥を通じた単一水分子の移
動が原因となって起こる。このメカニズムが“吸収”という現象をもたらす。バルク拡散は,水分子
を保護材料(例えば,プラスチック製の封止体に埋め込まれたフィルム形抵抗器の抵抗性フィルム)
によって覆われた装置の感応しやすい部分に到達させてしまう。同じ過程によって,水分子はエンク
ロージャの内部の空洞部に到達できる。
b) リーク部の浸透は,通気孔,エンクロージャの中,又はそれに沿って生じる,若しくは封止物を通過
して生じる,水の浸入又は水蒸気の移動に起因する。三つの主要なメカニズムは,次のとおりである。
拡散 : 水分子の移動は,巨視的な空気の流れと関係ない,リーク部中の濃度こう配に起因する。
流れ : 水分子は,空気流を伴うリーク部を通して導かれる。
呼吸作用 : この規格では,呼吸作用は,水蒸気がリーク部に沿った全圧力又は分圧の圧力差の揺動
(例えば,温度の揺らぎに起因する。)によってリーク部に沿って流れるときのことであると考えられ
る。
備考 リーク部を通しての浸透のメカニズム間の区分は,幾分独断的である。事実,拡散及び流れの
間に連続的な移行があり,流れは,呼吸作用の結果でもある。
A.2.2 物理的プロセス 5.参照
A.2.3 影響 7.参照
A.2.4 影響の例 次に示すダイアグラムリストの最終行は,これらの影響の代表的な例を挙げたものであ
る。これらの引用例は,必ずしも物理的プロセスに起因するものだけとは限らない。
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この最終段の“四角の枠”は,種々の影響間の相互作用が起こる可能性があるので,完全に別個のもの
と考えないほうがよい。
このことは,左から4番目の枠に示されている。すなわち,諸材料及び水分間の化学反応が体積抵抗率
の変化,損失角などを変化させる可能性を示している。また,これはより明確な相互作用の一つではある
が,その他にも多くの相互作用が存在する。
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環境 湿度
暴露面上の水移 吸着 結露
動の作用 θ,RH,t Δθ,dθ/dt,RH
材料内を通した 小さな漏れ部 主な漏れ部を 呼吸作用
水移動の作用 バルク拡散 を通じる拡散 通じる流れ
θ,Δ(RH),t θ,Δ(RH),t 気流 気流,Δθ
水蓄積の可能性がある空洞に
おける湿度のミクロ環境
水浸透の結果 材料内への
吸収
θ,AH,t 封入された材料へのたい積
及び/又は浸透
図A.1 湿度試験に含まれる物理的プロセス
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